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天音花香の小説をUPするブログです。個人サイトの小説はこちらに移しました。現在二時創作と短編を中心に書いています。
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天音花香
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女性
職業:
主婦
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。一応文学部でです。ですが、大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、主婦になってから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。
もう一つのブログでは香水についてレビューをしております。
http://yaplog.jp/inka_rose/
こんな私ですが、宜しくお願いします。





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      「広大の場合」2  


 広大は「先週の彼女」と夜道を歩いていた。映画に行きたいというから学校の帰りに見て帰っているところだった。
「ねえ、広大! もう一週間も経つんだから手ぐらいつなごうよ?」
「……俺べたべたするの嫌いなんだわ」
 広大は目をそらして言った。
(触られたくもないね。一週間で何が解るって言うんだ?)
「どうして? 
……キスもしてくれないし、広大、私とどうして付き合ってるの? 
私のこと好き?」
(べたべたするの嫌いって言ってる俺を無視しているのはどっちだ? 
……どいつもこいつも俺に虚像を描いて寄ってくる)
「ねえ、広大!」
 黄色い声が耳に障る。
 広大は冷めた目で「先週の彼女」を見た。
「こ、広大?」
「お前こそ何? 俺をなんで好きなわけ? 付き合いたいって言うから付き合ってやったんだよ。
もううざい。ばいばい」
「え? 広大!」
 泣くような悲鳴を無視して広大はすたすたと一人歩き出した。「彼女」が走りながら追いかけてくる。
 広大は一瞥もせずに冷たく言った。
「わからない? 俺、お前のこと好きじゃないし、今日で別れようってこと」
 その場で「彼女」が泣き崩れるのが気配で判ったが、広大はそれを無視して家路を急いだ。
(こんなんだったら、バスケの自主練でもしといたほうがましだったな。時間を無駄にした)
 本当に自分は何をやっているのかと思う。
 付き合ってといわれれば誰かれ構わず付き合ってきた。でも、すぐふるか、ふられるかのどちらかだった。広大も相手を好きになれないし、相手も広大に愛想をつかす。それでも告白されたときにふらないのはなぜなのか広大は自分でもわからない。

 朝希のときはふったのに。

「ちっ、いらいらする」
 ごちゃごちゃ考えているうちに家に着いた。
 門を開けるときに朝希の部屋を見る。まだ明かりがついていなかった。
(自主練ですか。本当に真面目なことで)
「ただいま」
 不機嫌な声ではあるが、一応そう言ってから広大は二階の自室へ上っていった。
 鞄を部屋の隅に放ると、広大は電気もつけずに胡坐をかいた。幼いときから、考え事をするときの癖だ。
(なんでだ? 最近特にいらいらする)
 翔と梨呼が付き合いだしてからだ。
 一人でいることが増えた朝希。
 そんな朝希は王子様にはもう見えない。
(姫がいたからってわけか)
 自分で手伝ったくせに、女に見える朝希を見るとなぜか広大はいらいらした。
 ーーいつかとられるぞーー
 翔の言葉が甦る。
(あんな背でかくて、胸なくて、細いだけの男女。誰が相手にするかってーの。それでもそういう趣味のやつがいるなら、それでいいんじゃん? 朝希も姫に昇格だ)
 そのとき、隣の朝希の部屋に電気がついた。
(帰ってきたか)
 朝希はというとカーテンも引かずにそのまま着替えだした。
「っ馬鹿か、あいつ!」
 広大は隣のバルコニーへ飛び移ると、朝希の部屋の窓を開けて中に入り、カーテンを乱暴に閉めた。
 広大が後ろを振り返ると、下着姿の朝希が驚いた顔で広大を振り返っていた。
「広大? どうしたの?」
 広大は動揺していた。
 バスケをやってるときはTシャツだからわからなかっただけなのか?
 朝希には意外に胸があったし、腰も綺麗にくびれていて、女そのものの身体をしていた。
「お前馬鹿かよ! 鍵も開いてるし、カーテンぐらい閉めて着替えろよ! 誰が見てるかわかんねーだろ!」
「あ、忘れてた。そっか、今度から気をつける」
「し、しかも、俺は男なんだぞ? 身体隠すぐらいしろよ!」
 朝希は、
「ああ」
 とさして、気にとめた様子でもなく、
「広大、見慣れてるでしょ? こんなの。それに、広大、私のこと女と思ってないし……」
 といいながら、着替える服を探し始めた。
「っ見慣れてなんかいねーよ!」
 そういう男として、見られているというのが広大は傷ついたし、いらいらに拍車をかけられた。
 気がついたら、朝希の腕を掴み、ベッドに押し倒していた。
 朝希の切れ長の目が少し大きく見開かれていた。
 そんな朝希の耳元に広大は唇をよせると、
「男は好きな女じゃなくても抱けるって知ってた?」
 そして、強引に胸のふくらみに触れる。
 広大は殴られることを予想していた。
 が、その衝撃は来なかった。
 朝希の顔を見る。
 朝希は瞳に悲しげな光を宿して、きゅっと薄い唇を結んでいた。
「っ抵抗ぐらいしろよ!」
「広大だったらいいよ」
 か細い声が朝希の唇から漏れた。

(!
なんだ、こいつ! 女じゃないか! 女だ!)

