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天音花香の小説をUPするブログです。個人サイトの小説はこちらに移しました。現在二時創作と短編を中心に書いています。
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天音花香
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性別:
女性
職業:
主婦
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。一応文学部でです。ですが、大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、主婦になってから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。
もう一つのブログでは香水についてレビューをしております。
http://yaplog.jp/inka_rose/
こんな私ですが、宜しくお願いします。





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こんにちは、天音です。


今日もべたな小説をお送りいたします。

おバカなキャラはあまり書いたことがなかったので楽しかったです。
生徒と先生は好きな組み合わせ。
お楽しみいただければ幸いです。


「視線」


         

ココから小説


                視線


 今日のみっちゃんは前髪が少しはねている。髭は今日はそってないみたい。相変わらず目が 大きいな。白衣の襟がちょっと曲がってる。直してあげたいな。
 あ、目があった。今日の授業では二回目。まだまだ時間があるし、5回以上は合わないと。あ、また目が合った。
「いいか、ここ重要だからな。しっかりノートに書き込んどけよ」
 みっちゃんの低い声、とても好き。なんだか安心する。
 黒板には興味ないの。わかんないことばかり書いてあるから。みっちゃんの教え方が悪いわけじゃないんだよ。友達はわかりやすいって言ってるもの。ただ私が理解できない頭の悪い子なわけ。 
 あ、また目が合った。これで三回目。あ、みっちゃん目をしかめた。もしかして、気づいた? もっとこっちを見て。
 見た! あ、ちょっと照れた風に目をそら したよ。
「村上」
 きゃ、名前呼ばれちゃった。
「村上!」
「はあい♡」
 私の声にみっちゃんは天を仰ぐしぐさをした。
「お前、さっきからシャーペンも出してないみたいだが、ちゃんとノートとっているのか?」
「とってません」
「さっきここは重要だといったよな」
「そうだったかもです」
「……」
 みっちゃんがふうとため息をつく。教室では笑いが起こる。化学がある日はいつもこんな感じ。
「……とにかく、ノートはとりなさい」
「……はあい」
 ノートなんてとってる暇なんかないのよね。みっちゃんの授業は毎日あるわけじゃないし、授業の50分なんて限られた時間なんだから、少し でもみっちゃんの新しいところを発見したいんだもん。ノートは友達にうつさせてもらえる。友達は私がみっちゃんらぶなこと知ってるから。っていうより、教室のみんな知ってる。みっちゃんも含めて。
 私はシャーペンをとりあえず握るだけ握ってみっちゃんの観察を続ける。
 目が合った。五回目だ! たぶんみっちゃんも意識してると思うのよね。これだけ目が合うんだから。もちろん私を生徒としかみていないのはわかってるんだけどね。でも好きになってしまったんだもの、諦められるわけなんかない。
 目が合った。あ、怒ってる。
「村上」
 みっちゃんが近づいてくる。そして、げんこつを私の頭に落とす。痛くないようにちゃんと加減はしてくれてるのよ。 私はみっちゃんの長い指が自分の頭に触れたということが嬉しくて仕方ない。私のシャンプーの香りがみっちゃんの指につけばいいのに。
 あ、チャイムが鳴っちゃった。もう終わりかあ……。もっとみっちゃんを見ていたいのになあ。
「村上。昼食の後、化学準備室に来なさい」
 え? 呼び出し? 嬉しいな。またみっちゃんに会えるんだ。
「はあい♡」
 目が合うと幸せ。
 名前を呼ばれるともっと幸せ。
 げんこつはさらに幸せ。
 呼び出しは最高に幸せ。


