小説をおいております。
『いざ、出陣 恋戦』シリーズの二次創作、『神の盾レギオン 獅子の伝説』の二次創作、そして、高校生の時に書いた読まれることを前提にした日記と、オリジナル小説を二編のみおいております。
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こんばんは、天音です。
この小説は、六道 慧さんの「神の盾レギオン 獅子の伝説」の二次創作です。
(古い作品なので、知らない方が多いとは思いますが……)
登場人物は左のリンクにある「登場人物」を参照されてください。
えっと、お手数ですが、タイトルにある数字の順番に読んでください。
それから、一気に書いていないせいか、内容がだぶっているところがあるかもです。
我ながらしつこい文章だな……と思いますがすみません。
コメントいただければ喜びます。
それでは、お楽しみいただければ幸いです。
ココから小説
「ねえ、マーニ。どうして勉強なんかしなきゃいけないの? 兄上もしてたの?」
無理やり机につかされ、勉強をしながら、ミレトスがマーニに問う。むくれた顔が幼さを際立たせる。
「ソリスさまのようにならないためにも勉強は必要なのですよ」
ソリスが居れば怒られそうなことをマーニはさらりと言って、中断された各国の地理の授業を再開させる。
「むぅ~、僕は兄上のようになりたい~!」
ソリスはどうやらミレトスにとって憧れのようだった。
「……」
ただでさえ、ソリスとその姉、レイミアは破天荒な性格でマーニをはらはらさせている。その上、ミレトスまで加わったら……と思うと、マーニは頭痛がした。
「いいですか、ソリスさまを目標にしてはいけません。ソリスさまよりさらに優れた王子になれるように努力するんです」
もっともらしいことを言って見せるが、ミレトスはふくれ面のままであった。
「ねえ、剣技の授業は?」
「この問題が解ければやりましょう」
「ほんと?」
目を輝かせるミレトスに、マーニはにっこり笑い、
「ほんとです。さあ、続きを……」
と言って、授業のおさらいのミニ試験をミレトスに渡す。そして、時計を見る。
もうそろそろか……。
マーニの予想通り、ミレトスの部屋をノックする音がした。
「ルアザン大将、ソリスさまが見当たらないのですが……」
息をきらしてアルベルトが入ってくる。
「アルベルト、また兄上いなくなっちゃったの?」
呆れ顔でミレトスが言うと、アルベルトはむっとした顔をして、ミレトスを睨んだ。
「奥宮は……」
「探しました」
間髪入れずアルベルトが答える。
「例の抜け穴もですか?」
「はい」
「ねえ、抜け穴って何? 僕にも教えてよ!」
ミレトスがマーニの短衣の裾を引っ張るが、マーニはそれを無視する。
「では……。城下町の娼館を当たってみてください」
「全てですか?」
げんなりした顔で、アルベルトが訊く。
「ええ……。どこにいるかわからないときはそうするしか……」
マーニは気の毒そうに答えた。そんな二人に、
「ねえ、娼館ってなあに?」
とミレトスが言った。
マーニとアルベルトは顔を見合わせる。
「ええっと……。ミレトスさまは知らなくていいところです」
マーニが視線を泳がせると、
「なんで?」
とミレトスは突っ込む。
「大人になったら教えてあげます」
「大人っていつ?」
「……」
ため息をつき、マーニとアルベルトはまた顔を見合わせる。
ソリスさま……。あなたの弟君がこんな質問をするのはあなたのせいですよ……。
「今でないことは確かです」
マーニがきっぱりと言い切ると、アルベルトも隣で頷いた。
「なんで~?」
「なんででもです」
相手にしないマーニに、ミレトスは頬を膨らませるが、マーニはとりあわなかった。
「……それにしても……。マーニ殿のときも、ソリス殿下は……その……こんな感じだったのでしょうか……?」
いささか自信をなくしたらしく、うなだれながらアルベルトが言った。
昔の自分を見ているようで、なんだか哀れに思い、
「ええ、わたしのときもそうでしたよ。ソリスさまは神出鬼没。そして都合のいいことは聞きますが、都合の悪いことは聞こえない耳をお持ちです。人の言うことを簡単に聴くタイプではありません。だから、アルベルト殿が悪いのではありませんよ。わたしも手を焼いていました」
と答えた。
「そうですか……」
アルベルトは大きなため息をついた。
「……では、わたしはこれで……」
一礼をして、出て行こうとするアルベルトに、
「頑張ってね、アルベルト」
と、他人事のようにミレトスが声をかける。
一瞬、すうっとそばまった目がミレトスに向けられたのは、見間違いではないだろう。
「さあ、ミレトスさまは勉強を頑張りましょう」
マーニがぴしゃりと言うと、ミレトスはまた頬を膨らませた。
それにしても……。
ミレトスはわがままだが、ソリスを相手するよりも何倍も楽だとマーニは思う。望んでいた平穏な暮らし。
