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小説をおいております。 『いざ、出陣 恋戦』シリーズの二次創作、『神の盾レギオン 獅子の伝説』の二次創作、そして、高校生の時に書いた読まれることを前提にした日記と、オリジナル小説を二編のみおいております。
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プロフィール
HN:
天音 花香
性別:
女性
職業:
主婦業メイン
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、結婚後落ち着いてから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。

クリックで救える命がある。
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十二月ですね。 早いです。
お久しぶりの天音です。

十二月に入ったと思ったら、もう一週目が終わりました。
先生も走る十二月。(十二月だけじゃなくて走ってる気もしますけれど、最近の先生は)

高校生だった私は寒さと反比例するように、
恋心を燃やしていたようです(苦笑

読んでやってください。

ココから日記


最初から読んでみる

 一九九六年 十一月十八日


 昨日はS子がいきなり帽子をくれると言う、嬉しいびっくりプレゼントがありました。風邪引きで寒そうにしてたら、コートを貸してくれたし……。
 なんか、最近すごく友達に甘えちゃってます……。
 それに今日は一回だけあの人を見ることができた。お昼を食べる前に手を洗いにいったら、教室から出てきたのだ。寒かったので、肩をすぼめて、首をすくめて、手を袖の中に入れて……。でもなぜか顔はりんごのように赤かった。風邪ひいてるの? 大丈夫? 寒いから気をつけれー。私のことには気づいてくれたかなあ。一昨日のこときにしてないよね。(っていうか、あの人にとってはどうでもいいよね)

 明日もテスト。来週は期末もある。体調悪いから困るなあ。



 一九九六年 十一月二十三日


 今日はせっかくの第四土曜日なのに、小説の整理にはまって、ほとんど勉強してなーい! こんなんじゃだめだー! センターまで50日ちょっとなのに! それに、関係ないけど、昨日も一昨日もあの人に会ってなくて、今日も会えるわけないし、明日も日曜だし、四日も会えないんだー! N子が「髪切ってたよ」と言っていた。ほら、もう、私の知らないあの人ができてる。なんかヤダ、そういうの。会えないとどんどん私の知らないあの人が増えてくんだ。そんなのやーだー。うう、絶対月曜日には会えますように! そして、話すんだ! GO!
 明日は勉強ー!




 一九九六年 十一月二十五日


 昨日は六時間ほどは勉強した。あまり集中できなかったけど。今日はね。ふっふっふw 朝「遅刻やー!いややー!」と思いながら自転車ぶっとばして、なんとか間に合った! と部室前の通路にすべらすと、後ろから自転車の音。まさか、ね。心のどこかでは、分かってた。けど、違うよ、期待しないように否定して。自転車止めて、鍵はずして。すると後ろの方も止めて鍵をはずしているようで。まさかね。と思いつつ、部室に行くとき、(といってもチャリから数歩)振り向きざまに見て、ああ、やっぱり……。向うもちょっとびっくりした顔で、こっち見て。あまり見てるとぼろがでるから、努めて平静を装って、部室の鍵を開けた。ほんとはもっと見たかったんだけどね。で、体育のあとも見た。着替え終わって、部室から出ると、あの人は部室に入るところだった。そうよ! こういう偶然、最近なかったから、寂しかったんだなー。帰り。自転車がまだあって、部室、開いてて、いるのは分かってたけど、覗くわけにもいかず、ちょっと悲しい、かな? でも、なんか近くにいると分かるんだよね。後ろから来てるとか、見てもいないのに、全意識がそっちに集中して、なんとなく気になるときは、ほとんどあの人だったりする。変だよね。でも、体中の細胞が「いるよ!」って言ってるんんだわ、きっと。明日は話せるといいなあ。
 テスト近し。



 一九九六年 十一月二十七日


 今日は体育のとき、着替えに部室に行ってると、例の細い通路であの人とすれちがいました。なんかそこで会うのって久々。昨日も会えなかったし。そこ、狭いし、正面からくるから、もろに顔見えるじゃん? なんか恥ずかしくて、下向いちゃった。向うも気がついたよう。最近は目が合っても、硬直してるって感じではなくて、自然でいてくれるようなので(私の思い違いかも)ちょっと嬉しいです。
 最近よく小説を読んでしまいます。漫画より読んでる。二年のときとか、他に楽しいこといっぱいあって、目もくれなかったのにね。今、きついから。現実逃避したいから読んじゃうんだ。どうにもならないのにね。しっかし、小説の世界ってやっぱいいなあ。楽しそう。魅力的な人いっぱい出てくるし。でも、私はやっぱ、もしその世界にいけるとしても、今は現実を選んでしまうなあ。だって、あっちにはあの人がいないもん。人生楽ありゃ苦あり。何でもがんばんなきゃだめなんだよね……。
 もうすぐ十一月も終わるなあ……。



 一九九六年 十一月二十八日


 今日は鐘が鳴ってるときに、急ぎながら三階廊下を走っていると、下(一階の外)にあの人が走っているのが見えました。遅刻したなあ。悪い子ちゃんですのー! でも、なんかそれ見ただけで、どうしようもなく愛しくなってしまう。もー、なんて可愛いんでしょお! で、今日も体育後友達とふざけ合いながら、例の細い通路を通っていると、前方からあの人が。寒いため真っ白な肌の、鼻の頭と頬が赤くなってて、自分より20センチ以上は背の高い人にこんなこと言うのは変かもしれないけど、かわいすぎるー! もーうーきゃー、ぎゅって抱いて、頭なでたい気分。だって、きょとんとした目で見て、まるで犬みたいで可愛いんですものー。本人に行ったら殺されそうね。でも、思い出すだけで、顔がにぱあってしてしまうよ!! 明日は話ができるといいなっ!



 一九九六年 十一月二十九日


 今日は体育もなかったし、もう会えないだろうなーって思いながら、部室へ向かっていると、O君がなんとチャリの鍵をはずしてるではあーりませんか! うう! 話しかけたいけど……。と、そのとき、O君の部室のドアを閉めて入っていった男子がいたのね。なんてラッキー! さあ、あんまり人いないし、勢いでいけーってことで、友達のところに駆けていくふりしながら、「O君、バイバイッ!」って言ったのだっ! おし! 言えたっ! すると、「あ」っと言ってあの人はこっちを見た。一瞬目があった。でも私は走ってたので、そこでとまるわけには行かず、そのまま通り過ぎた。まさに、台風ってやつね。びっくりしただろーなあ。でもね、あの人の表情硬くなかったの。どっちかというと、緩んだの。(気のせいかな)なんかすっごく嬉しくて、ニマニマしちゃった。明日からテスト。今日はなんだか夜もがんばれそう!



 一九九六年 十一月三十日


 昨日は結局、オーラルが終わらなくて、三時までがんばって、お風呂の中でも勉強して、寝たのは四時……。しかも、現文と政経全くしてないっ! まずーい。まあ、現文は日ごろしているからいい。でも、政経! おーいって感じ。絶対赤ってる。政経で留年なんて救われないぞ……。でも、オーラルは結構できた! 何度ももう寝ようと思うたびに、あの人もがんばってると心で言い聞かせて、粘ったかいあり! しかも帰りにまた会えた! 今日は雨。なのに、あの人は自転車で来ちゃってたのよ。しかもサイクリング車のほうで。まあ、そのほうが私は見れるから嬉しいけど……。今日もK子と部室から出ると、向うもドヤドヤ出てきて……。あの人はなんだか機嫌よさそうだった。笑ってたもん。んで、「雨ふってるよー」って、K子に言ってたら、向うも雨を気にしているみたいで、みんなで、チャリがどーのこーのって話していた。あの人は傘は持ってきてたみたいだけど、自転車はずぶ濡れで気の毒だった(私のチャリもだけどね)それから、またもや他の人はさっさと消えたのに、あの人は一人ぐずぐず。もしかして、結構トロイってやつ? 私は話しかけたかったけれど、雨だし、距離があったから、わざわざ行くのも変かなと思って、ずっと見てるだけでやめといた(ストーカーだ)。それにしても、本当に遅い。いつまでもたらたら。もしかして、私、話しかけてもよかったのかな? なんて。でも、自転車をようやく出そうとするとき、私を見たのよね。すぐおずおずと下を向いちゃったけど……。何? 何なのお? はっきりせんかーい! まあ、でも可愛かったからいいや。最近、いろんな表情するから面白いのだ。明日は日曜日。勉強がんばろっと。それで、月曜日にご褒美として、また会えますように! そして、会話ができますように!
そういえば、あの人、チャリ乗ると泥はねするから、引いてたけど、ずっと家まで引いて帰ったのかな? かわいそうに……。
 明日から十二月!! うおー早い!!



