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小説をおいております。 『いざ、出陣 恋戦』シリーズの二次創作、『神の盾レギオン 獅子の伝説』の二次創作、そして、高校生の時に書いた読まれることを前提にした日記と、オリジナル小説を二編のみおいております。
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プロフィール
HN:
天音 花香
性別:
女性
職業:
主婦業メイン
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、結婚後落ち着いてから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。

クリックで救える命がある。
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こんにちは。天音です。

未来の誰かに贈る日記も今日はお届けいたします。

片思いのことと、他のことに対する考えの差が読んでいると凄くて自分でも驚きます。

そんな高校生の私ですが、共感していただけるところが少しでもあれば嬉しいです。

それではお楽しみいただければ幸いです。


このブログ、小説ブログに載せている全ての作品の著作権は天音花香にあり、放棄しておりません。
無断転載、許可のない販売は禁止です。






ココから日記

最初から読んでみる



一九九七年三月二十八日



 独り言。
 なんだか寂しい、な・・・。理由はないけれど。私のこと考えてくれる人、いるけれど。でも、なんだか埋まらない穴がぽっかり空いている。信じている人ほど、「実は心中では私のこと相手するの嫌だって思っているんじゃ・・・」と思ってしまう。失礼だとは思うけれど。私って嫌な奴だな。恐いんだ。全てが嘘の様な気がして。受け入れているくせに、心の底では疑っている自分がまず恐い。私は昔から一番になれない人なんだ。気さくだし、楽しいらしく、友人は多い。でもね、心の中を話せる友人の一番にはなれないんだ。私の一番の人は、多分私を一番にしていない。友人にランク付けなんてないって言われるかもしれないけれど。確かにそう、なんだけれど。誰かの一番になりたいな。
 虚しい、な・・・。楽しいのは一瞬なの。その後虚しさが残る。なんでかな。私が一生懸命じゃないからかな。やることはやるの。でもね、どのくらいやればいいか分からないの。いつも中途半端。もっとやれたのにって後で悔やむの。苦しいから逃げるなんて卑怯なのに。だから中途半端になってしまうのに。分かっているのに。私、本当に一生懸命になったときあるのかな。「頑張った」って思ったときも、時間が経つと自分でそう思っているだけなんじゃ、と思うの。こんなんじゃ駄目だね。前向きに。
 


一九九七年 四月一日


二匹のウサギさんを追って何が悪いのさ。気持ちをひとつにしろってそんなの無理だよ。どちらも大切。どちらも本気。勉強も恋愛も。どちらかを諦めるなんてできないし、それは逃げだと思う。私はどっちも頑張っちゃうんだから! 最近もO君の夢が多い。夢の中でO君は何も言わないし、表情も変えない。ただじっと見て様子を伺っているような感じ。何を意味する夢なのかな。

ただいま、熊本の祖父の家。



一九九七年 四月一日

独り言。

何でも気持ちの問題だよね。ある人は難しくないって思っても、もう一人の人が難しいと思えば、もう一人にとってはそれは「難しいもの」として認識されるわけで。でも自分の気持ちだけじゃ定まらないものもあるね。
人間関係。
「友人」「恋人」
いくらこっちが思っても、相手がそう思っていなければ成立しない。難しいな。

怖いものがたくさんある。「高いところ」「速い乗り物」「蜂」「蛇」etc.
全部自分に害が及ぶ可能性があるもの。「高所」なら落ちる可能性。「蜂」なら刺す可能性。その可能性をまったく不可能にするために恐怖の感情が起こって、それから少しでも離れようとする。防波堤ってやつだ。どうも私にはそういうところがある。絶対安全じゃなければ嫌だ、みたいな。
RPGでもそう。低レベルギリギリで倒すことを普通は楽しむんだろうけれど、私は全部備えて、レベルもこれなら絶対負けないってとこまであげなきゃ倒しにいかない。臆病なんだよね。そのくせ、表ではそれを隠そうと意地を張って……。だからバレルと皆驚く。私そんなに強くないんだけどな。



一九九七年 四月二日


O君の夢。このところ毎日。前はじっと見て様子を伺っているようだと書いた。その後は二人で話していた。親しい友達という感じだ。今日はなぜか二人でお酒を飲んでいる夢だった。そして本当に都合のよすぎる夢だと我ながら思うし、願望の表れだと思う、けど……っ。プロポーズをされる夢なのだ! うわー、恥ずかしい!! でも、いいなあ。本当になればいいのに! そのほかにも今日はたくさん夢を見た。夜洗面所にいるときに地震がある夢とか……。そしてこれもまた凄いんだけれど、劉備玄徳の専属スパイなるものをしている夢。曹操軍の様子を探っては報告するの。途中で老武将に会って、劉備軍へこないかと誘って見事仲間に入れたりだとか。楽しかったなあ。

10日はテスト。そろそろ頑張らないと。

今日は弟と弟の彼女の誕生日プレゼントを買いに行った。



一九九七年 四月二日


 「あなたのおかげで助かる」という感謝の気持ちって、凄く嬉しい。自分の存在を認められたような気がする。「あなたがいてよかった」って。やっぱり、生きているからには必要とされたいもの。
 ぬくもりって好き。特に人間の体温。だから手の温かい人とか好き。「あー、この人、生きてる」って感じる。温かいと心までぽかぽかする感じ。逆に寒いのは嫌い。心までなんか寒くなる。マイナス思考にもなる。思うんだけれど、「さみしい」って、「さむい」からきてるんではないかな。心がね、寒くなるの。我知らず、寒いと感じるの。寂しいってそんな感じではない?





一九九七年 四月七日



 最近凄く疲れが溜まっている。眠っても寝足りないという感じだ。体がだるくて、感覚がない。ときどき力が入らなくて、体が自分のものではないみたい。テスト近いのにな。
 以前、友人に「O君のどこが好き?」と聞かれたことがある。そのとき私はすらすらと答えていた。そのとき、彼女に「じゃあ、まだ本当に好きじゃないんだよ」と言われて、むっとしたが、彼女の言葉が今は少し分かったような気がする。今は多分答えに困ると思うから。最初の頃は、O君像が、O君を分かっていないからこそはっきり固まっていた。でも、新しい面を見つける度に、それは壊れていった。そしてもとの像とはかなり違う像が浮き上がってくるんだ。まだ、全然不完全だけれどね。でも、嫌いになることはなかった。そりゃ悪いところもあるよ。でも、そういうのをひっくるめて好きだなって思う。「好き」って本当に不思議な感情だよね。




一九九七年 四月七日


O君に電話をしてみた。おばさんがでた。バイトに行っているらしい。
「12時頃はもう寝てるのかな」「いえ、起きてますが」「11時過ぎにしかもどらないので、そのころかけるか朝でもいいけど?」「でも……12時は遅いので、皆さん寝ていらっしゃるのでは……」「うちは遅いから大丈夫よ」「朝は何時ぐらいまでならいるのでしょうか」「9時ぐらいまでいると思うけど?」「あ、えーっと、じゃあ12時にかけます」「そう、じゃあごめんなさいね」
つくづく、さっぱりしたいい人だなあ……。なんか、好きだな、おばさん。
ケンタッキーでバイトしてるんだって。んで、朝はバイクの免許を取りに。車はでかいし、邪魔でかっこいいと思わないんだって。バイトの日は朝の2時ぐらいまで起きてるらしい。
そして。浪人するんだそうだ。予備校はやはり駿○にいくらしい。O君はやっぱり自分のやりたいことをいろいろやる人だなあと感じた。
「バイクの免許とればいいやん」
私は、
「バイクは怖いから……」といった。
O君は6時間寝れば十分と言っていた。風も気合いれときゃひかないって。夜いろいろ考えて寝られない人は早死にするよと言われてしまった。がーん。なんだかいろいろ話したような……。
「一年なんてあっというまって。浪人は楽しいって先輩も言ってたよ?」
浪人が楽しい……。そうなんだろうか?
で、話がどんどん長くなるので、何度も、
「じゃあ、頑張ろうね」
となるんだけど、また話し出しちゃうのも私。結局はやっぱり、
「じゃあ勉強もバイトも免許も頑張ってね」
「そっちこそ頑張って」
「うん。ありがとう」
「それじゃあ」
「うん。おやすみなさい」
で終わった。
O君と話していると思う。私ってつまんない人間だなって。




一九九七年 四月八日


 友人K子に電話をした。今日、K子は北九州に行ってしまうからだ。
 私は今、凄く不安定だ。何かを恐れている。大学ってどんなところなんだろう?正直言って、取り残されるようで恐いんだ。行かれるというのは、こんなに寂しく、不安になるものなんだな。
 私は言った。「私、今、弱気じゃない?マイナス思考になって困る。O君凄い。自分のしたいこと存分にしてて、楽しんでる感じ。生きてるって感じ。でも、私は?私、何をしてても、あとの勉強のことを考えると純粋に楽しむことができないの。本当に私ってつまんない子だな。私は今、自分に自信が少しも持てない。それが返って不安を招くのかもしれない。
浪人ってやだね。凄いプレッシャー。一年多く勉強するから、余計に現役に負けるなんて恥って気がする」
 K子は言った。「ときに見栄は原動力になる。確かに汚い。でもそれを利用すればいい。それから、浪人についてだけれど、自分の意思で浪人を選んだのは、凄く意思が強いと思う」
そうかな?ちょっと救われた。みんな頑張っている。一度しか「今」という時はないし、もちろん繰り返すことも、やり直すこともできないのだから、やはり一生懸命やらなくては。私、頑張ろう。気合、だ!          



一九九七年 四月九日


明日はテスト。
「数学はある程度パターンがあるからそれを覚えると楽になる」
O君大先生の言葉が蘇る。が。その前にパターンもだけど、公式も忘れてるよ! どないしよう。どうにでもなれ!!
しかし……。電話の会話とかは覚えちゃうのになあ。もっと言えば三年も前のT先生との会話でさえいまだにほとんど覚えてるのに。やっぱり覚える気があるかないかの問題なんだろうね。O君の言う「気合」の問題だ。とにかく頑張るっきゃない。
そおいえば、電話で思い出しちゃったけど、七日の電話で私、かなり凄いこと言っちゃったんだよね。
「たいした用じゃないんだけど、やっぱ、せっかく電話するんだから、O君の声がききたいなと思ったのでありまして……」
なんて、マジ、思い出したら顔から火がでそうだよ! でも失言って覚えてしまう。言って後悔するから。
中一のときに、確か塾である男子にノートをかりてて、それを返すときにその男子を探してて、「○○のばか~! ノートいらんのか?」とか言ってしまったんだ。後で謝ったけれど、結構ぐさりとくるもんだよね、そういう言葉って。本当に申し訳なかった。
他にも勘違いして随分はずしたこといっちゃったりしたときとか。覚えてる。
ま、誰にも失敗はあるさね。暗いぞ。明るく行こう!



