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天音花香の小説をUPするブログです。個人サイトの小説はこちらに移しました。現在二時創作と短編を中心に書いています。
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天音花香
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性別:
女性
職業:
主婦
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。一応文学部でです。ですが、大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、主婦になってから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。
もう一つのブログでは香水についてレビューをしております。
http://yaplog.jp/inka_rose/
こんな私ですが、宜しくお願いします。





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お久しぶりです、天音です。


メンタルの調子が上がったり下がったりで、動ける日と全く動けない日があるのですが、最近は動けない日が多く、寝たきりのときもあります。
夢を見るというのが唯一の楽しみだったりします。ちょっと寂しいですね。
今回の小説はベッドで寝たまま携帯のメモ機能を使って書いたものです。
シチュエーション短編なので短いです。
楽しんでいただけると幸いです。


ココから小説


   
        イルミネーション



「あの、あのね。イルミネーションが綺麗らしいの。田川君と一緒に見たいんだ。今日、18時半。西公園の入口で待ってるね」
 手足が長くて、歩くのが早い田川君の学ランの裾をやっとのことで捕まえて言った私に、田川君は振り返って大きく目を見開いた。
「え?」
 驚くのは当然だ。私たちは付き合っているわけでもないし、私は告白すらしてない。高校一年生からずっと片想いの私。
「お願い。受験前に思い出が欲しいんだ。待ってるね!」
「ちょっと、花田さん!」
 田川君の返事を待たずに私は走り出した。
 来ないと思う。来たらラッキー。それ以上なんて望んでない。それでも、心臓がうるさい。顔がにやける。結果もわからないのに、なぜか満足。誘えた。ただそれだけで自分の中では大きな一歩のような気がして。
 今日来ても来なくても、明日はいつも通りに。来なかったら今日一日だけ泣こう。
 自転車に乗って冷たい風を切りながらそんなことを考えていたらあっという間に家についた。


 お洒落はしていかない。ひかれたら困るから、なるべく普段着で。まちぼうけをくらうかもしれないから暖かくしていかなきゃ。

 バスに乗って、町の中心地まででる。クリスマスシーズンだから人が多い。人混みは苦手だけど、今日は我慢。
 車が混んでいてなかなかバスが進まない。自分で誘って遅刻じゃ洒落にならないな。携帯で時間を何度も確認しては、バスから外を眺めた。
 田川君、来るかな。
 田川君にとっては、一、二年のときにクラスメイトだった女子の一人に過ぎない。そんな女子からの突然の誘い。迷惑だろうな。お互いの携帯番号さえ知らないから連絡もつかない。まるで脅迫みたい。そう思うと少し笑えた。だから来なくても恨んだりしないよ。
 でも。
 名前は覚えていてくれた。それだけでも鼻の奥がつんとする。
 バス停についた。待ち合わせ時間まであと、10分。
 西公園まで走っていくと、入口付近に見慣れた背の高い男子がいた。
(え?)
 私が駆け寄ると、彼は下を向いていた視線を私に向けた。
 田川君の私服、初めて見る。長い足にジーンズが似合っていた。
「田川君!は、早いね!」
「ん」
 短い返事。田川君らしい。
「どのくらい待たせた?」
「別にそんなに待ってない」
「そっか、ごめんね。寒いのに来てくれてありがとう!」
 私の言葉に田川君はちょっと視線をそらした。
 大丈夫。これもいつものこと。何より来てくれたことが嬉しいから、他は全然気にならない!
「この公園、毎年イルミネーションが凄いんだって!実は私、初めてなんだけど、田川君は見たことある?」
「ない」
「そっか。じゃあ同じだね!」
「今年は木にテーマをつけて飾ってるらしいよ!」
「テーマ?」
「うん。見てみよう!」
 私は田川君のコートの裾をちょっとだけひっぱった。田川君は仕方なくといった風に足を踏み出した。