 一九九六年 十二月三日


 今日はあの人の夢から始まった。「もっと話したいです。迷惑なのでしょうか?」と私が言うと、「迷惑」と言われて、夢でもぐさっときた。「今の状態はおかしい。もっとはっきりしてほしい。このままでは困る」とあの人は続けた。「友達なら友達。それ以上の感情があるなら、ためしに付き合ってみればいい」と。こんな人だっけ?! と思ったら、やっぱり夢だった。夢現の状態で、6時におきて、数学して、遅刻ぎりぎりに学校に着いて、自転車を置いて、部室の方へ行くと、O君の部室のドアが開いた。まさかね。と、やっぱりあの人じゃん! ちょっとびっくり。何か嬉しい偶然でした。明日でテストも最後。「気合!」だっ! (気合、は、あの人からもらった言葉なのです。一年生のとき、学校の十里行軍という行事のとき、偶々隣になって……。英語で留年しそうな私が、英語の得意なO君に「どうすれば英語、そんなにできるようになるの?」と聞くと、彼は「気合」と答えたので、特別な言葉なの)




 一九九六年 十二月五日


 昨日は棚や机の掃除をした。今、久々にすっきりした机上でこれを書いている。いらなくなった教科書は全て捨てた。今日から受験前の特別時間割になった。受験なんだなと実感する(今更だけれど)。そして、私は卒業するんだ。なんだか、無性に寂しくて苦しくなった。嫌、だな。時間を進めたくない。止めたいのではないけれど。
 今日は、あの人が教室から出てくるところを見た。手を洗いながら、ボーっと窓の外を見てた私。そのときあの人が教室から出てきたのだ。あの人は私の視線に気づいてか、俯き加減になって、教室のドアを閉めていった。
こんなささやかな幸せもがなくなってしまうなんて。私、高校卒業したくないな。最近になって、この高校がとても居心地がいいことに気付いたんだ。仲のよい友人と別れなければいけないのも辛い。でも、常に前を向いていなければならないんだよね。

<あなたへ>
あなたが悲しみに沈むときは
私は船になりましょう
あなたが迷えるときは
私は月の光になりましょう
あなたが怒りに我を忘れるときは
私は雨になりましょう
あなたが喜びに踊るときは
私は鳥になりましょう

いついかなるときも
私はあなたの支えでありたい

<馬鹿な少女>
私があの人を想っても
あの人は全く気付かなくて
私が会いたいと思っても
あの人は知るはずもなくて
私が話しかけても
あの人は返事をするだけで
私があの人見つめても
あの人は目を伏せてしまって
完全に一方通行
それでもいつかはなんて
甘い夢を見てる
私は馬鹿な少女


 そういえば、今日はすっごく恥かいた。
 現文の答えが「取捨選択」と書いても意味の通るところだってので、「どうして違うんですか?」って言ったら、「漢字が違う」と先生。え?
 ガーーーーン!
「拾捨選択」になってるう~~~!
 すっごいはずい!!! 先生が「うけた」と言いふらしたので、聞くんじゃなかったーという感じ。真っ赤になってるよと友人に言われた。いやはや恥ずかしい。

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今回はココまで。


受験生の皆さんは最後の追い込みの冬ですね。
風邪をひかれないように、頑張ってください。




 ここまで読んでくださりありがとうございました。
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 それではまた!               天音花香 

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明けましておめでとうございます。


遅い新年の挨拶で申し訳ございません。
センター、雪のところが多く、大変だったようですね。
皆様風邪などひかれないように……という私は風邪ひいております。

そして、高校生ころの私はというと……。
ということで、久しぶりに未来の誰かに贈る日記、お送りいたします。

センター試験の結果とか生々しく書いておりますが、
この後、かなり無謀な挑戦をする高校生の私を見守ってくださいませ。


今年は日記の更新ばかりでなく、小説を少しずつ書きたいと思っています。
短編をいくつかと、マーニの話の続きですね。
が、頑張ります。


ココから日記


最初から読んでみる


 一九九六年 十二月九日


 弟が修学旅行オーストラリアから帰って来ました。小さなオーストラリアの動物のぬいぐるみのセットとメモ帳がお土産。結構高かったようです。私が一番気に入ったのは、ハリモグラでした。ふかふかの針の部分が気持ちいです。
 もうぬいぐるみは卒業してるけど、弟の気持ちとして、ありがたく受け取っておきます。ありがとう。
 さてさて、昨日と一昨日は風邪ひいていたけど、センタープレテストだったので、無理したせいか、風邪が悪化。今日は学校を休んで病院にいきました。うー、のどは痛いし、鼻水だらだらだし、咳出るし……。き、きつい……。あの人は私が休んでるのにさえ気付いてもいないんだろうなあ。
 明日は会えるといいな。でも声がだみ声になってて恥ずかしいので、声をかけるのはやめておこうっと。



 一九九六年 十二月十一日


 まだまだ声が治らない私。早く全快するといいのに。
 今日は朝課外後、地学の一式をとりに部室に行くと、O君が部室から出てきたのー!きゃあ! こういう偶然は本当にいい! 
 今日は学校の模試の結果が帰ってきたの。総合順位はようやく半分より上がったけれど、国英社では丁度半分ぐらい。英語がねえ……。あの人は総合、国、数、英、で名前が載ってた。すごーい! やっぱり頭いいー。素敵! がんばってるんだろうなあ。私もまだまだこれじゃだめ。もっともっとがんばらなきゃ! 負けないぞ!



 一九九六年 十二月十一日


 今日は全く会えずじまいかと思いきや、K子を待つとき本屋に言って、何か買って読んでよいようと思い、(勉強しろよ)部室を出ると、あの人だ。しかも上機嫌。嬉しそうな笑顔。隣の友達と何話してたのかなあ。まあ、見れたからいいや、と思って本屋へトコトコ。そのとき、信号があったのよ。それで、待って、青になって歩きだすと後ろからあの人の自転車。え? 帰るんだ。見れてよかった。まあ、よっぽど嫌われていたら会いそうなときに帰るわけないし、避けられてはいないってことよね。
 そういえば、今日はとても月が綺麗だった。薄い三日月。右下が光ってた。でも私は発見した。よーく見ると、ほんの少しだけど、ちゃんと丸く光ってるのよね。うーん、綺麗。それと、暗いのに、地平線のところだけほのかに橙になっていて、綺麗だった。空は真っ暗なのに。はじめ、火事かと思っちゃったけど。
 咳で、字がよれよれになるー。
 明日もいい日でありますように!



