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小説をおいております。 『いざ、出陣 恋戦』シリーズの二次創作、『神の盾レギオン 獅子の伝説』の二次創作、そして、高校生の時に書いた読まれることを前提にした日記と、オリジナル小説を二編のみおいております。
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プロフィール
HN:
天音 花香
性別:
女性
職業:
主婦業メイン
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、結婚後落ち着いてから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。

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こんにちは、天音です。


土日は結構暑かったのに、今日は涼しいですね。
風邪気味だからそう感じちゃうのでしょうか。
1996年、受験生だった私は、ちっとも受験生らしくない気がします(笑
まあ、そんなものなのかな……。
でも、勉強していた方はちゃんと勉強していたんだろうなあと思います。
そして、勉強はしていたほうがいいとも今は思う私でした。
若いときはわからないんですよね。そういうの。
若い方、選択枝を広げるためにも勉強はしたほうがいいですよ!

それでは、日記いきます。


ココから日記


最初から読んでみる


 一九九六年 九月二十七日


 テストの時にはちゃんときていたあの人。無理してきたのかな? それとも……。家で、テスト勉強してたとか言わないよね?
 今日の国語のテストの論説文は面白かった。岸田秀著の『時間と空間の起源』。まず一文目に惹かれた。「時間は悔恨に発し、空間は屈辱に発する」。へ~、どうして? と思ったときにはもう私はその文章に引き込まれていた。人間の欲望は、他の動物のように生死にかかわる、いわゆる本能的なものではなくて、そのために人間はそれを抑圧しなければならない。その抑圧のせいで、満足できずに悔恨が生ずる。それで、その抑圧した時点が過去で、それと異なる時点が現在。そして、人は抑圧したことを満たそうとする。それが未来。と言う内容だ。なるほど。私もこの日記に書いてると思う。次はがんばるぞー! って言うような内容。過去(日記をつけている出来事)は後悔たらたら書いてるし……。著者はこうも言う。欲望が満たされ続けるとき、時間は存在する必要がない。その理由で、好きなことをしているときは時間が短く感じ、逆の場合は長く感じると。なるほど、面白い! また、胎児は欲望も何もないから、時間を感じることがないそうだ。そのようなことがいろいろ書いてあった。うーん、面白い。こういう文は読んでいても苦にならないなあ。逆にテストであることを忘れてしまうので困ります。



 一九九六年 九月二十八日


 現実ってそんなにうまくはいかない。どうにかしたいって思って、頑張ってもそれが裏目に出ちゃったりとか、効果がなかったりとかのほうが断然多い。運命的とか絶対ありえないと思う。だからこそ面白いというのもあるのだろうけれど。だけど、そんな理由から、私は小説や漫画をよく読む。主人公に感情移入することで、自分とは違う人生を味わえるが、決して自分に被害はない。なんて楽しい!こんなにも都合のいいことはないだろう。想像するのも好きだし、それを書くのも、私の願望を主人公を通して果たしてもらおうとしてるってことが、理由の一つになっているんだと思う。現実を諦めて逃避してるのだろうか? 他でもない現実を変えるのは、私以外の何者でもないのだから、とりあえず何かしなくてはね。

 おっと勉強始める予定の時間よりも三分も経ってしまっている。ということで。




 一九九六年 九月三十一日
 

 今日は三日ぶりにあの人にあった。朝課外終了後、友達と教室へ戻っているとき、階段を上ってくる人が見えた。背が高くて、雰囲気が似ている。けれど、髪が違う……。ついついじーっと見てしまった。やっぱりあの人だ。髪切ったんだ。私も金曜日に切ったのでなんとなく嬉しかった。おそろ! なんてね。でも、その後がいけなかった。友達に手紙を私に理系クラスに行ったときに、あの人のクラスをしれーっと覗こうと思って、首をのばして……。見えるわけないか、と思いなおして、正面に向き直ったとき。あれ? なんか似てる……? って、本人じゃん! 私はびっくりして肩が上がっちゃって……。その上、俯いてしまった。これじゃ、私ぜんぜん変わってない。もーバカバカバカ! 明日こそは!!

 さー勉強しよう! 明日から十月……早すぎる……!




 一九九六年 十月三日


 昨日、ある感覚が来た。「~しなきゃ」と心にぽんと浮かぶときって、それをするとあの人に会えるときが多い。だから会えるんだと思って、職員室に行ったが、会えない。おかしいな、と思いつつ、用を済ませて、教室に帰ろうとしてて、そう、なぜか横が気になって、ふっと向くと、いたんだわ、これが。AND、今日。文化講演会があったとき、早めに席について、あの人が講堂に入ってくるのを待ってたんだ。んで、いた! っと思って見てると、視線を感じたのかな、一瞬こっちを向いたから目が合った! それだけで嬉しい私でした。


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 今日はココまで。


 ここまで読んでくださりありがとうございました。
 拍手、ときどきいただいております。嬉しいです。一言あるともっと喜びます。
 短編と日記の更新ばかりで申し訳ないのですが、よろしかったらカテゴリーから他の作品もよんでいただけると嬉しいです。
 
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 それではまた!               天音花香 

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こんにちは、こちらでは久しぶりの天音です。


書きたいものが多いのですが、書くと長くなりそうでメモだけで終わっている私です。
レギオンの二次創作もね、もうラストまで話は決まっているのですけれど、それを文章にするエネルギーが今は足りないので、もう少し時間を頂きます。


未来の誰かに贈る日記はコピペするだけなので、更新が早いです。
手抜きですみません。

日記を読んでいると、幼いなと感じるのにも関わらず、今と変わっていないなと思い、ちょっと悲しい私です。少しは成長したいものですね。


ココから日記


 一九九六年 十月八日(政経の授業中。ごめんなさい!)


