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天音花香の小説をUPするブログです。個人サイトの小説はこちらに移しました。現在二時創作と短編を中心に書いています。
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天音花香
HP:
性別:
女性
職業:
主婦
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。一応文学部でです。ですが、大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、主婦になってから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。
もう一つのブログでは香水についてレビューをしております。
http://yaplog.jp/inka_rose/
こんな私ですが、宜しくお願いします。





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     「梨呼の場合」3


「バスケットの試合?」
昼休み、屋上で梨呼と朝希は弁当を食べていた。ここには男子も含めて誰もいないからである。
「そう、来週の日曜、西高と親善試合があるのよ。毎年恒例でね」
口をもぐもぐと動かしながら、朝希が答える。
十二月の寒空の下だ。コートの襟元をしっかりと抑えて、梨呼は日曜の予定を思い出す。確か何も無かったはず。
「そうだね。最近朝希ちゃんのバスケする姿見てないし、見に行こうかな。また、いっぱい女の子のファンが応援に来るんだろうなー」
梨呼はくすくすと笑った。
「女に好かれてもねえ。広大が私を応援してくれるなら別だけど」
「朝希ちゃん格好いいから仕方ないよ。竹田君は……きっと近くにいすぎて朝希ちゃんの綺麗さがわからないんだよ」
「私は綺麗とは程遠いよ」
寂しげにため息をつく朝希。広大はこんな朝希の姿を見るべきだ、と梨呼は思う。こんなに色っぽいのに。
「広大はさ、来るもの拒まず、去るもの追わずなんだよね。連れている女がころころ変わる。なのに、どうして私は受け入れてもらえないんだろう」
(あれ?)
梨呼は違和感を覚えた。
「それって、朝希ちゃんは、竹田君にとって何かあるからじゃないのかな。意識してるからとか」
梨呼の言葉に朝希の顔が曇った。
「それは違うよ。広大は私を女扱いしたことないもの。どうせ、羽柴と一緒のレベルなのよ」
「朝希ちゃん……」
梨呼は何も言えなくなった。ただ、大好きな朝希にこんな顔をさせる広大は許せないと思った。
「もっと、いい人いるんじゃないかな?朝希ちゃん。朝希ちゃんに竹田君はつりあわないよ」
朝希は、まるで自分のことのように怒りながら言う梨呼を愛しく思いながら、でも悲しげに笑った。
「梨呼。好きって気持ちはそう簡単には変えられないんだよ。何て言っていいかわからないけど、気がつくと心を占めていて、広大のことしか考えられない。広大以外を好きになることなんてとても想像出来ないの」
梨呼は衝撃を受けた。人を好きになるということは、なんて強い想いなのだろう。
「ごめんね、朝希ちゃん。私、男子苦手だから朝希ちゃんの気持ち解らない。でも、これだけは解った。私は苦手だけど、朝希ちゃんは竹田君じゃなきゃ駄目なんだね。これからはちゃんと応援する」
朝希は全開の笑顔になった。
「ありがと、梨呼!」
「寒いのに、毎日屋上でお弁当でごめんね。そろそろもどろうか」
「気にしてないよ、梨呼」
そう言って先にドアを開けて中に入る朝希。そして、梨呼が入るまで、ドアを押さえる。
(私にも好きな人ができる日が来るんだろうか)
梨呼は風で閉まるのを拒もうとするドアを無理矢理閉めて、朝希の背中を追った。