 一九九六年 十二月十四日


 高校での漢文なんてたかがしれている。読みやすいものを一部取り出して授業で習うにすぎないからだ。しかし、私はそうであるのに感動せずにはいられない。文は簡潔明解。言いたいことを簡単な例などを出して、そのままポンと書いているものが多い。そして中国人独特のセンスが文には表れている。それはとても新鮮に感じられる。それから思想。現代の私たちが読んでも衝撃をうける。目の付け所がまず違う。そんな思想が様々あって、対立する思想を読んでいても、それぞれがもっともであると思うようなものばかりだ。面白い。
 私は中国への興味がわいた。しかし、それは現代の中国にではない(申し訳ない)。私は少し悲しく思う。現代の日本には古典に描かれている匂いのする場所はほとんどない。まるで違う世界のような感じで私は古典を読んでいる。確かに日本は豊かになって、私たちは何の不自由もなく暮らせるようになった。しかし、風流を感じる「余裕」、時間が失われている。皆、仕事、勉強に励み、自分を見つめる暇さえもない。中国は現在著しく発展してきている。それは結構なことだが、素晴らしい思想は残しておいて欲しい。昔の趣きを失わずに発展して欲しい。中国文化は本当に優れたものであるのだから、日本のように急いで近代化せずに、独自の文化を尊重し、誇りに思いながら成長して欲しいのだ。
 私はこんな理由で中国を学びたいと思い、大学に行きたいと思っている。そう、大学に行かなければ!そして、中国に行くんだ!
(この願いは、結論から言うと、叶うことになる。私は大学二年と三年の夏休み、合計二ヶ月、北京に留学をすることとなった。そして、建築物や庭園などはしっかり残っている中国に感嘆し、思想については一部の上流階級にのみ残るだけで民間人にはみられないことを知り、残念に思った)



 一九九六年 十二月十六日


 今日は体育終わって部室の外に出ていると、あの人はこれから体育なので部室に着替えに来てました。
 帰りは掃除があって、遅くなっちゃうから、あの人はもう帰ってるかもー。お願い、もう少し学校にいてー! と思って、一生懸命自分の受け持った階段のところを掃いて、それで、走ってもどると、丁度あの人は帰るときだったみたい。部室の外に出てて、友達と楽しそうに雑談をしていた。隣にその友人がいなければ、「バイバイ」っていえたのになあ。もう一度部室から出たときにはあの人ははもう、帰ってました。私が来たから逃げたのかな? それとも一目私を見るためにいて、見られたから帰ったとか? とかあるわけないってね。言ってみただけ。まあ、このごろはよく顔を見るので嬉しい。明日も会えるといいな。それで、話が出来るといい。



 一九九六年 十二月十七日


 休日以外は雨が降らないといいのに。雨の日は、あの人が自転車で来ないから、学校に来ているかどうかが分からない。もう、あと何日かで授業が終わる。会いたいな。
 今日は夢で会えたからまだいいかも。古典の世界では、夢に出てきてくれるのは、相手が想ってくれているからってことになっているけれど、実際は逆だよね。夢は自分の心が面白いほど反映されている。好きな人もだけど、恐いものとか、気になることとか・・・。でも、古典の世界の考え方のほうがロマンチックだよね。そうだったら、私は毎日あの人の夢に乱入しているんだ。なんだか楽しそう。でも、あの人は迷惑するか。
 明日は三年生全員による学年集会がある。先生はノータッチのようだ。いろんな思い出話が聞けそう。あの人にも会えるといいな。



 一九九六年 十二月十八日


 今日は朝から凄い吐き気がして、胃が痛くて、牛乳をコップ半分だけで学校にいった。部室により、部室からでて、教室へ向かっているときに、あの人は学校に到着! 朝からラッキー! と思っていると、体育のときも、着替え終わって体育館に行こうとしてるとあの人が出てきて、教室に帰っていた。後姿だけしか見られなかったけれど、でも嬉しい。
 休み時間。気持ち悪いけれど、何もお腹の中にいれないのもよくないよ、と友人に言われ、私は友人と売店に行った。
 あ、あの背の高い人は……。そこに、あの人はいて、並んでた。しかも、私がO君が好きと知らない友人が、あの人の前を通り抜けたもんだから、きゃー恥ずかしいよー、わざとじゃないのよーと思いながら、ちょっと俯きながら通った。あの人は気付いたか分からないけど、恥ずかしかった。それで、買ったココアを飲んで、地学教室へ向かったが、なんと先生はお休みで閉まっていた。(昨日も休んでいたの。退職している先生で、かなりのお年なので、心配。早く治りますように!!) 地学教室は遠いので、胃がいたいのに、ちょっと苦しいと思いつつ、教室に戻っていると、前を歩いているあの人。隣にはあの人の友達。なんて楽しそうなんだろう! 男子相手なら、こんなにしゃべれるんじゃないー! 私とも話してよー! と思ってしまった。
 この後、私は結局保健室で休んでいました。それで、学年合同のHRの時間。あれ、あの人ちゃんと来てるじゃん。私は後ろのほうに座って、ずっとあの人を見ていた。眠そうだ。ずっとうつらうつら。ふふ、可愛いなあ。しかーし、その隣の友人が私の視線に気付いて意味ありげににたあと笑った。な、なんなの! ほっといてよ! その後、部室に戻るとき前方に発見。これで今日は六回目だ! 一日に何度も見ると、なんとなく距離が縮んだような気がして(そんなわけないのに)、声をかけてみた。
「こんにちわ」
 あの人は。ああ、またかという感じで、こっち向いてくれさえもしない。それどころか、久々の、表情硬直だ。ただ、まっすぐ進行方向を見て、足をもくもくと動かす。しかも、足が長いので速い。うう……。何か話を……。今思えば、まず模試のことを誉めればよかったな、と思うけれど、後の祭り。
「冬の補習とってる?」私はそう聞いた。
「はい」
「ふーん」
 会える確立が上がる! と内心喜ぶ。でも……。会話が続かん……。私は部室に入ろうとするあの人を呼びとめついに言ってしまった。
「あのさ、夏休み、私が友達になってっていったとき、「うん」って頷いたよね?」
 おい、どうしてそこで止まるのさ。なんで返事してくれないの? 私一人勘違いしてたの?
 馬鹿みたいじゃん! でも私は、そこでとまっちゃだめだと、話を続けた。
「あのね、友達だからもっと話したいっていったら怒る?」
 ピキ。あ。マジで凍った。ど、どうしよう。言わなきゃよかった。しかも、こんな部室の入り口のところじゃ、いくらドアは閉まっているとはいえ、筒抜けじゃん! あー、またもや失敗!!! 私はあの人が反応するのを待つしかなかった。
 あの人はかすかに口元に笑みを浮かべて、片手を軽く挙げて……。部室の中に逃げてしまった!! 
 ?! おーい、もどってこーい!! なんなのー今のはー!
 笑みは、困った笑みか、テレの笑みか(ありえん)。しかも、どういう意味? あの手は。
「そーゆーの困るからバイバイ」か「またにして」か「好きにして」どれ? ぜんっぜん意味不明! でも、よければ「別に」って言いそう。言わなかったってことは、困るってこと? まあ、いきなりだったから、戸惑ったんだよね。きっと。ごめんなさい。部室の中の人に聞こえるのを気にしてたとか? でもどっちにしろ、私は、あの人を困らせてしまったんだ。いいのに。迷惑っていってくれたほうが切り替えだってつくのに。わかんないよ。それじゃ。どうしたらいいの?
 あああ、私は「友達」ってのも夢幻だということを自分で暴いちゃったわけだ。なんか、どうしようかな。とりあえず、ふつーに挨拶しよう。でも、目とか合わせられないかも。
 夜はなんとかご飯食べれた。やっぱ物が食べれるって幸せなことだな。
 明日はテスト。あの人のことはまず、置いといて、勉強しなきゃ。

 HRで印象に残った言葉。
「梯子が出来たから二階に上がるのではなくて、二階に上がりたいから梯子ができた」
 成せば成るってやつ?




