忍者ブログ
天音花香の小説をUPするブログです。個人サイトの小説はこちらに移しました。現在二時創作と短編を中心に書いています。
カレンダー
06 2017/07 08
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
リンク
フリーエリア
最新コメント
[06/26 カルティエ 結婚指輪 ラニエール]
[08/05 天音花香]
[08/05 藍]
[07/21 天音花香]
[07/15 藍]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
天音花香
HP:
性別:
女性
職業:
主婦
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。一応文学部でです。ですが、大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、主婦になってから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。
もう一つのブログでは香水についてレビューをしております。
http://yaplog.jp/inka_rose/
こんな私ですが、宜しくお願いします。





ランキングに参加しております。よろしければ下のバナーをクリックしてください!


にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村

ブログランキングのブログん家


ネット小説情報局


オンライン小説検索・小説の匣


文芸Webサーチ


カテゴリ別オンライン小説ランキング

オンライン小説/ネット小説検索・ランキング-HONなびtitle="オンライン小説/ネット小説検索・ランキング-HONなび"width="200"height="40"
border="0">



NEWVEL2


『小説家になろう』


『MEGURI-NET』


『NEWVEL』





別名で小説を出版しております。

クリックで救える命がある。
バーコード
ブログ内検索
P R
アクセス解析
フリーエリア
フリーエリア
[ 138 ] [ 139 ] [ 140 ] [ 141 ] [ 142 ] [ 143 ] [ 144 ] [ 145 ] [ 146 ] [ 147 ] [ 148 ]
こんにちは、天音です。

前回の「恋人ごっこ」の続きになります。
まだまだ続きますので温かい目で見守ってやってください。よろしくお願いします。




       恋人ごっこ2




ココから小説





「おい、お前」
 再び鞄をとりに教室へ戻る亜貴の後ろを男子がついてくる。亜貴は歩みをとめて男子の方を向いた。
「お前っていうのやめてくれない? あんたなんかにお前なんて言われたくない」
「お前も俺のことあんたって呼んでんじゃねーか」
 視線が交差する。百六十九センチの亜貴が若干見上げるような感じだ。樋口先輩はそれよりももう少しだけ高かったな、と思って亜貴はちょっとうるっとしそうになった。
「な、お前泣いてんのか?!」
 亜貴は慌ててふいと視線をそらした。再び歩き出す。
「別に! 泣いてなんかいないわよ」
「そんなにお前って言われるの嫌だったのか?」
「っ!」
 甚だしい勘違いに、思わずふいた。
「?? お前忙しい奴だな」
 なんだか急に馬鹿らしくなってきて、亜貴はもう一度男子の方を振り返った。
「お前じゃなくて、高城亜貴よ。あなたは?」
「樋口刻ひぐちこく。刻でいい」
「そう。え? 樋口?」
「ああ。樋口だけど、なんだよ?」
 つくづくいやな日だなと亜貴は思った。振られた日に偶然樋口先輩と同じ苗字の男子と付き合うことになるなんて。
「別になんでもない。私のことも亜貴でいい」
「おう。じゃあ、亜貴」
「何よ?」
「何年生だ?」
「二年。二年一組」
「ふーん、俺と同じ二年か。俺は二年四組」
「そう。じゃあ一応よろしく」
「ああ。それで?」
 刻の問いを測り兼ねて、亜貴は首をかしげる。
「何? それでって」
「だから、そのー」
「何よ?」
「付き合うって何するんだ?」
「……」
 言われて亜貴は絶句した。高校二年の男子とは思えない質問だ。だが、今まで付き合ったことのない亜貴もそう問われるとうまく答えられなかった。
「……」
「なんだよ?」
「そ、そうね。一緒に帰ったり、お弁当食べたり、勉強したりするんじゃない?」
「そ、そんな恥ずかしいことすんのか?」
なんだか言葉にすると恥ずかしくなってお互いうつむく。
「……」
「……」
 気まずい空気が流れた。
「嫌なら……」
「男に二言はない。勝負もあるしな」
「そう……」
「で、亜貴は今日これからどうするんだ?」
「私は今日はもう帰る」
 部室に行けば樋口先輩と顔を合わせるかもしれない。今日はとてもそんな気分にはなれなかった。
「ふーん」
「刻は部活か何か入ってるの?」
「俺? いちおー弓道部に入ってる」
「え? 刻が?」
「亜貴ってほんと失礼なやつだな」
「まあ、確かに姿勢はいいわね。
じゃあ、部活に行くんでしょ?」
「ああ」
「じゃあ、今日はこれでさよならね」
ちょっとほっとして亜貴は言った。
「見て行っても構わねーけど?」
「そうね、またの機会にそうさせてもらうわ」
「ふーん」
「じゃあ、弓道頑張って」
「お、おう。じゃーな」
 亜貴はひらひらと手を振ると教室に戻り鞄をとって、再び教室を出た。なんだか疲れていた。早く家に帰って一人になりたい。
 亜貴は家路を急いだ。