ダムダムと体育館に響くドリブルの音と、選手が動く度に鳴るキュキュッというバスケットシューズと床のすれる音。小学生の時までバスケットをしていた梨呼には、懐かしく、心地よい音だ。
でも。
(シュートするときの朝希ちゃんしか見えない)
一生懸命背伸びをして見ようとするのだが、前の女子たちに阻まれてよく見えない。彼女たちは、朝希がシュートをきめる度、歓声を上げている。自分も朝希の勇姿をもっと見たい、と悶々としていると。
「はい、ちょっとごめんねー。場所空けてくれるー? 男バスでーす。女バスの試合見せてねー。あ、この後俺らの試合あるから、そのときも応援よろしく!」
と背後から、広大を先頭に男子バスケット部の部員たちが入ってきた。
(きゃ、男子だらけ!)
逃げ場もなく、へたり込もうとしている梨呼の腕を誰かが優しくとった。
カケルだった。
「……」
梨呼はびくびくしながらカケルを見る。掴まれている腕が震えていた。
「大丈夫? 見えにくいでしょ? 俺の前に、はい」
カケルは笑顔でそう言って、前に梨呼を押すと、自分は少し後ろに離れた。
視界が開け、朝希がドリブルをしながらディフェンスをかわし、的確なパスを送る のが見えるようになった。
カケルのその行動はとても自然だった。
男子嫌いの梨呼に対しては、かなり引いてしまう男子が多い。でも、カケルはそんなことを気 にしていないようだった。
それでいて不快な思いをさせないように適度に距離をとってくれている。
梨呼は。
カケルという男子に不思議な感情が芽生えるのを感 じた。
(この人は優しい)
背中が熱くなるのを感じた。
この人は、他の男子と違う気が、特別な気が……。
「ナイッシュー!!」
広大の大きな声に我に返ると、朝希がシュートをきめていた。朝希の動きは無駄がなく、本当に綺麗だった。相手の動きをよく見てパスカットをしたり、逆にパスを送ったり、そして、相手のゴールからの戻りがなんといっても速かった。
「前田、相変わらずいい動きしてんな」
カケルが感心したように言うと、当然、と広大。
「朝希と一緒に小四からミニバス始めて、朝希からボール奪えるようになるのに、中学に入るまでかかったんだぜ? センスがいいんだよ。相手の動きをよく読んでる」
朝希の話なので自然と耳が傾いてしまった。広大の声は自分のことのように嬉しげだった。
「シュートもよく入るな」
「毎朝、個人的にシュート練してるみたいよん。俺らも見習わなきゃね、かけるくん(ハート)」
「とかいいながら一番する気ないくせに。
でもよく知ってるな、さすがだんな」
「バーカ。あいつが家を出るときの音がうるさいから、目覚まし代わりになってんだよ。ま、おかげで遅刻しないから助かってるけどな」
「ふーん」
梨呼は、先ほどとは違ったドキドキを覚えた。
広大は朝希をちゃんと見ている。恋愛感情かは判らないけれど、高く評価している。
それは自分のことのように嬉しくて、思わず声を出していた。
「朝希ちゃん、がんばってっ!」
朝希はちらっと梨呼のほうを見て、すぐ視線を戻すと、フックシュートをきめた。そのとき、試合終了を告げるホイッスルが鳴った。四十二対十七のダントツ勝利であった。
「ま、予想通りの結果だわな」
と広大。
「きゃー、朝希さーん!」
「素敵でしたー!」
ファンの女子をうまくかわしながら、朝希は梨呼のもとへやって来た。
「来てくれたんだ! ありがと!」
「格好よかったよ、朝希ちゃん。一番輝いて見えた」
興奮気味の梨呼。朝希はその梨呼の後ろを見て意外そうな顔をした。
「男バスももう来てたの? 試合見た?」
「おうよ、今日もいい動きだったな、朝希」
広大に言われた朝希は、本当に嬉しそうな顔になった。
「ありがと」
「もち、俺らのも見てくんだろ?」
「いい? 梨呼」
「うん」
「じゃあ、見させていただきます、竹田部長。試合のときぐらいは部長らしいとこ見せてよね」
と言った朝希に、
「お前より歓声とってやるさ」
誰にものを言ってるんだとばかりに広大。
「じゃ、そろそろ準備があるから。また後で、前田、りこちゃん」
カケルがそう言い、広大たちは去っていった。
「りこちゃん?」
「え?」
「羽柴そう呼んでたよね?」
「あ! う、うん」
「めっずらしー! 何か進展とかあったりして」
「そんなのないよ」
本当に何もないのに、なぜか赤くなりながら否定する梨呼。
「あ、でも、ハシバ君がコートがよく見える場所に押し出してくれたの。それまで全然見えなかったんだけど」
「へーえ」
ま、羽柴は優しいからな、と朝希は納得する。
「そしたらね、なんか、ハシバ君は他の男子と違う気がした」
えっ? と梨呼を見る朝希。
「ハシバ君が後ろにいると背中が熱くなって……。でもね、怖いわけじゃなくて、なんだか恥ずかしいような、暖かくなるようなそんな感じがしたの」
(それに名前で呼ばれるのがなんだかくすぐったかった。変なの)
頬を薔薇色に染めて言う、親友に、
「! 
そっかあ!」
朝希は優しく笑って、梨呼の頭をポンポンと叩いた。