 一九九六年 十二月二十三日


 「欲がなければ志は保てない」
 そういう内容を諸葛孔明は最後の出陣の際、一人息子に言ったという。昨日は「知ってるつもり」というTV番組で、三国志スペシャルだったのでつい見てしまった。「欲」・・・エネルギー源だものね。私の場合「何々したい」というのは、ぼんやりとはあるけれど、そこまで強くない。地球が病に伏しているのに、政治は滅茶苦茶なのに、景気悪いのに、私は何の不自由もなく暮らしている。どうにかしたいじゃなくて、どうにかなればいいのにしか思っていない。孔明の生きていた世よりも随分と豊かだからだ。しかし、私は孔明の状況にあったとしても、孔明のように「自分がどうにかしなければ」とは思わなかっただろう。そこが孔明の凄いところだと思う。さらに、孔明は最後まで主君にはならなかった。欲・・・「民が安心して暮らせる世にしたい」これはあっただろう。でも「自分が天下を治めたい」という欲もあったのではないか。それを表に出さずに、二番に徹し、お世辞にも、劉備のように優れた人ではなかった劉禅を支えた。本当に改めて孔明と言う人は優れた人だったのだなと感嘆した。私ももっと頑張らなければ。



 
 一九九六年 十二月二十三日


 なんで今更親や弟に進路のことを言われなければならないのだろう。受からないから別のところを受けろ、だって? なんで行きたいところに行かしてくれないの?! 知りもしないくせにって、大学に行ったことないんだから、全てわかるわけないのは当然だ! 今更行きたくない所に行って、結局面白くなくて、途中でやめるよりもいいじゃない! ほんの影響からだって、別にそれもいいじゃない! 人生を変える本だってあるんだ! それに、中学のときから、漢文は面白いと思ってたし、高校に入って、ますます中国の思想は面白いと思ったんだ! そんなの先生方に私の国語の授業態度を訊けばわかることだ! それにのほほんとしてって言うけれど、気持ちはすごくあせっているんだよ! 体に異常がでるほどに! それなのに、追い討ちをかけることないじゃん! 親ならそれくらいわかってよ! もう、家にいるの嫌だよ! むかつくよ! うるさいよ! 経済苦しいのなんてわかってるよ! でも、それならなんで生んだんだよ! 畜生! 畜生!




 一九九六年 十二月二十四日


 今日はあの人は帰りに見られただけ。一応、クリスマスイブだけれど、悲しいかな、受験生であり、独り身でもある私には何の意味もないものでありました。そういえば、K子を待っているときに雲ができるところを見ました! 真っ青な空にうすーい一欠けらの雲ができたかと思うと、その真ん中からもわもわと雲がでてきて、外側に広がっていくの。なんか、とても不思議だった。何もないところから、何かが生まれる瞬間。目に見えないだけで、水蒸気はもっと前にあったのかもしれない。でも雲になっていく様は神秘的だった。
 そういうことで、今日は終わり! 

 うーむ、今日は寝てばっかりで、勉強が……。
 それと、最近前髪が鬱陶しくなってきた。




 一九九六年 十二月二十六日


 最近、あの人はやたら機嫌がいい。異常に。腹が立つほど。始終笑顔!(O君がO君の友人といるときに限られる)。 何かあったの? 何なの!? なんだか、なぜか恨めしい。(意味不明) そして、悔しい! 私にも笑ってよー(無理難題)話しかけてよ! あなたの生活の片隅でいいからいれてよ、もう!!
 話は変わって、最近、図書館に行って勉強している。なかなか捗ります。がんばるぞ!




 一九九六年 十二月二十七日


 今日はあの人は課外を休んでいた。風邪? うーん。最近ではすぐそう思えなくなっちゃってる。塾に行ってるのかな? たまたま今日は重なったとか? それとも家のほうが捗るのかな? いや、やっぱり風邪……? 大丈夫かなあ。
 無理しないでゆっくり休んで、はやく元気な顔を見せてほしいな。




 一九九六年 十二月二十八日


 今日もあの人は休み。なんだか、自転車がないのは寂しい。本当にどうしたんだろう。明日は課外の前半最後の日。来てほしいな。




 一九九六年 十二月二十九日


 今日は半年ぶりに行きつけのお寿司屋さんに行った(家族でだよ)。
 上にぎり。とろが本当にとろけるような口当たり。さらに、うにが甘くて最高! えびは食べ終わった後も尻尾がぴくぴくしていた。どきどき。えびといえば、えびだけすっごくわさびがきいていて、お茶を飲んだけれど、すっごく、すっごくつーんときて、鼻を押さえて、涙をにじませていると、「わさび、ききすぎていたかな?」と、握ってくれたお兄さんがいって、よく来ているからというのもあるのか、「泣かせたから」と、卵を特別に握ってくれたの。のりで仕切りが作ってあって、芸術的! すっごく可愛いの! 食べるの勿体無いほど! ありがとー、おにーさん!
 そういえば、あの人、今日も来てなかった。もー、次に顔見られるのは来年の四日だよー。それまで会えないなんて寂しいな。よいお年を!




 一九九七年 一月一日


 新年、明けましておめでとうございます。
 今年は丑年だそうで、少し牛のように落ち着かなきゃね。
 さてさて、冬休みが十二月三十日からはじまったわけですが、無理な計画を立ててしまって、ただ今、やり残しがたまっております(それでも紅白見たあたり、私って、中学のときから成長してない……)
 おじいちゃんのところに帰らなかったので、電話したの。「合格する! って気で勉強しなさい」とおじいちゃん。「今の時期、健康が大事だから楽観的に構えてがんばれ」と優しい従兄弟君。「健康に気ぃつけてがんばれ」とめずらしく、優しい弟。よおーし、悔いが残らないようにがんばらなきゃ! きっと、あの人もがんばっているはず!
 では、今年も皆様にとって良い年でありますように!!
 
 ペルーのリマで人質にとられている方々、かわいそう。早く開放されるといいな。



 一九九七年 一月三日


 基礎教育は確かに必要だと思う。これくらいは知っていなくてはということはある。でもそれは最低限でいいと思う。自分の勉強したいことを自主的にできるような時間がもっと必要だと思う。(今更、本当に今更だけど)




 一九九七年 一月四日


 八日ぶりにあの人を見た。やっぱ、背高いな。ほんのちょっとだけしか見られなかったんだけど。ああ、うう、なんていっていいのやら。私は本当にこの人に会いたかったんだなあと感じた。
 帰りも部室の外でK子を待っていたら、来るのが見えた。横には友人。また楽しそうな笑顔。べ、べつにいいけどね……。で、でもやっぱりくやしいかも! あの人が来ると、見てるって気づかれるのが嫌だから、明後日の方向を見る私。すると、一瞥する気配?(たぶんね)はあ~。なんだかなあ。

 今、前髪が鬱陶しいのでピンで留めてるの。友達にかわいーと言われた。お世辞でも嬉しいよ! えへへ。

友達を
あの人見るため
外で待つ
かじかむ指に
息かけて
まだかな まだかな
時計を見る
人影見えるとドキッとして
違うとガッカリ肩落とす
そのうちあの人やってきて
私はうつむき笑みもらす
 



一九九七年 一月七日


 今日は、朝、あの人が部室から出てくるのに出くわした。とってもはっぴーな一日になりそうだった。そう、だった、のに。
 昼、学館(課外をやっている校舎)のトイレはこむので、本校舎のほうに行くことにした。そのとき横を通り過ぎる部室にはあの人がお昼を食べているはずだし、もしかしたら会えるかもしれない、と……。
 寒さにコートの前をしめて、肩をすくめて歩いていると前から先生が来られたので「こんにちはー」と挨拶をする。丁度そこはあの人の部室の前らへんだった。そこで、いるかなあ、とチラリと部室のほうを見たときだった。
 バンッ! と音。冷たい音だ。たぶん、否、絶対窓が閉まった音だったと思う。わざと……? 嫌、なの? 顔もみたくない、の……? でもさ、やり方、ひどくない? ひどいよ。十分酷い。あんまりだよ。
 私は悲しくて、靴をバン! と鳴らして、「むかつくー」と小声で言いながら、歩いた。
 でも、本当はむかつくより、心が痛くて痛くてどうしようもなかった。私はそれを紛らわすためにも、「むかつくー」を連発した。なんか、涙がでそうだ。どうしたらいいんだろう。嫌われてなきゃそれでいいと思ってた。でもこんなに疎まれていたなんて。
 でも、好きなんだもん。それはどうしようもないんだもん。
 このごろは、あの人の反応があってもなくても、腹が立って、笑顔を見ても腹が立って、背中だけが静かに見ていられるものになってしまった。あの人の表情は分からない。でも、あの人からも私は見えない。そっと見るのが好きなんだ。なんだかストーカーみたいだけど、寒そうな後姿を見ていると、何か力になりたいなあ、何かしてあげたいなって思うんだ。
 必要とされてもいないのだろうことは分かってる。でも、何か……。
 ああ、私はどうなるんだろう。

