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天音花香の小説をUPするブログです。個人サイトの小説はこちらに移しました。現在二時創作と短編を中心に書いています。
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天音花香
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女性
職業:
主婦
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。一応文学部でです。ですが、大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、主婦になってから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。
もう一つのブログでは香水についてレビューをしております。
http://yaplog.jp/inka_rose/
こんな私ですが、宜しくお願いします。





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天音花香です。こんばんは。

こちらは自作小説を載せるブログです。
最後まで読んでくだされば幸いです。

 
   「高校生日記」



登場人物紹介はこちら



「梨呼の場合」1







いつの頃からだろう。男子のことを怖いと思うようになったのは。小学生までは一緒に遊んでいたような気がするのに。藤木梨呼はなぜ自分がこうなってしまったのか判らないでいる。解るのは、自分が今、男性恐怖症であること。



急にではなかった。きっかけは中学生になってからだった。

黒い学ランに身を包んだ男子は威圧感があった。背はそんなに高くなかったはずなのに。

それから は、仕方なかったとしかいいようがない。

梨呼はいわゆる、おじさんたちに悪い意味で好かれるタイプであった。

百五十二センチの華奢な身体。黒く真っ直ぐなストレート のセミロングの髪。小動物のような大きな瞳。小さい口にふっくらとした赤い唇。

電車では痴漢にあい、道端では「変態」に狙われ……。

ここまでくると、 男性恐怖症になっても仕方がないないではないか。



そして、梨呼の周りの男子も段々とその姿を変えていった。背が高くなり、声も低く大きくなり。力も強い。 言葉使いも違う。高校生になった頃には、同じ人間という生物なのに、同じ人間とは思えなくなっていた。



梨呼は、男子が近くを通る度に、中学校のときからの親友前田朝希の後ろに隠れてしまうようになった。男子が悪いわけではないのだから申し訳ないと思う。そ れでも、条件反射のようにそうしてしまうのだ。

女子の中でも小柄な梨呼にとっては、百七十三センチある朝希でさえ十分大きく見えるのだ。でも、朝希に対し ては恐怖心を抱いたことがないということは、やはり男性恐怖症なのであろう。



そんな梨呼にとって、学校に行くのは戦いに行くようなものである。どうして女子高を選ばなかったのだろうと後悔することも多々なのだが、朝希と同じ高校に行きたかったのだ。



(きっと、避けられない運命と言うものがこの世にはあるんだわ)

そう思いながら、自転車をこぐスピードを上げる。その口から吐かれる息が白く染まる。

そう、いろいろ考えている暇は今はないのだ。今日は高校二年生二学期 期末試験最終日である。苦手な英語があるので、夜遅くまで勉強したのが災いした。ふうとため息をつく。学校に着いたときには予鈴まであと十分足らずになっ ていた。

(今日も学校に着いちゃったよ。しかも、駐輪場、いっぱいだ)

梨呼は自転車を持ちながらうろうろと徘徊して、隙間を見つけようとした。そして、少し空いているところに無理矢理自転車を押し込んだ。梨呼にとっては自転車でさえも重い。というのに。

「ああっ!」

やはり無理があった。自転車が次々と倒れていく。手を伸ばしてももちろん止まってくれるものではなかった。ドミノのようにガタガタと倒れていく自転車を 絶望的に見送るばかりの梨呼の前に、一人の男子が出席簿を片手に現れた。そして、倒れていく自転車を「よっ」と止めると、そこから梨呼の方に向かって自転 車を起こし始めた。