 急に自分のした行動が恥ずかしくなって、広大は朝希から離れた。
「服着ろ」
「うん……」
 広大が後ろを向いている間、もぞもぞと朝希が服を着る音がしていた。
(俺は何をやってるんだ? 何がしたいんだ? もう、訳わかんねえ!)
「広大? 服着たよ」
「おう」
 朝希の部屋の丸い小さなテーブルをはさんで、二人は向かい合って座った。
「広大、最近荒れてるでしょ?」
「そう、かもな」
 別に、と答えるつもりだった。
 でも口から出た言葉は本心のほうだった。
「何かあった?」
「いつものことだよ。さっき、『先週の彼女』
とやらをふってきた」
「そう……。
……彼女は悲しかっただろうね。
広大は? 悲しくなかったの?」
 なぜか、ぎくりとした。
 悲しかった? 何に対して? 
 頭の中でぐるぐると思考が回る。

 そんな広大の手を朝希は優しくとった。
 両手を重ねてきゅっと握る。
 幼いときから、繰り返されてきた行為。これをされると広大はなぜか安心するのだ。
「あ、朝希。は、離せよ」
「もうちょっと」
 祈るように朝希は目を閉じて、
「はい。もう大丈夫」
 とにこっと笑った。
 もやもやしていた気持ちがすっと解けていくのを広大は感じた。
「今日、自主練、してたのか?」
「うん」
「俺も明日からすっかな。お前に遅れをとりたくないし」
「あーあ、広大を抜かそうと思ってたのに」
「百年早いな。
朝希、さっきごめん。また明日な。お休み」
「ん、おやすみ」
 なんだかすっきりして広大は自分の部屋に戻った。ただ。
 思い出して頭に血が上るのを広大は感じた。朝希の身体。胸の柔らかさ。
「寝よ」
 広大は無理矢理頭からそれを消し去ると、着替えてベッドにもぐりこんだ。


 ――「朝希、見ろ!スリーポイントシュート、かなり入るようになったぞ!」
 「そんなの、とっくに入るようになってるよーだ」
 自分より背の高い朝希がえへんと胸を張る。小学生のころだ。
 「ちっくしょー、負けねーからな!」


 似合わないセーラー服を着た朝希は、梨呼をはじめとして他の女子に混ざって行動している。
(なんだよ。がらじゃねーの)
 そして。
「やった!朝希を抜けるようになった!」
 背も朝希を抜いてまもなくのころ、広大はワンオンワンでやっと朝希を抜けるようになった。
 そのときの朝希の悔しそうな顔。


 「広大、私、あんたが好きみたい。付き合ってくれないかな?」
 顔を真っ赤にして、広大より十センチほど背の低い朝希が言った言葉だった。
 中三のときだ。
「お前のこと、そんな風に見れない」
 目をそらして断った広大。


 「朝希ちゃん!」
 高校に入っても、いつも梨呼と一緒にいる朝希。男子から梨呼を守るように。それはさながらスカートをはいた王子様。
 梨呼を見つめる優しい目。
 広大を見つめる切ない目。
 広大は敢えて見ないようになっていった。


 ――そして。下着姿の――
 


 ガチャン。カチャリ。キー、カッチャン。
 いつもの聞きなれた音にガバっと広大は身体を起こした。窓からのぞくと、朝希が歩いていくのが見えた。
(朝……)
 なんだか、朝希の夢ばかりを見ていた気がする。
 懐かしい、戻らない日々。
 思い出しながら制服に着替える。
「おはよー」
 台所の母親に挨拶をして、用意された朝食を食べる。
(小学生のときはよかったなあ)
 夏休みには虫取り。二学期の前日大慌てで宿題を一緒にやった。
 冬には雪だるま。
 広大と朝希はいい相棒だった。朝希を女と思ったことなど、一度もなかった。
 中学の始業式。
 セーラー服姿の朝希を見て衝撃を受けたのを広大は覚えている。
 いつからか埋まらない距離ができていた。
「あんた、早くしないと遅刻するよ?」
 母親の声に、広大ははっとして、鞄を持つと、
「ってきまーす」
 と家を出て、走り出した。
 過去を振り払うように。

             「広大の場合」3へ続く



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