一九九七年 四月十日


久々のテスト。む、難しい……。疲れました。
自己採点、数学124英語146国語161……。これがセンターじゃなくてほんとよかった。
しかし、私、数学も不得意なんだなあ……。実感。苦手とかじゃなくて、能力がないってやつね。さあ、この一年が勝負だもの。今回はテスト勉強あんまりしてなかったから仕方ないと思って。これからどんどんあげていきたい。成績。
話は変わって……。受験で劇痩せした私は受験が終わってぶくぶく太りだしている。三キロぐらい太ったよ? O君、痩せてるもんなあ……。
弟曰く「女は違うかもしれないけれど、男はまず外見を見る。ブス、デブは問題外」
だそうだ。
うう……。そうなのかなあ。なんか悲しい。顔は仕方ないと思うのよね。生まれつきだもん。別に嫌いってわけじゃないけど、確かに美人ではない。体重は……努力しだいってやつか。勉強もだけど、運動もしなくちゃなあ。とほほ。



一九九七年 四月十一日


うちの母は煩い。ストレス解消にピアノ弾いてるのに、「勉強しないでピアノばかり」から始まって、もうずーっと小言ばかり。余計にストレスたまるから、ピアノを弾く時間もおのずと長くなる。
「居候の身で」って、あんたねえ、私はお母さんの子供なんだから、家に住んでもいいんじゃないの? 
「浪人の身で」
って、浪人の私には人権もないのか!? 勉強ばかりしてたら気が狂っちゃうってーの。机の勉強だけが勉強じゃなーい!!いないとさびしいけれど、いると煩い母。母親ってさ、もっと穏やかで優しくて影でいろいろ支えるような人じゃないの? ああ、苛苛するなあ。O君のお母さんがうらやましい! いいなあ。





一九九七年 四月十一日




 「脳死は死か否か」最近問題になっていることだ。自由英作文の練習にさえ出てきたほど。日本語でも難しいのに、英語で書けるか!と思い、「制服はあるほうがいいか、ないほうがいいか」のほうを選んでしまったけれど。
 私は、よく「死」について考えるのだが、「死」とは・・・と考えると、「こうして考えている私がいなくなること」イコール「考える意思がなくなること」という結論に私の場合は達する。従って、私の結論では脳死は死となる。人間は考えることができるからこそ人間なのだ。たとえ息をしていても、その人の頭が無に支配され、何も感じないようであれば、その人自身にとっては死んでいるのと変わりはないのだ。だから、私は自分が脳死の状態になったら、臓器移植に使って欲しいと思っている。(本当に、意思がなかったらだけれど)私の臓器によって、人の命が助かるなら、これほどよいことはないし、自分もその人の一部として生きられるというか・・・。そんな感じがするのだ。しかし、だ。問題は本人ではなくて、その周りである。私はふと考える。私の家族や、友人などの大切な人が「脳死」になったとする。「脳死は死と同じです」ドクターに言われるとする。さて、認めることができるだろうか。触ったら温かい。心臓もトクトク言っている。なのに、臓器移植のためにメスを入れる。心臓も止まる。分かっている。もう意識が戻ることはないと。でも、でももしかしたら。記憶は失っているだろう。障害が多く出るだろう。でも、それでも意識が戻ったら?戻るかもしれなければ?と考えてしまう。その希望がメスを入れることで霧散する。温かかった手が冷たくなって・・・。ドクターを恨んでしまうかもしれない。臓器によって助かった人を妬むかもしれない。心臓が動いている。それだけで周りの人は、その人が、人として存在しているような気になるのだ。具現していることで、見る度に、脳裏にその人の性格が鮮やかに蘇る。そして、その性格が存在する体に残っているのだと錯覚する。だから、その人は、周りの人にとっては「生きている」ことになりはしないか。
うー、私の低レベルな頭ではこの辺が限界なので、この話題はもうやめます。





一九九七年 四月十二日


今日はテストのやり直しをして、中学のときの友達に会って、いろいろ話した。彼女は専門学校に行くため今年は会社で勤めてお金を貯めるようだ。凄いなあ。元気そうだし、話も弾んで楽しかった。また会おう、ということで別れた。

「会えない」って怖い。電話だけじゃ分からない。O君はバイトでも予備校でもいろんな人に会うわけで、毎日少しずつ変わっていく。私の知らないところが毎日増えるわけだ。少しずつ近づいていけば、発展していけば……なんて甘い考えを持っていたが、別のほうへ惹かれていけば私は邪魔になるわけで……。そして、一年後には県を出る。不安でたまらなくなる。
だめだなあ。毎日O君のことばかり思ってしまう。早く予備校が始まったら友達つくらなきゃ。忙しいと少し期が紛れるかもしれない。



一九九七年 四月十二日


 最近多くのことを考える。洗濯物を取り入れていると、すずめがとまって、綺麗な声で鳴いている。無邪気で可愛らしい声。風が今日は強い。でも冷たくはない。春だ。緑がきらきらしている。最近昼は眩しすぎて目が開かない。全て白く見える。目を閉じると赤く・・・。こんなに綺麗なのに。そう思って、やっと理解する。綺麗だから、か・・・。私が汚いから、眩しすぎるのだ。本当は目がおかしいのだろう。でも、そんな風に思って悲しくなったりする。
 天は二物を与えずなんて嘘だ。二物も三物も持っている人だっているのに、どうして私は何ももっていないのかな。弟が言った。「ブスな奴ほど綺麗なものが好きなんだよな」って。でも、それ、凄く分かる。分からない人には分からないだろうけれど。要するにないものねだりってやつだ。美しいものを見て、ひと時の夢を見る。仕方ないことだよね。だから、私も綺麗なものを集めるのが好き。
 両想いってどんな感じなのかな。我が弟君は両想いしか知らない。羨ましい。恋人って友人とどう違うんだろう。なれたらいいなと思う。反面、とても図々しい考えだけれど、なったらどうなるんだろうと思う。私の知らない世界。私って臆病なんだな。「そんなんじゃ何もできないじゃん」チャレンジャーであるO君に確か言われたような気が。そう、なんだけれど・・・。何でもやってみなければ分からないことなんだろうけれど・・・。私の場合、希望より、不安のほうが何倍も大きくなる。あー、この文も「だけど」が多すぎ!暗いぞ、私!元気だしていこう!


一九九七年 四月十三日


入塾式。校長が凄く気に入った。パワーみなぎるおじいちゃん。数学を教えているらしい。
心に残ったのは、なんでもこだわりを持ってやるといいということと、目が見えないのに凄い大学に入った人の話。その子は、「僕には辞書がありません」と言ったそうだ。そうだろう。点字の辞書はない。その子は点字の問題(数学の場合)をなぞって、自分の頭にそれを描いて、そこで考えるそうだ。一問に二時間ほどかけていたらしい。凄いなと思った。やってできないことはないんだ!
 そして、イメージトレーニングの先生。この人も面白かった。心理学を大学でしているらしい。受験に負けて気力を失う人が出てくるということだ。その人たちは、「うそー、なんでー」が口癖になり、「理想はそうだけれど、現実はこう」とまったく反対のものを共存させようとするそうだ。しかも自分たちの仲間を増やすために近づいてくるという。
そういう側にはなりたくないなと思ってしまった。
勝たなければ人間は優しくなれないとその先生は言った。自分をほめ続けなければと。私もそれはそう思う。やっぱり自分のことで余裕がない人は他人のことを考えることはできないと思うからだ。
まあ、いろいろたのしく時間が過ぎていった。先生曰く
「私は君たちより自分が大切です。自分に勝つためにこの台に立ってます。君たちもそうでしょう」
この先生はきっと嘘をつかないと私は思ったんだ。なんか私この予備校で頑張れそう。よーし、気合だっ!



一九九七年 四月十五日


早速友達ができた! S子の言っていた人とも仲良くなったし、楽しくやっていけそう! それに黒板消しのバイトをすることになったのだ! テキスト代が無料になり、それプラス一ヶ月につき、22日分、食券がもらえる! 五分の一の確率だったけど、当たったの! 忙しくなりそう! 頑張るぞ!!




今日はココまで。

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 それではまた!               天音花香

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一九九七年 四月十八日


今日は土曜日! O君も予備校休みでしょう。何してるかな? 多分起きてはいるよね。バイクの免許は取り終えたかな? 今は勉強かな? 私も頑張るぞ!

と、その前に目標を掲げよう。
私は何のために勉強するのか?
さあ、思い浮かべて……。合格発表のとき、どこにいるの?
もち、K大学。番号を探して……。おっ。ほらあったぞ、あった! やったー! さあ、家に電話しなきゃ。そうそう、友達にも。もちO君も第一志望合格だ! んで、大学生になったら、アルバイトして、O君のところに遊びに行きたい!
というわけで。

            K大合格!

これしかないでしょう! そのために頑張るのよ!
もち、恋もがんばっちゃうさ! どっちも諦めない! 一生懸命な人は輝いてる。私も輝く人になるのさ~!! 
今より少しやせて、知的で優しくて、明るくて素直な娘になるのだ~! O君と電話だけでなくて、たまに会ったりできるといい! そうなるとやっぱ綺麗になりたい! 今年は自分を内からも外からも磨く!! きっと三月頃までにはピッカピカ☆
まぶし~女になるのさっ!
さあ、頑張るぞ! ちょっと遅いスタートかな。でも、がんばればいいのだ!



一九九七年 四月十八日

 最近古本をたくさん買った(受験生のくせに)その中に「人間失格 たとえばぼくが死んだら」というのがあった。買ったその日に、数時間で読んでしまった。苛め、父子愛、同性愛。ドラマになったものだし、大げさではあるが、よく分かる。特に、私は中学の時に苛めにあったことがあったので、作者はよく分かっているなと思いながら読んだ。「苛められるほうにも原因がある」と言う人がよくいる。そういう場合もあるかもしれない。でも、大概は違うと思う。最近の子供は家庭の事情、学力、社会など、いろいろ大変な問題を抱えている。が、それを発散する遊び場も今は少ない。テレビゲームをしても飽きる。何をしていてもイライラする。自分の中で溜まっていく感情は抑えられなくなってくる。それを人に向けるとどうだろう?向ける対象は誰でもいいのだ。気に入らない奴、目立つ奴、弱そうな奴、暗い奴。大概は自分より優れたものに対する嫉妬からだったり、逆に自分が優越を感じられる者へだったりする。そいつらにはもう歯止めをする理性は消えている。ある種、狂っているのだ。最も厄介なことは、一度苛めだすと、その味をしめてしまうということだ。どうしてそんなことが分かる?と人は言うかもしれない。すると、苛められたことのある人はきっと言うだろう。「目を見れば分かる」と。私は集団に苛められたのだが、彼女らはみな、同じ目をしていた。キラキラ。これ以上の楽しみはないというような目をしている。私はそれが恐ろしかった。同時に哀れに思った。あの悪意に満ちた、苛めることに酔った、楽しげな微笑。この人たちは、これしか楽しみがないんだな、と。悲しい人たち。でも、はっきり言って迷惑でしかない。彼らはそれしか楽しみがないのだから、常にターゲットを探し回る。私が相手にせず、つまらなくなると、グループ内で分かれ、そしてその中にターゲットが移っていた。本当に馬鹿な人たち。苛めている者は同時に怯えている。次は自分ではないかと。その証拠に、苛めていた人が、引っ越すことになったとき、不安げに、「私苛められないかな」と言っていた。私にしてきたことは棚に上げて。だったら自分も苛めなきゃいいのに。されて嫌なら、しなきゃいいのに。私は横で「大丈夫だよ」と笑った。内心「そんなの知らないね。自分がしてきたことを今度は受けてみたら?」なんて残酷なことを思っていた。今思えば私も憎しみで狂っていたのかもしれない。決して苛めることはしなかったけれど。
 本当に馬鹿げたことだ。今、私は苛めていた人を憎いとはもう思っていない。ただ、そんな人たちとは、もう関わりたくないとは思う。
 苛めは一種の病気だ。傍観者だってそうだよ。「次は自分が苛められるかもしれない」だから止められない。でも、こうも思っているでしょう?「もっとやれ。見てると楽しい」彼らのニヤニヤ笑いも病気だ。苛めは伝染する。そんな人たちは一度苛められてみるといいかもしれない。苛められて、逆にそれに怯えて、安心するために苛めるようになる奴はもう重病。手の施しようがない。
 人間はあまりに嫌なことがあると忘れるようにできているらしい。その当時、書いていることを見ると、恐くなるほど悩んで悩んで心を痛めていたんだなと思うが、私は今、苛められていたときに、自分がどれほど苦しんでいたかはぼんやりとしか覚えていない。でも、今でも、時々発作のようにちくりと痛んだりする。その度に思う。「決して苛めるほうにだけはならない」と。
 ただ、この状況をぬけだそうとしているうちは、どんどんはまって抜け出せなくなっていた。私は大きな壁を作って耐えて耐えて耐え抜いた。学校を休むことはしなかった。陰で何言われるか知れない。一度休むと、ますます行くことが恐くなることを知っていたからかもしれない。先生に相談したのもよかった。一人で悩むのはね、いけないことだと思う。深い底に沈んで浮いてこられなくなってしまう。心配かけないために親に言わないのも逆効果。私も始め隠していた。恥ずかしいと思った。でもね、そっちの方が心配かけてしまうんだ。誰かに聞いてもらうのはそれだけでも楽になるものなんだよ。どうか、苛めにあっている人は、死のうなんて考えないで欲しい。そんな馬鹿たちのために死ぬのなんて悔しいと思わない?耐えて。そのうちね、ふっと雲の切れ間が見え始める。そうなるとそこからは早いから。すぐに晴れる日が来るんだよ。自分を見失わないで。苦しいことだけで人生が終わるなんて言わないで。楽しいことがこれからいっぱいあるんだから。死なないでよかったって思う日が来るから。私なんて毎日思うよ。生きてるって素晴らしいって。今は辛いかもしれないけれど、頑張って欲しい。



