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小説をおいております。 『いざ、出陣 恋戦』シリーズの二次創作、『神の盾レギオン 獅子の伝説』の二次創作、そして、高校生の時に書いた読まれることを前提にした日記と、オリジナル小説を二編のみおいております。
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プロフィール
HN:
天音 花香
性別:
女性
職業:
主婦業メイン
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、結婚後落ち着いてから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。

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こんな時間にこんばんは。

天音です。

今回は、二次創作なのに、もう、かなり昔の小説なので、知らない方が多いと思います。
しかも、時間にしては、十分かからない程度の話です。

六道 慧さんの「神の盾レギオン 獅子の伝説」が大好きで、
でも、第一部がおわってから、外伝が出たのみなので、続きが読みたいなあと思っているんですよね。今回、もう一度読み直したので、余計に切望してます。

それで、今回の場面は、獅子伝のⅣ巻の、ラミレスが死んでしまった場面です。
私はこの、ラミレスが本当に好きで、もう、死んだときはすっごくショックだったのですが・・・・・・・
大好きなマーニが可愛そうでした。
そういうことで、二次創作書いてみようかな、と短編を書いてみました。


とにかく、「六道さん、続き書いて欲しいです~!」というのが本音です。
先月、6年連載がとまっていた、前田珠子さんの「破妖の剣」も復活しましたし・・・・・・。

獅子伝も、続き、出るといいな…・・・。



<ココから小説>




 女が泣いている。

 日にやけた肌は小麦色。波打つ赤色の髪は炎のようで眩しいほどに美しい。
悲しみとやり場のない怒り、憂いに満ちた茶色い瞳からは、大粒の涙が絶え間無
く零れていた。

 女が泣いているのが視えるということは自分は死んだのだろう、とラミレスは理解した。

(マーニ殿…・・・)

 死ぬ寸前まで、彼女の声に従って戦った。
 自分の意思かも分らずに。
 そしたら敵が倒れた。
 エル・カルーの人間に心気(バトス)はないはずなのに、頭に響いてきた彼女の悲痛な声。彼女のおかげでレオベルク陛下を逃がすことができた。自分の役目を果たせたのだ。


(そのように泣かずともよい……)
 ラミレスは彼女を泣かせてしまったことには後悔した。


 思えば女とは縁遠い人生だった。
 ラミレスの精悍な顔つきと、均整のとれたしなやかな筋肉のついた体。
 それに加えて、常に冷静でありながらも、思いやりのある人柄に魅了される女は多かった。
 だが、彼は忙しすぎたのだ。
 リンデルム前王から絶大な信頼を置かれ、側近として、数々の危険なことをこなしてきた。また、レオベルク陛下に対しては、心気の使い方や、剣技を中心に、戦い方をいうものを叩き込んだ。ある意味、レオベルク陛下のもう一人の父のような存在だったと言っていいだろう。


 マーニ殿……。

 初めて会ったとき、決闘を申し込まれたことを思い出し、ラミレスは苦笑した。一瞬で勝負がつくだろうと高をくくっていたが、左利きの魔女(スカウエオラ)の異名を持つ彼女の剣技は素晴らしく、予想より苦戦を強いられることになったのだった。
 しなやかで無駄なく、急所を狙って繰り出される剣。ラミレスでさえ、本気をださなければ勝てないと思わされた。
 玉のような汗がほとばしり、瞳をきらきらさせて戦っているときの彼女は本当に生き生きしていた。美しいと思った。
ラミレスはマーニと剣を交えているとき、間違いなく、心が躍る感覚を覚えていた。


(私の死を悼んでくれるそなたがいて、私は幸せなのかもしれぬな。
そなたの長衣(ドレス)姿を見たかったものだが……)


(マーニ殿、幸せになられよ。
いつもいつも、人のために動いているそなた。誰よりも幸せになることを祈っておる)

 ラミレスは、涙にくれているマーニの肩を、一度抱きしめるように、触れた。
 
 その瞬間。
(?)
 これは・・・・・・!
 ラミレスの瞳にはある未来が映っていた。
 慣れない長衣をまとって居心地の悪そうにしているマーニがいた。
 自分の美しさに気づいていない彼女は、しきりに、下を向いている。
 白いベールの下にはマーニにしては珍しく、不安そうな顔があった。
(ほう、美しい。やはり、マーニ殿はドレスも似合う。
しかし、白いベール……。この歓声……。これは、もしや……)
 一瞬、隣に居るのが自分だったら……と思った自分に、ラミレスは苦笑した。
 マーニの少し後ろから歩いてくる長身の少年は、歓声に手を振り、応えている。いつもとは違う、豪華な服装を身につけていていた。赤い髪に、ふてぶてしそうな唇、だが、どこか憎めない美男子。
(はて、どこかで会ったような……)
 自分を「おじさん」と呼んでいた、無邪気そうな少年。
(そうか……、マーニ殿は……)
 その彼は今、リアファーナ王女の死の真相を確かめに行っているようだが……。
(ううむ……)
 一抹の不安は覚えるが……。
「どうか、マーニを幸せにしてあげてくだされよ、ソリス殿下」
 

「マーニ殿、そなたはまだお若い。これからの人生を精一杯生きられよ。
さらばだ」
 そうラミレスが心で声をかけると、マーニは、一瞬、周りを見回した。
「ローエングリン公爵?」
 もちろん応える声はない。女は泣き続ける……。


 そんなマーニを見ると胸が痛んだが、ラミレスは今度こそアース神のもとへ旅立ったのだった。



分らない方には申し訳なかったです。
少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
それでは失礼します。                  天音

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