 サバンナの中でカンガルーがすくっと立ち上がって、片耳をピクリと動かして、一点を見つめる。テレビで見ると心が騒ぐ。実際見てみたいとも思う。とても静かな綺麗な目。でも、あまり表情がないと感じるのは私だけだろうか。彼には何が見えているのだろう。自分の敵の気配を感じ、その姿を見ようとしているのかもしれない。でも……と私は考える。もっともっと、私には理解できないような何かが見えているのではないだろうかと。仲間が危機に瀕しているところだとか、自分たちの土地が破壊されていくところだとか。そして、地球の未来だとか……。だから、彼はじっと見て、でも何もできないのがわかっていて、あんな表情のない、諦めたような目をするのではないだろうか。
 同じように、戦場の子供たちの目。見ると、何か胸にぐっとくるような、なんとも言えない気持ちになる。彼らは何を考えて、何を見ているのかな。

<少年>

少年は見つめていた
砂漠を進むいくつもの竜巻を
サバンナを走る動物の群れを
森を潤す激しい雨を
波間をはねる光のきらめきを


少年には見えていた
砂に埋まったいくつもの村が
乾いた大地で死に絶える動物が
切り倒されゆく森の木々が
赤く濁った海が


少年の目は
静かで
真っ直ぐで
でも光がなかった




 一九九六年 十月八日


 昨日は熱を出して、バスの乗り方がよくわかんない私はK子に乗るとこまでついていてもらって、雨だったので、傘まで貸してもらって……。友達ってありがたいな、としみじみ。
 今日は熱も下がって、地学の質問するために、職員室(一階)と地学教室(五階)を三往復もしてしまった私。何度行っても先生はつかまらない。昼食に行っていたそうで……。その代わり、五日ぶりにあの人を見られて、嬉しいのか悲しいのか……。つ、疲れた……。でも二昼(うちの高校は休み時間が二つある。二昼は後の休み時間)に帰らずに待っていてくれた地学の先生はやっぱり優しい! 七限目はHRがレクレーションになっていて、クラスでバレー。珍しく六組も同じ時間。会えないかなあと思うと前を一人で歩いている。最近挨拶もしてないし、どうしようかなあと迷ったんだけれど、ええい、いったれ! という感じで、ちょこちょこと走り寄って、「こんにちわ!」
 あの人はちょっとびっくりした顔で振り返って、「こんにちは」とぼそぼそ。いつもは人が多いのに、今日に限っていない細い通路。これは神のお導きか? さあ、女は度胸! と言うことで、前々から気になっていたことをレッツゴー! 「O君、大学どこ受けるの? 六組だからやっぱり東大?」「いや……」「違うの?」「京大」「えー、じゃあ、学部は?」「医学部か理学部」あら、K子と同じ学部だ。「へえ、じゃあお医者さんになるの?」と聞くと困った顔をして「いや……」とごにょごにょ。うーん、言いたい。言いたい。言おう。
「あの、がんばってね!」と言えたのはいいけれど、自分でも驚くほどキャピキャピした声になってしまったー!! と思ったときは遅かった。あの人はどうしようもなく困っていたような気が……。頷いたかも定かでない。うーまーでもいっか。志望校聞けたから。でもでも、やっぱり隣は歩けなかった。だってそこは私の場所じゃないし、他の人に誤解されるとまずいし。なんとなく、ね。でも、本当に頭いいんだなあ。私は悲しくなった。私はなんと志望校、この時期にE判定。このままじゃ、まずいよ。T先生に怒られそう。ピアノも挫折した。もう私のとりえないじゃん。そのとき、ふっと思い出した。中三の時の友達の言葉。「天音は何でも一生懸命するでしょ? それって凄いと思う」
 うううん。今してないの。でも、私のとりえってそれだよね。あの人のことだって、大学のことだって、可能性は0じゃないよ。不可能なんて、やってみなきゃ分からないよ。まだ時間だって少しはあるよ。まずはやってみなきゃ。嫌でもがんばらなきゃ。一生懸命やって輝かなきゃ。自信つけなきゃ。がんばろう。あの人に、がんばってね、じゃなくて、お互いにがんばろうって言えればよかったな。




 一九九六年 十月九日


 O君の部室前を通ると、必ずしんとなるか、わいわいになるかのどちらか。私があの人に「友達になってください」って言ったときに、ドアが開いていたから、聞こえていたし、見えていたからだと思う。今日はあの人に、「O! O!」と名前を呼んでる輩までいた。彼女じゃあるまいし、私が通る度に目配せや冷やかしをされるあの人って、かわいそすぎる。いい迷惑だよね。「通ろうが、通るまいが、俺には関係ねーよ」って心の中で思ってるだろうな。
 だから私、そこを通るときは絶対、そちらを向かない。前向いて、自分の部室へ直行。気づかない振りしてるけど、でも冷やかしの声は聞こえちゃう。下を向きたくなるけど、がんばって前を向く。ごめんね。私のせいで。やっぱり聞いたほうがいいんだろうな。「迷惑なら言ってね。嫌われるより、自分の気持ちを抑えるほうがずっといいから」。何度も見る度に言おうとする。でも言えない。すぐさま「迷惑」って言われるのが怖いから。だってあの人は自分から話しかけてくれないし、私と話してても満面の笑顔ってときはなかったし、驚いた顔か、無表情か、困った顔ばっかり。それってやっぱり嫌がっているんじゃないかな? だからやっぱり言えない。

 ごめんね。




 一九九六年 十月十一日


 友達と話しながら階段を下りていると、下にあれ? 
 はあ、なんでこうも簡単に見つけられるかな……。そうやって顔を見つけると、一瞬夢でも見てるのかなって思うときがある。さらに授業が終わって部室に行くときも、正面から友達とやってくるのが見えた。なにやら楽しそうに笑っている。私は一瞬見て、友達と一緒にいるのに気づくと、ふいと視線をずらした。これが私にできる精一杯の思いやり。その後質問に行ったけれど、先生がいなかったので、部室でK子を待つことにした。テスト前ということもあって、英語をしながら……。部室のドアを少し開けて、あの人の自転車が見られるようにしておいた。数分たって、見る、の繰り返し。集中しなきゃいけないのに。最近はよく部室にいるあの人。O君の部の部室はいつもにぎやかで、演劇部を挟んで隣の隣のうちの部室にまで声が聞こえてくる。ついつい聞き耳をたててしまう。しかし、あの人の声は小さい上に低いので、ぜんぜん聞こえてこない。うーむ、いるのだろうか。K子が戻ってくると、K子に英語の質問をして、そして、帰ろうと部室から出たとき。O君の部室から見覚えのある人が出てきた。確か私がO君の部室の前を通ったときに部室のドアを開けた奴。ぬぬ、と思って、見ていると、張り紙をし始めた。そして、その後ろからおずおずとあの人が出てきたのだ。な、何してるんだろう……。気になったし、怖かったけれど平静を保って、通り過ぎた。よく分からない人たち。あんまり気にしないようにしよう。


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 それではまた!               天音花香 

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こんばんは、天音です。

急に寒くなりましたね。

皆様はいかがお過ごしでしょうか。
新しい小説、設定などはかなり今、増えてるんですけれど、
書く時間がありません。

ああ、書きたい、書きたいな。


未来の誰かに贈る日記、お送りいたします。

なんというか、受験生だったの? 私……。
と思いたくなるくらい、片思いモード炸裂いたしております。
恥ずかしい……。
そして、なんてマイナス思考……。

基本的に、自分が人に好かれる人間じゃないんじゃないかと思ってしまう部分が昔からあって、それは今も続いているのですが、
でも、もっと前向きに生きたいと思って最近は頑張っているつもりです。

まあ、いろいろ経験して今の自分があるんだよね。
高校生のときの私も、温かい目で見守ってやってください。


ココから日記

最初から読んでみる



 一九九六年 十月十七日


 だあああ、もう二日も見てないっ! 気が狂いそうだよ! 名前を叫びたくなってくる。でも叫べないので、ここに書こう。
O君会いたいよおおおお!!!!