 一九九七年 四月二十九日


 私にとってO君からもらった学生ボタンは特別な意味を持っていた。確かにそれは「ボタン」という「物」でしかない。でもそれはO君と共に三年を過ごし、私の手に渡されるその瞬間までO君が持っていたものなのだ。いうなればO君の「気」で満ちたものだった。
 私はいつもそれを持ち歩いていた。今日も、だ。そして帰ってきて、机に置いていた。ところが、だ。馬鹿な弟が部屋に入ってきて、「うえー、きたねー」と言っているので何事かと思えば、O君のボタンを触っているのだ。「やめてよ!と叩いて取り返したが、もう遅かった。その後予習に集中していたのでそれが何を意味するかが分らぬまま時は経過した。だが。お風呂に入っていて、じわじわとそれが私の心の中を占めだした。どうしようもなく胸が苦しくなって涙が溢れた。ボタンは汚されたのだ。O君と私だけが触れていたボタン。私の一方的ではあるけれど、二人だけのものだったのだ。O君を感じられるものだったのだ。それがあの馬鹿な弟によって崩された。汚い。なんて酷い。試しに触れると優しい気持ちどころか例えようもなく不快な気持ちに襲われた。弟は知っていた。私がそのボタンをどれほど大切にしていたかを。そして、その上で触ったのだ。なんて、なんて酷い奴。
 幼いとき私は弟とよく一緒に遊んだ。弟は生意気だが、今より素直でいい子だった。私たちは趣味が似ていて、話も会い、マブダチのようだった。今は違う。でも私は思っていた。昔のように話せるときがくるんじゃないかって。笑ってしまう。だからどんな酷いことを言われようと、耐えてきた。嫌いになることはなかった。でももう限界だ。この怒り、哀しみ、憎しみが分るだろうか。私は弟を許さない。

今日はココまで。

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 今回の最後の日記は弟に対しての怒りに満ちていますが、現在弟との関係は良好です(笑
 でも、あの日は本当に怒っていたんだよなあ。
 片思い中の私にとってボタンは唯一のO君からのもの。本当に大切だったのです。その後も持ち歩いてました。今は……。そのうち日記で理由が分るかもしれません。
 
 弟は私に対していろいろ言うのが当たり前と今では思っていますし、大分弟も大人になりましたし、私自身も少しは大人になったので昔を偲ぶことはあっても、いいあいをすることはあっても、なんだかんだ言いつつ周りから仲がいいといわれる姉弟であります。それでいいとおもっています。



 ここまで読んでくださりありがとうございました。
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 それではまた!               天音花香

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 一九九七年 五月一日



 私の独り言。
 人間は自分が係わると冷静に物事を判断することができなくなる。だから多くの「思い込み」をする。しかし、本人にとってそれは真実なのだ。事実は第三者にも分かるが、真実は分からない。本人はその一つの真実のために我武者羅になる。そうして、数々の悲劇は生まれた。そしてこれからも生まれるのだろう。



 一九九七年 五月七日


 O君に電話して二週間が経とうとしている。が、前にかけたときの疲れたような声が耳から離れず、かける気になれない。気になることは事実だけど。私の誕生日にかけよう。たくさん話せるといい。
 今日はS子から電話があった。ちょっと前はK子からもあった。私が予備校で今までと違う生活を送っているように、彼女たちも大学という新しい場所で生活を送っている。どうして他人の変化には気づくんだろう。自分だけが何も変わっていないような気さえしてくる。私の知らない彼女たちに驚きと少しの不安を感じる。今まで通り付き合っていけるよね? 心で尋ねたくなる。変わらないで、なんてことは言えないけれど……。
 きっと小学生のときの親友たちは私の知っている彼女、彼らよりも何倍も変わっているんだろうなあ。

 

 一九九七年 五月十四日



 今日は私の誕生日。予備校の友達がおさるさんのキーホルダーくれたの。かわいーんだっ! それに今日はO君に電話したの。9時半と10時に電話しても本人はいなくて、これで最後っと思って10時15分に電話したら出た。最初は会話途切れちゃって……。ちょっと気まずいけど、今日は頑張ってみた。免許とったって。でもまだバイクは買ってないそうで予備校へは自転車でいってるそう。バイトはやっぱりバイクのためでもあるよう。O君は学校が本当に好きだったみたい。先生たちのことも。確かにいい先生多かったよなあ。お互いの予備校のことをしばらく話して、ちょっと家族の話になった。やっぱり兄弟は弟君だった。高一だそう。仲はいいみたい。「いいなあ」と言うと「悪いと?」と。うーん。うちは気が合うときはいいけど、いつもは私が奴隷みたいな感じだからなあ……。最後は「また電話すると思う。二週間後ぐらい」「ああ、うん」「10時過ぎには帰ってる?」「帰っているときと帰ってないときがある」「いつも遅いみたいだもんね。じゃあ、何時ぐらいまでならいい?」「うーん。12時ぐらい」「う、それはちょっと遅すぎるや。11時。11時までに帰っていなかったら諦める。でもだからって11時すぎまで帰ってこないってのなしね」と釘をさしておく。「……うん」「じゃあ頑張ろうね」「うん。じゃあね」何を頑張るか分からないけれど、いつものとおりの電話の切り方だった。
あー、今日は結構話せたと思うのよ。誕生日にO君の声がきけてよかった!電話してよかった!

 しかーし、O君、君にはデリカシーというものがないのか!? あくび三回ぐらいしたでしょ!?退屈なのは分かる。疲れてるの分かる。でも!でも!まあ、それだけ気を抜いている、くつろいでるってことにしておこう……。




一九九七年 五月二十三日


私の独り言。

人間「分からないこと」が一番怖いの。だから「変化」はそれが良いにしろ、悪いにしろ怖いんだ。未来も同じこと。



いつも感じるむなしさ。
当然なんだ。世の中に永遠なんてなくて。
今の熱い気持ちも、一時のことなんて。
信じられないけど。信じたくないけど。
何をしても無駄のようで。
分からないことの、一つだけ分かることが
何よりも怖くて。
人間は何のために生きてるんだろうね。
必ず死は来るのに。
それは分かるのに、死がどんなものかは分からない。
もっとも怖い理由だね。
でも人間は生きる。
もがく。
自分の中に希望、いや、欲望がある限り。
それを叶えようと、満たそうと。
私も生きてる。




好きな人がいるの。
本当に好きなの。
いつも考えるの。夢にも見るの。
会えないから寂しいの。でも、私、狂ってない。
いつものように生活している。
きっとその人が死んでも、そう。
哀しいよ。きっと。寂しいよ。きっと。考えるだけで胸が痛くなる。
何かの拍子に思い出して、ちくちくと刺すような痛みに耐えるようになるね。
でも、それでも私は生きるでしょう。
人の心は嫌なことを忘れさせてしまうのね。
なんだか悔しいね。だから強いのかもしれない。

(もちろんO君は死んでません)

 

一九九七年 五月二十九日


私は予備校の先生にいじめに近いものを受けている。なんか知らんが目をつけられて真面目に勉強しているのに怒られるし、今週の日曜日は最悪だった。私は誓う。本当に真面目に授業を受けてた。だけど友達と一緒に追い出された。クラス中の笑いもの。なんていう屈辱。悔しい!!
昨日O君に電話した。10時と11時。だーれも出ない。今日、電話した。9時40分。三回のコールで本人が出た。段々O君の電話の声にも慣れてきた。「こんばんは。天音と申しますが、O君? O君もそういえばそろそろ電話の日だったなと思ったのか、はいはいって感じ。電話にいつも誰も出ないからいないの? ってきいたら、お父さんは前、会社からかかってきて、会社に無理やり来させられたからいても電話に出ないらしい。
ゲ。昨日大分コール鳴らしちゃったよ。悪かったなあ……。
 Y先生のことも愚痴ったよ。(いじめてくる先生のこと)ごめんね。O君。聞き苦しかったよね。「先生に相談とかしないの?」「チューターにしてる」「苛苛してもしょうがないよ」結構言ってくれるじゃん。でも確かにそのとおりなんだよね。いろいろ考え込んじゃうのは私の悪いところ。そだね。もう、ほっとこーっと。今日は山部の人たちと遊んだって言ってた。同じ予備校なんだって。明日の同窓会は多分いかんだと。残念。ま、浪人の身で行くのって、私ぐらい? うー、もう考えるの辞めよう。「読書とかしないの?」「一時期してたけど」「音楽とかは?」「きくよ」「どんなの?」「うるさいやつ」ってどんなのだろう?
PCは今はあんまりしてないって。「もしかしてあきっぽい?」「んーそうかも」
なんかすぐねた切れちゃうんだよな。O君の話が聞きたいって言ったら考え込んじゃうし。それに失礼かも知れんけど、私の話も聞いているような聞いていないような……。何かほかの事を考えてそう。退屈なのかなあ。あー、もう少し会話弾むようにならないかなあ。3月の一番最初の電話が一番話せてたって感じ。



無題、


ただがむしゃらに生きてきたけど
僕らも少しずつ周りが見えるようになって
世の中の汚さに少なからず失望する
それなのに欲望と不安と一緒に飲まれて
流されていったりする
どこか違うと心は叫ぶけど
無視したほうがラクだからさ

形だけの道徳を
叩き込まれはするけれど
僕らが関心があるのは自分だけで
他人を思いやることなどとうに忘れてしまった
正直に生きると損をするなんて
何が正しくて何が悪いのか
恐ろしい世の中なのに
居心地いいと感じてはいないだろうか

でも時々思うんだ
息苦しいと
胸が痛いと
本当は分かってる
今に甘んじても
何も変わりはしないこと
流れに逆らえ
悪を憎め
変化は起こすもの
恐れるな
未来は僕らの手にある




一九九七年 五月三十日


同窓会。懐かしい顔にあえてとっても楽しかった! 最後の花火がまた凄かった!いろんな種類のやつ。こんなに近くで見たの初めて。ほぼ真上。すごーい。花火ってこんなに綺麗だったんだ!
ワンピース着ていたんだけど、皆に「女の子っぽくなった! どーして?」といわれたので、「恋をしているからさ」なーんて言ってみた。あはは。
K子に久々に会えて嬉しかったの。ビール飲んでた。す、凄い。
次の日は五人でカラオケに行って楽しんだ!七日は文化祭に行くんだ。次の日テストだけど……。



今日はココまで。

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 浪人中は自分だけ違う時間を過ごしているような怖さがあって、不安定な時期でした。それでも勉強に(日記ではあまり触れていませんが、毎日勉強してましたよ?)恋にと頑張っていた記憶があります。そんな時間があってもよかったのかもしれないと思えたのはもう少し経ってから。でも今の自分よりよっぽど輝いていたなと思います。頑張れ、今の自分!