知らない人だった。その人は背の高い男子で。



梨呼も慌てて自分の近くの自転車を起こし始める。重いし、寒くて手がかじかむ。でも、その男子は手伝ってくれている。

ありがとうって言わなきゃ。心の中で何度も「ありがとう」を繰り返す。

だが、言葉にならない。やっぱり怖い。その男子が段々近くなる。怖い。



最後の自転車を起こし終えたとき、その男子との距離の近さに、梨呼は思わず後ずさりし、目をきゅっとつむった。でも。でも。でも。



その男子にとっては、自然な行動らしく、無言で置いていた出席簿を拾うと去ろうとしている。このままでは。



「あのっ」

梨呼が力いっぱい声を上げると、ちょっと驚いたようにその男子は振り向いた。震える手を強く握り締め、梨呼は大きな瞳で、その男子の目をちゃんと見る。

「あり、がとぅ」

最後のほうは消え入るような声でお礼を口にする。逃げ出したくなる気持ちを必死で抑えて、梨呼は拳を握り、立っていた。すると、その男子は少しだけ微笑んで、

「遅刻しちゃうよ?」

と言うと、駆けていった。梨呼は少しぼうっとしていたが、慌てて自分も駆け出した。考えてみたら、男性恐怖症が災いして、男子の笑顔を見たことはあまり なかった。

だが、その男子の笑顔は自然だった。「爽やかだ」とさえ感じた自分に首を傾げる。今までそのようなこと、思ったことなどあっただろうか? 

梨呼 はその男子の笑顔は怖いと思わなかったことに戸惑っていた。







終了のチャイムが鳴る。

「はい、やめー。後ろから回して、前の人持ってきて」

教室中から安堵なのか、諦めなのかわからないため息や声がもれる中、朝希が梨呼の机に寄って来た。

「珍しく遅かったね、今日」

「うん、それが……」

梨呼が理由を話そうとしたときだった。

「広大!」

あきれたような声で教室に入ってきた男子を見て、梨呼は硬直した。

「梨呼?」

朝希が怪訝そうな顔で梨呼の顔を覗き込んでくる。

梨呼はというと混乱していた。今朝のことが蘇る。心臓が口から飛び出しそうなぐらいばくばくしていた。

その男子は、間違いなく、今朝自転車を起こすのを手伝ってくれた男子だった。

「部長は誰だ、広大! 冬休みの練習表記入しとけって言っといたのに、なんでこの紙が俺の下駄箱に入っているんだろうな?」

高すぎもせず、低すぎもしないテナーの声。彼には竹田広大しか目に入っていないようだった。



「梨呼? 大丈夫? 顔、真っ赤なんだけど」

「えっ」

思わず朝希の背に張り付いた。その男子はこちらのことなど気にも留めていないのに。自意識過剰だ。恥ずかしい。

「梨呼~?」

何かいつもとの違いを悟ったのか、朝希は心配そうに梨呼を見ている。

そんな朝希に場違いなほど軽い広大の声が降ってきた。

「お~い、お前のとこ、どーなんよ? もうできてるわけ?」

広大の声につられて、その男子もこちらを向いた。

梨呼は逃げ出したくなった。でも目だけはその男子を見てしまう。

「もっちろん。どっかの部長はしっかりしてないから、副部長の羽柴は大変ね」

「おっしゃるとおりで」

と羽柴と呼ばれた今朝の男子がため息をつく。

ハシバ君。梨呼の脳裏にその名はしっかりと刻まれた。

「くーっ、かけるっ、早く作れ! 女バスに遅れはとれん」

「作るのは広大じゃないのか?」

と言いながらも、諦めたのか、持って来た紙を上着のポケットに入れると、

「どんなメニューにしても文句は許さないからな」

一言だけ告げて、広大の肩を小突くと教室を出て行った。

「期待してるよー」

広大はあくまで楽天的にひらひらと手を振っているだけだ。

「はあ、本当、羽柴可哀想だわ……」

とつぶやいてから、朝希が梨呼のほうを見ると、なにやらぶつぶつ言っている。

(予鈴十分前なのに自転車を起こすのを手伝ってくれた人。ハシバカケル君。ハシバ、カケル君)