    知りたくなかった彼の情報





 樋口先輩の夢を見ていた。どんな夢だったのかは覚えていない。でも、目が覚めると泣いていた。意識がしっかりしてくると、昨日のことを思い出した。
(そうだった。私、昨日告白して振られたんだった。何か他にあったような気がするけど……。
 頭がぼんやりして思い出せない。まあ、大したことじゃないのだろう)
 亜貴は母の出してくれた朝ご飯を食べると、高校へ向かった。
 普段通り授業を受ける。
(振られたら世界が変わると思ってたけど、そうでもないんだなあ。私、とても悲しいのに、ちゃんと過ごせてる)
 午前中の授業が終わり、お弁当を手に、廊下に出た。いつもは部室で食べてるけど、今日はどうしよう。そうちょっと考え込んでいると、
「亜貴」
と背後から声をかけられた。男子の声だ。誰?
 振り返って、
「あ~!!」
と思わず声をあげてしまった。
(そうだった、私、この男と付き合うことになってしまったんだっけ!)
「うるせーやつだな」
「すっかり、刻のこと忘れてたわ」
「喧嘩売ってんのか?」
 刻は座った目で亜貴を見た。
「このぐらいで怒るなんて、ちっぽけな男ね」
「いちいち気に障る女だな」
「ところで、わざわざ喧嘩するために私を呼んだわけ?」
「そんなんじゃねーよ」
「じゃあ何?」
「め、飯」
「は?」
「飯、一緒に食わねーのかよ」
 目をそらし、バツの悪そうに刻は言った。
「ああ」
 そういうことか。早速「付き合う」というものを実行しようとしてるわけね。廊下にいる生徒の何人かが好奇の目でちらちらとこちらを見ている。
「別にいいけど。外かどこかにしない? 人が多いの苦手で」
「おう、俺もそっちの方がいい」
 二人は校舎をでて、校庭のわきにひっそりたたずむベンチに腰を下ろした。
「意外にまめなのね、刻って」
「まあ、勝負には勝たないといけないからな」
と言って、しまったという顔になった刻を見て、亜貴は苦笑した。案外悪い奴ではないのかもしれない。
「しっかし、一緒に飯食って、一緒に帰って? 何が楽しいんだ?」
「まあ、そうね。でも、好きな人となら楽しいんじゃない?」
「好きな人、ね。
そういや、亜貴は振られたんだったよな」
 触れられたくないことにいきなり触れられ、亜貴は一瞬言葉を失った。そんな亜貴を見て刻はまたしまったという顔をした。
「わ、悪ぃ。えっと……」
「別に、いいわよ。事実だし」
「やっぱり悲しいか?」
「……」
 刻の言葉に亜貴は半眼になった。
「あんた、人を馬鹿にしてるの? 悲しいに決まってるでしょ!?」
「そうか、そうだよな」
 刻はそう言って目を泳がせた。
「俺は、そういう気持ちわかんねーからよ」
「ふん、まだお子様なのね」
「はあ? お子様言うな!」
「お子様よ。刻が振ったあの女子も、今頃きっと悲しんでるでしょうね。そういうのがわからないんだから、お子様って言われても仕方ないじゃない?」
 まっすぐな目で亜貴に言われ、刻は何も返せなかった。
「……」
 黙り込んだ刻を横目で見て、亜貴は既視感に襲われ、首を傾げた。
「な、なんだよ?」
「何かな? 何か思い出しそうな気がしたんだけれど、気のせいかな」
「ふーん?」
 しばらく二人は黙って弁当を食べていた。お互い異性とお昼を食べるのなんて初めてだ。なんだか気まずかった。
 残ったおにぎりを食べようとして、亜貴は刻の弁当箱が空なのに気づいた。
「食べるの早いわね」
「おう。腹減るからな。朝練もあるし」
「えっと、ならこのおにぎりいる?」
 ちょっと考え、亜貴は遠慮がちにそう口にした。
「え? いいのか?」
 犬だったらピンと耳が立って、しっぽを振っているような刻に、亜貴は思わず噴き出す。
「な、なんだよ?」
「うううん、いいのいいの。じゃあ、あげる。このおにぎり」
 笑っている亜貴に刻は怪訝そうな顔をした。
「もしや、食い物で釣ろうとか思ってないだろうな?」
「思ってない思ってない」
「ふん、まあそれぐらいじゃ釣られねーけどな。もらえるならもらっとく」
 刻は亜貴の弁当箱からひょいとおにぎりをとって口に運んだ。その長い指に亜貴は樋口先輩を思い出した。
(先輩は綺麗な長い指をしていたな)
「な、なんだよ?」
「え? ああ、なんでもない」
「変な奴だな。やっぱりおにぎり食べたかったのか?」
「は? ああ、そんなんじゃないから大丈夫」
 意外と早くに食べ終わってしまい、二人はまた気まずい空気に包まれる。
「よくわかんねーな。一緒に飯食ったけど、亜貴はどうなんだよ?」