 
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 それではまた!               天音花香

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こんにちは。天音です。

未来の誰かに贈る日記を今日はお送りいたします。



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ココから日記

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 一九九七年 六月七日


 母校の文化祭に行ってきました!部室によって思った。懐かしすぎる!でも寂しかった。私の使っていた棚が、違う人に使われている。当然のこと。それは分かるけれど。展示とかもそう。見るのは楽しい。でもね、感動がないんだよね。自分が関わってないから。「やりとげた!」というのがなくて、やはり寂しかった。
 久々の校舎。これが取り壊され、新設されるなんて・・・。
 先生たちにも会った。懐かしかった。質問しにこい、と言われた。多分そのうちお世話になります。やっぱり先生方好きだな! 友人たちにも会えた。そのとき、思ったこと。うわあ、みんな雰囲気変わったな。でもね、最初気づいてくれない人もいた。なんかね、変わった らしい。そうかな?自分ではよくわからない。私自身は全然変わらないし。でもね、言うの。「女になった」どーゆーこっちゃ。「先が怖い」はあ? 高校の時に一番身近にいたK子までいう。「きれいになった」だそうだ。そう連発されると照れるやんか。しかしなぜ?
 確かに落ち着いてきた。勉強もまあ、ぼちぼちしてるし。今はまっているピアノも練習するから上達するし。O君とも一応友達してるし。なんかすごく最初は不安だった。私のしらないO君が増えることに。でも、今は思う。それは当然のことなんだよね。ずーっと変わらない方がおかしいんだ。最近もよく夢見たりするし、「好き」ってことに変わりはないし、その度合いが薄れてきたとは思えない。でも思うの。O君にもし好きな人がで きてもそれは仕方ないことだって。そりゃ悲しいけれど、多分今の私なら応援できる。なぜかって、そりゃO君が好きだからじゃない? 
「女になった」って言った友達こそ、特定の男性とお付き合いするようになってすっごく美しくなっていった子だ。恋するってすごいね。私もそーだとしたら……いいんだけど、あはははは……。


実は明日テストなんだよね。大丈夫なの?



 一九九七年 六月十二日


 昨日O君に電話した。久々におばさんが出た。今さっき黒木書店に出ていったと言ってた。うちの近くまでくることあるんだと思った。ちなみにバイクでだそうだ。それが10時20分だった。もう一度電話して、まだだったら今度ま たかけますと言って11時に電話をした。話し中だった。おばさん? それともわざと受話器あげてたの?(被害妄想ひどすぎ)違う、よね?不安だけがつのって……。なんか疲れを感じた。O君、あなたは私には大きすぎる人なのかもしれない。いつまでたっても追いつけない。
 今日9時20分に電話した。またおばさん。「天音です」というと、「あら、こんばんは」「こんばんは」「またいないのよ。友達とバイクで走ってくるって」「そうですかー、男の子って夜でも平気ででていくんですね」「そうなのよ。止めてもきかないの」「心配じゃないですか?」「中学の時の友達でね。いい子たちばかりだからそれは全然。でも事故とかがね」「乗るとスピード出てしまうっていいますものね」「そう。い つのまにか出てるって言ってる」「お勉強の方は……O君のことですから、してますよね?」「どうかしらねー。予備校には行ってるけどねー」「でも本当にはまっているみたいですね」「そうねえ。浪人中なのにねえ」「いい息抜きになるんじゃないですか?」「それはそうみたいね」「ふう、でも残念だな」「ごめんなさいね」「いえ、こちらこそ電話よくかけるから煩くないですか?言ってくださいね。やめますから」「それは全然構わないのよ。またかけて下さいね」「は、はい」
 そうそう、昨日の話し中は弟さんだったらしい。久々の友達で一時間ぐらい話してたんだそう。それにしてもおばさんは話しやすい。ま、今日はおばさんに免じてまあいっかっということで。


 一九九七年 六月十三日
 

 先のことなんて分からない
 最善なんて分からない 
 僕は神じゃないんだから
 今だけで精いっぱい
 当事者だから盲目にもなるさ
 でもそれは仕方がない
 迷っていたら進めない
 行動は自分で決めろ
 そして責任を取ればいい!
 きっとそれは最善になる!


 ときどき思う。私は本当にO君が好きなの? 好きって何? いつからそうなったの? 確かに気になるの。考えるとドキドキしたり幸せになったりするの。他の女子と話していると不安になるの。でもそれは本当に「好き」なの? 改めて考えるとどこが好きなのかもよくわからな い。どうしてこんなに心を占めてるの? どうして毎日考えてしまうの? 分かんないことだらけ。人の気持ちって難しすぎる。自分の心さえよくわかんないよ。もちろんO君の心も分かんない。私はO君をほとんど知らない。なのに好きになるなんてことあるの??????



 一九九七年 六月十四日


 夢を見た
 とても綺麗な世界で
 「あなたは汚れているので入れません」
 と言われた

 夢を見た
 とても汚れた世界で
 「あなたは綺麗なので入れません」
 と言われた

 目が覚めて思った
 なるほど 
 世界はよくできている



  一九九七年 六月十九日


 バカヤローっ!  なーにやってんだ! 
 あなたは受験生なんだよ! しかも浪人! 息抜きは必要だと思う。でもね、最近遊びすぎてると思う。このままじゃ浪人したこと後悔することになっちゃうよ。ふう……。
 今日は捕まえようと早めに電話したのに……。(8時30分)また10時すぎにしてやるつもり。いい加減に帰ってきなさい~!・・・電話すると本人が出た。同窓会と文化祭の話をちょこっとだけした。んで母からロストワールドのチケットをもらったことを言って、「よかったら一緒に行かない?」と言ってみた。沈黙。「チケットただだよ?お得だと思わない?」「タダ……。別にいいけど」「ほんと?取り消しなしね!本当にいいの?」「……どうでもいい」……なぬ? 傷ついたぞ、それは。「じゃあ行こう!」「いつにするの?」で、日にちは7月16日になった。なんか……。うーん、嘘みたい。ちゃんと話せるかなあ?



 一九九七年 六月十九日


 例のY先生の授業を受けていて、また矛盾を感じて「もー、またや。変」といらついて、でも、「どーでもいいや、自分で勉強しよう」と思い、はっとした。どーでもいいって……。このときは私のY先生に対する感情。これに似たものをO君は私に持ってる? いい加減で本当にどうでもいい気持ち。うー。なんか落ち込む。
 今日朝バイクで二人乗りしている人がいた。一瞬O君が女の人を乗せているのを思い浮かべた。その瞬間。胸の中に闇が広がった。久々の嫉妬という感情。なんか自分が嫌になった。たぶん本当に見たら、その女の人に「死ね」って思ってしまうかも。怖い。自分が。



 有機物ができて
 アミノ酸を作って
 そして生命が生まれたと習った
 物に生命が……?

 帰りに夕日を見た
 風が強くて
 上半分は雲が隠してしまっていた
 下は光の洪水だった

 私は思った
 神様は本当にいるかもしれない
 あの光のカーテンの裏に
 でなきゃ
 こんな地球(ほし)があるわけない



 一九九七年 六月二十五日



 予備 校に、親しい友達のいない男子がいる。その人は途中から入ってきたから。その子は予備校で、私の今最も仲いい友達に気があるらしく、話しかけてきて、私もなぜか話すようになっていた。ところが、お弁当を食べているときにその子が加わるようになって・・・。七人で食べているのだけれど、そのうちの二人がそれを嫌がるようになって、亀裂が入ってきた。私たちは板ばさみ。でも、やっぱり女の子たちが大切。それで、話しかけられないように、その娘を壁の端に座ってもらうようにして食べていた。ところが。ある日食べていると誰かが肩をトントン。彼だった。しまったと思った。端に座るんじゃなかったと。私は困って他の娘たちを見た。みんなは目を合わせてくれない。一人、私の前の子だけ「ど うしよう」という目をした。どうしよう。どうしよう。善悪の判断からすれば、無視は悪いことだ。これじゃ、苛めを見てみぬふりをする人たちと同じ。解っている。解っている。でも。仲間はずれが恐い。恐くて、私は無視をしてしまった。なんということをしちゃったんだろう。傷つけたのは確実だ。私は口で綺麗事を言って、可哀想って言いつつ、そうやって無視をしたんだ。なんて酷い。なんて冷たい人間なんだろう。自分が凄く嫌だった。どうしていいか解らない。これから、どうしたらいいんだろう。



 一九九七年 六月二十八日


 自然の力って凄い。そしてとても綺麗。
 一昨日、夕方自転車で家に帰っていると、きっと上空の風が強かったんだろう 、雲はいつもはもくもくと縦に成長するような感じなのに、その日は横に無造作に筆で描いた様な雲が何層にもなっていて、そこに夕日が当たると、影の灰色と、日のせいで淡い朱に光る部分がはっきりと分かれてとても綺麗だった。空も綺麗。夏の夕方って空も明るい。夕方になるとうすーい碧色になる。いつも思う。南国の浅い海の色みたい。空は本当に凄い。毎日違うのだもの。
 今日は台風が来ている。例年よりかなり早い。異常気象かな。私の家の前は田んぼがある。まだ小さな稲が青々としている。そこを風が通るたび、波が走るように稲が揺れる。見ていておもしろい。放射線状に広がったり、端と端で全く違う向きに走ったり。毎年綺麗だなと思って見ている。被害も凄いけれどね。
 最近人 をけなす言葉をよく使っている気がする。汚い。嫌だな。口に出すたび、自分が汚れているような気がする。やめなきゃ。私なんていいところないから、性格磨くぐらいしかないのに、こんなんじゃ、最悪な女性になってしまうよ。がんばらなきゃ。



 一九九七年 七月一日


 電話した。珍しく弟さんだ。やっぱり少し声が違う。ちょびっと高かった。でも話し方とかそっけなくてそっくり。でも少し気になる。5回で出たけど……。「バイト行ってます」って言ってたけど……。また私の杞憂だよね? でたくないからバイトって言っとけとか言ってないよね? 私って本当にマイナス思考。
 10時半にもう一度かける。「まだ帰ってません。12時すぎてもたぶんまだ帰ってきてないと思います」え? おかしいよ?じゃあどうしてさっきそういってくれなかったの? O君そこにいるんじゃない?ねえ、嫌がってるの?不安だ。


 香港が中国に返された。


 一九九七年 七月二日


 今日も電話した。「はい」あーおばさんだあ! よかったあ!おばさんの爽やかな声に私はかなり救われた。「天音です」「あら、こんばんは」「こんばんは」ううなんかやっぱおばさん好きだあ! 「今日もバイトなのよぉ」「あーそうですか。やっぱり夜遅いんですか?」「12時過ぎると思うわよ。明日はバイトないと思うから、また電話してみて」「はい、そうします」「どもども」 ……お、おばさん、あなた様は本当にO君のお母様でいらっしゃいますか?
  うー。まーいいや。本当にバイトだったみたいだし。明日だっ!(ストーカーじみてきてる?)



