小説をおいております。
『いざ、出陣 恋戦』シリーズの二次創作、『神の盾レギオン 獅子の伝説』の二次創作、そして、高校生の時に書いた読まれることを前提にした日記と、オリジナル小説を二編のみおいております。
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こんばんは、天音です。
更新が滞っており、すみません。
「緋い髪の女戦士」6をお送りいたします。
この小説は、六道 慧さんの「神の盾レギオン 獅子の伝説」の二次創作です。
(古い作品なので、知らない方が多いとは思いますが……)
登場人物は左のリンクにある「登場人物」を参照されてください。
えっと、お手数ですが、タイトルにある数字の順番に読んでください。
それから、一気に書いていないせいか、内容がだぶっているところがあるかもです。
我ながらしつこい文章だな……と思いますがすみません。
コメントいただければ喜びます。
拍手もとても支えになります。その際にはぜひ、一言書いていただければ嬉しいです。
それでは、お楽しみいただければ幸いです。
ココから小説。
「では、行きますよ、ソリスさま」
「おうよ」
ギン! と重い金属音が、剣がぶつかる度に響く。
やはり、力では分が悪いなとマーニは内心舌打ちする。スピードで応戦するしかない。とにかく、こちらが攻撃を仕掛ける形にもっていかなければ。
「凄い、凄いね、二人とも……」
「ええ……」
ミレトスが呟いた言葉に、アルベルトも頷く。目は二人に釘付けのままだ。
「……っ」
攻撃が読まれている。
繰り出す剣を尽く受け止められ、マーニは少し焦りを覚える。
スピードでも敵わないのだろうか。
ソリスは長身であるにも関わらず、動きが速かった。自然とマーニの目が据わってくる。
夢中で右手を繰り出す。が、避けられることはなくても、剣で受け止められてしまう。
長引いたら体力的に不利だな、とマーニが思ったそのとき。
「あっ」
一瞬だった。
マーニの燃えるように緋い髪が流れ落ちる。ソリスがターバンのみを切ったのだ。
「うわあ、マーニの髪、綺麗だね~!」
ミレトスの声。
「ほう、これは美しい」
と言ったラミレスの声が蘇る。
「……なんの真似です、ソリスさま」
さらに目をすぼめて、マーニはソリスに問うた。
「マーニが手を抜いているからさ。左手はなんのためにあるんだ? 使えよ。俺相手に右手で勝てると思ったのか?」
明らかに挑発するように言って、ソリスは笑った。
「……そうですね。できれば使いたくなかったのですが、ソリスさまの腕を甘く見ていました。怪我をしても知りませんよ?」
「いいぜ、望むところだ」
マーニは剣を左手に持ち替えた。
ミレトスとアルベルトが息をのむのが伝わってくる。
「では、今度こそ本気でいかせていただきます」
低くマーニは言うと、身体を躍らせた。
「……」
右手のときと圧倒的に違うマーニの動きにアルベルトはしばらく息をするのも忘れて魅入っていた。剣が速すぎて、目で追うのも難しいくらいだ。まるで舞を舞っているかのようなのに、その剣先は確実に急所を狙っている。
「っく、やっぱり左手のマーニは違うな」
ソリスは呟いた。マーニに押されている。
「俺も本気出すかな」
琥珀色の目が嬉々として輝いていた。こんなに心躍る戦いはそうはないだろう。
「左利きの魔女(スカエウオラ)……。流石だ、ルアザン大将……」
だが、押されていたかに見えたソリスの剣がまた勢いを増していた。両者互角といったところだろうか。
マーニはもう、頭では考えていなかった。身体の動くままに、剣を繰り出す。避ける。返す。相手がソリスだということもどうでもよくなっていた。勝ちたい。それだけだった。
誰もが無言だった。高い金属音だけが絶えず響く。マーニの柄を握る手はじっとりと汗でぬれていた。剣を落とさないようにしなくてはと思いながら、とにかく剣を繰り出す。緊張で張り詰めた空気が心地よかった。ラミレスとの決闘が自然と思い出された。ラミレスも強かったが、ソリスもやはり強い。
だが、終わりは唐突に訪れた。
マーニが高々と撥ね上げたソリスの剣が、カランと音をたてて転がった。
「っ」
これは……。
「凄いや、マーニ! 兄上よりマーニは強いんだね!!」
ミレトスが無邪気に声をあげる。
マーニは複雑な目で転がったソリスの剣を見つめていた。アルベルトも無言だった。
「やっぱりマーニは強いなっと」
ソリスが軽い口調で言った。その目は笑っている。
こんな……。ソリスさまはいったいなんで……。
「失礼します」
マーニは剣を収め、その場を後にした。
まったく同じ負け方。リュカーンでのラミレスとの決闘。
跳躍して、マーニの左手に剣を振り下ろしたラミレス。それをマーニの剣は撥ね上げた。一瞬の隙を逃すまいと。でも。息が上がっている自分に対して、ラミレスは汗すらかいてはいなかったのだ。完全なる敗北。今まで出会った中で、最も強かった人。
ああ、ローエングリン公爵……!
