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天音花香の小説をUPするブログです。個人サイトの小説はこちらに移しました。現在二時創作と短編を中心に書いています。
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天音花香
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性別:
女性
職業:
主婦
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。一応文学部でです。ですが、大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、主婦になってから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。
もう一つのブログでは香水についてレビューをしております。
http://yaplog.jp/inka_rose/
こんな私ですが、宜しくお願いします。





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   「梨呼の場合」2


「おはよ、梨呼」
聞きなれた朝希の声に、笑顔になって返事をしようとした梨呼はさっそく硬直した。朝希は広大の席の前で、カケルと一緒に練習メニューをチェックしているようだった。
「お、おはよう、朝希ちゃん」
言うが早いか、自分の席につこうとした梨呼は、朝希に強引に腕を掴まれ、動けなくなった。仕方ないので、朝希の背中に隠れる。
「っはよー、藤木さん」
そんな梨呼に慣れている広大は普通に声をかけて、「あ」と思い出したようにカケルを前に出す。
「こいつ、バスケ部の副部長。ちょくちょく教室来てるっしょ? 羽柴かけるって言うんだわ。ま、よろしくしてやって」
そんな広大に、「お前が来ないから来てるんだ」と文句を言って、カケルは梨呼の方を向いた。だが、朝希がいるだけで、挨拶をする相手が見えない。カケルは困惑しながらも、
「羽柴カケルです。よろしくね」
と挨拶をした。それでも隠れて出てこない梨呼に、朝希が「ほら、梨呼」と声をかける。
梨呼は恐る恐る顔を出し、カケルを見た。するとカケルが、
「あ、自転車の娘かあ」
とにっこり笑った。その笑顔はやっぱり怖くなくて、梨呼は後押しされるように、
「藤木、梨呼、です」
とか細く声にして、ぺこりと頭を下げた。そして、
「あ、あの。このあいだは、自転車起こしてもらって、えっと、とっても助かりました。あ、ありがとうございました」
と泣きそうなくらい必死に言葉を紡いだ。そんな梨呼にカケルは。
「そ、そんな大したことしてないから……。たまたま職員室から見えただけで」
と、動揺しながら言葉を返す。そんな二人に苦笑しながら、朝希は、
「この娘、恥ずかしがり屋なの」
とフォローを入れる。すると、
「ま、よーするに男性恐怖症なわけよ」
と広大がストレートに言った。もちろんその後朝希に叩かれたが。
「そっか、誰にでも苦手ってあるよね。藤木さん、小柄だし、男子のこと背が高い……うーん、恐竜みたいに見えたりするのかな?でも、とって食べたりしないから安心してね?」
爽やかに笑って梨呼に言うカケルを見て、朝希と広大は机の下で親指を立てていた。
梨呼はというと、穴があく程にカケルを見つめて、
「何で解るんですか?」
と言った。男子が自分の立場になって考えてくれるなんて、思ってもいなかったのだ。
この梨呼の一言にはカケルも困って、
「え? なんとなくそうかな、と……」
と言うだけで、朝希と広大はそんな二人を見て爆笑していた。