 一九九七年 七月三日


 O君のばかばかばか!9時半にかける。今日も弟君だ。「いないんですけど」「そう、ですか。はあ……」「はあ……」 な、なんかお茶目な人なのかな、弟君。10時半に再チャレンジ。「まだなんですけど」コノヤロー。「今日バイトじゃないんですよね?」「さあ~?」「バイトいつか分かりますか?」「いやー、分からないです」「……もしかしてさけてないですよね?」「ーーいや、それは違うと思います……」「そうですか、じゃあいいです」「どーも」

  ちっくしょーーーーーーーーーー

 七日はテスト(O君)だから、その日の夜にかけてやるっ!ちゃんと出てよね!



  一九九七年 七月七日

 
 今日の朝はO君の夢から始まった。一度目が覚めてそのあとまた寝ると、また出てきた。何か言いたげ。でも何も言わない。何? やだな、なんか。
 そして起きると雨ザーザー。自然と口元が緩む。
「今日はバイクで走りにいけないっ」
 バスに乗る。サンダルで草履をはいている人の足を踏んでしまった。ごめんなさいっ。
 一学期最後の授業。週に英語を三時間教えている先生で、本業が牧師の先生がいる。その先生が「本業の方で研究とかがあり、忙しくなるので今期で終わります」といった。例文に浪人生のことを使ったりしてかなりひんしゅくを買っていた先生だけれど、悪気はないのは分かっていたので私はそれほど気にならなかった。教え方は中の下くらい(何様だよ)。お世辞にも上手いとは言えない。でも、できることを教えたいと思っているのは伝わってきたし、質問にも快く答えてくれた。ちょっとイギリスかぶれのところは嫌だったけどね。なんかすごく寂しそうで……。なんか悲しくなって。胸の中に後悔に似たものがうずめいて。私は講師室に足を運んでいた。「お世話になりました」一言ぼそっと言って、出ていこうとすると、呼び止められた。「何?」だから今度ははっきり言った。「短い間ですが、お世話になりました」すると本当にうれしそうな顔をした。「来年頑張ってください」とのことに「先生もお元気で、頑張ってください」と答えた。よかったと思った。別にお世話になったとはあまり思ってはいないけれど、(辛口)先生は多分いろいろ言われてきたからそれがプレッシャーになってたと思う。だから少しでも気分よく本業に打ち込めるようにできたらと思ったんだ。自分が先生の立場だったら、言ってもらえると嬉しいしね。
 今日は七夕だったんだ。目で会えなくて残念だね。代わりに私がO君と16日会ってくるからね。(図々しい)
  だから、今日は電話通じますように!
 ……なんかわけわからんね。
 短冊には、


 最善が尽くせますように。


と書いた。


 ちょっと思ったこと。七夕さ、雨だと会えないって変。きっと雲の上で二人だけで会ってるんだよ。その方がロマンチック。
 電話した。弟君出た。「天音です」「あ、いますけど……」「ああ……!」よかった~って感じで嬉しそうに言ってしまったので、きっと弟君は可笑しかったと思う。「兄ちゃん、天音って人から」やっぱり、兄ちゃんって言ってるんだ。予想通りだな。「もしもし」O君がでてきた。お、今日は普通~機嫌がよさそう。よかった!さっそくきりだす。待ち合わせ場所。その日は塾もテストもないとのことでよかったよかった! で、お昼ぐらい一緒に食べようというと、別いいよって。わーい、思わず「よかった♡」時間はまだ分からないから12日の夜に電話するからいてね、というと「はい」だそうだ。うんうん順調。でもね、久々の声にかなりキンチョーしてしまって、ほかのことが全然話せなかったの。でもね、久々に「してよかった」っていう電話だった。よーし、当日も頑張るぞ!
 その前に7月10、11日はテストだ。弟に負けないように頑張んなきゃ!

 織姫さん、彦星さんありがとう!



 一九九七年 七月八日


 なんかO君の家族って、こうやって電話をしているとわかってくるというか。きっと日曜の夕食とかみんなで話しながら食べてそう。おばさん爽やかだし、弟君素直だし、おじさんはいまいちなぞだけど、あ~ゆ~家族で育ったからO君はO君になったわけで……。やっぱ私の目に間違いはなかったという感じ。弟君とよく話してそうだし、7月3日の「さけてませんよね?」って私がきいたこともきっとO君に伝わってんだろうなあ。だから昨日優しかったとか? あー今日も勉強が……やんなきゃ。



 一九九七年 七月九日



 テスト前なのに16日のことを考えると落ち着かない。O君のせいで勉強ができないなんてことは死んでも嫌なのに! でも、でもっ!
 まず、隣を歩くというのが私には一大事で……。で、隣でO君が映画を見てて……。うー。もー。おかしくなりそう。おトイレ行くときとかは恥ずかしいし……。ご飯も向かい側の席で食べてたら私はキンチョーして上手く食べられないかもしれない。大丈夫かな。大丈夫だよね?いい日になるといいなあ。

 べんきょーしよ。





今日はココまで。

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 浪人中は時間が人とはずれているというせいか、ものすごく多感だった気がします。いろいろ考え、感じてましたね。そして今とかわらず、マイナス思考でした。これを読んでいるとエネルギーが減っただけで、あまり成長してないなあと感じてしまいます。
頑張れ、今の私! (こればかりだ)

 
 ここまで読んでくださりありがとうございました。
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 それではまた!               天音花香

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こんにちは。天音です。

未来の誰かに贈る日記を今日はお送りいたします。

まだまだ寒いですね。
受験生の皆さん、風邪ひかないように頑張ってください。
1997年の天音も受験勉強頑張っています。



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一九九七年 七月十日



 告白したら楽になるかもなんて思ってたところもあったけど、結局はO君の気持ち分かんないままだし、不安は消えないんだよね。
ふう。
この頃思う。心も容姿もきれいになりたいな。自分に自信が持てるようになりたいよ。



  一九九七年 七月十二日



 電話した。「Oです」おばさんだ。「天音です」「こんばんわぁ」「こんばんは」「ちょっと待ってね」『天音さんから電話よ』『え?あ、ああ~』電話するって言ったこと完璧忘れてるな。『入ってんの?』「もしもし」「こんばんは」時間は11時35分のを見ることになった。11時じゃ早いかな?と聞くと、「35分やろ? 15分くらいでよくない?」と言われたのでそうしようと頷いた。バイクの話を少しした。ドラッグスターの銀色。400ccでデカいらしい。改造して渋い大きな音が出るようになってるんだって。「ノーマルじゃ乗れん」だそうだ。弟にきくと私の嫌いなハーレー型だそうだ。う、まあ、O 君背が 高いし ……。でも、なんか不良っぽいかも? 怖い人になっていませんように。でね、しかも新車で70万! 嘘! どういう金遣いしてんの!? なんか両親も甘いというか……。しっかし、電話切りたそうな感じを受けたのがちょっと悲しかった。O君は自分から切ろうとはしないから、「じゃあね」というと待ってましたって感じで、「ばいばい」だもんな。うるうる。
 でも、電話も慣れると面白い。
 素直な弟君に、さっぱりして優しいお母さん。
 お父さんはどんな人かわからないけど、いいなあ、こういう家族。
 O君も井出反抗しているように見えないし、お母さんとも結構しゃべってそうだし。
 ひそかに想像している。きっとO君のお母さんは髪は長くてゆるいウェ ーブがかかってて、後ろで一つに束ねてて、普通は化粧してなくて、よくパンツ(白いジーンズとか)ルックでいるのでは?なんて。
 想像するのは楽しい。



一九九七年 七月十五日

 ううっ。生理がこんなときに限ってやってくるなんて。明日は二日目。一番ひどいときじゃん。なんてついてないのー!!! ちゃんと薬飲んで、トイレにこまめにいかなきゃ。はずかしいよー。明日は軽いように!!
 今日は死にそう。薬が全然効かないのはなぜ?

 なんか緊張してきた。どうか会話が弾みますように。


一九九七年 七月十六日

 今日は大安だったはずなのに。
 時間ぎりぎりだ ったから走って行ったが、O君はいない。待った。かなり待った。でも一向に来ない。映画始まっちゃったよ。でも来ない。私は時計を気にしながらしぶとく待ったがすっぽかされた!と悲しくなって、家に電話した。母がいない。どうしよう。私はいつのまにか暗記していたO君の電話番号を押した。
「----はい」
 弟君?
「あの、天音ですけれど、弟君? お兄ちゃんいつ家出たかわかる?」(考えてみれば弟君学校のはずだが、頭がぱにくっている私は気づかなかった)
「いや、あの……」「……もしかして出てない?」「いや……」「言っていいよ?どっち?」「……本人です」「……」
 信じたくなかった。どうして家にいるの? 私はしばらく言葉が出せなかっ た。
「ヤバい……」小さく言う声が聞こえた。
「ごめん」 
謝罪なんかが欲しいわけじゃなかった。
「映画、1時過ぎからまたあるの。出てこれない?」「いや……あの……」「私ね、ここまできちゃったの。帰るの虚しいの。どっちなの?」「1時に……」「え? 1時にここでいいのね?」「でも……悪い、待たせるの……」
 そう思うのならなぜ来てくれなかったのだろう。
「初めから来る気がないなら断ってくれればよかったのに」
涙声になった。
「やば……。ごめん……」
「1時に、待ってるからね」
 私は放心状態で本屋に行って、母と下見した喫茶店で一人で昼食をとった。
 あのとき電話をしなければ私はずっ とあそこで待っていたんだと思うと悲しくて泣きそうになった。O君にとって私はその程度なんだ。
12時半すぎにもう一度家に電話して、母に状況を報告した。
 そして12時45分から待ち始めた。5分前ぐらいに来てくれなきゃ、誠意がない。私はそう思って時計とにらめっこを繰り返していた。バイクで来るとは思わなかったが、大きなバイクが通る度目で追った。銀色のに乗る背が高い人が近くを通ったが髪が長かった。そのバイクはしばらくしてまた引き返してきて、どこかへ行った。
 時計は1時を回った。私は泣きたくなった。このまま来なかったらどうしよう。と、そのとき、ジーンズに白のTシャツ姿の男性がこちらに近づいてきた。ふと見て髪型が違うから違うやと思っ た。が。
「もう1時過ぎてる?」
あ、O君だ。
「バイク止めるところが見つからなくて何回もここ通ったんだけど」「バイクで来たの?」「うん」「ずいぶん髪伸びたね」「ああ。……どっち?」「こっち」
映画館に入って席をどこにしようかというと、O君はコーラを2本買ってきた。「いくら?」というと、手をいらんというふうにふって、「1600円かー」と映画のチケットを見て言った。
「気にしないで。もらいもんだから」
それを気にするなら、私を待たせたことを気にしてほしかった。
そうそう、O君が待ち合わせ場所に来た時、来なかった理由を聞いたのだが、彼はこういった。「バイトの飲み会みたいなのあって、2時過ぎに帰ったから寝てな くて」私は仕方ないというふうに息をはいて、「寝てたの?」「11時半ごろまで」ということだ。 
 映画が始まるまで暇だった。会話もないし。
 身長をきくと、184センチとのことで終わってしまった。だからCMが始まったとき、私は少しほっとした。
 映画はジュラシックパークの方が面白かったと思う。でも恐竜がいっぱいでてきて、私は口元を抑えて悲鳴をこらえるので大変だった。冷房が効きすぎて寒かったし。私は鼻ずるずるするは怖いわで大変だった。しかもトイレにいきたくなって、でもO君が端に座っていたので行けず……。O君煩かっただろうなあ。O君は長い足を組み直したり、コーラを飲んだりして、あとは身じろぎもしなかった。
 映画が終わってさすが に耐え切れなくなった私は、恥ずかしいけれど「トイレ行っていい?」と聞くと、「俺、4時からバイトが……」「ちょっと待ってよ」私はこれまた恥ずかしいのだけれど、残りのコーラをO君に持たせて、トイレに行って戻ってきた。O君からもらったコーラだと思うと捨てられなかったのだ。O君はちっとも歩く速度を落としてくれない。「どこのケンタッキー?」と聞いても何も言わない。これは拒絶だ。来てほしくないんだ。ほとんど会話のないまま、「じゃ、このままいくから」「気をつけてね」でおしまいだった。服選んで、時間かけてファンデ塗ってみて、髪といて、私何やってたんだろう。なんか悲しくなってきた。もうやめた方がいいのかな……。 
会わない方がよかったのかな。
私の 三年と少しの想いを絶たなきゃいけなくなるなんて。覚悟はしてたけど。
 私はバスの中で泣きながら帰った。
 今も夢現で……。頭がガンガンする。なんでこんな風になっちゃったんだろう。
 それでもO君を見ると怒りがしぼんでしまったことに私は腹が立つ。映画館で内側の席に入れえくれたことも嬉しかったし、隣に座っていることだけでドキドキした。それが自分ですごく悔しかった。恋は盲目。こんなやつサイテーってどうして思えないんだろう。
 でも、さすがに懲りた。もう電話はしないでおこう。