 明美ちゃんと静香ちゃんと昼食。
「花ちゃん、また呼び出しだよ~?」
「なんて顔してるの? 呼び出しくらってそんな顔するの花だけだ よ。
みっちゃんそんなにいいかな? 私にはわかんない」
「呼び出し、がんがん来いっ! 
みっちゃんの良さをみんながわかったら逆に困るよ。私、みっちゃんが好きなことは誰にも負けないと思うけど、それ以外はごくふつーな女子高生だから、ライバルは少ない方がいい」
 私の言葉にいつも通りあきれた顔をする二人。
「私はね、花ちゃんにもっと充実した高校生活を送って欲しいのよ」
「明美ちゃん、私、十分充実してるよ? 毎日」
「そうじゃなくてね、高校生同士なら付き合ったりできるでしょ? 先生は、無理だよ?」
 私はおかずを箸でとっては戻しをしながら明美ちゃんの言葉をきく。
「そんなのわかってるもん」
「まあまあ、花が充実してるって言うんだからいいんじゃない?」
 静香ちゃんがフォローをしてくれた。
「そうそう、私はみっちゃんと付き合えなくても楽しいよ? でもみっちゃんに彼女とかいたら、泣いちゃう」
「たぶんいないよ」
「たぶんいないと思う」
 二人の声が重なった。
「なんで? みっちゃんかなりいい男だよ?」
「花にはそう見えるだけで、よれよれの白衣きたおっさんだよ」
「そんなことないよ? まだみっちゃん27歳だもん!」
 私は声をあげる。
「花ちゃん。27歳っていったら、私たちより10歳も年上なんだよ? おじさんでしょ」
「そんなことない。みっちゃんは誰よりかっこいい」
 私は残りのご飯をパクパクと口に運ぶ。
「私、化学準備室に行ってくる」
 弁当を食べ終わりすくっと立ち上がった私に、
「花、歯磨き」
「そうだった」
 私は歯磨きをすぐに終わらせて、
「行ってくる!」
 と二人に言って走りだす。
「村上さん、廊下は走らない!」
 なんか先生が言ってる気がするけど、一分も惜しいんだもの。
「村上です」
 ガラっと大きな音を立てて、化学準備室のドアを開けた。
「おう」
 みっちゃんの低い声がした。
 みっちゃんはまだ弁当を食べていた。すかさずその弁当をチェックする。それはコンビニ弁当だった。よかったと胸をなでおろす。
「なんだ 、来てそうそう落ち着きのないやつだな」
「みっちゃん、コンビニ弁当なんか食べて、彼女いないんだね」
「……お前は~。
みっちゃんはやめなさいっていってるだろう。彼女は、彼女はな……今はいないだけだよ」
 あ、ちょっと凹んだみたい。
「私(の母)が作ってこようか?」
「村上じゃなくて、村上のお母さんが作るんだろ?」
「すごいね、みっちゃんエスパー?」
「村上に料理ができるとは思えない」
「みっちゃん結構ひどいことをあっさり言うね」
「だからみっちゃんはやめなさい」
 お弁当を手に言うみっちゃんがなんだかかわいらしくて、私は笑ってしまった。
「笑うところじゃないぞ?」
「 みっちゃん可愛い!」
「……先生に向かって可愛いはないだろう。まったくお前は……」
 みっちゃんは困ったように笑った。
「そうだ、呼び出ししたのに村上のペースにはまってしまった。
村上」
「はい?」
「授業中はちゃんとノートをとりなさい」
「ノートは友達に見せてもらうから大丈夫です」
「おい、大丈夫か大丈夫じゃないかじゃなくてだな……」
「はい?」
「授業中は授業に集中しなさいってことだ」
「集中してますよ~、みっちゃんに」
 みっちゃんの目が半眼になった。
「そこ、間違ってるぞ。俺にじゃなくて、授業に集中するように言ってるんだ」
「なんで?」
「なんで、だ って? いいか、学校は授業を受ける場所だ。学生は勉強が仕事なの」
「みっちゃんだって好きな人が前にいたら見たくなるでしょ?」
 みっちゃんの頬が少し赤くなったのを私は見逃さない。みっちゃんうぶだから。可愛いの。
「そういうことじゃなくてだな」
「私の言ってること間違ってる?」
「それは、間違ってはいないかもしれないが、授業は授業だ。
いいか、例えばだ、村上の友達に好きな人がいたとする。その友達は授業中好きな人ばかりを眺めていると思うか?」
「思います!」
 ガッツポーズで答える。
「いや、授業中は授業をちゃんと受けているだろう」
「そんなはずないじゃないですか。好きな人が教室にいたら 、ずっと見ていると思います」
 私は胸を張って言った。
「ああ……俺の例えが間違っていた」
 みっちゃんはふうと息をはいて、椅子の背もたれに背中をもたれた。
「いいか、先生も人間だ。四六時中見られると恥ずかしいと思うものだ」
 みっちゃんは私の顔を見ないでそう言った。
「みっちゃん、何度か目が合うと照れるもんね。そのあと怒るけど」
 みっちゃんが私の方を向いた。
「気が散って授業が思うようにできないと俺も困る」
 みっちゃんの言葉に、私はみっちゃんを見つめる。
「みっちゃん、困ってるの?」
「あ? ああ」
「本当に?」
「ま、まあ」
 私は考え込む。
「私は みっちゃんを好きだから、ずーっと見ていたいけど、大好きなみっちゃんが困るのも嫌」
「そ、そうか」
「じゃあ、授業の半分だけみっちゃんを見ることにする」
「は?」
「それならいい?」
 私は真剣に言った。
 真剣な私にみっちゃんは破顔した。
「なんで笑うの?」
「内緒」
「もう! 結局、授業の半分だけでいいの?」
 私はやきもきしながら言う。
「いや、もういいよ。村上の気持ちはわかったから。じゃあ、こうしよう。
化学で赤点をとらなかったら頭を一回なでてやる。だから化学も勉強してくれ」
「ほんと? なでてくれるの?」
「ああ」
 私はみっちゃんの手が私の頭をなで るのを妄想して、幸せな気持ちになった。
「それなら頑張る! でもみっちゃんのことも見つめる」
「ああ、頑張ってくれ。
じゃあ、戻っていいぞ」
「まだいてもいい?」
「それはダメ。はいはい、もうすぐお昼休みも終わる。次の授業の準備しておけ」
「はあーい」
 私がいやそうに返事をすると、みっちゃんは笑っていた。
「失礼しました~」
 またガラリとドアを閉めて化学準備室を出た私にはみっちゃんの呟きは聞こえなかった。
「いつまで俺のことを好きでいてくれるんだか」

 私は化学の勉強もするようになった。みっちゃんからなでてもらえるために。
 でも、相変わらずみっちゃんのことは見つめている。
 最近目が合うのが多くなった気がするんだ。今日はもう、五回目。みっちゃんの照れて視線をそらすところが可愛くて仕方ない。もうそろそろげんこつかな~。思わず微笑んだ私に、
「む~ら~か~み~」
 とみっちゃんの私をしかる声が聞こえてきた。
「はあい♡」


                                   
                                  了 
 
                       

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 今日はこのくらいで……。



 ここまで読んでくださりありがとうございました。
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 それではまた近いうちに!              


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