 ふう、ぐすん。でもでもいいこともあった。なんとリーダーの平均点越えたのだ! 大の苦手のリーダーだよ? それも二十五点も平均より上! 私は夢じゃないか何度も確かめちゃったよ。でもまあ、本当に今回はよくがんばったもの。地理以外は。地理はライティングが終わらなくて、一分もしていないから超心配。赤ってるかも……(受験生なのに、こんな時期に赤?)でも、本当に他の教科は頑張った! これで上がらなかったら泣いてやるー。
 さてさて、私は今日、リップを買いました。最近はね、化粧水とかも、まあ、いいものを買うようにしてる。親からもらったこの顔。そりゃ美人ってわけじゃない。でもあっさりした童顔。でもでも、中性的……。凹むけれど、やっぱり、あの人のために少しでも可愛くなりたいと最近は思うようになったの(受験生のときに何やってるんだか)。性格も、学力もそう。釣り合うように頑張りたい。彼女とかそんなには程遠いけど、前よりも私の存在に気づいてくれるようになったんだもん。やっぱりいい印象を与えたいよね。よし、頑張るぞ!




 一九九六年 十月十八日


 はい。今も授業中であります。またもや政経……。ごめんなさい、先生。
 やっと三日目にして見たのだ! 朝課外のあと、今日はあの人は朝課外がないので、見るがためにわざわざ用もないのに、部室へ行ったのであります。え!? もう七分前なのに、自転車がないっ。まさかまた風邪?! と思いながら、部室へ入り、ま、一応、いらないけど地理のノートをカバンに入れて、部室を出て、もう一度じーっと自転車を見て、やっぱりない……としょんぼりしているところへ自転車の音。もしや、と思って、音のほうに顔を向けると、おやおや、来た。顔真っ赤にして、息切らして。遅刻するーっと思ったんだろうな。なんだか凄く微笑ましかった。だっていつも無表情。取り乱すなんて無縁のことだと思ってたから。あ、とても失礼だね。でも、そんな感じがあったからさ。その後は移動教室のとき、後姿を見た。どこに何しに行ってたんだろー?
 帰りまでにもう一度会いたいな。




 一九九六年 十月十八日
 

 あの人に会える確率を増やすには、むやみやたらに部室に行くこと。引退したのに、変だとは思うけど、私はK子と待ち合わせしてるし、あの人はというと部室が落ち着くようで、よくいるのだ。暇さえあればいる。自転車もその前にとめてる。本当は違反だけど私もとめてる。だからそこを通るとよく会えるのだ。今日、もう一度会いたかったので、私は午後補習の前に部室に荷物を置きに行った。早く行かなきゃ、あの人は補習に出てないので帰ってしまう。ということで急いで。自転車はあった。でも、部室を覗くのはさすがにはばかられるので、残念と思いながら教室へ行く。と、そのとき。
 部室から職員室に行くまでには、屋根のついているA道とその外側のB道の二通りある。私がB道を通ろうとすると、あの人が正面から来るのが見えたのです。遭えた! 嬉しい! と思いながらも、私は迷いました。A道のほうが広いのです。あえてB道を通ろうとするのはなんだかわざとらしいのでは……。と思い、一瞬戸惑っていると、あの人が右側に寄ったのです。私は本当に馬鹿で、それを「お前とぎりぎりですれ違うなんて嫌なこった」という意味にとってしまい(キング オブ マイナス思考)、つかつかと早足で、A道を通りました。でも、ちょっと考えて思うに、狭いから人が通るときに少し端によるのは当たり前の礼儀ですよね。あの人がわざわざ「通るなら道をあけよう」と、のいてくれたのなら、一人勘違いして、A道を通ったとしたら……。私のほうが数倍やなやつじゃん! 私ってばこういうことばっかり。独りよがりって言うの? しかもマイナス思考。ぐすん。ごめんなさい。私理解できませんでした。すっごく失礼なことをしていたとしたらすみません。どうか怒っていませんように。嫌われませんように。お願いです。あの人に伝わって! 「ごめんなさい!!」





一九九六年 十月二十二日

 O君。具合が悪いのですか? 大丈夫ですか? 早く治してください。
 明日は元気な顔見せてください。遭えないと寂しいです。




一九九六年 十月二十三日

 だ~っ! 昨日の日記を見ると恥ずかしくて、顔から火が出そうになる。
 今日、朝課外後、あの人を一目見ようと部室に行くと、自転車がない。また休み? と思って、がっかりしながら、部室へ入り、後輩と無駄口を叩きながら、部室を出ると、あの人の自転車がある。あれ? やっと来たんだ。そう思いながら歩いていると、後ろでドアが開いて、あの人が出てきて、私の横を通り過ぎていった。一人で。後輩がいるので、声をかけようにもかけられず、あせりまくる。途中で後輩が別れて教室へ行ったので、私はダッシュ! どたどたと何とも情けない音をたてて、しかも、息を切らせて、「O君!」私は心で、間に合った……。と一言。それで、早速聞いてみた。「昨日具合悪かったの?」あの人は訝しげな顔で、「いや……?」何? あれ、じゃ、どうしてあれ? 私は混乱。「だ、だって自転車なかったじゃん」と言ってしまった。うおおお! しまった! 自分でそんなことをばらしてどうするの?! それにバスってなぜ考えないの? 私は自分の立てていた台本がチャラになってしまい、あせりにあせって、どうしようもなくなって、「そ、そう。んじゃ、いいや」と適当に言って、一目散に逃げました。な、なんて格好悪いんだ……。なんて馬鹿すぎるんだ。もう自分が嫌になる。今度こそはまともな会話をしたいよお!
 そういえば、今日はエイズ講話があった。女性の方。まあまあ面白かったからちゃんと聞いていた。が。サボったな、O君。あの人ってば、本当に協調性がないというかなんというか……。放課後補習も取ってないし、帰ったなと思って部室に行くと自転車がある。O君ってよく分からない。と思いながら、あの人の部室の横を通ると、あの人が出てきた。それで自転車の鍵を外し始めた。
 私は今日、昼からがらにもなく、ヘアバンドで横の髪をあげていたの。だから恥ずかしかった。でも、あー、帰っちゃう! そんなのヤダ! と思って部室のK子に「帰ろー!」と声をかける。すると、K子絶句。後輩も動揺。何なの!? 「先輩、その頭どーしたんですかー」「わりーか。横がうっとうしいんだ」「似合ってないとは言ってないじゃないですか!」K子も「Hがそんな髪するなんて……」と言いたい放題。あー!! もう! あの人もまだいるんだから、これ以上私に墓穴を掘らせないでくれー!「帰ろう!!」
 あの人はというと、まだ自転車に乗ったまま停止。ほんっとうに訳分からない人……。帰らないの? そう、一度帰ろうとして、帰るのやめたのね。私はその横をK子と通り抜けて帰ったのでした。なんか本当に私には理解できない方です。