 楽しみにしてたのにな。


一九九七年 七月十七日


 O君の世界に自分がいないことを実感 してもちろんそれはそれで悲しいけれど。自分の想いを消さなければいけないのが、もっと悲しい。ずっと三年と少しO君のことを考えている自分がいた。でもそれを消さなければいけないのは自分の存在を消さねばならないようで……。O君は変わっていない部分はやっぱりあった。いつもの不機嫌そうな顔とかしゃべり方とか……。でもやっぱり微妙に変わってたと思う。雰囲気が。投げやりっぽいというか……。ちょびっと不真面目な感じ。やっぱ変わるものだね。でも嫌悪感とかはなかった。私ってやっぱり未練たらたら。やになっちゃう。もーやめ!


 覚めるような青い空の下
 僕は見る ひと時の夢
 この大空に 羽広げ
 飛んでいきたい 世界の果て まで


 いつも見るあなたの広い背は
 遠ざかるばかりで何も言わない
 想いは募り消せないけど
 さよならあなた 涙が溢れた


自分で作ったメロディーに詩をつけてみた。二つとも同じメロディー。


一九九七年 七月二十日


O君へ


いくつか言いたいことがあります。O君はもっと自分の気持ちを相手に伝えるべきだ。これからもO君を好きになる人は出てくると思うし、O君にも好きな人ができると思うし(今もいるかもしんないけれど)両想いになってお付き合いをすることになることも来ると思う。そんなとき、自分の気持ちを素直に言わな きゃ。好きなら好き、嫌いなら嫌い。相手の女の子は不安でいっぱいだよ。きっと。特にO君に片思いしている子はO君の態度に一喜一憂してるんだから、少しは考えてあげてほしい。まあ、勝手に好きになった方が悪いとかって思うかもしれないけれどね。おせっかいかもしれないけど言いたい。
 それから、バイク楽しそうだし、息抜きになってるからそれはそれでいいけど、大事な時期だし事故ったりしないように気を付けてね。それとO君が目指してるとこはとえtも難しいところなんだから勉強ちゃんとしてね。お互い頑張ろう。
 今まで迷惑かけてごめんね。今O君を好きなことは確かだけど、でも人の気持ちは永遠じゃないから、この先はどうか分からない。でも、これだけは言える。この 先何があっても私はO君の味方だからね。後悔しないように頑張って! じゃあさよなら。


 この手紙、本当に届けられたらいいのにな。


一九九七年 七月二十一日


O君と会った日から、泣き暮らしていた私。
ガーン! 今日から予備校だったらしい。友達が心配して電話してきてくれた。チューターにもかわるんだものびっくり。明日からちゃんと行きます。
 やっぱ、私ぼーっとしてる。うじうじして嫌になっちゃう。上の手紙。本当は出したいけれど、出せそうにないし。
 でも、私も結構期待しすぎてた面はあるんだよね。おばさんに名前覚えてもらって、弟君とも前よりかは話せるようになっ て……。でもバカだよね。いくら家族の人と話せるようになったって、O君本人との距離が縮まったわけじゃないのに。勘違いもいいとこ。
 でも、ちゃんと口に出して言ってくれたらよかったのになあ。「迷惑」って。いつもごまかしてばかりで。気づかないとでも思ってたのかな。それは優しさじゃないよ。「お前には本当のことを言う価値もない」って言っているように聞こえる。私って、弟がいうように暗い……かも。いくら日記に愚痴ったところでどうにかなるってわけでもないのにね。
 この頃だらけてるから勉強しなきゃ。


一九九七年 七月二十五日


 ここはどこ? 学校? 予備校? 私勉強してる。隣には……O君???あ 、下敷きに字を書いてきてた。「ベルを買った。番号は×××……」でもO君入れたって電話してきてくれないじゃん。バイト中は忙しいだろうしさ。でもどうして一緒に勉強してるんだろう。雰囲気は変わってはいないけど、こんな風に話す人だった?私は不安。隣にいて不安。「どうして?なんか変。嘘つかなくていいんだよ?電話迷惑だって言っても」O君は私の言葉を目でにらんで遮った。「こんなところで話すことじゃない」確かに、周りで勉強している人がいる。私はその通りだと思ってやめた。下敷きに書く。「何時まで勉強するの?」「11時」思わず笑ってしまった。あと15分しかないじゃん。そして私たちは11時過ぎると教室を出て、廊下でマックで買ったハンバーガーを食べた。普通に話して る。あ、他の女の子が話しかけてきた。笑って答えているO君。きっと予備校やバイト先でもこんな風に女の子たちと話してるんだろうな。嫌な気持ちが広がった。でも今日は優しいからいっか。夢みたいだな。夢? 嫌な予感。なんだかぼやけてきた。うー、いやだいやだ!
「花香、いつまで寝てるの?!」 
 やっぱり……。一気に脱力。そーだよね。本当のO君はあんな風に優しく話してくれないもん。でも……。もう少し眠っておきたかったなあ。夢の中だけでいいから一緒にいたかったなあ。……現実だったらよかったのに。そう思うと切なくなった。

 予備校が始まって毎日忙しくて、少しは気が紛れてると思ってたけど、やっぱ心の奥底にいつもいるんだなということ がこの夢で判明してしまった。やっぱり心の中では諦めたくないとか電話したいとか思ってんだろうな。バイクの音が気になるし……。



一九九七年 七月二十八日


 もうすぐで映画から二週間。O君電話がないことに気づいてくれるだろうか。こんなにも私は考えてしまうのに。虚しいな。勉強に打ち込まなきゃ。



一九九七年 七月三十日


 予備校に行くとき、O君に似た人をみかけた。あのバイクで髪も同じぐらいで、背が高くて脚が長い。予備校に行くとき、追い抜かされてとても驚いた。その後は午前中いっぱいO君のことを考えてしまった。私って悲しいやつ……。



一九九七年 八月三日


R子さんちに泊まりに行ったの~!まずカラオケいって、R子さんの家にいって、料亭のような夕食とって、いろいろ話してずっとナポレオンしてた。んで、お風呂入った後はお酒をちょっと飲んだ。いろんな果実酒をちょびっとずつ交換した。酔ったかどうかは分からないけど、意識ははっきりしていた。んで、3時頃寝た。翌日は7時半ごろ起きて、また寝て、8時半に起きて、S子が起きるのを待って、10時頃ご飯を食べた。それからまたずっとナポレオン。私はしゃべるとぼろがでるので、口を閉じなきゃいけなくて大変だった。途中でから揚げやおにぎりを食べつつ、17時頃電車で帰った。天国のような二日間で し た。しかし、勉強が……! 今日はしっかりしなきゃね。


一九九七年 八月六日


あの人と同じバイクが予備校の駐輪場にあった。色も銀でまったく同じ。ここにも乗ってる人いるんだなと思った。しばらく忙しくて忘れていたのに。同じバイク見ただけでしばらく動けなかった。まだ、だめ、かな……。今日で3週間目。O君私のこと覚えてるかな。電話ないの気づいているかな。元気かな……。


一九九七年 八月七日


バイクを見たせいかあの人の夢を見た。あの人が謝っている夢。「どうして謝るの?」というと「理由は分からない」ブチっ!私は切れて無視していた。
しかし……。や っぱ謝って欲しいという願望があるのかなあ。まだまだ……。



一九九七年 八月十六日


 祖父のうちではいっぱい働いて、従兄と電話したりした。大学院に残るためにめちゃめちゃ頑張ってるみたい。私も頑張るぞ~!
 帰りに祖母の家にもよって、もらった野菜のおすそ分けをしてきた。それが10日。
 最近もよくあの人の夢を見る。髪が短いときのあの人が出てくる。普通の友達のように話している。私の願望がもろに反映されているなあ。もう四週間以上たっちゃった。まだまだ好きでたまらない。声聞きたい。私、やっぱ我慢して電話しとけばよかったのかな。でももう後には戻れないのだ。予備校がある日はだいぶん気が紛れるんだけれど。
 んで、昨日は盆最後ということで、亡くなった祖父のお参りをして きた 。元気 だった祖父を思い出して、少し切なくなった。祖母は会うごとに弱って行っているのがわかる。おじいちゃん、おばあちゃんを連れていったりしないでね。空から私たちを見守っていてね。
 そして今日、文化祭以来にK子に会った! K子痩せて服も大人っぽくなってて、きれいになってた!! すごーい♡3時30分の「もののけ姫」を見るつもりだったけど、満席で結局6時15分。それまでブラブラウィンドーショッピング。K子はいろいろ知ってて、見て回る。私はあんまり分からんと思いながら眺めた。そうそう、口紅買ったの。今度はベージュ系のあんまり濃くないやつ。似合うといいな。で、夕食を食べて、映画を見た。
 すごく絵がきれい!! 風景も人も! 影とかもうまいし、動物 や人間の歩き方とか動作とか。曲も久石さんのすごく良かった。声も合ってたし。内容も濃かった。現代と通じるものがあって、考えさせられるようなものだった。今は人間は好き勝手やってるけれど、やっぱり自分たちのためにも自然と共存していかなきゃだめなんだと思った。
 そして帰り。私は初めてナンパなるものをされた。8時半過ぎてたので、K子も私も家に電話をしてて、私の方が先に終わったからK子を外で待ってると、「ねえ」
 私ははじめ違う人だろうと思って無視をしてた。でもしつこい。私? 振り向くと「一緒に飲みに行こうよ」まだ若い社員さんって感じの二人がいた。お前ら私に声かけるほど女に不自由してんのか……(苦笑 「いえ、いいです」「なんでー? いいじ ゃん。これからどこかいくの?」「帰るんです」「なんでー、勿体ないよ。いーじゃん、飲みに行こうよ」私はこうなったらと思い、「私、浪人生なんです」すると、少しびっくりして、「じゃー、勉強しなきゃいけないのー?」「はい」きっぱり。「いーじゃん、ちょっとぐらい息抜きしようよー」まだ言うか!!K子まだなの?!そこでK子が出てきた。「何してるん? 行くよ」やった! と私は思い、「ごめんなさい」といってK子に続いた。でも私のバス停はさっきの二人組の方。私は一人で行くのが怖くなった。K子も「天音は箱入り娘やから心配」って言ってくれて、K子のお父さんに車で送ってもらった。
怖かった。もうやだ、あんなの。