いろんなことが起こりすぎて、やっと薄れつつあったその人の面影が鮮明に蘇ってしまった。苦しさに胸を押さえた。
でも。沸き起こる疑問。
なぜ? なぜソリスさまはこんなことを……?
「ソリスさま……」
マーニが去った後。アルベルトが遠慮がちに口を開いた。
「ん?」
「今の……。いえ、なんでもありません」
「なんだ? 言っていいぜ? いや、そうだな。訊いてみようか。今の試合を見てどう思った?」
「どっちも凄かったよ! でも、勝ったのはマーニだよね?」
ミレトスが興奮ぎみに言うのを無視して、ソリスはアルベルトを見た。
「……恐れながら……」
「おう」
「そうですね……負けて勝つということもあるのだと……」
アルベルトの言葉にソリスはにやりと笑む。
「え? 何? アルベルト、何言ってるの?」
「アルベルトの言ったとおりさ。
面白い。仮だが、お前を従者と認めてやる」
「え?」
困惑するミレトスと、複雑な顔をするアルベルト。
「さて、俺はマーニのところにでも行くかな」
「今行くのは……」
「何か文句があるか? 大丈夫だ。お前たちはここにいろ」
「は」
ソリスは口笛を吹きながらマーニを追って去った。
ミレトスは腑に落ちない顔をしていた。
「結局どっちが勝ったの?」
「……ソリスさま、だと思います」
「……」
ミレトスが何か考えるように黙る。
「……もしかして、兄上が一瞬剣を引いたから?」
「!」
ミレトスの言葉にアルベルトははっとした。
「見えたのですか?」
「うーん、ちょっと不自然だったかなって……」
「上出来です」
「ほんと?」
アルベルトが珍しく賛辞を送り、ミレトスは嬉しげに微笑んだ。
「でも、なんで兄上はあんなことをしたんだろう?」
「それはわたしにも分りません」
「兄上って、よくわからないよね」
ミレトスの言葉に、
「そう、ですね」
とアルベルトは苦笑した。本当に自分にはよくわからない人だ、と。
「ねえ、話は変わるけど、アルベルト」
「何ですか?」
きらきらと輝くミレトスの瞳を見て、ちょっといやな予感を覚えながら、アルベルトは返事をする。
「マーニって、とても綺麗だよね? 男みたいな格好しているから分らない人が多いけれど、でも、僕、よくマーニの横顔を盗み見るんだけど、とても整っているし、それに、とても綺麗な赤い髪をしていたね」
琥珀色の瞳宿る光はやや大人っぽさを帯びていた。
「……ええ、確かに綺麗なお方だと思います」
「だよね~。僕が兄上だったらほっとかないのにな」
そう言ってちらりと唇を舐めたミレトスをアルベルトは凝視する。
やっぱり、ミレトスさまもソリスさまと同じ血を……いや、アリク王と同じ血をひいているのだと思ったアルベルトであった。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
まだまだ続くと思われます。これからもどうぞよろしくお願いします。
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それではまた! 天音花香
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