 さー勉強! 
 そういえば、昨日、帰るとき、あの人そっくりな人が歩いて帰ろうとしてたけど、本人だったのかな?




 一九九六年 十月二十五日
 

 ふとあの人の一年のときの詩を思い出した。一年のときは「変な詩」と思っただけでしたが、私はある発見をした。ちょっとショックを受けた。あの人は一年のときに、もうすでに私が今、考えてるようなことをずっと考えてたんだ。何のために大学に行くのか。自分は何がしたいのか、悩んでたんだ。私が何も考えずにファイナルファンタジーⅥにはまっていたあの頃に! やっぱりどこか違ってたんだ。すごいよ。でも今は迷い、ないんだね。模試の結果に名前が載ってた。総合と英語と数学。見事に私の苦手な科目だ。本当に凄いなあ。私も頑張んなきゃあの人を好きになる資格なんかないよね。頑張ろう!
 話は変わって、今日はとっても近くで見ることができたノダ。友達二人と話してたら、なんか走ってきて……。私は気づいた。すぐに。向こうも多分。気のせいか、後ろを通り過ぎるとき歩いてたから。挨拶したかったけど、友達がいたのでできなかった。あの人は珍しく、文系クラスの三組のところに入っていって(部活仲間のところでしょう)、すぐに出てきて、また走ってきて、私と友達の間を通ろうとして(通れるわけないよ。狭かったから。どこうかな、と思ったけれどやめた)、方向転換して、後ろ通って走り去った。台風……? なんなんだろう。二年くらいあの人のこと見続けてるけど、やっぱり理解できない……。


 明日もテスト。



 一九九六年 十月二十六日


 中三以来だなあ。テスト中嫌な夢を見ること。今日のはかなり勘弁してほしい。まず、虎に終われる夢。なんで? その後が最悪。私の周囲には、課題が山積み。座っている私の目線ぐらいのが私の周りを囲んでいるの。私はそれを必死で解いてる。なぜか川のほとりで。すると、その課題がドサドサと川の中に落ちていくの。あー! やらなきゃいけないのに! とあわてて拾おうとするけれど、次々に流れていくのです。やな夢でした。でも、これ、現状そのものだね。流れ落ちていった分は今までやらずに終わったものだ。時間と共に流れて、もう、取り戻しがきかない分だ。山積みの課題はこれからまだまだやらなければならないこと。ああ、昼寝をしたときも勉強道具を探す夢とか、そんな夢ばっかり(受験生なのに昼寝はどうよ?)。受験票のための写真をとって、失敗した夢とか……。もう、嫌になってくる。今までこんなことなかったのになあ(今年は)。
 そして、今日はもう一つ嫌なことがあった。偶然。今日だけと思いたい。あの人が自転車を置く場所が変わっていたのです。部室の前をさりげなく探してもないの、当然だよね。帰りも、なかったから、帰ったとばかり思って、がっかりして部室の前、通ったけれど、部室にいたんだね、きっと。それで、「やっぱりあいつ見てやがる。うっとーしーやつだな」(どれだけ悪人だよ)と思ったに違いない。自転車の場所、変えてみたのは、私の様子を確認するためか、私に迷惑だってことを遠まわしに伝えてるかのどちらかかもしれない。どっちにしろ、私は迷惑がられているに違いない。でも……。やっぱり偶然と思いたいよ。明日はどうかな。やっぱり違うところに置くかな。それが続いたら……。私はこの想いを消さなければいけなくなる。どうか明日は戻っていて。

 明日は英語のテスト。頑張らなきゃ。



 一九九六年 十月二十七日


 今日、まず学校に着いて一番にしたことはO君の自転車を探すこと。すぐ見つけられた。部室の前。しかもいつもよりうちの部室よりにあったからだ。一気に力が抜けた。よかった……まだ想っていても大丈夫だね。そう思うと嬉しくてにやにやしながら部室へ入る。そして、英語のテストを受ける。めちゃめちゃむずかった。でも、もういいやという感じで、本屋に行った。私は今『蒼穹の昴』(著者、浅田次郎)という本にはまっている。上巻を一気に読破して(英語のテスト前だったのに)、今日のテストが終わったら下巻を買って、一気に読んで、勉強に打ち込むという計画を立てていたのだ。それで、早速買ってから、部室へ戻り、K子のテストが終わるまで(理系は文系より理科の分、テストが長いので)読んでいた。そして、私は、K子のテストが終わるのは、十二時二十分と思い込んでいたので、(実際は四十分だった)その時間になったら、部室の前に出ていた。あの人も部室へ戻ってくるので、外で待っていると会えるからだ。ところが遅い。私は退屈してきて、また本をその場で読み始めた。すると、挨拶の声が小さく聞こえたような気がしたの。おや、理系の人たち終わったのかなと思って、顔を上げるとO君だった。私は本を持ったままあの人を凝視。あの人は部室に一度入って、ちょっとしてから出てきた。私はまたもや本を読むのをやめて硬直。O君が自転車の鍵をはずしている。誰もいない。気のせいかあの人の動きが緩慢だ。何か。何か……。「O君! もう理系のテスト終わったの?」あの人は、こちらを見るわけでもなく、ただ、コクンとうなずいた。こっち向けばいいのにと思ったけど、まー、その様子が可愛らしかったので、いいや。でも、今思えばもっといろいろ話しかければよかったなあ。私の視線が痛かったのか、あの人はずっと下を向いたまま、のろのろと自転車へまたがって、すーいとこいで行ってしまった。ちくしょー「さよなら」ぐらい言っていけ! とはさすがに言えない……。それにしても、あの挨拶は私にだったのかな? 他に応援部の女子しかいなかったし……。まさか彼女たち(しかも二年生)に声をかけるわけないしねえ。でも、そうすると、私は気づかずに、無視してしまったことになる! もしそうだったらごめんなさい!! 多分違うだろうけどね。
 あの人の方から声をかけてくれないかなあ。