 課外は今日まで。明日は新学期。



 一九九七年 一月七日

 
 私は結局何も分かっちゃいなかった。迷惑だけはかけないようになんて。
 私があの人を見る。あの人は私に見られる。視線。これはどんなにあの人を不快にするか……。大切なときだからこそ、他の事に気を散らせてはいけないのに。それなのに、私はあの人の気を散らすような行動ばかりをしているんだ。なんて馬鹿なんだろう。思いやりが足りない。なんでそっと見守ることができないんだろう。もう、私は露骨に視線を送るのやめよう。私も授業の方をがんばらなきゃ。ごめんね、今まで。

 荒木真樹彦さんの曲で好きな曲

 TIME TRIP DANCE

 どんなに小さな夢も
 確かにあるなら
 誰よりも君は
 素敵になる
 true love 君を守るよ
 true love 信じていてほしい
 round and round

 です。
 ああ、守られたい……。



 一九九七年 一月九日


 なんか、心の中に闇が巣くうのを感じた気がした。怒り。何に対する? 憎しみ。誰に対する? そして。もらいたくないほどの気持ち。憎愛。誰にって決まってる。
 帰り、部室に行った。目はあわせたくないから、後姿だけ見られればいいと思った。そして、いつもの細い道。私はその道に入るとき、あの人があわてて、仕切りの外側を通るのが見えた。きっと私と一緒にならないように、だね? 外側を通り、そして、部室へと急ぐあの人。私は前を行くあの人を見て、声をかけることができたらどんなにいいだろうと思った。でも、嫌われていると分かっている今、わざわざ後を追ってまで、声をかける気にはなれなかった。
 あの人は今のうち、というように部室付近までいくと、たったと走って部室に入った。私はずっと歩みを遅くして下を向いて歩いていた。
 黒い気持ちがわきあがる。嫌いだ。なんて無神経なんだろう。悔しかった。なんで、私はこの人が好きなの? 
 最近、女の子らしくなったって言われて、嬉しく思っている私、本当に馬鹿みたい。鬱陶しい髪なんか、じょきじょきに切って、あの人の自転車蹴り倒したいぐらいだよ! もう嫌だ。入試も追ってくる。全部一緒になって私を追い詰める。大嫌い。
 何も悩まないで、生きることだけ考えていられる鳥になりたいな。でも、そしたら本も読めないんだ。でもでも、もとから読めないのなら、読みたいと思わないだろう。
 あー、もう、わけが分からない。



 一九九七年 一月九日

 音楽というのは、脳のどこか深い深いところに記憶されるのだろうと思う。宮崎駿の(アニメだが)の映画を見たことがあるだろうか。内容も凄く言いのだが、久石譲の曲がまた素晴らしい。テープを久々に聴くと、場面が一緒にぶあーっと蘇ってきて、凄く切なくなった。胸がぎゅっとして、軽い眩暈に似たものが襲ってくる。どうしようもなく感情が溢れそうになって、それを抑えるのがきつい。見たときの感動に、また新たな感動が曲と一緒に体中を駆け巡るのだ。自分の感覚にうったえる曲に出会ったときも、それに似た感覚が体を貫き、鳥肌がたち、胸が苦しくなる。音って、曲って、凄い!



 一九九七年 一月十日

 会えなくて寂しい。その気持ちがあるうちはきっと、その人のことをとても大切に想っている証拠だと思う。どうしても、今最もよく会う人(言うなれば、現実)に心は向くものだと思うから。人は毎日いろんなものを記憶していく。新しい記憶は、古い記憶の上にどんどん乗ってゆくような気がするのだ。必然的に前の記憶というものは、印象が薄れていく。そんな中、まだその人の印象が強く残っているというのは、どこかに「留めたい」と言う意思があるからではないだろうか。
 今日、私はあの人を見ることはなかった。でも、どちらかというとほっとしている自分がいる。私は恋に疲れてきているのかもしれない。あの人をみて、心を痛めて、苦しむのに嫌気がさしてきているのかもしれない。
 なんだかそっちのほうが寂しかった。二年以上も心に占めていた人が、こうも簡単に出て行こうとしているなんて。否、まだまだひきずっている? 分からない。分からない。でも、もう、以前のような、澄んだドキドキした気持ちにはなれないと思う。こんなに、こんなにも私の気持ちが浅いなんて、少し哀しい。それは今だけかもしれないけれど、私はこの状態が受験まで続けばいいと思っている。そうすれば、勉強に専念できるからだ。私は冷めているのだろうか。

 enyaを知っているだろうか?
 エコーのかかった独特の声とメロディー。強弱が波のようについた、心に優しい彼女の音楽は素晴らしい。



 一九九七年 一月十一日


 私は自分に嘘をついている。「うそじゃないもん」と叫び続ける私もいるけれど、それは、あまりに惨めで、悔しいから。私だって嫌いだもんって言ってやりたいから。そっちのほうが馬鹿みたいなのに。
 でもね、会いたくないってのは事実。O君を見るたび、「O君は私が嫌い」というのが、どーんと頭上から降ってきて、私を押しつぶそうとする。すごく重くて、心に重くて、どうしようもなく哀しくて、それを認めたくなくて、でも事実だって分かるから余計に……。
 でも、それでも会いたいと思っている自分がいるのも確かなんだ。
 O君。私はあなたの口から直接ききたい。嫌いならそういってくれればよかったんだよ。私が話しかけたときはあやふやな態度をとってごまかすくせに。卑怯だよ、そんなやり方。O君は一度も私に本心を言おうとしない。私はそれがますます悔しいんだよ。それが、「嫌だ」でもよかったのに。あなたの言葉ならば。こんな形で大学生になって会えなくなるのなんて、絶対嫌だよ。


 一九九七年 一月十三日

 
 昨日も今日もあの人の気配がない。自転車もなかった。休んでる? 風邪……じゃないだろうな。きっと家で勉強してるんだろうな。ま、ね。目指しているとこが目指しているとこだし、仕方ないの、かな。風邪うつされたりしたら困るし、それに……、いろいろ気が散るからでしょう? 私みたいなのがいると。がんばってほしいと思うから、何もいえないけど、やっぱり寂しいな。嫌われているの、分かってるけど、やっぱり気になるかな。自分でも良くわかんない。とりあえず、私、勉強がんばらなきゃ。


 一九九七年 一月十四日


 なんか、自分で自分が分からない。混乱。会いたくなくて、会いたいという気持ちだったけど。でも。
 今日は小雨がぱらついてた。でも、あの人は何を血迷ったか、自転車で来ていた。
 なんかね、自転車見ただけでね、ああ、来てるんだと思うと、ほわあって心が暖かくなって、嬉しくて、自分でも、あれ? って感じ。こんなにも会いたがってるんだってやっと気がついた。
 顔が微笑んでしまった。しかも、それが少し嬉しかった。ああ、私、まだこういう純粋な気持ちがあるって。真っ黒じゃないんだって。
 地学教室に行くとき、O君とその友人がスカイロードの下(地学教室のある塔と本館を結ぶ道で、以前、避けられた細い道)を本館側に向かって歩いているのが見えた。休み時間も、もう終わりだし、このまま上がってきて教室に帰るのだろう。だったら、階段を降りている私とすれ違うはず! うわあ、嬉しい! そう思いながら降りる。が、一向に上がってくる気配がない。でも、とっくに上っているはずなのに。そうしてるまに、二階に至ってしまった。スカイロードを通って地学教室に行くので、一階までは下りないのだ。
 あー、会えなかった、と悲しく思いながら、スカイロードを通っていると、あれ!? なんで!? だって、スカイロード通るには、下の道を引き返して上がってこなきゃいけないんだよ? あれ、さっきの見間違いだったのかな? でも、私がO君を見間違えるなんてことはないはず。……。よく分からないけど、その姿を見つけるだけで、私は顔が上げれなかった。だって、顔がにやける。恥ずかしい。でも、とても幸せだった。私は、すれ違った後、やっと顔を上げて、O君の後姿を拝んだ。駄目だ。私。まだこんなに好きだ! でも、嫌われてるって気づいたほうが謙虚になれるからよかったのかもしれない。
 私は卒業するまで、勉強も恋もがんばろうと改めて思った。


