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小説をおいております。 『いざ、出陣 恋戦』シリーズの二次創作、『神の盾レギオン 獅子の伝説』の二次創作、そして、高校生の時に書いた読まれることを前提にした日記と、オリジナル小説を二編のみおいております。
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プロフィール
HN:
天音 花香
性別:
女性
職業:
主婦業メイン
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、結婚後落ち着いてから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。

クリックで救える命がある。
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こんにちは、天音です。


今回も「緋い髪の女戦士」9をお送りいたします。
なかなか思うように登場人物が動いてくれず苦戦しています。
たぶん10は大分後の更新かと思います。すみません(汗

この小説は、六道 慧さんの「神の盾レギオン 獅子の伝説」の二次創作です。
(古い作品なので、知らない方が多いとは思いますが……)

えっと、お手数ですが、タイトルにある数字の順番に読んでください。

それから、一気に書いていないせいか、内容がだぶっているところがあるかもです。
我ながらしつこい文章だな……と思いますがすみません。


コメントいただければ喜びます。
拍手もとても支えになります。その際にはぜひ、一言書いていただければ嬉しいです。
それでは、お楽しみいただければ幸いです。

登場人物紹介はこちらから

最初から読む方はこちらから

ココから小説

 太陽が沈み、月が光を放ち始めていた。
「ミレトス様、いい加減にしてください。どこまでいかれるつもりですか!?」
 マーニが追いつかない程度に距離を離して前を行くミレトスに、マーニの堪忍袋の緒は切れそうになっていた。
「ん~、教えてもいいけれど、反対しないって約束してくれる、マーニ?」
「そういうわけにはいきません」
「じゃあ、教えない」
 ふうとマーニはため息をつく。ミレトスにつけばソリスの時のような思いはしないと思っていたのに。結局また、自分の首が飛んでもおかしくない状況にある。いや、今度は確実に飛ぶだろう。
「ねえ、マーニ、お腹すかない?」
「私はすきません」
 胃が痛くて空腹を覚えなかった。
「そっかあ、どうしようかなあ。僕お腹減っちゃった。少し休もうか」
 気まぐれなところはソリス、レイミアにそっくりである。ミレトスは急にロゴスを止めると、袋をもってロゴスから降りてきた。追いついたマーニも仕方なくロゴスを降りる。
 ミレトスは抱えていた袋から乾燥させた肉を取り出し、口に入れた。
「ねえ、マーニ。僕はね、ずっと思っていたことがあるんだ」
 もぐもぐと口を動かしながらミレトスは言った。
「なんですか?」
 マーニが先を促す。
「兄上たちが行ったことのあるイスファタルに行ってみたいってことだよ」
 マーニは目の前が暗くなるのを感じた。いや、実際に日が落ちて暗かったのだが。
「もしや、ミレトス様はイスファタルに行くつもりなのですか?」
「そう。だめ?」
 だめも何も。
「何日かかると思っているのですか?」
「だから、たくさん干し肉や水を持ってきたんだよ。マーニの分もと思って」
 最初からマーニがついてくるのが前提だったらしい。
「いいですか、早く帰らなければアリク王が心配されます」
 そして私の首は間違いなく飛ぶでしょう。
「もう町を出てしまったんだもん。マーニも覚悟を決めてよ」
「死ぬ覚悟をということですか?」
「大丈夫、僕が父上を説得するから、マーニが死ぬことはないよ」
 ミレトスは事の重大さがわかっていないようだった。
「僕が無理やりマーニをつれてイスファタルに行ったってことにすればいいじゃない?」
 いえ、まったくその通り以外のなにものでもないのですが。
「ミレトス様。イスファタルは今はないのです。リュカーンに占領されているので、昔のような面影が残っているかわからないですよ? 行ってもがっかりされるだけかと思います」
「そんなことないよ? 城下を抜け出しただけでこんなに楽しいのだから、きっともっと楽しいよ」
 要するにだ。ミレトスは冒険ごっこがしたいのだろう。
「でしたら、アリク王に許可をもらって、近くの町へ散策にでかければいいでしょう」
「だめだよ。父上はきっと許してくれないし、近くの町なんて退屈だよ。僕はイスファタルにいきたいんだよ!」
 どうやらイスファタルに対する思い入れは本物らしい。だが。
「だめです。イスファタルは遠すぎます。今日は城に戻りましょう。これから帰れば、日付が変わる前に城に戻ることができるでしょう。ミレトス様、冒険ごっこは終わりです」
 ミレトスの顔色が変わった。
「マーニ、兄上は遠出を許されるのに、どうして僕だけ許されないの? 冒険ごっこ? 酷いよ。ごっこじゃなくて、本当に冒険をしたいんだ」
 ふう、と今日何度目かのため息をマーニはついた。
「いいですか、ミレトス様は旅というものがどんなに危険かわかっていません。王子というだけで、何者かに狙われることもあるのですよ?」
 ソリスがどんなに危険な目にあってきたか、ミレトスにはわからないのだ。
「危険なのはわかってるよ。でも、それは兄上だって一緒でしょ? 僕だからだめなの?」
 ミレトスの目には涙が浮かんでいた。
「……」
 鳥かごの鳥のように城に囚われていたミレトスが外に憧れるのはわかる。だがそれ以上に囚われていた鳥は外では生きていけないということがマーニにはわかっていた。ミレトスはソリスのように剣技に優れているわけでもないし、度胸も経験もないのだ。もし、旅をするとなると、マーニが守るしかない。
「マーニ……」
 だが、経験がないからといっていつまでも経験をさせなければ結局は年をとるだけになってしまう。
「マーニ……!
……マーニは、もとイスファタルの友人たちがどうなったか気にならないの?」
 心が揺らいでいた時にこのミレトスの言葉はマーニをさらに揺さぶった。確かに、イスファタル人の生き残りはどうなったのだろう。レオベルク王子、そして、黒髪の気の強い少女、アルヴィースはどうしているだろうか。
「……」
 今帰れば命は助かるかもしれない。イスファタルに行って帰ってくることになれば命はないだろう。
「……」
 ああ、もう!
 マーニは覚悟を決めた。いや、この兄弟たちの従者になったときから、自分の命など顧みる余裕がないのはわかっていたことだ。
 しかし、イスファタルにいくのであれば、できればソリスとがまだよかったと思わずにはいられない。ミレトスとでは危険が高すぎる。
(でも、それもこれも運命か……)
 マーニは大きくため息をついた。
「イスファタルに行って、旧王都を見たら帰るのですよ?」
 マーニの言葉にミレトスは破顔した。
「わあーい! マーニ大好き!」
「そうと決ま れば野営よりは町の宿で休む方がいいでしょう。もう少し進みますよ」
「わかった!」
 二人はそれぞれのロゴスに乗り込むと、近くのオアシス都市を目指して進みだした。
 

                         続く……



 ここまで読んでくださりありがとうございました。次はこの続きになるかわかりませんが(短編になるかもです)、この小説はまだまだ続くと思われます。これからもどうぞよろしくお願いします。

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 それではまた!               天音花香

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