「これは、エネルギーの木だって。不思議なテーマだね~」
「ふーん」
「なんか確かに勢いある感じ!眩しいね!」
 私は一人ハイテンションに田川君を振り返る。田川君は黙って頷いて、目を細めた。
「こっちは、実りの木。見て!ちゃんと果物みたいな細工がたくさんだよ!」
「うん」
「可愛いなあ!」
 私はずっとハイテンションのままに公園の木々を回った。
 暗がりに灯った電球は幻想的に輝いて、私の心をも明るく照らした。
 私は今日を一生忘れないだろう。そう思うとなぜか急に涙がこぼれた。
「な、なんで泣くの?」
「なんでかな。わからない。嬉しいからかな」
「嬉しいから?」
「うん。私、今凄く幸せで」
 そう言ったら涙が次々に溢れてきた。
 なんだろう。本当に嬉しくて。今この時間がかけがえのないものだとわかってるから。来年からは田川君とは学校も違う。会えなくなる。そんなことわかっていたのに。
 私はごしごしと涙をぬぐった。
「ごめんね。変だね、私。
イルミネーション、綺麗だね」
「……。ん」
 丁度公園を一周して、私は顔を上げた。
「ありがとう。時間とってくれて。帰るね、私」
 私はバイバイと手をふって田川君に背を向けた。これ以上いたら、涙がとまらなくなっちゃう。
 その私の腕を田川君がつかんだ。
「待った」
「え?」
「花田さんていつもマイペースだよね」
 あきれ顔の田川君がいた。
「ご、ごめん」
「別に悪い訳じゃないけど。
もう一周しよう」
「え?」
「じっくり見れなかった」
 しばらく私たちは無言で公園を歩いた。
「今日俺が来なかったらどうしてたの?」
「え?えっと、しばらく待って、一人でイルミネーション見るつもりだった」
「ふーん。
来ないことも考えてた訳だ」
「……うん、だって急だし、田川君の事情も何もわからないし」
「そうだよ、ほんと。突然すぎて意味わからなかったよ」
「ごめん」
「しかも泣き出すし」
「ご、ごめん」
「俺もアホだよ。こんな呼び出しに来たんだから」
「す、すみません」
 田川君はゆっくり歩いて、イルミネーションを見あげながら話した。
「思い出になったの?」
「うん、もちろん! 来てくれてそれだけで私、満足! 幸せな時間だったよ!」
「ふーん」
 田川君は複雑そうな顔をしてそう言った。
「それだけ? 他になんかなかったの?」
「え?」
 田川君は少し不機嫌そうな顔をした。
「自己完結だよね、花田さん。
俺はどうすればいいの?」
「え?」
 ふうと田川君はため息をついた。
「俺は人混みは嫌いだし、こんなたくさんの人の中、イルミネーションを見て回るなんて考えられない」
「そっか、悪いことしちゃったね」
「別に。来たのは俺だから」
 私はなんて返していいかわからず黙った。でも、田川君が怒ってるのかなと不安になった。
「あのさ」
「はい」
「俺もなんで行こうと思ったのか自分でもわからないよ。でも、楽しそうな花田さんを見たら、これで良かったと思った。ただ、泣かれたらどうしていいかわからない」
「そ、そうだよね」
 じわりとまた涙がたまってきて私はうつむいた。
「ああ~」
 困ったような田川君の声が聞こえた。
「ごめん、なさい」
 すれ違う人がこちらを見ては去っていく。
「俺はどうすればいい?どうすれば泣き止むの?」
「そ、そんな、これは勝手に涙が出るだけで」
「……花田さんさ、俺のこと好きなの?」
 いきなり直球が来て、私はびっくりして顔をあげた。イルミネーションの逆光になって田川君の表情はわからなかった。
 私。言うつもりはなかった。思い出だけもらって、楽しくさよならが一番いい気がして。だけど。
「はい。田川君が好きなんです」
「……」
 田川君は私の手をそっととって、手を繋いだ。
「?!」
 ますます驚いて、そしてドキドキして私は困ってしまう。
「俺さ、そう言うのよくわからなかったけど、花田さんのことは覚えてたよ」
「う、うん、名前、覚えていてくれたよね。嬉しい」
「それに、自分がこんなとこに来るとは思わなかったけど、行かなきゃと思ったんだ」
 今日の田川君はたくさんしゃべるなとぼんやり私は思った。自分の頬が何だか熱くてぼうっとする。
「花田さん?」
「あ、う、うん」
「花田さんが泣くのは嫌だと思ったんだ」
「え?」
「答えになってる?」
 私は訳がわからなくなって、もう一度田川君の言葉を反芻した。でもやっぱりわからなかった。
「帰るなら一緒に帰ろう。
もう一周くらいする?」
「え、えっと。うん」
 手袋ごしに田川君の手の温かさが伝わってくるような気がして、なんだかまた涙が溢れた。
「泣くな」
 困ったように田川君が言う。
「う、うん」
「大学どこ受けんの?」
「地元のK大」
「ふーん。俺もその予定」
 なんだろう。イルミネーションが眩しくて夢の中にいるみたい。
「まずは携帯番号交換しようか」
「う、うん」
 ぼんやりとしたままの私の頭を田川君の大きな手が乱暴に撫でた。
 私は驚いて田川君を見る。そして、何も言えなくなった。田川君の顔は赤く染まっていたから。
「花田さんさ、わかってないでしょ?」
「え? 何が?」
 田川君はああ、と困ったような照れたような顔をして、
「付き合おう」
 と言った。
「え?」
 私は持っていたバックを思わず落として、
「ふ、あはは。花田さんてやっぱり面白い」
と滅多に見られない田川君の爆笑するのを見た。
                             おしまい




  ここまで読んでくださりありがとうございました。
 




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