 一九九七年 一月十六日

 
 朝、学校について、部室の前の道を自転車で通ると、O君が丁度部室から出てきた。私は挨拶したいな、と思ったけど、思いとどまった。自転車を止める。O君は肩をそばめて、ちょっと寒そうに歩いていた。私の視線に気づいていたのだろうか。なんとなくギクシャクして。私はその背中に無言で言う。「もう少しだね、受験。がんばろうね。風邪ひかないでね」
 センター説明会。よーし、がんばらなきゃ、と思った。チラリとO君を見ると、見慣れた後頭部と時々横顔が見えた。いつもと変わらない顔。あんまり緊張はしてない、かな? でも、実は私も中学受験のときより落ち着いてる。そこまで成績がよくないので、背負うものがないからだ。勉強不足であることは分かっている。それはもう仕方がないのだ。だから今やれるだけのことをとりあえずする。そして、自分以上の力をだそうったって無理なんだから、自分の持てる力を全て出し切るようにしたい。終わってから、「もう少しとれたのに……」じゃなくて、「よくがんばれた」って、言えるようにしたい。
 今日は帰りにもO君が見れた。自転車の鍵をはずしてる。
「バイバイ」背中に心の中で声をかける。O君は気づいてない。自転車を後ろにひいたとき、丁度私がいたから、そのときは気づいたかも? 
 私はO君がコートを着ていることにまず安心している自分に気づき、よかったと思った。いつも寒そうと思っていたからだ。やっぱり私はこの人が好きなんだな、とにべにもなく感動した。明日はセンター試験の場所の下見だ。どんなところかな。

 目標点数
 英語 150以上
 数学ⅠA 70以上
 数学ⅡB 65以上
 地理 80以上
 国語175以上
 地学 80以上

 一九九七年 一月二十二日


 私はセンター試験で、数学で見事に失敗しました。今年は簡単だったそうですが。そう、言い訳でしかないけれど、家で解きなおすと解けたのに、という問題がいくつもあって、余計に悔しい。平均は150くらいは軽くありそうですが、私は105しかとれませんでした。でも、自己採点の前日、自己採点する夢(予知夢)で、点数が分かっていた分、そのときは、やっぱり、という感じだったけど。
 でも、うちの学校の平均が652と聞いてかなりショックをうけました。全体の平均でも550ぐらいはあるだろうという話。私は590しかありませんでした。K大はほど遠い。まあ、文学部は、センターと二次の割合が225:500なので、それは不幸中の幸いですが……。
 気持ちの切り替えをして、二次でがんばろう。友人にも励まされ、そう思ったのですが、体は正直で、胃にきてしまい、昨日は何を食べてももどしてしまう。そのことで病院に行ったのだけれど、そのとき強い悪寒と体中が痛いという症状もあったので、熱を測ると三十七度九分。歩いて病院に行った私はベッドに寝かされ、点滴を受けることに。検査で、インフルエンザと判明。なので、昨日は夜九時に寝て、今日の朝九時半まで眠り続けた。私には休養が必要だったのかもしれない。でも早く治して、勉強しなきゃ。私はただでさえ、センターでみんなより遅れてるし、病気で休んだ分もプラスして遅れることになるのだから……。

 結果
 英語 156
 数学ⅠA 55
 数学ⅡB 50
 地理 77
 国語 173
 地学 79


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 今日はココまで。



 ここまで読んでくださりありがとうございました。
 センター試験の会場でインフルエンザもらった方、いるかなあ?
 試験に向けて、身体の調子、整えてくださいね。

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 それではまた!               天音花香 

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こんばんは、天音です。


最近寒いですねとしか書いていない自分。
昼は今日は日がさしてましたね。
それでもやっぱり朝夜はさすほど空気が冷たいです。


14年前の私は、苦悩しております。
でも諦めていなかった。
それは本当に今の自分では考えられない。

最近中学生のときや高校生のときの自分って、かなり強かったなと思います。前向きなエネルギーがあるというか。
今が弱いだけかな。

最近なぜか学生だったときとか、自分じゃない学生の自分の夢をよく見るのですが、
エネルギーが要るなあと感じちゃうもの。

友だちとの交流。勉強。恋愛。受験。進路。
私は暮らすのに不自由はない家庭だったから、お金についてはあまり考えなくてよかったけれど、
でも今より分野的にはたくさんのことにエネルギーを使っていたなあと感じます。
若いときにそういうのが必要って理に適っているのかもしれない。

もちろん仕事をして、自活している方々はまた大変だと思います。
仕事には学生にない責任があるし、職場環境での人間関係とか、将来の不安とか。


年齢に見合ったことが人生というのは重なってなりたっていくものなのかもしれませんね。


私ももっと頑張らなきゃいけない。


ココから日記


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 一九九七年 一月二十五日


 センター入試の結果が出た。かなり厳しい判定です。まあ、分かっていたことだけれど。K大はE判定。KK大もC判定。うーん。でも、まだあきらめたら駄目だ。
 国語の先生に相談したところ、中国文学を扱っている大学は少ないし、きっとKK大では満足できないだろうと言われた。古い書物をそろえるのはお金がかかるし、大きな大学じゃなきゃ無理なんだって。それを聞くとますます、K大に行きたいと思う。二次でうんとがんばって通りたい。通らなきゃ。気分よく高校卒業したいし。O君だって、自分の夢を叶えるためすっごく頑張ってるだろうし。私だけみんなの置いてけぼりは嫌だもの。センターはもう、仕方ないんだから、二次で頑張るしかない。



 一九九七年 一月二十九日


 今日はセンター以来、十日ぶりにO君を見かけた。質問しにいってたみたい。頑張ってるんだな、と思った。私はセンターの後、ものすごく落ち込んで、でも二次、頑張ればいいやって少し元気を取り戻して、そして今日、また落ち込んだ。
 昨年の見て、私の点までは合格者いたけれど、二人だけだった。しかも、今年はみんなの平均点が上がっている分苦しいはずだし。やっぱり、かなり難しいんだな。でもね、現実見てよかったって感じ。冷静に考えて、それでもやっぱりいきたいと思うから、頑張れるだけ頑張るんだ。これは挑戦。これで受かったらすごいぞ! みんなの希望になれるぞ! と思って、再出発。よおし、明日から、その気合を続けるため、朝十分早く起きてみよう(それだけ?)。少しは気合入るんじゃない? 


 一九九七年 二月一日

 今日から自由登校。O君はもちろん来ていない。まあ、家でがんば!
 今日は一時間目古典、二時間目自習、三時間目数学という時間割。
 二時間目に古典の質問をして、S先生とすっかり話し込んでしまった。先生は本当に古典が大好きなんだなあという感じがした。私も自分がこんなに国語が好きだったとは! とびっくり。中学のときに習った短歌とかも記憶してるんだよね。
 私も早く先生になって、S先生と仕事してみたいなあ。きっと毎日自分の好きな国語の話ができるんだ。いいなあ。私、がんばろーっと。

 二月だぞ。

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今日はここでおしまい。




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 それではまた!               天音花香 

 
 小説、書かないとなあ、というか書きたいなあ……。
 

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こんばんは、天音です。


今日は久しぶりに未来の誰かに贈る日記を更新させていただきます。
この時期はかなり追い詰められていて、それで他のことに逃げていた気がしますね。
焦りだけが心をしめて、でも勉強にも純粋に打ち込んでいなかったと思います。
今思えば。
それでも、勉強だけでなく、総合ではいろいろ一杯一杯のなかで頑張っていたんですよね。
学生さんってそうだよなあと思います。
そんな私の日記をどうぞ。


ココから日記

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 一九九七年 二月十三日

 センターの後、少し気合が入ったと思っていたら、私立前ごろから下がり、そして私立の後の今、どこまで下がるんだ状態。本命のK大入試までは、もう、十一日しかないというのに、漫画は買うは、小説読むはで、何してる! 状態。もう気合入れなきゃ。浪人する気なの? はっきりいうと、浪人するとあんただらけるだけだよ。今までのはもう、仕方ない。でも、泣いても笑ってもあと十一日。最後めちゃくちゃ頑張ったら、少しは安心できるよ? 逃げてばかりじゃ駄目だよ。目的があって、自分のためになる勉強は価値があるよ。楽しいはずだよ。頑張れ、私!
 先生は励ましてくれるけれど、私の一番励ましてほしい親は励ましてはくれない。しかってはくれるけれど。だから仕方ない。自分で励ますしかないじゃん。頑張ろう。中国文学科いきたいんでしょう? たくさん本、読みたいんでしょう? 音楽聴きたいんでしょう? テレビゲームしたいんでしょう? 漫画よみたいんでしょう? だったら、一度で終わらせようよ!きっとまだなんとかなるよ。最後だもん。頑張ろう!!


