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小説をおいております。 『いざ、出陣 恋戦』シリーズの二次創作、『神の盾レギオン 獅子の伝説』の二次創作、そして、高校生の時に書いた読まれることを前提にした日記と、オリジナル小説を二編のみおいております。
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HN:
天音 花香
性別:
女性
職業:
主婦業メイン
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、結婚後落ち着いてから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。

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こんな時間にこんばんは、天音です。

更新が滞っており、すみません。

この小説は、六道 慧さんの「神の盾レギオン 獅子の伝説」の二次創作です。
(古い作品なので、知らない方が多いとは思いますが……)
登場人物は左のリンクにある「登場人物」を参照されてください。

えっと、お手数ですが、タイトルにある数字の順番に読んでください。

それから、一気に書いていないせいか、内容がだぶっているところがあるかもです。
我ながらしつこい文章だな……と思いますがすみません。


コメントいただければ喜びます。
それでは、お楽しみいただければ幸いです。

 
 ココから小説。




「左脇があいていますよ、ミレトスさま!」
 マーニの言葉にミレトスが、左脇を庇う動きをする。
「それでは他に隙が出来てしまいます。剣技は、頭脳も必要なんですよ?」
 マーニがミレトスの木刀を落とす音がカランと響いた。
「ふう……。マーニはやっぱり強いな……」
 汗を拭きながら言うミレトスにマーニは微笑む。
 筋は悪くないと思う。
 だが、まだまだだな。
 ソリスのように、背中を預けることはできない、とマーニは思って、ソリスと比べるのは酷か、と思い直す。
 本来は従者が王子を守るものだ。だからこれでいいのだ。
「ルアザン大将!」
 聞きなれたアルベルトの声が聞こえてきた。
「兄上、また行方不明なの?」
 哀れむように言ったミレトスをアルベルトは無視した。
 マーニが苦笑しながら口を開こうとすると、
「探しました」
とアルベルトが制した。
「そうですか……」
 ソリスさま。フランドル少将を相手に、少しぐらい手加減をしてさしあげたらいいのに。
 そう思って、マーニはすぐに無駄か、と嘆息した。ソリスは従者が誰になろうと、自分のしたいことをしたいようにする。それがソリスだからだ。
「……ミレトスさまも問題児でしたが、ソリスさまはそれ以上だ……」
 自信を失った声でアルベルトは悪態をつく。
「兄上はさすがだなあ」
「それは言葉が間違っていますよ」
 マーニとアルベルトの言葉が重なり、二人は顔を見合わせた。
「あはは」
 そんな二人を見て、ミレトスは無邪気に笑っている。
「苦労をおかけしますね」
 マーニが言うと、
「いえ……」
とアルベルトは答えるが、繕った表情の端に疲れが見えていた。
 そのときだ。
 殺気!
 咄嗟に剣を抜き、ミレトスを庇う姿勢をマーニとアルベルトはとった。
「随分な歓迎じゃないか」
 いつからそこにいたのか、すぐそばの木から飛び降りてきたソリスに、二人は剣を下ろす。
「ソリスさま……」
 困惑するアルベルト。
「……」
 マーニは咄嗟に言葉を発することができなかった。確かに殺気を感じた。間違いなくこの青年から。
 なぜ? 
 ミレトスを殺してもソリスには何の得もないはずだ。
「お? どうした、マーニ」
 マーニに声をかけるソリスからは先ほどの殺気は消えている。
「……いつから……そこにいらしたのですか?」
 訝しげに尋ねると、
「お前たちが剣の練習をし始める前からだが?」
「……気づかなかった……」
「邪魔しちゃ悪いと思ったからな」
「……そうですか」
「マーニ、どうしたの?」
幸いミレトスには殺気が分らなかったようで、無邪気にマーニに訊ねてくる。
「……いいえ、なんでもないです」
 ソリスの考えていることなど、分るはずもない。そういうお方なのだから。
「ねえ、兄上! 僕の剣の練習を見ていたんでしょ? どうだった? 僕も兄上みたいになれるかな~?」
 目を輝かせてミレトスがソリスに言うと、ソリスは笑みをもらした。
「ああ、そうだな。もっといっぱい練習すればな!」
「本当!?
そうだ! 兄上、僕、兄上に剣の稽古をつけてもらいたいな~!
ねえ、マーニ、いいでしょ?」
 ミレトスの言葉に、マーニはソリスを見る。
「いいぜ、俺は」
「……では、いい機会ですし、見ていただくのもいいかもしれません」
「わあい!」