これでよかったのだろうか。
アリク王に命じられた日から、ソリスには会っていない。
「……」
あの日のソリスの目が忘れられない。
「マーニ?」
ソリスと同じ琥珀色の目がマーニを見上げていた。
「マーニ、時々、とても悲しそう」
「え?」
そんなことないですよ、と答えようとしたが、声が出なかった。
「……」
「マーニは、僕の従者になったの嫌なの?」
ミレトスが不安そうな目をして訊いてきた。
「そんなことはありませんよ」
違うんです。ミレトスさまの従者になったのが嫌なわけではなく、ソリスさまの従者でいたかったんです。
そう言ってもこの少年は理解できないに違いない。
「マーニ。アルベルトは。アルベルトはどうなのかな。アルベルトも兄上の従者の方が、いいのか、な……」
「それは間違いなく違うと思います」
間髪おかずにマーニが答えると、
「そ、そっか……。父上が言ったからだよね」
ミレトスはちょっと安心したように微笑んだ。
「その通りです」
「あ、別に、アルベルトの方がいいって訳じゃないんだよ? マーニは兄上の従者で、僕、凄く尊敬していて、そんな人が従者になってくれて、凄く嬉しいんだ。でも、でもね、アルベルトも僕、好きなんだ」
必死に言葉を紡ぐミレトスに、
「ええ、分りますよ」
とマーニは笑ってミレトスを見つめる。
「でもね、アルベルトは、僕が何かすると、いつも怒ってばかりで……。アルベルトは僕のことが嫌いなのかなって……」
「それは違います。ミレトスさまが心配だからですよ、きっと」
マーニはミレトスの頭をなでて、優しく言った。
「心配だと怒るの?」
「ええ。怒るというのはエネルギーがいるんです。どうでもいい人には怒る気もしませんよ」
「ならいいんだけど……」
「さ、勉強の続きです」
「はあい」
顔をしかめながらも、鉛筆を動かしだしたミレトスをマーニは目を細めて見た。
ソリスさまよりも何倍も素直だ。
だが。
どこかこの状況は歪に思えた。
いつも行方知れずになるソリスを追いかけていたのは自分で、この幼いミレトスのそばにいたのはアルベルトだった。それが、今は、自分でさえ手を焼いていたソリスをアルベルトが追い、ミレトスのお守りを自分がしている。不自然な人事だとしか思えなかった。
5に続く……
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11月からの一ヶ月間です。よろしくお願いします。 (2009年11月1日~2009年11月末日)
この小説は、六道 慧さんの「神の盾レギオン 獅子の伝説」の二次創作です。
(古い作品なので、知らない方が多いとは思いますが……)
登場人物は左のリンクにある「登場人物」を参照されてください。
えっと、お手数ですが、タイトルにある数字の順番に読んでください。
それから、一気に書いていないせいか、内容がだぶっているところがあるかもです。
我ながらしつこい文章だな……と思いますがすみません。
コメントいただければ喜びます。
それでは、お楽しみいただければ幸いです。
ココから小説
「ねえ、マーニ。どうして勉強なんかしなきゃいけないの? 兄上もしてたの?」
無理やり机につかされ、勉強をしながら、ミレトスがマーニに問う。むくれた顔が幼さを際立たせる。
「ソリスさまのようにならないためにも勉強は必要なのですよ」
ソリスが居れば怒られそうなことをマーニはさらりと言って、中断された各国の地理の授業を再開させる。
「むぅ~、僕は兄上のようになりたい~!」
ソリスはどうやらミレトスにとって憧れのようだった。
「……」
ただでさえ、ソリスとその姉、レイミアは破天荒な性格でマーニをはらはらさせている。その上、ミレトスまで加わったら……と思うと、マーニは頭痛がした。
「いいですか、ソリスさまを目標にしてはいけません。ソリスさまよりさらに優れた王子になれるように努力するんです」
もっともらしいことを言って見せるが、ミレトスはふくれ面のままであった。
「ねえ、剣技の授業は?」
「この問題が解ければやりましょう」
「ほんと?」
目を輝かせるミレトスに、マーニはにっこり笑い、
「ほんとです。さあ、続きを……」
と言って、授業のおさらいのミニ試験をミレトスに渡す。そして、時計を見る。
もうそろそろか……。
マーニの予想通り、ミレトスの部屋をノックする音がした。
「ルアザン大将、ソリスさまが見当たらないのですが……」
息をきらしてアルベルトが入ってくる。
「アルベルト、また兄上いなくなっちゃったの?」
呆れ顔でミレトスが言うと、アルベルトはむっとした顔をして、ミレトスを睨んだ。
「奥宮は……」
「探しました」
間髪入れずアルベルトが答える。
「例の抜け穴もですか?」
「はい」
「ねえ、抜け穴って何? 僕にも教えてよ!」
