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天音花香の小説をUPするブログです。個人サイトの小説はこちらに移しました。現在二時創作と短編を中心に書いています。
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天音花香
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性別:
女性
職業:
主婦
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。一応文学部でです。ですが、大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、主婦になってから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。
もう一つのブログでは香水についてレビューをしております。
http://yaplog.jp/inka_rose/
こんな私ですが、宜しくお願いします。





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こんばんは、天音です。

この香水ブログ、そしてもう一つの小説ブログに載せている全ての作品の著作権は天音花香にあり、放棄しておりません。
無断転載、無許可の販売は禁止です。
某サイトにて著作権侵害、違法販売されていた私の作品の販売が停止されました。
FC2さまと応援してくださった皆様方のおかげです。本当にありがとうございました。



さて、久しぶりに新作です。
私の小説は見た夢をいじって書くものが多いのですが、これも夢からヒントを得ました。
後は、私の好みが繁栄されている小説であります。
たぶんお好きな方はなんとなく気付かれるかも? 
ですが、登場人物設定は私には珍しく相手が年下であります。
ツキはモデルがいます。
それは後半を書き終わったときに書こうかな、と思っています。
タイトルを決めるの、いつも困ります。なんで白昼夢なのかと言われると、それも自分でもどうしてだろうと思ってしまうタイトルです。
皆さんはどんな風にしてつけられるのかなと思います。難しい……。


それではお楽しみいただければ幸いです。


ココから小説



  「白昼夢」


 ままならないものがこの世にはある。



 私が彼に初めて出会ったのは祖父の修塾でだった。
 主に戦術を教えていた祖父の塾に彼は入ってきた。私が17歳。彼は12歳のときだ。
 妙に綺麗な顔をした育ちのよさそうな少年だった。
 12歳。塾に入るにはやや早い年だ。まだ背の低い少年は、年に似合わぬ丁寧でしっかりした口調で挨拶をした。
「ツキと申します。まだ何も分からぬゆえ、ご指導のほどよろしくお願いいたします」


 祖父の塾には各国に軍師や将軍として仕官したい若者が集まる。
 その中で私、ヨルは唯一人の女の塾生であった。
 両親は婚期の遅れ気味の私が塾に通い、ますます普通の女性としての道から外れていくことを嘆いていたが、私は女性として生きるよりも名を上げてそこそこの主君の下で仕官することを望んでいた。
 祖父の血だろうか。10歳になったときには祖父に質問ばかりをし、14歳で塾に入った。私の才能は塾の中でもぬきんでていたが、いかんせん女の私に仕官を望む主君はなかなか現れず、17歳を迎えていた。
 そんな私にツキは言った。
「女性のヨルさんが塾にいらっしゃるのには驚きました」
 まあ、塾に入ってきた誰もが私の存在に疑問を抱くものだ。
「そうか」
「おじいさまの影響ですか」
「それもあるだろうが、私は名のある主君のもとで自分の力を振るってみたいのだ」
「……仕官をされたいということですか」
「そういうことだ」
 ツキはしばらく目伏せて考える仕草をした。私は興味深げにその顔を見ていた。
「……。僕はまだ世の中の仕組みがよくわかりませんが、女性だからといって仕官できないというのはおかしいと思っていました。ヨルさんの志は尊いものだと思います」
 伏せていた目を上げ私の目を真っ直ぐ見つめてツキは言った。大きな黒瞳は清らかで迷いがなく、私はますます彼に興味を覚えた。


 ツキは聡明な少年で頭角をすぐに現した。年は若いながらも彼のそばには彼に教えをこう者が絶えずいるようになった。ツキは謙虚な姿勢で対応をしていた。だがその姿からは自信が垣間見えた。