 一九九六年 十月二十八日


 私はまたもや失敗を。てっきりうちの部室の前に散らかしているのは隣の演劇部だと思って、もと演劇部部長の友人に言ったわけよ。「これおたくー?」って。すると「となりのY部(O君の部活)。だってうち、カレー食べないもん」っていわれて、しかもいつもY部部室は開いているので、まる聞こえだったんです。それで、帰りに通ると片付けてました。よっぽど「ごめん、ありがとう」と言おうかな、と思ったんだけど、言えなかった……。あんな間接的じゃなく直接「片付けてください」って言ったほうがよかったんだろーけど。ま、悪いのはうちじゃない、よね? うーむ。
 しかも今日は私、なんかハイテンションで、高笑いしまくってて(変人)、しかも外まで(Y部までも)ちゃーんと聞こえていたと思う。ああ、ついに「やはり狂った女だったか……」と思われたに違いない。ああー違うんだよ。そーじゃなくてー。今日は本当に自分でもおかしいなって……。うるうる。好かれようとまでは思ってないといいつつ、やっぱり心のどこかで気にしてるね……。


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今日はここまで。


 ここまで読んでくださりありがとうございました。
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 それではまた!               天音花香



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こんばんは、久しぶりの天音です。

今日はお知らせから。

アルファポリスのアルファポリス「第3回青春小説大賞」(開催期間は2010年11月1日~2010年11月末日)にエントリーしています。

高校生日記

月に恋した

の2作品です。

よろしかったら、読んでみて下さいませ。
そして、クリックしていただければ幸いです。



さてさて、なんだか急に冬のような気候になってきましたね。
衣類の整理を大体、春夏、秋冬とはしていましたが、
春、秋の服の出番がない感じです。
これから地球はどうなってしまうのか心配ですね。



日記に「蒼穹の昴」についてが出ています。
不思議なものですね。
当時、ハードカバーで発売されて、それを手にしたのが、浅田次郎さんの作品は初めてでした。
物凄く面白くて、これを読んだことで進路まで変わり……。と私の人生を左右した作品。

最近になって、NHKの衛星放送されましたね。
うちの両親が必死にみていたようでしたが、
「それ、高校のときに読んだ本だよ。凄く面白かった」
という私の言葉に両親は驚いてました。
今、再放送をやっていますね。
見ています。
小説から入った私はなんとなく違和感があるというか……。
春児の設定も微妙に違うし、
綺麗どころが多すぎる印象です。
それに、吹き替えがよろしくない。
宦官は声が凄く高いはずなのになあ……。
まあ、いろいろ思いますが、
でも見てしまいます。

テレビをご覧の方、
どうぞ小説の方を読まれてくださいませ。
凄く面白いです。


それでは、「未来の誰かに贈る日記」お送りいたします。


ココから日記

最初から読んでみる

 一九九六年 十月三十一日


 私は体育が終わって教室へ戻るとき。あの人は体育なので、部室に着替えに行くとき。暗い廊下で。もちろん人がいっぱいいて。目の悪い私は「背丈が似てる。でも本当に本人なのだろうか?」と目を凝らす。視線が合ったままのような気がする。こっちを向いているのだろうか? うーん。あの人かな? いや、違うよね。そう思い直して、でも、もしかしたらそうかも、と思って、通り過ぎた後振り返ると、「リュックがあの人のだ!」あー、ちゃんと眼鏡かけとけばよかったー!! うー、明日はもっと近くでちゃんと見て、話せますように!
 明日から十一月。受験もうすぐっ!今日は「古文、開花した」とほめられちゃってごきげん!


 一九九六年 十一月一日


 遠くから、まるで宝石を見るように見ているだけ。綺麗過ぎて、とても触れられない。一日一度拝めたら幸せ。外から見てるだけの幸せな片思い。
 でも、それは長く続かなかった。
 小さな小さな淡い色した花びら。静かに、でも、確実に積もってゆくそれ。行き場のない私の想いたちは、私の体で色あせ、カサカサと寂しい音をたててる。私は苦しくなってきて、恐ろしい呪文を唱えようとした。幸せを呼ぶか、滅びを呼ぶか。誰にも分からぬその効果。私は悩んだ結果、それをちょっとかえて口にした。ずるいずるい言い方。私はガラスケースを自分で開けてしまった。
 自分のものにならなくていい。でも他の人にとられたくない。大事な大事な宝物。
 距離が縮まると、悩みは余計に増えていった。中途半端なこの距離を保つのは辛いこと。
 動作ひとつひとつに振り回されて、私はすっかり疲れてしまった。それでも病気は治らない。
 いつのまにか花びらは肺まで積もったらしく、苦しくてたまらない。このまま積もるとどうなるの? すごく不安だよ。なのにきっとあの人は、こんな私の気持ちなど知らずに、毎日を普通に暮らしているんだ。なんだか悔しいな。

 ……と、愚痴はここまでにしておこう。
 会えないからイライラがたまっているのだ。
 でも、まったく、いやになってしまう。会えばやっぱり話したいと思うんだよね。
 わざと友達とあの人のクラスの前付近で話してた。もちろん、本人は部室に行ってていないからできたこと。あの人が戻ってくるときに一目見られたらと思ったの。そろそろ帰ってくる頃かなあとふと窓から下を見ると、いました。それで、私の声のせいじゃないとは思うけど、上を向いたの。びっくりした。その後教室に戻ってきたとき、目が合った瞬間、私は回れ右をして全然違う方に歩いていってしまった。我ながらあほだ。でも不思議。近くで姿を見られただけで、もやもやが消えた。さて、何日もつかな。特効薬が見つかるといい。


 一九九六年 十一月二日


 今日は部室の鍵を閉めているとき、部仲間とあの人が戻ってきていたところを見ただけ。部仲間がいると、またからかわれてはたまらないので、すぐ視線をはずした。やっぱり、邪魔だな。部仲間の人たち。しかし、友達の話によると、今日は防衛医科大の受験日だったらしく、東大や京大を狙う人たちは受けてる人が多かったらしい。試しとして。でもあの人は学校に来ていた。別の友達からはあの人が担任に呼び出されてるところを見たときいたし。まさか進路変えてないよね? 私が訊いたとき迷わず答えたってことは、本当にそこに行きたいからでしょ? そんなに簡単に変えないよね?