「梨呼? 本当にどうしちゃったの?」

突然名を呼ばれて、 「はいっ」

と梨呼は姿勢を正した。そして、あたふたと言葉を口にする。

「あの、その……。今、男子、自転車を、起こしてくれたの」

「えーっと、意味不明だけど、なんとなく解った」

朝希は言って、ふうとため息をついた。

「羽柴ね。爽やかな好青年。バスケ部の副部長で二組の学級委員長。誰にでも優しいし、ファンも多いし、手強いわね」

朝希の言葉に梨呼は目をしばたたかせる。

「あ、朝希ちゃん?」

「あれ? 気になるんじゃないの? 羽柴のこと」

朝希は直球だ。梨呼は頬を少し紅く染めて、首をかしげる。自分でもよくわからないというのが本音であった。

「うーん。わかんないよ。ただ、お礼を言ったら、笑ってくれて……。その笑顔は怖くなかったの」

まるで新しい発見をしたかのように笑った梨呼を朝希はギュッと抱きしめた。

「可愛いやつう」





「広大、今から帰るんでしょ? 一緒帰ろ?」

部活後、朝希は幼馴染の広大に声をかけた。

「なんだよ、愛の告白なら断ったじゃねーか。まだ諦めらんないのか?」

そう簡単に諦められたら苦労はしないわよ、と朝希は思いつつ、ポカッと広大の頭を叩いて鞄を担いだ。

「とにかく行くよ。

私の話はどーでもいいのよ。ちょっと羽柴のことで聞きたいことがあってさ」

広大はちょっと目を見開いた。

「かける? 何だ、今度はかけるに乗り換えたのか?」

無神経な広大に少し傷つき、もう一発目をお見舞いする。

「ってーな! それが人にものを聞く態度かー?」

「あんたが無神経だからよ。

とにかく。羽柴ってさ、彼女とかいるの?」

「かけるなあ。いねーんじゃね? あいつから、女の名前聞いたこと無いわ。今はバスケしか見えてないだろ」

広大の言葉に、朝希は少しほっとしながら、

「そんな感じよね」

と頷く。するとニヤリと広大。

「何、何、恋話?」

「広大には関係ない話よ。第一、本人の気持ちもいまいちよく判らないし。ただ、ちょっとでも前進のきっかけになればなと思って」

朝希の独白じみた言葉に、広大が真顔になって足を止めた。

「……藤木か?」

朝希は同じく真顔になって広大を見た。

「珍しく勘がいいじゃない。

言っとくけど、梨呼を傷つけるようなことしたら殺すわよ」

「解ってるって。そうじゃなくて、難しいなと思って」

広大の言葉に、少し緊張を解いて、

「そうなのよね」

と朝希は頷いた。

「でも、余計なことかもしれないけど、力になりたいの」

梨呼は親友。頼られるのは構わない。でも、いつまでも自分の後ろに隠れたままでいいとは思えない。



――「私、朝希ちゃんがいるから彼氏なんかいらない! 朝希ちゃんは、でも困るよね……」



中学何年のときだったか、梨呼がそう言ったのを朝希ははっきりと覚えている。でも、梨呼はレズではない。朝希はその外見と性格から本物によく出くわすので解るのだ。だからこそ。

これから、大学、就職とあるわけだし、少しは男子にも慣れてもらわないと。

「朝希」

呼ばれて顔を上げると、広大がにかっと笑っていた。

「今回は、協力するわ、俺も。邪魔にならない程度に」

「少し助かるかも」

広大の笑顔につられるように朝希も笑顔になった。

「ま、かけるは俺とはかなりタイプが違うし、お前から離すには丁度いいんじゃん?」

「そうね。広大じゃなくてよかったわ」

「なんだよ、それ」

ちょっと不機嫌に広大。

気がつくと家の前だった。

「じゃあね、広大」

「おう、また明日」

二人は隣同士の家へ入っていった。                       「梨呼の場合」2に続く



アルファポリス「第3回青春小説大賞」(開催期間は2010年11月1日~2010年11月末日)にエントリーしています。

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