小説をおいております。
『いざ、出陣 恋戦』シリーズの二次創作、『神の盾レギオン 獅子の伝説』の二次創作、そして、高校生の時に書いた読まれることを前提にした日記と、オリジナル小説を二編のみおいております。
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こんにちは、こちらでは久しぶりの天音です。
書きたいものが多いのですが、書くと長くなりそうでメモだけで終わっている私です。
レギオンの二次創作もね、もうラストまで話は決まっているのですけれど、それを文章にするエネルギーが今は足りないので、もう少し時間を頂きます。
未来の誰かに贈る日記はコピペするだけなので、更新が早いです。
手抜きですみません。
日記を読んでいると、幼いなと感じるのにも関わらず、今と変わっていないなと思い、ちょっと悲しい私です。少しは成長したいものですね。
ココから日記
一九九六年 十月八日(政経の授業中。ごめんなさい!)
サバンナの中でカンガルーがすくっと立ち上がって、片耳をピクリと動かして、一点を見つめる。テレビで見ると心が騒ぐ。実際見てみたいとも思う。とても静かな綺麗な目。でも、あまり表情がないと感じるのは私だけだろうか。彼には何が見えているのだろう。自分の敵の気配を感じ、その姿を見ようとしているのかもしれない。でも……と私は考える。もっともっと、私には理解できないような何かが見えているのではないだろうかと。仲間が危機に瀕しているところだとか、自分たちの土地が破壊されていくところだとか。そして、地球の未来だとか……。だから、彼はじっと見て、でも何もできないのがわかっていて、あんな表情のない、諦めたような目をするのではないだろうか。
同じように、戦場の子供たちの目。見ると、何か胸にぐっとくるような、なんとも言えない気持ちになる。彼らは何を考えて、何を見ているのかな。
<少年>
少年は見つめていた
砂漠を進むいくつもの竜巻を
サバンナを走る動物の群れを
森を潤す激しい雨を
波間をはねる光のきらめきを
少年には見えていた
砂に埋まったいくつもの村が
乾いた大地で死に絶える動物が
切り倒されゆく森の木々が
赤く濁った海が
少年の目は
静かで
真っ直ぐで
でも光がなかった
一九九六年 十月八日
昨日は熱を出して、バスの乗り方がよくわかんない私はK子に乗るとこまでついていてもらって、雨だったので、傘まで貸してもらって……。友達ってありがたいな、としみじみ。
今日は熱も下がって、地学の質問するために、職員室(一階)と地学教室(五階)を三往復もしてしまった私。何度行っても先生はつかまらない。昼食に行っていたそうで……。その代わり、五日ぶりにあの人を見られて、嬉しいのか悲しいのか……。つ、疲れた……。でも二昼(うちの高校は休み時間が二つある。二昼は後の休み時間)に帰らずに待っていてくれた地学の先生はやっぱり優しい! 七限目はHRがレクレーションになっていて、クラスでバレー。珍しく六組も同じ時間。会えないかなあと思うと前を一人で歩いている。最近挨拶もしてないし、どうしようかなあと迷ったんだけれど、ええい、いったれ! という感じで、ちょこちょこと走り寄って、「こんにちわ!」
あの人はちょっとびっくりした顔で振り返って、「こんにちは」とぼそぼそ。いつもは人が多いのに、今日に限っていない細い通路。これは神のお導きか? さあ、女は度胸! と言うことで、前々から気になっていたことをレッツゴー! 「O君、大学どこ受けるの? 六組だからやっぱり東大?」「いや……」「違うの?」「京大」「えー、じゃあ、学部は?」「医学部か理学部」あら、K子と同じ学部だ。「へえ、じゃあお医者さんになるの?」と聞くと困った顔をして「いや……」とごにょごにょ。うーん、言いたい。言いたい。言おう。