 一九九六年 十一月三日


 父が朝、起こしに来たとき「カレンダーがまだ十月じゃないか」と言って、めくられた後、十一月のカレンダーを見て唖然とした。「えー、明日も休みなのー?!」文化の日は日曜だったので、月曜日は振り替え休日なのだ。ガーン。明日は体育がある日だから、あの人を見れる可能性が高い日なのに!! 二日も会えなくなるなんて!! あー発狂しそう。
 話は変わって、ただいま十四時七分。今まで何をしていたかって? 茶碗を洗って、ピアノを弾いて、昔の日記を読んでいた。なんか……。たぶん、書いていた当時はすごく一生懸命で、いろいろ悩んでいたのだろうとは思う。けど、だ。なじゃこれは!! 小学校三、四年のころからつけてあるけど、そのときは男子にいじめられていたので、そればっかり。ま、それはまだいい。五年、六年。恋の話題だらけ。しかも。何人好きになれば気が済むんだー!!? 一番短かったのは、一ヶ月ない……。もー、あきれてものも言えない。でも、かく言う今の私も、恋話ばかりだから、似たようなもの?! いつか大学卒業したあたりでこれを読むと、やっぱり笑いが止まらないのだろうか? うーむ。
 でも、やっぱり「そのとき」しか味わえない感情っていうものはあるから、いいか。そういうことにしておこう。
 今頃みんな勉強してるんだろうな。私もしなきゃ!


 一九九六年 十一月三日


 今日、私は父に酷いことを言いました。というのも、父は酔っていて、話が全然通じない状態で……。私は実は中三のとき、酔った父に殴られたことがあって、それがトラウマになっているようで、それがもやもやとよみがえって、酔っているんだから相手にしなければよかったものの、むきになって、結構酷いことを言ってしまったようです。「人をきちがい扱いして、見下して!!」と父は言った。別に、見下していたわけではないのだけれど、何せ、どうしてそんなになるまで、人の家で飲んでくるんだ!! という思いだけが私を支配していて、怒りを爆発させてしまっていたのだ。そして、また殴られてしまって、私は完全に切れました。泣き叫んで、相手にしてしまいました。前のときみたいに、翌日にはきっと忘れているだろうに。でも許せなかった。酔っているからって殴っていいのでしょうか? それでは私は殴られ損です。確かに私は、父の酔ってて私をからかうような態度に頭にきていたので、「こんなになるまで飲んで」とか「この人どうにかして」とか、言ってしまったけれど、言いたくもなるでしょう。とにかく、もうこんなになるまで飲まないでほしい。いつもの父はどちらかというと温和で冷静なので、大好きだけど、酔っている父は嫌いです。体にも悪いし、お酒は飲まないでほしい。


 一九九六年 十一月四日


 朝、父は謝ってきました。私はもう、気にしていません。それより、父のどこかよそよそしい態度が気になりました。父は、昨日のことをかなり覚えているようです。父のその態度は私の言葉が作ってしまった傷のせいだろうことが分かって、私はひどく落ち込みました。父は単身赴任をしているので、それでなくても、家族の中に居場所がないのでは、という不安があるようで、昨日の私の「何この人」というような態度がそれを刺激したのではないかと私は考えています。その父の心を考えると、私は頭痛がして、苦しくなるほど悲しくなりました。私はなんてひどいことを言ってしまったのでしょう。私は父との間に小さな溝を作ってしまったようです。その溝を埋めようと、私は必死で前と同じように父に接します。父もそうします。でもそれが余計に悲しくて、私はどうしていいか分かりません。「もう言うな」と言われるので、直接父に言うことはできませんが、本当にごめんなさい。私は自分に攻撃する相手には容赦しないようなところがあって、自分でも驚くほど残酷で、冷たいひどい人間になります。でも、それは間違いなく私の一部分なのです。それが怖くて怖くてたまりません。私は酷い人間だ。どうしたらやさしくなれるのだろう。あの人に会いたいと切実に思うのは逃げでしょうか。


 一九九六年 十一月四日


 中三のときに、T先生に対しての想いを英語の詩として書いていて、それがあまりにもすごかったので書いておきます。今もそうO君に対して想うよ。

 I love you.
I don't mind betting my life for you.
I can do anything for you.
I can't sleep when I think about you.
If I can sleep, I will dream about you.
Please notice my heart.
I am always by you.

 恥ずかしい……。


 一九九六年 十一月五日


 友達に手紙を渡しに行った。休み時間が終わろうとしていて、あの人が戻ってくるので、私は早く教室に戻りたかった。待ち伏せしていたと思われたくないからだ。ところがちょっと遅かった。あの人が階段を上がってきたのだ。私は気づかぬふりをした。つとめて冷静を装った。だが。友達が……。私の名を呼び、あれこれ手でサインを送ってくる。分かってるのよー!! そんなことしたら、ばれてしまうでしょおお! ぐすん。かの君、誤解しなむ。うー、違うんだああ。絶対変な奴って思ってる! うっとーしー、待ち伏せすんな、って! 私は無実だあ~! 
 それと十一月三日のことを反省を踏まえて、K子に話した。K子は親身になって聞いてくれて……。いろいろ考えを言ってくれた。「愚痴聞くのって、つらいよね。ごめんね。ありがとう」という私の言葉にも笑って、「ぜんぜん!」と答えてくれて。なんてやさしいんだ~!嬉しい。本当に友達ってありがたい。本当にありがとう。大好きだよ!