一九九七年 八月二十二日


 ドラマや漫画や小説は、いろいろあっても最後にはうまくいくからいいよなあ。今日のテストは最悪だったし、なんかいいことないかなあ。O君の他にかっこいい人いないかな。一緒に受験頑張れるような、さ。友達がいるから十分って? そうだけど、やっぱりドキドキって大切じゃん? ハリがでるよね。なーんてね。



一九九七年 八月二十三日




 「 未来」は背中からやってくる。「時間」は自分を通り過ぎて前方へ消えていく。だから「過去」は見えるけれど「未来」は見えない。「うてな」に上ると全体が見渡せるのだが、「過去」は一本道なのに「未来」は無数に広がっている。その無数の道 を背中で受けて、一本にして紡いでいくのが人間。だから「未来」はその紡ぎ方による。―漫画『未来のうてな』より―
 こ の考えって凄いと思った。なんだか納得と言う感じ。
 話は変わって、数日前に甲子園が終わった。去年なんか、ビデオにとって見たもの。今年は予備校ばっかりで少ししか見られなかったけれど、応援していた「平安」が決勝まで残って、「智弁和歌山」と決勝で争った。質問待ちのときに、少しだけ講師室で見られた。その夜は熱闘甲子園で決勝全体を見た。やっぱり甲子園はいいね。なんか、私とかが一生かけてもできないような顔を彼らはしていると思う。ボールだけを追う必死な瞳。夢中になれることがあるっていいな。

      甲子園球児に送る


   目がいいね
   投手のミットを見る目が
   打者のボールを見る目が
   高く上がったボールを追う目が
   すごくいいね
   私が一生かかってもできない表情を
   彼らは この夏の数日間だけ浮かべる
   あどけなさの残る顔に宿った
   強い意志が
   彼らを一回りも二回りも大きく見せる
   試合後に自然と溢れ出す
   喜びの あるいは 悔しさの涙は
   本当に一生懸命やったという
   「勲章」だね

   頑張ったね
   君たちが 今年も一番輝いてたよ




 次は私が野球部の男子の幼馴染だったらという仮定で。



   幼馴染の真ちゃん は
   小さいころから野球が大好きで
   中学生のときにはすでに 
   甲子園を夢見ていました
   去年の夏
   最後の最後で負けて   
   甲子園に行けなかった真ちゃんは
   高校最後の夏
   憧れだった甲子園のマウンドに立っています
   野球のことになると
   目を輝かせて
   まるで子供のようだった真ちゃん
   今は私の知らない顔で
   ボールを投げています
   この夏
   真ちゃんは
   私の憧れの人になりました



一九九七年 八月二十六日



 幸せすぎる夢を見た。

 塾の帰り、同じバイクの人を見かけてドキリとすると、手を振ってきた。あの人だった。
 もう暗かったので別れた。「夜電話してほしい」と言われた。
 しかし、父がいたので電話ができなかった。父を不機嫌にさせたくないからだ。私はまた切れたなと思った。でも笑ってくれてたからいい。そう思ってあきらめることにした。が、数日後店であの人を見かけた。少し怖そうな人と一緒だ。どうしようか迷った。でも……やっぱり話したい。私は後をつけて、あの人が一人になったところを見計らって声をかけた。電話できなかったわけを話すと、仕方ないねということになった。私は再び電話をかけるようになった。一緒に勉強したりするのも多くなった。理想の関係。気軽 に話せて一緒にいるのが楽しい。背の差の大きい私の頭はちょうどいい位置にあるようで、あの人はよくくしゃくしゃするように撫でた。私はそうされるのが好きだった。あの人が思いやってくれてるのがわかって、温かい気持ちになるから。とても幸せ。毎日幸せ。

 目が覚めた時は、なんとなく「やっぱりね」という感じがした。でもそれ以上に悲しかった。いつになったら諦められるのだろう。どうしてこんなに好きになったのかなあ。



一九九七年 九月六日


 互助会に入っているので、タダで衣装を着て写真を撮れたの。一つは黒の下がレースの段々になってるドレス。とってもかわいいの。もう一つは長ーいウエデ ィングドレス。イヤリングとか首飾りもして、ちょっと濃い目の化粧して、気分はまるでお姫様! もう少しかわいい顔だったらよかったのにな。
 着物もきてみた。すっごく楽しかった。早く写真できないかなあ。




一九九七年 九月六日




 ダイアナ妃の葬儀が今日ありました。本当にたくさんの人から慕われていたのがわかりま す。多くの人の愛を得ながら、夫のチャールズに愛されなかった悲しい人。それでも、常に弱者を思い、分け隔てなく様々な人に接してきた優しい人。本当に悲しいことだ。残された王子たちがまた気の毒でならない。でも、今は、生きていたときに騒がれすぎて心を痛めていた分、安らかに眠ってください。また、今日、マザーテレサさんも亡くなりました。素晴らしい人が続けて二人も・・・。悪いことが続いています。
 彼女たちの思いを絶やさないよう、できるだけ社会に貢献していかなくては。



一九九七年 九月九日


 とても久しぶりにあの人の夢を見た。
 なんか電話があって、家にくる夢。しつこく電話をやめた理由をきかれた。んで、いろいろ話 して打ち解けて、「映画の前いたくね」ってことで別れた。
 変な夢。でも私の願望そのものだね。夢から覚めても、そこまで何も感じなかったことからするとだんだん気持ちも落ち着いてきているのだろうけど。



一九九七年 九月十三日



 マザーテレサさんの葬儀があった。その日の夜、彼女が生きていたときのドキュメントが放送されたので、見た。神の意思のままに人々に尽くしてきた 彼女。貧しい人、一人一人を主と思って接し、貧しさを理解するために貧しい生活ををし、公的な援助を受けず、自分で足を運んで、人々の力になった。本当に一生を、神のため、人々のためにささげた人だった。私にはとてもできそうにない。私にできることは、今、私の置かれている状況を有り難く受け止め、それを最大限に活用することだ。テレサさん安らかに・・・。




一九九七年 九月十五日



 従兄が大学院に受かった! 他の大学から通るって難しいだろうに……すごいー! 頑張ったんだろうなあ。私もそろそろ頑張らなきゃね。現役に追いつかれないように。



一九九七年 九月十九日


 今日はとってもいい夢から始まった。設定に無理があるけど、大好きな河村隆一様と一緒のクラスで、夢の中で私はりゅーちゃんに片思いしてて、一緒に黒板消しをする機会があってね、初めてお話するのよ。夢の中でもりゅーちゃんはもてもてでさ、やっぱ余裕があるのね。私の気持ちに気づいてわざと優しく接してくれるから、その後は大勢の一人だと分かってても嬉しくて、夢の中でぽーっとして、ほほが熱くてドキドキして幸せだった。なんかああいう幸せな片思いの気持ちって久々で、夢から覚めてもなんかふわふわしていた。
 それと、今日は髪を切ってきた。すごくイメチェンしたって感じ。でもね、私、顔丸いし、ちょっと合ってないかも。なんとなく老けて見えるし。切る前の横で高く二つ結びしていた時の方が似合っていたような……。幼いけど……。
 今日、ピアノを弾いているときに、煩いバイクの音がして家の前でスピード落として少し過ぎたところで引き返して止まってたから、O君だったりして……とか馬鹿なこと思ってドキドキしちゃった。O君が家に来るわけないのに。でも未だに「電話があったらいいな」とか思っている私でした。


 一九九七年 九月二十八日



 風邪をひいているせいか、頭がぼーっとし、夢の中でも花が咲いてます。O君病ってやつですか?
 私の予備校にバイクで現れるO君。ここですでに無理があるけど。私がそのバイクをくいいるように見つめて思わずハンドルを握ってるのを見られてしまう。それで謝るとすんなり許してくれて、「最近天音さんのことが気になる」とか言われちゃうの♡夢ならでは。でも夢でも嬉しい♡そんなこと言われたいよなあ。
 今日は日曜日。数学の先生にたくさん質問してきたよ。
 もうすぐ九月も終わるなあ。



一九九七年 十月十三日



 N子が手紙にいろいろなことを書いてくるのはよ くある ことだ。彼女の弟がH校を受けるのも偶然で。N子がH校の合格体験記を読んだのも偶然だろう。そして、F君がそれに書いていたのも偶然。でも。
 N子の葉書にその名前を見たとき懐かしかった。中一から中二まで好 きだった人だ。中学の三年間年賀状を出した。三年のときは志望校も明記して。「S校受けます」と。塾で一緒だったF君の友人に、ゴタゴタがあって、F君が志望校を下げたことを聞いたとき、年賀状を送ったことを後悔した。嫌味になってしまったと。でも、それは、自分がF君より高い志望校を受けることからくる優越感からの同情ではなかったのか。そして。
 N子の葉書に書かれてあった。F君は本当に頑張ったのだろう。高校受験で公立を落ち、でも、その悔しさをばねに大学受験を頑張ったんだろう。S校に受かった私が落ちたK大に、F君はストレートで受かったのだから。私は自分が驕っていたことに凄く恥ずかしくなった。凄いなと思う反面悔しくも思った。そして、情けなくなった。私って 馬鹿じゃない?高校生のとき何やってたんだろう。私、頑張らなきゃ。取り残されたくない。O君だってきっと頑張っているはずだし、T先生だって今度は私が受かると信じてる。私、まだまだ足りない。このままでは受からないだろう。気合入れて、これ以上ってのがないぐらい頑張らなきゃ。



一九九七年 十月十四日



 昨日、久々にK子に電話した。F君のことを話した。K子ははっきり、「それは努力の伴わないプライドやろう」と言った。その通りだと思った。「でも、それは誰もが持っているもの」とも言った。そうかもしれない。勉強の愚痴もよく聞いてくれて、勉強の仕方の相談にも丁寧にのってくれた。K子は大学で今、人体解剖をしているそうで、凄く 気分が滅入っているときなのに。私は私のことしか見えていなくて、恥ずかしく思った。本当にありがとう。私頑張るからね!
 すると、今日、K子から電話があった。というのも、私が昨日三時ごろに、夜電話するって留守電を入れてて、十時半ごろ電話をしたらまだいなかったから「遅いのでまた折りをみて」って留守電入れてたんだけれど、二回目のをK子は今日入れたと思ったみたい。「どーしたん?」って心配して電話して来てくれた。誤解を解いて、「わざわざありがとう」と言うと「だって、気になるやん」と言ってくれたので「K子ってそういうところ、まめでやさしいと思う」と言うと、照れていた。本当にK子が友人で有り難い。よく理解してくれるし、この私にずっと付き合ってくれるなん て・・・。なんていい人なんだろう!これからもずっと友人でいて欲しいな。



一九九七年 十一月二日


 わーい!全統模試642点! 得意科目は国語140、地学66とサイテーだけど、苦手科目は数学177、英語172地理87と今までのなかで一番よかった!よーしこれからもがんばっちゃる~!!
 最近寒いから空がきれい。特に太陽の沈んだ直後。すべてが青に染まるとき。光がすごくきれい。はっきりしているのに、どこか淡い。そして影が暗い。心がドキドキして胸が苦しくなる。地球はきれいだなって最近よく思う。風とか緑とか空とか見てると、残さなきゃって。

               青の時間

 
              こんな に暗いときがあるでしょうか
              こんなに信号の光
                   科学の光がきれいなときがあるでしょうか
              すべては夢のようで
              それでいていつもよりも鮮やかな時間
              深い藍色の空は暗いからこそ淡く輝き
              星は不思議な光で自分を主張する
              黒い雲は重く浮かび上がり
              白い雲は紅く光る
              太陽は沈んだというのに
              地平線に這う炎
               私を包む空間は
              無限に広がり
              美しい陰影で私を誘う
              光と影
              自然と人工
              生と死が
              程よく調和する
              危うい青の時間






    こんなにまぶしい地球を
    もっとも汚している我々が
    主権を握っているなんて
    世界は間違っている。



一九九七年 十二月六日


 今日はK子から電話があった。
 声ですぐわかったらびっくりしてた。今、家に帰ってきてて、どうしてるかなあと思って電話してくれたらしい。すっごく嬉しいなっ♡K子はちょっと疲れてた。原因は分からないけど、なんとなく、だそうだ。うーん、心配。頑張れよ~! って、私もだ。というより私こそ頑張らなきゃだ。来年はK子のとこに遊びに行きたいしね! とにかく電話ありがとう!!