ミレトスがマーニの短衣の裾を引っ張るが、マーニはそれを無視する。
「では……。城下町の娼館を当たってみてください」
「全てですか?」
げんなりした顔で、アルベルトが訊く。
「ええ……。どこにいるかわからないときはそうするしか……」
マーニは気の毒そうに答えた。そんな二人に、
「ねえ、娼館ってなあに?」
とミレトスが言った。
マーニとアルベルトは顔を見合わせる。
「ええっと……。ミレトスさまは知らなくていいところです」
マーニが視線を泳がせると、
「なんで?」
とミレトスは突っ込む。
「大人になったら教えてあげます」
「大人っていつ?」
「……」
ため息をつき、マーニとアルベルトはまた顔を見合わせる。
ソリスさま……。あなたの弟君がこんな質問をするのはあなたのせいですよ……。
「今でないことは確かです」
マーニがきっぱりと言い切ると、アルベルトも隣で頷いた。
「なんで~?」
「なんででもです」
相手にしないマーニに、ミレトスは頬を膨らませるが、マーニはとりあわなかった。
「……それにしても……。マーニ殿のときも、ソリス殿下は……その……こんな感じだったのでしょうか……?」
いささか自信をなくしたらしく、うなだれながらアルベルトが言った。
昔の自分を見ているようで、なんだか哀れに思い、
「ええ、わたしのときもそうでしたよ。ソリスさまは神出鬼没。そして都合のいいことは聞きますが、都合の悪いことは聞こえない耳をお持ちです。人の言うことを簡単に聴くタイプではありません。だから、アルベルト殿が悪いのではありませんよ。わたしも手を焼いていました」
と答えた。
「そうですか……」
アルベルトは大きなため息をついた。
「……では、わたしはこれで……」
一礼をして、出て行こうとするアルベルトに、
「頑張ってね、アルベルト」
と、他人事のようにミレトスが声をかける。
一瞬、すうっとそばまった目がミレトスに向けられたのは、見間違いではないだろう。
「さあ、ミレトスさまは勉強を頑張りましょう」
マーニがぴしゃりと言うと、ミレトスはまた頬を膨らませた。
それにしても……。
ミレトスはわがままだが、ソリスを相手するよりも何倍も楽だとマーニは思う。望んでいた平穏な暮らし。
これでよかったのだろうか。
アリク王に命じられた日から、ソリスには会っていない。
「……」
あの日のソリスの目が忘れられない。
「マーニ?」
ソリスと同じ琥珀色の目がマーニを見上げていた。
「マーニ、時々、とても悲しそう」
「え?」
そんなことないですよ、と答えようとしたが、声が出なかった。
「……」
「マーニは、僕の従者になったの嫌なの?」
ミレトスが不安そうな目をして訊いてきた。
「そんなことはありませんよ」
違うんです。ミレトスさまの従者になったのが嫌なわけではなく、ソリスさまの従者でいたかったんです。
そう言ってもこの少年は理解できないに違いない。
「マーニ。アルベルトは。アルベルトはどうなのかな。アルベルトも兄上の従者の方が、いいのか、な……」
「それは間違いなく違うと思います」
間髪おかずにマーニが答えると、
「そ、そっか……。父上が言ったからだよね」
ミレトスはちょっと安心したように微笑んだ。
「その通りです」
「あ、別に、アルベルトの方がいいって訳じゃないんだよ? マーニは兄上の従者で、僕、凄く尊敬していて、そんな人が従者になってくれて、凄く嬉しいんだ。でも、でもね、アルベルトも僕、好きなんだ」
必死に言葉を紡ぐミレトスに、
「ええ、分りますよ」
とマーニは笑ってミレトスを見つめる。
「でもね、アルベルトは、僕が何かすると、いつも怒ってばかりで……。アルベルトは僕のことが嫌いなのかなって……」
「それは違います。ミレトスさまが心配だからですよ、きっと」
マーニはミレトスの頭をなでて、優しく言った。
「心配だと怒るの?」
「ええ。怒るというのはエネルギーがいるんです。どうでもいい人には怒る気もしませんよ」
「ならいいんだけど……」
「さ、勉強の続きです」
「はあい」
顔をしかめながらも、鉛筆を動かしだしたミレトスをマーニは目を細めて見た。
ソリスさまよりも何倍も素直だ。
だが。
どこかこの状況は歪に思えた。
いつも行方知れずになるソリスを追いかけていたのは自分で、この幼いミレトスのそばにいたのはアルベルトだった。それが、今は、自分でさえ手を焼いていたソリスをアルベルトが追い、ミレトスのお守りを自分がしている。不自然な人事だとしか思えなかった。
5に続く……
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11月からの一ヶ月間です。よろしくお願いします。 (2009年11月1日~2009年11月末日)
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