(今日も来ている)
カケルの姿を見るとなんだか落ち着かない自分に梨呼は戸惑っていた。
カケルは他の男子と比べると少し大人びていた。幼くみえる広大とは対照的な感じだ。でも、笑うと少し幼くなる。その笑顔は、心が温かくなるような、ほっとした気分にさせるのだ。
(こんなの初めて。男子を見てほっとするなんて。今まで恐怖しかなかったのに)
「梨~呼!」
後ろからぎゅっと抱きしめられ、梨呼は目を白黒させながら、
「朝希ちゃん」
と声だけをやっと出す。サラサラのベリーショートの髪。切れ長の目。長い四肢に、細身で長身の朝希。美人だと思う。でも、一見だけでは「格好いい」という表現が最も似合ってしまう女子。
梨呼はじいっと朝希を見つめた。
「どした? 梨呼?」
「朝希ちゃんは綺麗で、格好いいなと思って」
男子もみんな朝希のようだったら怖くないのに。いや、むしろ、朝希が男子だったらよかったのかもと何度も考えてしまう梨呼である。
「それは、褒め言葉ととるべきか……」
うーん、とうなりながら朝希は腕を組んで考えている。それが妙に様になっていて、さながら憂いを帯びた目で物思いにふける美少年という感じである。
(綺麗だなあ。
朝希ちゃんは私の自慢の親友)
こんなに綺麗なのに、朝希の片想いの相手、広大は、朝希を全く女として見ていない。幼馴染だから、意識するような対象でなかったのかもしれない。
でも、と梨呼は思う。
(もったいない。竹田君なんて、声も背も大きくて、口を大きく開けて笑いながら嫌味ばかり言ってるような男子なのに。どうして朝希ちゃんは竹田君が好きなんだろう?)
広大は「男」というオーラを全身で放っているような、梨呼の最も恐怖の対象の男子である。でも、かなりもてる。
(朝希ちゃんはとーっても綺麗なんだから、他の男子にとられても知らないもんっ)
「梨呼?」
一人、百面相をしている梨呼に、怪訝そうな顔をして朝希が声をかけた。
「朝希ちゃんはどうして竹田君が好きなの?」
大きな瞳に真剣な光を宿し、小さな口を尖らせて梨呼は朝希に尋ねる。
「はい~?」
梨呼の思考回路が全く読めていなかった朝希は、動揺を隠せず頬を朱に染めた。
「な、なんで、ここで広大が出てくるかなー?」
目を泳がせながら、朝希は頬に手をあてて言った。そんな朝希は本当に女の子と言う感じがする。綺麗で、格好よくて、可愛い朝希。そんな朝希に広大はつりあわない、なんて勝手に思っている梨呼である。
「そ、そおねー、好きになるのに理由なんてあるのかな?ただ、よく視界に入って、見るといろんな感情が湧いて。うー。難しいな。まあ、広大は軽いし、駄目男だけど、いいところもあるのよ。少しは、多分……」
随分と頼りない回答だ。
「悪いところもあるのに好きなの?」
「そりゃあ、だって考えてみて? 悪いところない人間なんていないでしょ? 友達だってそうじゃない? いいところも、悪いところもひっくるめて友達、でしょ?」
そっかあ、と納得する梨呼。でもまた疑問が湧いてきた。
「じゃあ、友達、と好きな人って、どう違うの?」
「う、それは」
朝希は困り果てて、
「広大ー」
と広大のところへ突然走っていった。
「え? 朝希、ちゃん?」
「ねえ、友達と好きな人って、どう違うと思う? っていうか、どうして、私は広大なんかが好きなの?!」
(ええー?! 朝希ちゃん?)
梨呼はあんぐりと口を開けた。
「あん?」
顔を真っ赤にして、ぜいぜい肩で息をする朝希に、広大は目線をちらりとやって、
「んなこと知ったことか。俺がいい男だからだろ?」
と一言。その広大の言葉に、
「なんでこんなのが好きなのー? 私が聞きたい!」
と頭を抱えこんでうなる朝希。
(……。朝希ちゃん、どうして竹田君のことになるとここまでおかしくなっちゃうんだろう)
でも、そんな朝希を少し羨ましくも思って見つめていると、広大の隣にいたカケルと目が合った。
(っ!)
自分でもなぜか頬が赤くなっていくのがわかる。そんな梨呼にカケルはにこっと笑った。
また、あの笑顔だ。
瞳には優しい光。上品に開けられた口。男子だけれど綺麗だなと思った。外見というより、物腰がである。梨呼は思わずお辞儀をしてしまった。何でだろう。自分でもわからない行動。恐怖からではない心臓のどきどき。何だろう?
そのとき、
「藤木さん、これ課題のノート」
上から突然降ってきた低い声。動揺しているときだったから気がつかなかった。間違えなくそれは男子の声で。
視線を上げて、椅子から滑り落ち、ノートを受け取り損ねて。
「ひ、ひゃ!」
頭でノートを受け取る形になり、呆然とする梨呼。もちろん相手の男子も驚いたが、慌てて、 「大丈夫? 藤木さん」
と手を差し伸べる。好意からだとは解っている。解っているけれど。
その大きな手が、
その存在が、
こ・わ・い!
「ご、ごめんなさ……」
半泣きで後ずさる。
「梨呼!」
慌てて朝希が走り寄って来た。
「大丈夫? 梨呼」
朝希は、まず、梨呼に声をかけてから、その男子に向き直り、
「ごめんね。この娘ちょっと男子が苦手で」
悪気はないのよ、とその男子の肩を叩く。
はっと我に返った男子は、
「あ、そうだったよねー。ごめんね、藤木さん」
思い出したように謝ってくる。梨呼はふるふると頭を横に振り、
「こ、こちらこそ、ごめんなさい」
と涙声で謝った。
男子が悪いわけではない。自分がおかしいのだ。謝ってくれる必要など無いのに。どうしてこうなんだろう。やっぱり女子高に行けばよかった、と自己嫌悪でいっぱいになる。
そんな梨呼の頭をあやすように叩きながら、朝希は、ふぅとため息をついた。


「女子とは普通に話すんだね。えっと、りこちゃんだっけ?」
名前のほうが特徴あるからそっちを覚えちゃったよ、とカケルが言う。広大はちらりと、朝希と梨呼が話している方へ目線をやって、
「特に朝希とはな。中学のときから一緒だから」
と興味なさげに言った。そして、
「ふん、朝希と一緒にいられるなら、男子も平気なはずなのに」
と不機嫌そうに言う。
「それは、前田に失礼じゃないか? それに、誰にだって悩みの一つや二つはあるだろう。お前も含めて」
そう返してきたカケルに、
「なんだよそれ?」
と広大が聞こうとしたときだった。ばたばたと朝希が向かってきた。そして。
「ねえ、友達と好きな人って、どう違うと思う? っていうか、どうして、私は広大なんかが好きなの?!」
朝希はかなり動揺している。
(前田も少し変わってるよな、広大ももう少し優しく対応したらいいのに)
と思いつつ、カケルが梨呼のほうを見てみると目が合った。とりあえず笑ってみると、慌てたように梨呼はお辞儀を返してきた。今まで会わなかったタイプの人 だよな、とカケルが思って見ていた矢先、その梨呼に男子がノートを渡そうとしているのが見えた。
そして。その出来事は起こった。
「梨呼!」
慌てて朝希が梨呼のほうへ戻っていく。
「……ここまでとは……。りこちゃんが男嫌いっていうの。」
「そーそー、あんなのしょっちゅうだよ」
と慣れたように広大。クラスメイトたちも、慣れているのか、ざわつきもしていない。
「でも、あの娘にとっては、当たり前じゃないんだよな。いっつも、いっつも、怖いと思いながら学校に来てるんだろうな」
呟いたカケルの横顔を見て、広大はふっと笑った。
カケルは優しい。ただ、この言葉が梨呼にだから出されたものかどうかが重要だな、と考えていた。

         「梨呼の場合」3に続く

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