一九九七年 十二月十三日



 センター、F女大になった。めちゃ遠いやんけ。近くのK大だとばかり思ってたのに、なんやそれって感じ。ふうー。
 N子に久々に電話した。頑張っている様子。まあ、私もここ数日は(それだけか)頑張ってる。5、6 時間勉強してるもん。でもそれは予備校がないから。やっぱ予備校がない日は10時間ぐらいしなきゃいけないんだろうなあ。頑張らなきゃ。そうそう、すごくつい最近にO君を見たらしい。雨の日にバスに乗ってきたって。居眠りして寝ぼけた様子だったらしい。しかーし、相変わらず髪長いみたいだし、指輪とかはめてたらしいし、なんか遊んで勉強してなさそうだったって。予備校にも来てないらしい。なんか……。どうしちゃったんだろう。人間ってこうも簡単に変われるもんなんだろうか。それとももともとい~加減な人だったの? 予備校に行ってなくても家で勉強してるならいい。そう信じたい。だって、3月の時点では「余裕で京大うかるぐらいになりたい」って言ってたのに。もう諦めたの? 悔し くないの? ちゃんと将来考えてるの? 満足しちゃっていいの、それで。気合が入っていれば風邪もすぐ治るし、眠くもならないって言ってたのは誰? はっきりいって、O君、今全然気合入ってないんと違う? 電話して活いれてやりたいけど、それもできないし、私はO君にとってどうでもいい人だし、こんなこという資格はないから言えないけど、しっかりしてほしい! こんな日記でしか書けないけど、伝わってほしい。O君には頑張ってほしい。後悔なんてしてほしくない。私もまだまだ足りなくて人に世話焼いている場合じゃないけど、私は頑張ってきっと受かって見せるんだから! ほんっとに、気合入れろよ! 馬鹿野郎! うーん、あんますっきりしないな……。勉強しよ。




一九九七年 十二月十五日


 やっぱり気になってしまう。勉強中は勉強に集中してるんだけど、その合間にふっとO君のこと考えちゃう。なんか何でもいいから力になりたいと思っているのに、何もできない歯がゆさというか、悔しさというか……。すごくむしゃくしゃして13日にK子に電話した。やっぱ、K子はよく考えてくれて……。最近K子にも好きな人がいるからよくわかる様子。うん。仕方ないよね。気になっても。好きなんだから。でもK子はそれで私の気持ちが乱れてセンターが悪くなるのを気にしていた。あんまり深入りするなって。もしかして勉強してるかもしれないし、そーだったら天音の心配は無駄になっちゃうって。うん。そうだよね。でも二人で考えて、年 賀状にそれとなく「勉強しましょう」ということを匂わせたのを書くことにした。私は名前と住所は書きたくないけど、「名前がないと不気味だよ」と言われたので、苗字だけ書くことにした。やっぱりK子と話すと落ち着くし、素直になれる。K子もいろいろあるだろうに、私の愚痴につきあってくれてありがとう!
 そして今日、私は最低限書いとかなきゃって人に年賀状を書いて、そのときにO君にも書いた。


        あけましておめでとうございます。

        元気ですか?
        センターが近いね。
        お勉強してますか?
        お互い悔いの残らないよう
         頑張りましょう。



とだけ。小さく「天音」とだけ書いて。
うーん。たぶんおばさんは「あら~天音さんじゃない」って感じで見るかも。本人はどうだろう。「あいつまだ俺のことを? うっとーしい」って思っちゃうかな? 「そーだなー勉強しなきゃな」って思ってくれたら嬉しいな。「懐かしいな。元気にしてるみたいだな」なんて思ってくれたらなお嬉しい!ま、それはともかく、あと少しだから一緒に頑張ろうよ!という気持ち、伝わってくれるといい。あれこれ考えてももう出しちゃったことだから仕方ないしね。さー私も頑張らなきゃ。明日は高校に行かなきゃいけないしね。

  自分で前髪を切ったらすごく変になった(涙< /div>



一九九七年 十二月二十三日


 今日は久々にO君の夢から始まった。でもまず設定に無理あり。うちにいろんな人が下宿してて、その中の一人だという……。なんじゃそりゃあって感じ。しかもいまだに私の夢の中では髪がスポーツ刈り。どーしても長髪を拒否してるらしい。しかし、まだまだ好きなんだろうな。目が合ったときは電流が走ったみたいにどきってして……。
目が覚めるともう、残念すぎて、もう少し見たいと思って二度寝したもん。しかーし、次は数学を解いている夢だった。ガッデム!
 そうそう、16日に高校に行ってきました! C先生に地学二時間も質問した。やっぱりわかりやすーい! 先生も嬉しそう だった。今の生徒は半寝状態で授業していてもつまらないんだって。可愛そう。んで、三年の時の担任にも話してきた。S先生には国語はなかなか調子がいいってことを言ってきて、U先生には地理が上がったって自慢してきて(ほかの人は下がってるらしい)おーし、頑張るぞーっ。嫌われてたと思ってたE先生もS先生と話しているときに加わってきて、励ましてくれたし、質問もした。S先生はあがらない方法を教えてくれた。右の鼻から息を吸って、左から出す。「そんなのできません」って言ったら、できないからいいらしい。それに集中して雑念が消えるんだって。面白い人だな。
 昨日は従兄から激励の電話があった。彼も卒論で大変なのに、ありがとう! 頑張るぞ!!
 昨日と今日は弟と 進研ゼミの模試をしたの。英数を時間計って。なかなか難しい!とくに数学ぼろぼろ。頑張んなきゃ! 年末年始もするつもり。だらけないようにね。
 でも今日は本当、頑張った! よし、明日も予備校だし頑張るぞ~!

  そうそう、センターはN子と一緒に行くんだ。
  明日はイブなのに、Y先生の顔見なきゃいけないの嫌だ。しかも四日連続授業。最悪。


 一九九七年 十二月三十日


 なんとも寂しい正月を迎えようとしている。両親は忙しい祖父の家へ手伝いに行った。弟とは喧嘩中だし。明日の紅白も見られそうにないし、おせちもないし、わびしいのう。
 最近は段々と不安になってきまして、困ってます。現役の時はあまりに悪すぎたので、かえって「どーにでもなれっ」って今頃は思ってたけど。うーむ不安になるのは当たり前と考えて、悩むより勉強だね。

 今年は年賀状来るんかいな?



一九九八年 一月二十八日


 今日は三者面談がありました。随分書いていなかったけれど、(忙しくて)もうセンターも終わりまして。中学の塾の友達に会えたし、高校の友達にも会えたし、一番最初の英語は長文読むまで緊張してたけど、あとは結構リラックスしてた。数学が難しくてめちゃめちゃ悪かったけれど、ほかは頑張りました。現役のときより数段いいです。全体平均は40点くらい下がるという難しい問題だったんだけどね。

ちなみに、国171 もう少し欲しかった
      英 173 まあまあ
      数 126 ケアレスあり。すごく不満。
      地理 94 平均が78だったの で、うーむという感じ。
      地学 91 満足!

地理と日本史が20点以上開いちゃって得点調整があった。うーむ。
 判定は前期B 後期 ベネッセC他B
 でもどちらもK大受けます。絶対前期で通ってやるーっ! じいちゃん先生も君は数学センスあるっていってくれたし、英語の先生もこれだけ書けるなら十分っ言ってくれたし(今はほめることしかしない先生たち……)頑張るぞーっ!
 そうそう、今日K子と高校担任から激励の手紙きてた! 超嬉しい!
 先生、浪人生たちに一枚一枚手書きなんて……。うー、泣かせるぜ! 本当にありがとう! 頑張るからね!!



一九九七年 二月七日


 昨日はS大児教があった。こんなはずでは……。国語は漢字のくだらないミスするし、数学40点ぐらいしか取れんかったし、英語も難しくて、かなりやられてます。うー、かなりヤバい。みんなとれてなくて、平均点が下がってることを祈るしかない。ほんっと、ヤバい。今日もあんまりはかどってないし、明日超勉強して、明後日の国際文化は必ずいい点とらなきゃ。そういえば私の隣の人、テストの始まる数分前に来てた。度胸あるやつだなと思った。全然動じてないし。結構いい感じの人だったんだよね(おいおい)。背が高くて色白で短髪。うわー、私の好みにピッタリって感じ?それがまたいい子でさ、テストの問題とか渡すとき、声は出さんけど、「はいっ」っていう感じが伝 わってくるんだよね~。丁寧で。私真ん中だったから、トイレ行くときとかどいてもらうんだけど、「すいません」って言ったら、「あ、はい。どーぞっ」って。うーん、何とも礼儀正しい。戻ってきた時も言う前に気が付いて、笑ってどいてくれるんだなあ。なんかあまりにも丁寧すぎて「まさか、オネエじゃないよな」なんて思ったりした。でもいい人だな。また会えたらいいな、なーんて。
 そんな場合じゃないってーの!!!!
 二年連続S大落ちはさすがに嫌だし恥なので、I will do the best in any way!!

 最近またO君の夢見る。受験後一度電話してもいいかなあ。

      


一九九八年 二月十四日


 冬季オリンピック前半が終わった 。小さな清水選手。自分に勝って、堂々の金メダル。おめでとうございます。岡崎選手も銅メダル。凄いよ!ジャンプで、船木選手、銀なのに悔しそう。それって凄い。悔しい思いをした選手、いっぱいいた。でもみんな頑張っていたから、それが何よりの財産だと思う。荻原選手。伸び悩んでいた。ジャンプでは双子の弟くんが三位だったのに、九位。風が味方してくれなかったから。でも、今日のクロスカントリー。四位。メダルじゃないけれど、素晴らしかったです。弟くんと並んだときもあった。弟くんとしても、 「いつも兄ばかりもてはやされて・・・。今回は勝ちたい」と思っていたはずだ。でも兄は兄としてのプライドがあったに違いない。何年もキングオブスキーの名を欲しいままにしてきたプライドがあったに違いない。四位、ほんとに凄かったです。私も頑張ろうという気になりました。フィギア。十六歳、十八歳の日本人男子。失敗もした。でもとても成長していると思う。私より年下なのにオリンピックで競技すること自体凄い。一位のクーリック選手。美しいの一言に限る。指の先まで!ジャンプも柔らかく、美しい。顔も美しい。全てパーフェクト!文句なし。二位のストイコ選手。力強さと、スピードと正確なジャンプ。終わるまで足の痛さを感じさせなかった精神力。感動しました。三位のキャンデロロ 。一番楽しませてくれました。ダルタニャンになりきってた!剣の舞、格闘、本当にしているみたいだった。みんな凄かった。四位だったアメリカ人も、失敗が響いて四位だったけれど、滑らかさは一番だったよ!若い十七歳のヤグディンもあの年で五位なんて凄いよ!私も頑張らなきゃー!(オリンピック見てる余裕あるの?)




今日はココまで。

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 なんだか迷走している浪人生の天音ですが、天音なりに頑張っていたのですよ。
 なんだかいろんなことの起きる一年だった気がします。
 いまとなってはいい思い出???

 
 ここまで読んでくださりありがとうございました。
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 それではまた!               天音花香

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