「どうって言われると困るけど。そうね、まあ、新鮮ではあるかもね」
 いつもは部室でその場にいる部員と食べながらおしゃべりをしていたが、亜貴が部室へ行く目的はおしゃべりではなかった。もともと口数の多いほうではないし、相槌を打ちながらちらちらと樋口先輩が来ないかどうかを見ていた。たまにだが、同級生と樋口先輩が来る時があり、それが目的だった。
「新鮮、か。まあ、そういわれるとそうだな」
「刻はいつもはどうしてるの?」
「そうだな、俺はつるむのが好きじゃねーからそれこそここらで一人で食べてる時もあるし、学食に行くときもあるし。まあ、部室に行ったら誰かがいるからそいつらと食べる時もあるかな。亜貴はどうなんだ?」
「私はほとんど部室で食べてるわね。今日は行かなかったからなんでかなって思われてるかもね」
「似たり寄ったりだな」
「そうね」
 また沈黙。仕方なしにお互い弁当箱を片付ける。
 髪を鬱陶しそうに耳にかけた亜貴を刻はちらりと見た。昨日はまじまじとは見なかったが、亜貴の性格を表すようなまっすぐな黒髪、そして意志の強そうな眉に目が行った。
「何?」
「いや、女子でもそんな黒い髪は珍しいよなと思って」
「髪?」
 髪と同じ黒い瞳がきょとんと開かれる。前髪がピンでとめてあるせいもあり、表情がよくわかる。
 刻はちょっと気まずそうに視線をずらした。
「生まれつきかな。真っ黒すぎて嫌なんだけどね」
 そう答えて、亜貴は円上さゆりを思い出した。さゆり先輩も比較的黒い長髪だ。ただ、自分と違っておしとやかなので印象が違うけれど。
「あんたには合ってるんじゃない?」
「それは、まあ、どうも」
 さらに気まずくなって二人は目をそらした。
 刻の髪は薄めの色だった。日に透けると茶色っぽくなる。
(……あれ?)
「そういえば、亜貴の部活は何なんだ? 聞いてなかったよな」
 また既視感に襲われていた亜貴を刻の低い声が現実に戻した。
「そうね、言ってなかったわね。書道部よ」
「ふーん。まあ、確かにイメージ通りかも。
ん? 書道部っていえば、俺、兄貴がいるけど?」
「え?」
 亜貴の心が一気にざわつき始める。嫌な予感がする。刻の苗字は。確か。
「樋口焔って知らねー? 俺の兄貴だけど」
「……」
 亜貴の表情は固まった。
「おい? 亜貴? なんだ、部長らしいのに、認知度低いのか」
 亜貴の気も知らずに刻は笑う。
 既視感、そうか。なんでいちいち思い出したのか。それは。似ても似つかない性格なのに、面影が少しあるからだ。
「おーい? なんか顔色悪いけど大丈夫か? あんた。気分でも悪いのか?」
「……大丈夫」
「? ならいいけど。
書道部か~。世間は狭いな。兄貴に聞いてみよ、亜貴のこと」
「や、やめて!!!」
 予鈴の音と亜貴の悲鳴が重なった。亜貴の膝の上にあった弁当箱が落ちて音を立てる。
「な?! なんだよ、どうしたんだよ?」
 悲鳴に驚いて、刻は立ち上がった亜貴を見た。
「!?」
 そして刻は理解した。
「あ~。そういうこと?」
「……予鈴なったから、行かない?」
「あ、ああ。えっと」
「何も聞かないで。そして、樋口先輩にも何も言わないで」
「あ~、うん」
 二人は黙って速足でそれぞれの教室に戻った。
「今日も、一人で帰らせて」
「あ、ああうん」
 教室に入っていった亜貴を見送り、刻は頭をかいた。





                                  続く


この作品を気に入ってくださいましたらクリックをお願いいたします。




 今日はこのくらいで……。



 ここまで読んでくださりありがとうございました。
 拍手、ときどきいただいております。嬉しいです。一言あるともっと喜びます。

 また、ランキングに参加しております。
 プロフィール下のバナー、たくさんありますが、クリックしていただければ幸いです。


 それではまた近いうちに!              


この小説ブログ、そしてもうひとつの香水ブログに載せている全ての作品の著作権は天音花香にあり、放棄しておりません。
無断転載、無許可の販売は禁止です。




                           天音花香

拍手[0回]

PR
Comment
Name
Title
Font Color
Mail
URL
Comment
Password

Copyright © 天音花香の小説ブログ All Rights Reserved.
Powered by Ninjya Blog 
忍者ブログ [PR]