 一九九七年 二月十四日

 自分のため。そう、そうなんだけれど、なんかしっくりこない。だって、やらされてるって感じだもの。直接必要じゃないこともしてるしさ。
 でもね、誰かのためとなると、がぜんやる気が出る。今日、私は感じた。なんかね、私はすごーくたくさんの人に支えられているんだなって。私が困って投げ出したものさえ、どうにかしようとしてくれる人たちがいるんだ。新聞に連載してる原稿だって、連載したら私の卒業までに間に合わないので、別紙として配ってくれることになった。勉強だって、とくに国語や地学はお世話になってる。S先生には古文漢文、SK先生には現代文ほか。今日は文学史が出るって言ったら、テキストをくれた。
「あなたは教員になるのよね? そのときもいるからとっておきなさい」と言って。
 ああ、私は幸せ者です。私は支えてくれている人たちのために頑張らなきゃいけない。私の頭じゃ無理って、どこかで思ってたけれど、そんなの分からないし、やるだけやらなきゃ、申し訳ないもの。私、絶対受かっちゃるきに! おっしゃー、やるぞ!!

 今日は午後学校の図書館で勉強したんだけれど、なかなか捗りました。邪魔するものは何もないし。
 それと、今日は珍しく夢にO君がでてきたの。夢の中でね、午前中来てないのに、午後に来てたの。あれ? なんで? と夢の中で思ってた。そしたら、今日の午後、後姿を見た。どーしているのさ? ちょっと前を歩いていて、誰もいなかったから本当は声をかけたかったけれど、きっとO君、頑張ってるんだ。気合はいりまくってるんだ。と思うと、邪魔したくなくて、声が出なかった。「入試頑張ろうね!」ぐらい言ってもよかったかなあ。でも、本当にそのときは、なんか声がでなくて、切なくて、キュンって感じだった(どれだけ乙女だよ!)。卒業式まで我慢我慢。今日はバレンタインデー。もちろんあげるつもりはなかったけれど。久しぶりに姿が見れて、神様仏様に感謝感謝。後もう少しだもん。頑張ろうね。O君。



 一九九七年 二月十六日(とうとう受験まで十日をきった)

 まどろみ・・・。なんて気持ちいい。意識はぼんやりしているが、ある。でも判断などはとてもできない。回りを感じられるのに、遮断している状態。とても気楽。深い眠りへ落ちていっているような感覚が何とも言えず、気持ちいい。熟睡しているときは、意識がないので感じることのできない「何か」がそこにはある。気持ちいいがかったるい。目覚めの予感もあるのだ。「眠りたい、もっと」という、願望だけが支配する時間。そして、そのとき、時間はかなり短く感じられるからたちが悪い。そのままうとうととして、一時間が経過しているなんてことがよくある。「まどろみ」という発音も惹かれるものがある。なんてしっくりくる響き。この時間にぴったりだ。しかし、まどろみは受験生の最大の敵であると私は確信する。受験生の方、昼寝はやめましょう。



 一九九七年 二月二十日
 
 雲は幼いときから興味を持っていたものだ。掴めるとばかり思っていたので、小学生の時、富士山に登り、「今、雲(霧)の中、歩いているんだよ」と言われたときは驚いた。そして、少しがっかりした。が。水蒸気でできているということも、考えてみれば神秘的だ。液体の粒が浮いてるなんて。しかも、風で流され、形を変え、現れては消える・・・。凄い。同じ水蒸気なのに、色が異なるのも不思議だ(光の当たり具合や厚さによるのだろうが)。雨雲はどうして黒いのだろう。また、どうして、普段白く光るのか。水蒸気は透明なのに(それは湯気にも通じることだが)月も面白い。色が変わるのはなぜだろう。太陽の光をうけて輝いているのに、クレーターとかまで見えるって凄い。いろいろ考えると、その全てを飲み込んでいる宇宙の広さを少し感じることができるような気がする。


 一九九七年 二月二十六日

 K大入試が終わった。頑張ったと思う。できるだけ書き込んだ。でも、自信はない。でも、でも、受かっててほしい。私はK大で勉強したいんだ。お願い!

 入試の様子をテレビで流していたらしいのだけれど、映っていたらしい。先生や友達に言われた。自分は見てない。でも。は、恥ずかしすぎる!! 落ちたら、落ちたって分かるじゃん!


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今日はココまで。

迷走しているというか……若いなと感じます。
学生に戻りたいと思うことは何度もあるけれど、でも、受験生には絶対戻りたくないと今でも思いますね。
大学も入った学科の関係で、ほとんど勉強しかできなかったけれど、身体も壊しまくったけれど、でもまだ大学生のときの勉強の方が受験勉強よりよかった気がします。
ただ思うのは一生懸命勉強するってことはなかなか仕事につくとできないことで、
必要な資格をとるための勉強はあっても、学生とは違う。
そういう意味で貴重な時間だったなあと思います。
今やっているカトリックの勉強は、仕事の役に立つわけではないけれど、でも、シスターの言うとおり幸せになれる勉強だなと感じています。そういう直接の利益から離れて、探究心からする勉強は面白いです。今は全然苦痛に感じません。
そういう勉強を一生やれればいいんだろうなあと思います。
宗教に限らず、いろいろ自分の興味があることの勉強。
でもそういうのをがっつりやれないのが毎日の日々ですよね。
暮らしていくことと、やりたいことが同じというのはなかなかないことなんだろうなあ……。




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こんにちは。天音です。


はい、今日はごっつ恥ずかしい内容になっております。
青春だ……。
なんて幼い恋だったんだろう。
でも、一生懸命だったんです、このときはこのときで。
昔の片思いの日記を読むと本当に恥ずかしくなってきますけれど、
でも、なんだか今となっては懐かしく、笑ってしまうことが多々です。
そのときはもう、いっぱいいっぱいなんですけれどね。
今も主人の気をひこうといっぱいいっぱいです(笑
どんだけ子供やねん!
恥ずかしいけれど、でも、人を好きになることってやっぱりいいな、と思います。

ココから日記

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 一九九七年 二月二十八日

 いいかげんな気持ちではないのに。でも、日々の忙しさで、O君のことを思う時間は減っている。人間の心は都合よくできていると本当に思う。どんなに好きでも、会えないからといって、気が狂ったり、心が千切れたりはしないんだもの。入試後、O君は何してるのかな。受かっているといいよね。


 一九九七年 三月一日

 いよいよ三月。KK大の後期の入試までわずか三日。まあ、毎日、古文漢文、小説論説を二問ずつ解いているけれど、テレビとかも見ちゃったりしてるんだなあ。
 それにしても、もうすぐだな、卒業。O君にずっと会えなくなるなんて、なんだか信じられない。友人も、家、近い人はいるけれど、大学、県外行く人も、結構いるんだよね。寂しいな。
 ああ~、卒業式にはO君のボタンが欲しいな~。第二ボタンじゃなくてもいいからさー。お願いだから、「いやあ……」と困った笑いでごまかすなんてことはしないでね! お願い!!