「広大! 広大! 広大!」
もの凄いコールである。西高の女子も混じっていた。
「凄い。竹田君て人気あるんだね」
「んー、だからライバル多くて困るのよね」
朝希は苦笑している。
確かに、広大のプレーには人を魅了する何かがあった。速いドリブル。絶妙なフェイント。空中でディフェンスをかわすフックシュートに、豪快なダンク。
「ちょっとだけ竹田君、見直した。バスケほんとに上手なんだね」
梨呼の言葉に、朝希は自分が褒められたかのように嬉しそうに笑った。
「試合中の広大はいいでしょ? まあ、練習してるってのもあるけど、センスがあるのよね」
その朝希の言葉に、思わず梨呼はくすくすと笑った。
「同じこと朝希ちゃんに対して竹田君言ってたよ」
「え、本当?」
朝希は頬を赤く染めて、嬉しそうに、
「そっか」
と言った。そして、
「羽柴もいい選手よ。見て」
と梨呼に言った。
判っていた。
梨呼は広大を見る以上にカケルを見ていた。
彼は地味ではあるけれど、いいサポートをしていたし、相手から離れないディフェンス、それから、 フリーになったときのスリーポイントシュートがすばらしかった。それはまるで、始めからシュートがきまることが決まっているかのように綺麗な弧を描き、網 をくぐった。時が止まったかのような静かで美しいシュートフォームに、梨呼は魅入っていた。
普段静かな瞳に、試合中宿る強い光にもドキドキさせられた。
「うん。
……格好いいね、ハシバ君……」
梨呼の口から自然と出された言葉に、朝希はそっと梨呼を見た。
カケルの姿を目が追っている。その目はまさに恋をしている目だった。
朝希は強く願った。梨呼の恋はうまくいきますように。自分のような苦しい想いはしてほしくない、と。


ボフッとベッドに倒れこんで梨呼は天井を見つめた。
カケルのシュートフォームが甦る。本当に綺麗だった。目をつむる。心臓がドキドキしてなかなか眠れない。
試合の後、朝希は広大と反省会をするからといって、二人で消えてしまった。結果的に梨呼はカケルと一緒に帰ることになった。
カケルは梨呼との距離を保っ て歩いてくれ、
「退屈じゃなかった? バスケの試合」
と、会話ができないでいる梨呼に気を使って声をかけてくれた。
梨呼は珍しく自然に言葉を返すことがで きた。
「あのね、小学生のとき、私もバスケをしてたんです。背がないから中学からは諦めちゃったけど……。
でも今でもバスケが好きなんで、見てて面白かっ たです」
カケルは意外そうな顔をして、「そうだったんだー」と言った。
「そうだ、前田、凄かったでしょ? 前田なら男バスでもやっていけそうなくらいだよ」
「は い。朝希ちゃん、いつもとっても格好いいです。
えっと、羽柴君、竹田君も素敵でしたよ」
本人を前に言うのはさすがに恥ずかしく、顔を赤らめて梨呼は言った。
いつも だったらできないことだ。だが、そのときは思ったことを伝えたいと言う気持ちが勝っていた。
「え? 広大はわかるけど、俺も?」
大きな背をしてうろたえる カケルを可愛いいなあと梨呼は思った。
「はい。シュートフォームがとても綺麗ですね」
「うわー、嬉しいなあ。ありがとう!」
カケルは本当に嬉しそうに笑っ た。
カケルは、近くだからとわざわざ梨呼の家の前まで送ってくれた。
「また明日ね」と言って去っていったカケルの後ろ姿を梨呼はぼうっとしながら見送った のだった。

「また明日ね、かあ……」
ベッドの上でカケルの言葉を呟いて、梨呼は幸せな気持ちになった。
「また明日ね」
もういないカケルに言うように梨呼は言って、もう一度目を閉じた。自然と口元に笑みが浮かぶ。
(今日はいい夢が見れそう)
ほどなく梨呼は眠りについた。

     「梨呼の場合」4(梨呼の場合ラスト)続く                 
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