天音花香の小説をUPするブログです。個人サイトの小説はこちらに移しました。現在二時創作と短編を中心に書いています。
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天音花香
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性別:
女性
職業:
主婦
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。一応文学部でです。ですが、大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、主婦になってから活動を再開。
好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。
もう一つのブログでは香水についてレビューをしております。
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別名で小説を出版しております。
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「広大の場合」1
登場人物紹介はこちら
一
「春ですなあ」
広大が朝希の席の前で、呟く。
その視線の先には、翔と梨呼が談笑する姿があった。
「あんたは年中春でしょ。先週の彼女とはまだ続いてるの?」
朝希の言葉に広大は冷めた視線になった。
「お前には関係ないだろ」
「……そうね」
朝希は今悲しげな顔をしているだろう。
だから広大は敢えて見ない。
「姫を失った気分はどうよ? 王子様」
「はあ? そんなことを言いにわざわざ私の席まで来たわけ? 本当に嫌なやつね、広大」
「また新しい姫でも探すか?」
言って、広大は朝希の顔を見た。
「……」
朝希は複雑な顔をしていた。
「寂しくないといったら嘘よ。
でも、梨呼には幸せになってほしかったから、本当によかったと思う。新しい姫なんかいらないわ」
「王子様にも今度は王子様が必要ってか?難しいな。王子様の王子様」
朝希の目が細まった。
「いい加減にしてくれない? 私の気持ちを知っててからかうのはやめて。王子様は広大という王子様しか要らないのよ!」
朝希の切れ長の瞳は少し潤んでいた。
広大の胸がざわつく。
「だから、いいかげん諦めろって言ってるのに」
「そう簡単にできるなら、もう諦めてるわよ! 無神経!」
朝希はガタンと席を立ちスタスタと廊下に出て行った。
朝希にはわざと冷たいことばかりを言ってきた。なのになんで諦めないのだろう。
広大は自分でも何がしたいのかわからない。
ただ、朝希から梨呼を離すために、梨呼の恋に協力をしたのは事実だ。
朝希は外見は王子でも女なのだ。朝希だって姫になっていいはずなのだ。
(ただその王子は俺じゃない)
広大にとって朝希はバスケのライバルだったし、女とは思えない。
(そう、俺にとって朝希は女であってはならない)
「朝希ちゃん?」
翔という彼ができたのに、梨呼は昼食の時間だけは相変わらず朝希と過ごしてくれている。
(気遣わなくていいって言ってるのに。本当に優しい梨呼)
「ん?」
「さっき竹田君と話してたでしょ? 何か言われたの? 元気ないよ?」
「うん。まあ、いつものことだから」
そういう朝希の顔は憂いを帯びていた。
広大は朝希にだけに故意に冷たい。それを朝希は知っている。もしかしたら、普段のおちゃらけた広大のほうが偽者なのかもしれない。
「でも、本当によかった。梨呼の恋がうまくいって。私みたいな思いはさせたくないもの」
そういって悲しげに笑った朝希に、梨呼は抱きついた。
「もうっ、竹田君許すまじ! 元気出して朝希ちゃん」
梨呼は翔と付き合いだしてから、少しずつ男子に対して恐怖心を解いていっている。それを心からよかったと朝希は思っている。
運命というのは本当にあるのかもしれない。ただ、自分の赤い糸は広大とは繋がっていないらしい。
「大丈夫。梨呼が幸せだと私も幸せだから。だから、羽柴とずっと仲良くね」
「朝希ちゃん……。私も朝希ちゃんが大好きだから、朝希ちゃんには幸せになってほしいんだよ?」
「梨呼お! なんて可愛い奴う」
思わず朝希は梨呼をぎゅっと抱きしめ返した。
(いつから広大のこと好きになったんだっけ。
……小学生のときとか楽しかったのにな。広大のほうがまだ背もちっちゃくて)
三月になり、風も春めいてきていた。だが、その暖かい日差しが朝希にはなんだか痛かった。
「広大の場合」2に続く
アルファポリス「第3回青春小説大賞」(開催期間は2010年11月1日~2010年11月末日)にエントリーしています。
よろしければ、
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一
「春ですなあ」
広大が朝希の席の前で、呟く。
その視線の先には、翔と梨呼が談笑する姿があった。
「あんたは年中春でしょ。先週の彼女とはまだ続いてるの?」
朝希の言葉に広大は冷めた視線になった。
「お前には関係ないだろ」
「……そうね」
朝希は今悲しげな顔をしているだろう。
だから広大は敢えて見ない。
「姫を失った気分はどうよ? 王子様」
「はあ? そんなことを言いにわざわざ私の席まで来たわけ? 本当に嫌なやつね、広大」
「また新しい姫でも探すか?」
言って、広大は朝希の顔を見た。
「……」
朝希は複雑な顔をしていた。
「寂しくないといったら嘘よ。
でも、梨呼には幸せになってほしかったから、本当によかったと思う。新しい姫なんかいらないわ」
「王子様にも今度は王子様が必要ってか?難しいな。王子様の王子様」
朝希の目が細まった。
「いい加減にしてくれない? 私の気持ちを知っててからかうのはやめて。王子様は広大という王子様しか要らないのよ!」
朝希の切れ長の瞳は少し潤んでいた。
広大の胸がざわつく。
「だから、いいかげん諦めろって言ってるのに」
「そう簡単にできるなら、もう諦めてるわよ! 無神経!」
朝希はガタンと席を立ちスタスタと廊下に出て行った。
朝希にはわざと冷たいことばかりを言ってきた。なのになんで諦めないのだろう。
広大は自分でも何がしたいのかわからない。
ただ、朝希から梨呼を離すために、梨呼の恋に協力をしたのは事実だ。
朝希は外見は王子でも女なのだ。朝希だって姫になっていいはずなのだ。
(ただその王子は俺じゃない)
広大にとって朝希はバスケのライバルだったし、女とは思えない。
(そう、俺にとって朝希は女であってはならない)
「朝希ちゃん?」
翔という彼ができたのに、梨呼は昼食の時間だけは相変わらず朝希と過ごしてくれている。
(気遣わなくていいって言ってるのに。本当に優しい梨呼)
「ん?」
「さっき竹田君と話してたでしょ? 何か言われたの? 元気ないよ?」
「うん。まあ、いつものことだから」
そういう朝希の顔は憂いを帯びていた。
広大は朝希にだけに故意に冷たい。それを朝希は知っている。もしかしたら、普段のおちゃらけた広大のほうが偽者なのかもしれない。
「でも、本当によかった。梨呼の恋がうまくいって。私みたいな思いはさせたくないもの」
そういって悲しげに笑った朝希に、梨呼は抱きついた。
「もうっ、竹田君許すまじ! 元気出して朝希ちゃん」
梨呼は翔と付き合いだしてから、少しずつ男子に対して恐怖心を解いていっている。それを心からよかったと朝希は思っている。
運命というのは本当にあるのかもしれない。ただ、自分の赤い糸は広大とは繋がっていないらしい。
「大丈夫。梨呼が幸せだと私も幸せだから。だから、羽柴とずっと仲良くね」
「朝希ちゃん……。私も朝希ちゃんが大好きだから、朝希ちゃんには幸せになってほしいんだよ?」
「梨呼お! なんて可愛い奴う」
思わず朝希は梨呼をぎゅっと抱きしめ返した。
(いつから広大のこと好きになったんだっけ。
……小学生のときとか楽しかったのにな。広大のほうがまだ背もちっちゃくて)
三月になり、風も春めいてきていた。だが、その暖かい日差しが朝希にはなんだか痛かった。
「広大の場合」2に続く
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