 ミレトスの繰り出す木刀をひょいひょいとよけるソリスをマーニはぼんやり見つめていた。そうだ。ソリスさまは、大きな身体をしているのに、素早かったな、と。
「ほら、全然あたらないぞ?」
「兄上が早すぎるんだよー!」
「よく相手を見ろ! 隙がないか探す。でもそれだけじゃダメだ。頭だけで考えていると、自分に隙ができる。頭で考え、体で相手の動きを感じとるんだ」
 珍しくまともなことを言っているソリスを、マーニとアルベルトは驚きながら見ていた。こうして兄弟仲良くしている二人はなんだか微笑ましい。
「うー!」
 ミレトスが必死になって木刀を振るっている。そんなミレトスを見るソリスの目は優しい。
「よっと。
じゃあ、俺も攻撃に回ってみるかな」
 当然、ソリスは本気を出していないので、ミレトスは懸命にソリスの木刀を木刀で受け止めている。だが、その顔に余裕はない。木刀と木刀がぶつかる高い音がしばらく響く。
「ソリスさまはやはり剣技に長けていらっしゃいますね」
 二人を目で追いながら、アルベルトが言った。
「ええ。それぐらいしか特技はありませんからね」
 そう言ったマーニに、アルベルトは少し寂しげに笑った。
「ルアザン大将とソリスさまは、本当にお互いを信頼しあっているのでしょうね」
 今の言葉のどこからそういう結論になるのか分らず、マーニは首をかしげた。
「いえ、なんでもないです」
 アルベルトがそう呟いたとき、一際大きな音が響いた。ソリスがミレトスの木刀を叩き落した音だった。
「はあ! 兄上にはまだまだ敵わないや!」
「兄の……めん……えっと、なんだっけ?」
「面目です」
 咄嗟にマーニを見たソリスにマーニは答える。
「そうそう、面目、だ。面目丸つぶれじゃ困るからな。
ま、これからも練習をすれば、お前ももっと腕が上がるさ」
「ほんと? なら、頑張る」
「おしっ」
 ソリスは笑うと、大きく伸びをした。
「久しぶりに体動かしたな。俺も鈍らないように少しは鍛錬しなくちゃな」
 フランドル少将も剣技に優れていると聞く。
「失礼ながら、ソリスさまの剣技の相手をしたことは……」
 小さな声で、マーニがアルベルトに囁くと、
「……まだありません」
 とアルベルトは悲しげに答えた。
「そうですか……」
「ねえ、兄上! アルベルトもとっても強いんだよ! 兄上はアルベルトとどっちが強いのかな?」
 抜群のタイミングで、無邪気にミレトスがソリスに声をかけた。
「……」
 ソリスが値踏みするようにアルベルトを見た。
「……そうだな……、機会があれば、一度手合わせでもしてみるか」
 ソリスの言葉に、アルベルトの瞳に一瞬明るい光が灯る。が、それを隠すように、
「そうですね。お願いいたします」
と冷静に答えた。そんなアルベルトにふっとマーニは微笑んだ。
「そのときは、僕も見たいなあ~!」
「いいぜ、参考にするんだな」
「あ、ねえ、じゃあ、マーニとは?
マーニももの凄く強いんだよ! でも、僕相手だと本気をちっとも出してくれないんだ。兄上とマーニはどっちが強いの?」
 マーニとソリスは顔を見合わせた。
 どちらが強い……?
 剣技の練習相手には何度もなったが、ソリスと本気で剣を交えたことなどもちろんない。
 勝てる気はしない。でも……負ける気もない。
 そう思って、マーニはふと我に返った。ソリス相手に本気で剣を抜くことなどないだろう。
「そうだな~、どっちが強いか、か……」
 ソリスが口元に笑みを浮かべる。琥珀色の目が輝きを増していた。
 嫌な予感がする。
「ねえ、マーニ、兄上と手合わせしてよ!」
「はい~?」
「面白そうだな。俺はいいぜ、マーニ」
「私も見てみたいです」
 アルベルトまでがそう言い、マーニは覚悟を決めるしかなかった。
「わかりました。では、ソリス王子、手合わせを願います」
 木刀をミレトスから受け取る。すると、
「木刀じゃなくて、剣でやろうぜ、マーニ」
「剣!?」
 ソリスの言葉に、ソリス以外の三人が動揺する。
「ソリスさま、剣は危険すぎます」
「いいじゃないか。一度やってみたいと思っていたんだよな。マーニなら、俺に殺されることはないだろうし」
 挑発的な目を向けられ、マーニはむっとする。
 この馬鹿王子。
「……いいでしょう。相手の剣を落としたほうが勝ちということで」
 マーニが睨むと、ソリスは楽しげに目を細めた。
「そうこなくっちゃ。じゃあ、始めるか」
 マーニとソリスはお互い剣を抜いた。 
 
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 ここまで読んでくださりありがとうございました。
 まだまだ続くと思われます。これからもどうぞよろしくお願いします。

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 それではまた!               天音花香

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