 私とツキは塾で学んだことについて話すことはあったが、普段は言葉を交わすことは少なかった。ただ、ふいにツキが同じことを感じているのではと思うときがあり、そんなとき私とツキは全く同じタイミングで互いの姿を認める。私たちは見つめあうことになるのだが、ツキは決まってそんなときふっと優しく目を笑むのだ。その時間にしてはわずかな瞬間が私はとても心地よかった。
 戦術について話す時、私はツキと自分が最も近しく感じられた。
 条件をあらかじめ設定し、どう攻めるか、もしくは敵同士の設定でどう相手を攻略するかなどを時間も忘れて話した。同じ軍として攻めるときは私とツキの考えは似ていたし、敵同士の設定のときもツキがどう軍を動かすかは手に取るように分かった。そしてツキにも私の考えが分かっているようだった。 
 またツキは武術も怠りなく学んでいて、私はよく手合わせを願った。
「お前に1度も勝てたことがない」
「やはり力では女性は男性に勝つことは難しいかもしれませんね。ヨルさんの腕が悪いわけではありません。どうか悲しまないで下さい」
 そういわれると余計に悲しく、女である自分の身が悔しかった。
 だが、私がツキに勝てなかったのは女だからではないのが後に分かった。様々な塾生と手合わせをすると勝てるときも多く、私がツキに勝てないのはツキが強いからなのだと悟った。
「私はツキに勝てるようになりたい」
 私が言うと、ツキは少し悲しげに微笑んで、
「私は貴女に負けるわけにはいかないのです」
 と言った。
「?」
「ヨルさんは察しがいいのにわからないのですか?」
 ツキの長い睫がふるえ、ため息をつくように言われたとき、私は自分の心臓がはねるのを感じた。
 まさか。こんなにも年の違う私をツキが好きなわけがない。
 私が黙っているとツキは目を伏せた。睫の影が落ちた。ツキからは寂しさがにじみ出ていて、私は思わずツキを抱きしめた。抱きしめたつもりだったが、もうツキの身長は伸びて、私よりも少し高くなっていて、どちらが抱きしめているのかわからない図になった。それに気付いて、なんだか急に恥ずかしくなって離れようとすると、今度はツキが私を抱きしめた。はれものに触るかのように。
「私と貴女の気持ちが同じものであればいいのに」
 ツキは本当に私が好きなのだろうか。私はツキを好きなのだろうか。
 分からない。
 なんと答えたらいいのかわからなかった。だがしばらく私はツキに身を預けていた。ツキは16歳に、私は21歳になっていた。
  

 私に仕官の話が来た。
 この1年で力をつけたリュウ国であった。リュウ国は上に位置するソウ国から攻められていた。ソウ国はリュウ国より以前から力を持っている大国で、人材も豊富であった。そのソウ国に対抗するためにリュウ国は人材を探していた。
「リュウ国に仕官されるそうですね」
「ああ、そうなった」
「……おめでとうございます」
「ありがとう」
「寂しく、なります……」
 ツキが儚く微笑んだ。
「……私もだ」
 私の言葉にツキは眉を寄せて泣きそうな顔をした。
「……ですが、きっといつかどこかで会うことになるでしょう」
「……そうだな」
 会えるということは必ずしもいいことではない。
 ツキにも仕官の話がきているという噂があった。ソウ国からもリュウ国からも。そしてリュウ国の下に位置するソン国からも。
 私は一度口にしようとして躊躇った。だが、黙っていることはできなかった。
「ツキ殿はいずれに仕官するか決めているのか」
「……いえ、まだ迷っております」
「そうか……」
「ただ……」
 ツキは少し俯き、ますます顔を曇らせた。
「私の兄がリュウ国にはいらっしゃるので……」
 そのことも耳にしたことがあった。年の10ほど離れたツキの兄、アキはリュウ国の軍師として重く用いられていると。血を絶やさぬようにするため、兄弟で仕官するときは国を違えることが多い。
「……リュウ国には仕官されないということだな」
「そう、なりそうです……」
 私の言葉もツキの言葉も苦渋に満ちていた。
「兄弟で争うのも苦しいものだな」
「はい……」
「私もお前と争うことになるのは苦しい」
「ヨルさん……!」
 ツキが手を伸ばした。いつかそうしたときより力強くツキは私をかき抱いた。肌の触れたところからツキがもう少年の身体ではないのが分かった。私は窒息しそうなな幸福にしばらく身を委ねていたが、運命はままならないものだ。 
「……ご武運を」
「ツキ殿もたっしゃでな」
 私はその次の日、リュウ国へ経った。22歳の夏だった。




 今回はココまで。

 この作品を気に入ってくださいましたらクリックをお願いいたします。


 なるべく早いうちに後半も書きたいなとは思っています。
 いろいろ書きたいものがあるのですが、なかなかまとまった時間がとれず放置状態になっていてすみません。頑張ります。

 
  ここまで読んでくださりありがとうございました。
 拍手、ときどきいただいております。嬉しいです。一言あるともっと喜びます。

 また、ランキングに参加しております。
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 それではまた!               天音花香 


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