 一九九六年 十一月六日


 夕 暮れに
 君 を思ひて
 過 ぎ行くときを惜しむとき
 季 節の移り行く様も
 い とあはれにおぼへり。(夕君とはあの人につけているあだ名です)

 
 夢でさへ 現と変はらぬ つれなさに
 覚めても残る 胸の傷かな


 一九九六年 十一月七日 


 「蒼穹の昴」読み終わってしまいました。本当に面白かった。登場人物皆が魅力的で……。私は特に李鴻章が香港の条約を結ぶときがドキドキしました。未来を見越して、永遠(百)から一つ欠けた九十九年としたところがすばらしい。長い歴史からしたら、一瞬ではあるけれど、彼らは本当に一生懸命国のことを考えてやってきたのでした。本当にすばらしい。やっぱり中国はすごいですね。紀元前年からあれだけ思想が発達していた国ですから、やはり考え方も独特のがあって、惹かれます。いつか行ってみたいなあ。 
 しっかし、本当によくまとまっていて、まるで映画を見ているかのようでした。夢に出てきそう。もっと歴史は続いているから、あの後も読みたいと思ったけれど、あそこで終わるのがまたいいのかもしれない。よく調べて書いてあるよなあ。本当歴史って面白い。「事実は小説より奇なり」って言葉があったっけ? 本当にそのとおりだと思う。現実の人は本当に一生懸命で、(未来と言うものが不確かだからこそ)それが人を感動させるのかもしれない。背景も複雑だしね。
 私もいつか歴史物語を書いてみたいなあ。
 明日から読めなくなるので、寂しいな。



 一九九六年 十一月八日


 あの人の夢から始まった今日一日。昨日は会えなかったので、今日こそは! と意気込んで学校へ! 地学の移動教室のときに後姿が見えた。それだけで私は嬉しくて、隣の友達に「あの人だ、あの人! 今いた!」と興奮気味に話しかけた。最近急に寒くなって(今まで暖かかったのだけれど)、最低気温十三度最高気温十八度で、とっても冷たい風が吹いていたのに、あの人はカッターシャツ一枚。寒くないのー? 風邪引いちゃうよお! 心配。
 さらに数学の補習の前に、一度部室へ寄って、弁当の残りを食べて、「さあ、補習に行こう!」と思って部室から出ると、あの人が自転車の鍵をはずしていた。さすがに帰るときは学ランを着ていた。自転車が前のになっていた。今日は朝雨が降って地面がぬれていたからでしょう(いつもの自転車はサイクリング車だから、泥除けがないの)。おかげで、補習分の元気補給ができちゃった!
 それと、補習があの人と同じのN子からいろんな情報が……。かなり観察してくれてるようです。頬杖ついて、授業を受けてただとか、爪が伸びてるだとか……(詳しすぎる)。うう、いいなあ、私も見たい! それと、担任から前呼び出されてたのって、やっぱり進路のことだったようです。その先生は京大志望の人に、東大にしなさいと言って回ってるようで……。あの人にも言ってたみたい。やだなあ。東大に行くと人が変わりそうで……(かなり偏見)。本当に東大に行きたいなら応援するけど、そう簡単に志望校変えないよね? 
 まあ、明日と明後日が休みなので、二日見られなくなる前日に、二回見られてよかった! よおし、この二日間は勉強だああ~!!



 一九九六年 十一月九日
 

 一日があっという間に過ぎていく。入試と言うものが段々近づいてくるのが分かる。逃れられるわけはないのだ。分かってはいる。ちょっとの時間も無駄にしてはならない。そうなんだけれど、机に向かうのがきつくて(余計に受験を意識するから)、一時しのぎにしかならないとは分かっていてもほかの事をしてしまう。そして、後悔するんだ。怖い。休日は余計にだめだ。時間がある分怖い。どうしていいかわからない。「勉強」それしか選択はないのに。


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今日はココまで。


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 それではまた!               天音花香 

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こんばんは、天音です。


ほんと寒くなりましたね。
冬物のコート着ていますが、
学校帰りの学生さんを見ていると、セーラー服だけで帰っているので、
凄いなあと思います。


私もまだセーラー服のみで高校いってたのかな?
でも寒がりだったから、かなり着込んでた気がする。

受験も間近なのに、片思いモード全開の内容になっていますが、
でも、寒さには勝てなかった気がするなあ。

うちの母は着膨れするのが嫌で、寒いのを我慢して薄着という女性!!という感じです。

私は一番寒い時期はセーラー服の下にババシャツ、その上に薄いセーター。
その上にセーラー服。そして、紺のカーデ。その上にダッフルコート。マフラー。

……。着過ぎですね。
確かにだるまのようになっていたような……。
髪型とかは気にするようになっていたようだけど、
まだまだですなあ~。

ちなみに、結婚している今はもう、好きな格好し放題ですよ。
部屋着とパジャマが一緒なので、
外から帰宅したときのままの格好だと、逆に主人に、
「天音がちゃんとした服着てる」
と言われます。
やばい。女として終わってる!?

寒いときは、家用のジャンパーを羽織ります。
家用のジャンパーって何!?
と思われるかもですが、なんの、
外には着ていけないようなしょぼいジャンパーであります。
うちの母に未だに実家に帰ると、服を渡されます。
外着ももちろんありますが、
「家でなら着れると思わない?」
ともたされたものは、家着となります。
いや、もう、いらないよと言っているのですが、
買い物が楽しみの母。
まあ、母がそれでいいならもうそれでいいかと最近は思います。



では、
今日も未来の誰かに贈る日記をお送りいたします。


ココから日記



最初から読んでみる


 一九九六年 十一月十一日


 偶然会えたら、なんか運命感じるし、素敵じゃん? だから、偶然がいい。なんて。まあ、確かに思うけど。うそだね。本当は会いたくて会いたくて、待ち伏せして、袖引っ張って、無理やり話しかけたいぐらいだよ。あの人が気になって気になってしょうがない。今日、なんか深刻そうな顔してたように見えたから、心配でたまらないよ。悩んでるの? 話してほしいよ。力になりたいよ。今日も遅くまで残ってたね。自習? それとも……先生と進路のこと話してたの? ちゃんとご飯食べて、睡眠とってる? 勉強はかどってる? 大学のことどう考えてるの? 将来は? 今、何を考えてるの? いっぱいいっぱい訊きたいことがあるけど、ちっとも話せない。話す機会がない。何のために友達になったんだろう。お話がしたいの。それだけなの。あなたのことが知りたいんだよ。私の存在はあなたの心の中で、どれぐらいなんだろう? まったくなし? それはちょっと悲しいし、悔しいな。私はこんなに毎日毎日考えてるのに。でもそんなの知ったこっちゃないって感じだよね。分かってはいるの。私が勝手に好きになっただけ。迷惑極まりないよね。ああ、人の心はなかなかうまくかみ合わないよね。お互いに好きになるってすごいよなー。ミラクルだよ。羨ましい。そんな無茶なことは言わないから、せめてあなたの何か役に立ちたいなあ。私にできることはないの? 言ってくれたらできる限りするよ。ねえ……?ふー。一人、心の中で話しかけるのはさびしいぞ。明日会えるといいな。そして、お話できるといいな。
 さあ、勉強。きっとあの人もがんばってる。
 このページがあの人の心に届いたらいいのに。


 
 一九九六年 十一月十二日

 あーあ、今日は一度も見られなかった。あの人は今日も遅くまで勉強していたようです。たぶん、学館と呼ばれる、昔、うちの学校の先生が教えていた塾だったところで(今は塾つぶれちゃったの)。でも、そこ、なんか古くて暗いし、自分ひとりで行く気がしない。特にあの人、行ってるだろーから気まずいじゃん。うーん。でも覗いてみたいかも。ふう……。明日こそは絶対会えますように!