「あの、がんばってね!」と言えたのはいいけれど、自分でも驚くほどキャピキャピした声になってしまったー!! と思ったときは遅かった。あの人はどうしようもなく困っていたような気が……。頷いたかも定かでない。うーまーでもいっか。志望校聞けたから。でもでも、やっぱり隣は歩けなかった。だってそこは私の場所じゃないし、他の人に誤解されるとまずいし。なんとなく、ね。でも、本当に頭いいんだなあ。私は悲しくなった。私はなんと志望校、この時期にE判定。このままじゃ、まずいよ。T先生に怒られそう。ピアノも挫折した。もう私のとりえないじゃん。そのとき、ふっと思い出した。中三の時の友達の言葉。「天音は何でも一生懸命するでしょ? それって凄いと思う」
うううん。今してないの。でも、私のとりえってそれだよね。あの人のことだって、大学のことだって、可能性は0じゃないよ。不可能なんて、やってみなきゃ分からないよ。まだ時間だって少しはあるよ。まずはやってみなきゃ。嫌でもがんばらなきゃ。一生懸命やって輝かなきゃ。自信つけなきゃ。がんばろう。あの人に、がんばってね、じゃなくて、お互いにがんばろうって言えればよかったな。
一九九六年 十月九日
O君の部室前を通ると、必ずしんとなるか、わいわいになるかのどちらか。私があの人に「友達になってください」って言ったときに、ドアが開いていたから、聞こえていたし、見えていたからだと思う。今日はあの人に、「O! O!」と名前を呼んでる輩までいた。彼女じゃあるまいし、私が通る度に目配せや冷やかしをされるあの人って、かわいそすぎる。いい迷惑だよね。「通ろうが、通るまいが、俺には関係ねーよ」って心の中で思ってるだろうな。
だから私、そこを通るときは絶対、そちらを向かない。前向いて、自分の部室へ直行。気づかない振りしてるけど、でも冷やかしの声は聞こえちゃう。下を向きたくなるけど、がんばって前を向く。ごめんね。私のせいで。やっぱり聞いたほうがいいんだろうな。「迷惑なら言ってね。嫌われるより、自分の気持ちを抑えるほうがずっといいから」。何度も見る度に言おうとする。でも言えない。すぐさま「迷惑」って言われるのが怖いから。だってあの人は自分から話しかけてくれないし、私と話してても満面の笑顔ってときはなかったし、驚いた顔か、無表情か、困った顔ばっかり。それってやっぱり嫌がっているんじゃないかな? だからやっぱり言えない。
ごめんね。
一九九六年 十月十一日
友達と話しながら階段を下りていると、下にあれ?
はあ、なんでこうも簡単に見つけられるかな……。そうやって顔を見つけると、一瞬夢でも見てるのかなって思うときがある。さらに授業が終わって部室に行くときも、正面から友達とやってくるのが見えた。なにやら楽しそうに笑っている。私は一瞬見て、友達と一緒にいるのに気づくと、ふいと視線をずらした。これが私にできる精一杯の思いやり。その後質問に行ったけれど、先生がいなかったので、部室でK子を待つことにした。テスト前ということもあって、英語をしながら……。部室のドアを少し開けて、あの人の自転車が見られるようにしておいた。数分たって、見る、の繰り返し。集中しなきゃいけないのに。最近はよく部室にいるあの人。O君の部の部室はいつもにぎやかで、演劇部を挟んで隣の隣のうちの部室にまで声が聞こえてくる。ついつい聞き耳をたててしまう。しかし、あの人の声は小さい上に低いので、ぜんぜん聞こえてこない。うーむ、いるのだろうか。K子が戻ってくると、K子に英語の質問をして、そして、帰ろうと部室から出たとき。O君の部室から見覚えのある人が出てきた。確か私がO君の部室の前を通ったときに部室のドアを開けた奴。ぬぬ、と思って、見ていると、張り紙をし始めた。そして、その後ろからおずおずとあの人が出てきたのだ。な、何してるんだろう……。気になったし、怖かったけれど平静を保って、通り過ぎた。よく分からない人たち。あんまり気にしないようにしよう。
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