 後ろ髪を切ってるので、おかっぱ状態(苦笑


 一九九七年 三月六日

 明日学校でボタンの予約をしようと思っていたのだけれど、母に「学校で話せないわよ」と言われて、私は八時半ごろに電話をしてみた。告白しようと思って電話したことが思い出される。
 今回とったのはお母さんだっだ。「今、お風呂に入ってるから、電話させましょうか?」とさわやかな声。「い、いえ、どのくらいであがりますでしょうか?」「九時ぐらいにはもうあがってると思いますよ」「じゃあ、九時に電話かけます」
 そして、九時。電話に出たのは本人だった。
「電話してごめんなさい」「いや、別に」と笑ってる?! で、私は不思議に思いながらも、本題に入った。
「もう、知っていると思うけれど」「ああ……」また笑うO君。だ、誰、この方は……。
「えーっと、あの、その……。一年の三学期ごろから気になりだして……。二年のとき、でも、クラスちがくて、話せなくて、そのうち三年になって……。大学とかいったら、ばらばらになるじゃん?」なんだか意味不明な私の日本語。
「そうだね」「だから、あせりだして、夏にあんな形で言っちゃったの。友達になってみようと思って。ごめんね、受験期に」「いや、本当、そんな」「いろいろ話がしてみたかったんだ」「あー、そうなんだー」
 O君はいつもとぜんぜん違った。声も優しかったし、よく答えてくれる。
「大学は結局どっちにしたの?」「あー、医学部受けようと思ってたけど、工学部の情報科受けた」「そーなんだ」「パソコンにはまってて」「ふーん!」
 なんだかすごくびっくり! 本当にO君なんだろうか???
「――パソコンとかやらないの?」「えー、私、機会オンチでさー、ゲームとかは好きなんだけどねー。ワープロは部活で使うから使えるんだけれどね。そうそう、部室、プールしたじゃん? ワープロ壊れちゃって……」「湿気で?」「うううん。水漏れ。で、そのとき、職員室でパソコン借りたんだけど、私が使うとカーソルぶっ飛んじゃうの」
 ははは! とO君。わ、笑ってる……!
「まあ、練習したら使えるようになるよ」
 他にもいろんなことを話した。三日から今日まで、山に行ってたそうで、(部活関係)夜はマイナス五度だってよ? でも、晴れてて気持ちよかったって。山ははまるよって言ってた。でも、中学のときは陸上部だったんだとさ。納得。
「なんか、いつも無口だからびっくり。部活の仲間とかとはよくしゃべってんのに、ちくしょーとか思ってた」「うーん。学校ではあまりしゃべれないね。人見知りするし」納得。
 私は、O君の気持ちがずーっと気になって、迷惑になるのが嫌で、嫌われたくなくて、いろいろ気をつかっていたと言って、「みんなには意外って言われるけれど」と付け加えると、「確かに見えないね」と言われてしまった……。「でも、心とかって、考えるの大切だと思うし、考えなきゃいけないことだと思うから、考えないよりずっといい」とフォローしてくれた!! なんかすっごい不思議だよお!
「もっと前に話しておけばよかった」と私がいうと、O君は笑っていた。ボタンは、「あー、いいけど、うん」とあっさり。わーーーい!!
「卒業式の後、部室にいる?」「あ、たぶんよると思うけど」「ボタン、部室にとりに行ったら、いろいろいわれちゃう?」「あー、そうだねー、どうしようか」沈黙。せっかく約束してもらえたのに、ボタンがもらえないんじゃ意味ないじゃん!! と思っていると、「んー、じゃあ部室来て」?!「い、いいのー?」「うん」「じゃ、卒業式の後ね!」「うん」「大学行っても頑張ろうね。私、浪人してるかもしれんけど」「俺も理科がちょっと解けんかったから心配。好きなんだけどねー」だそうだ。
 
 神様、ありがとう! 私は幸せです!

 体中熱くて息が上がってしまった……。


 
 一九九七年 三月八日(明日合格発表だ)

 卒業式。実感ない。祝いの言葉、たくさんもらったけれど、式はどんどん進んでいくけれど、人事みたいで。祖父のお葬式のときと同じだ。信じられないし、信じたくないのかもしれない。でも、流石に、校歌を歌うときは、「これで、歌うのも最後」と思うと、凄く悲しくて、うるっときた。そして、教室に戻って、担任の先生の寂しそうな別れの言葉を聞いて、友人と写真を撮りまくって、後輩たちから花束をもらって、先生方とも写真を撮った。一番お世話になった地学と古文の先生にお礼を言えなかったのが残念だった。電話しようかな。

 さて。

 部室の戸を緊張しながら叩いた。
 出てきたのは本人。
「ありがとうございます」って、私に言ったの? えーっと、何に?
 私は戸惑ってしまったが、気を取り直して、
「あのう……」
 O君は部室のドアを閉めて、あたりを見回して、
「どーしようか」
「うーん、えーっと」
「……どうしようか」
 沈黙。何やってるんだろう。私たち。
「あの、もう、これ、つけかえてきて、ここにとったボタンがあるんだけど、それでよければ」
 私はコクコク頷いた。
「では、さようなら」
 と言って、部室へ入ろうとするO君を私は呼び止める。
「あの、手紙書いてもいいかな」「はい」「O君があっちに慣れるまでの間だけでもいいからさ。やっぱ、誰もしりあいいないし、さびしーじゃん」「でも、まだ決まったわけじゃあ……」「そ、そっか。あ、あの、住所きまってる……(自分の馬鹿さに気づく)、わけないよね」笑うO君。
「あの……。決まったら、連絡くれると嬉しいんだけど。いいかなあ」「はい」「えーっと、電話番号わかる?」「アルバム見れば。それじゃあ……」「うん、ありがとう」
 O君はそっけなかったけれど、でもいつもと違って、照れ笑いをずっと浮かべていた。といっても、私は恥ずかしくて、あまりO君の顔を直視できなかったんだけどね。
 で、私はボタンに落としたら音がなるように鈴をつけた。幸せだった。

 その後、初めて家族でカラオケに行った。最初は楽しかった。でも、ふっとO君の笑顔を思い出して、悲しくなった。やっとあんな顔してくれるようになったのに、もう終わりなんだ。会えなくなるんだ。
 会えない? 受験のときは平気だった。そんなこと考えてる暇なかったし。それに、どこか「卒業式には会えるもん」ってのがあった。
 会えなくなるんだ。信じられない。すごく苦しかった。O君が分からなくて。でも、それでも、自転車を見ればほっとしたし、本人も見ることができた。
 日課だった、あの人の自転車を見つけること。もうできないんだね。そう思うと、胸が痛くなった。同じように、会えなくなる友人たちも多くいる。制服も、もう着れないんだね。学校も新設されるし、みんなみんな変わってしまうんだね。そんなの、嫌だよ。なんか、怖い。大学(または浪人)やだ。私、なんかどうしようもないけど、でも、嫌だ! ヤダヤダヤダ!
 夜になって、ますます卒業の実感が……。私、やっぱり、この学校が、居心地よくて、大好きだったんだ! 今更思うよ。みんな、さよならじゃないよね?

 明日合格発表。受かってて!!



 一九九七年 三月十二日

 O君、結果どうだったのかな。私は見事に落ちてしまいまして……。浪人……。
 O君、会いたいなあ。まだ四日しかたってないけど、何十年て、会わなかったような感じ。会いたいよ。会って話がしたいよ。
 O君。結局はちゃんとした返事はくれなかったよね。O君にとっていったい私は何なのだろう。女の子の友達だよね、やっぱ。
 あー、人間って嫌だよね。迷惑じゃないと分かったとたん、その上を望もうとしている自分がいる。今年は勉強を頑張らなきゃいけないのに。手紙はどうしようかなあ。浪人だと話題がないなあ。なんか憂鬱だ。だめだめ、元気に頑張らなきゃ!

 O君~! そろそろ連絡くれてもいいんじゃない?!

 暇だと一日が長い(勉強しなよ)。
 でも、四月から予備校だし、今のうちenjoyしなきゃねっ!



今日はココまで。

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 それではまた!               天音花香 

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