 一九九六年 十一月十三日


 うう、今日も会ってない。最近あんまり時間がかみ合わないなあ。寂しい……。友人が「うちのクラスにO君のカナヅチがあるよ。失くしてない? ってきいてみたら?」と言ってくれたけれど。うん。でもね。話す機会がないんだあ。だけど、話題をわざわざもってきてくれてありがとうね。後もう一つ、嬉しいことと言えば、今日、具合悪いから補習受けないで帰ったんだけど、そのことをK子に告げると、さりげなあく、「気をつけて帰りなよー」と言ってくれて、それがすっごく心に暖かかった。あー、なんかやっぱり友達っていいな。あの人とそんな仲になれたらいいのに。明日こそは会わせて!!



 一九九六年 十一月十四日


 N子が中学のとき仲良くしてた、T子に会ったんだって。私のことをしきりに訊いてくれたらしい。なんか嬉しいなあ。私も会いたかったなあ。
 しかーし、O君には今日も会えなかったんだああ!! 十一日に、三回見られたから、三日分ってことなのか? なーんて、そんなまさか。うー。明日こそは会いたーい。O君。実は君も私の顔見られなくて寂しい思いしてない?(してないしてない。安心してるよ)だったらやっぱ、会えるように行動しなきゃ。文系クラスの前うろつくとか(んなことするかー、変人じゃー)ふう、やっぱ、さみしーよお。
 話は変わって、今日の夜の空はとってもきれいでした。私の好きな空(地平線に太陽が沈んだ後も空が赤く染まっている時間)。この空は本で調べると、薄明というらしいのだけれど、今日は本当は薄明の時間なのに黒い影のような雲が地平線を覆ってしまって、空は深い深い青色をしていて、でも夜とは違ってかすかに光っていたのよ。それで、そこにうすーい三日月が輝いていて、とってもきれいだったの。ああ、うっとり。空ってやっぱりきれいだね。



 一九九六年 十一月十五日


 会いたい。あいたい。AITAI。I want to see him.我欲会彼。会えない四日目が終わっていく。会いたいのに、どうして会えないのー!? 明日会えないと、日曜はもち、会えないから、必然的に六日会わないことになる! 同じ学校にいるのにー。補習の前、部室に行ったときは、O君の部室開いてなかったけど、私が補習の教室に行くときは開いていた。たぶん、そこにいたと思う。なんかくやしーぞ。あの人には見たくない私が見えて、見たい私は見られないなんて! うー、イライラが積もる。明日は絶対会わなきゃ!!
 母が父のところへ行ってる(単身赴任先)明日、ちゃんと自分で起きなきゃ。



 一九九六年 十一月十六日 


 昨日前髪を切ったので、ちょっと恥ずかしいなあと思いながら学校に行った。部室にコートを置くために入ろうとしてると、あの人が自転車をとばしてやってきた。ああ、やっと会えた! さらに掃除のとき、自分の区域が終わったので、N子の教室の前で話してたら、あの人が教室へ戻ってくるのが見えた! そこまではいい。


 放課後。K子を部室の前で待っていると(暖かかったし、あの人が出てくるかもしれないので)あの人は意味もなく出たり入ったり。最初は二年生も出てたのだけど、そのうち部室に入ってしまった。あの人も。しばらくしてもう一人の人と帰るためだろう、出てきたの。それで、もう一人のほうはすぐ自転車の鍵をはずして行っちゃったんだけど、あの人は一人でうろうろ。私とあの人だけだ。これって、チャンス! でもちょおっと距離があったのよ。3メートルくらい。だからちょっとためらいながら、小さく手を振ってみたが気づかれなかった。(無視したのか?)だから、遠慮がちに、「Oくーん」と呼んでみたが、しーん。ちくしょおと思った私は「だー、バカヤロオー」と小さく叫んでしまったのね。聞こえちゃったかな。どうしよう。明日は会えないから、余計になんか気まずい。声かけないほうがいいのかな? でも、わざと一人になったように見えたんだもん(恋する乙女は盲目です)。そんなのって、ずるいよねー。
 明日テストなんだけどなあ……。



 一九九六年 十一月十六日


 あの人に言いたいこと。

「友達になってください」って言ったとき、「はい」って言ったよね?
 それとも私の聞き間違い? 全然話してないし、ちっとも友達らしくないよね。私はね、ただね、あなたに男子と話しているのと同じような感じで話してほしいの。
 もっと自分のこととか話してほしいの。「会話」っていえるものがしたいの。それだけ。
 だって、いっつも私が聞くだけじゃん。で、あなたは「はい」「……いや」としか言わない。これじゃなんか私が尋問してるみたい。
 それとも迷惑なの? こうやって私があなたを呼び止めて話しかけるの「うざってー」とか「やめてほしー」とか思ってる? だったら、ちゃんと言ってほしい。そしたら、話しかけるのやめるよ。私だってなにもあなたを困らせようとしてこんなことしてるんじゃないし。時期も時期だし、勉強の妨げになったりしちゃ困るし。「別に……」って言うんだったら、私、話しかけちゃうよ? 
 それに、あなたも挨拶ぐらいしてほしい。朝は「おはよう」昼は「こんにちは」帰りは「バイバイ」。友達同士で挨拶するっしょ? 私ともしようよ。
 で、結局あなたの答えは?

 これだけ訊くチャンスと時間がほしい。


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 今日はココまで。

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 アルファポリス「第3回青春小説大賞」(開催期間は2010年11月1日~2010年11月末日)にエントリーしています。

 高校生日記

月に恋した

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 それではまた!               天音花香 

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