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天音花香の小説をUPするブログです。個人サイトの小説はこちらに移しました。現在二時創作と短編を中心に書いています。
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天音花香
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性別:
女性
職業:
主婦
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。一応文学部でです。ですが、大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、主婦になってから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。
もう一つのブログでは香水についてレビューをしております。
http://yaplog.jp/inka_rose/
こんな私ですが、宜しくお願いします。





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   「広大の場合」4


 広大は今日、朝希の机の前に来ない。当然かもしれない。朝希も来られても困る。
 そんな二人の様子を梨呼はなんとなく違和感を覚えながら見ていた。
 朝希、梨呼共々授業の内容が今日は全く頭に入ってこななかった。
 もちろん広大も今日は出席はしているものの、心では昨日のことばかりを考えていた。
 なぜあんなことをしたのか? 
 だいたい、他の女には触れられるのも嫌なのに、なぜ朝希は大丈夫なのか?

 朝希は昨日のことは忘れようと思っていた。
 また広大の気紛れ。いつものことと。
 でも、唇が熱い。

 四限目の終わりを告げる鐘が鳴った。
「朝希ちゃーん、お弁当食べにいこっ!」
 いつもよりすごい勢いでやってきた梨呼に引きずられるように、朝希は屋上へ向かった。
「もう、すっかり春だね」
 暖かい風が二人の髪をなでていく。
「早いものね。もう、私たち受験生なんだよ?」
 信じられない! と二人で笑う。勉強しなきゃねーと、当たり障りのない会話が進んでいく。
 ただ、梨呼はじっと朝希が話し出すのを待っているかのように目を見つめてきていた。
 そうよね、梨呼が気付かないはずない、と朝希は一つため息をついた。
 朝希は覚悟を決めたように、梨呼を見つめた。どうぞ、と梨呼が見つめ返してくる。
「梨呼、羽柴ともうキスした?」
「!」
 さすがにこんな問いは予想をしていなかったので、梨呼は箸を落とした。その箸が地面に着く前に、器用に朝希は箸を掴むと「はい」と渡してくる。
「え、えーっと。まだ、です。
こないだ、初めて手をつないだばかりです」
 真っ赤になりながら梨呼は答えた。
 翔は梨呼を大切にしているんだな、と朝希は嬉しく思った。だからこそ自分の境遇が理解できる。
「梨呼」
 まるで恋人の名前を呼ぶように朝希は、梨呼の名を口にした。どきりとして梨呼は朝希を見つめる。
 朝希の目は艶っぽく光っていた。
「キス、しよっか?」
 どくん。梨呼の心臓が波打った。朝希から目が話せなくなっている梨呼がいた。一方、朝希は、梨呼は断らないという予感があった。中学生の頃、梨呼が朝希に憧れにも似た感情を抱いていたのを朝希は知っている。
 残酷すぎる言葉。
 梨呼はしばらく考えていた。
「い、いいよ。朝希ちゃんなら」
 ほら、やっぱり。
 梨呼は断れない。梨呼は、広大に対する私と似たようなもの。
 そして、それが分っていながら広大はあんなことをしてくるのだ。
「う、そ。
だめよ、梨呼、そんなに簡単にオッケーしちゃ。羽柴が泣くよ?」
「そ、それは朝希ちゃんだからで」
 言って梨呼が朝希を見ると、朝希の切れ長の瞳からは一筋の涙が流れていた。
「朝希ちゃん!」
 涙は一筋から二筋と増え、しまいには嗚咽になった。
「広大が、解らないの。もうどうしていいか分からない! 広大は私を突き放したいのかな?!」
 梨呼は悟った。
 朝希は広大にキスされたのだと。
 でも、それはおかしいと思った。
 梨呼の聞く広大の噂は
「手もつながせてくれない冷たい奴」
というものだった。
 そして。
「付き合ったらかなりそっけない」
 これは普段朝希に対する態度と同じようになるのだろうと予想ができた。だから、よけいにおかしい。
 梨呼は何かが見えてくるのを感じた。第三者だからこそ見えるものもあるのかもしれない。
 朝希の背中をさすりながら、二度と朝希にこんな顔をさせるものかと梨呼は心で誓った。
 朝希はこんなにも、傷着きやすい、か弱い姫なのだ。それなのに、梨呼の王子役をかってでてくれていた。だから、今度は自分が朝希を守る番なのだと。
 広大が朝希をどうしたいのか。突き放したいのか。それとも他に何か意図があるのか。
 梨呼が考えていると、
「私、広大と少し距離をとってみようかな。だって、広大はそれを望んでいるからあんな態度をとるのかもしれない」
 朝希が弱々しくそう言った。
 梨呼はそれも試す価値はあるのではないかと今回は思った。そのとき広大の本心が見えるのではないかと。
「私も、今回はそれに賛成するよ、朝希ちゃん。竹田君がそれを望んでいるかどうかは別として」
「うん。そうする。私、もう疲れちゃったよ」
 自分よりかなり小さな梨呼の肩に頭を預けて、朝希は涙を流し続けた。


 昼食の後、「顔を洗ってくる」とトイレに行こうとした朝希を、一人の男子が呼び止めた。
「前田さん、ちょっといいかな?」
 こんなときに、と思いながらも了承して体育館裏に朝希はついていった。
「なんでしょう。ちょっと目が腫れてますが気にしないでください」
 朝希の言葉に、男子の顔が曇った。
「泣いてたの?」
「ま、まあ、それはいいとして。ご用件は何でしょうか?」
「あ、そうだね」
 その男子は自分の指を伸ばしたり握ったりしながら、言葉を紡いだ。
「中学のときから一緒だったの気付いてたかな? 前田さん」
「えーっと、ごめんなさい」
「そっか、でも僕はずっと見てたんだ、前田さんのこと。
好きです。つきあってください」
 さすがに、この言葉には朝希も動揺した。
 女子からの告白は何度もあったけど、男子からは初めてだった。
「聞いてもいいですか? 私をなぜ好きになったんですか?」
「え? 
ぐ、具体的に言われると困るけど、前田さんは本当は繊細だと思うんだ。だから、守ってあげたいなと思って」
 意外な言葉ばかりに、朝希は唖然とする。
(守ってあげたい? そんなこと言われるなんて)
「えっと、とりあえず、名前を教えてください」
「あっ。緊張のあまり言い忘れてた! 佐藤真樹といいます」
 可愛い人だなと、朝希は笑顔になった。


      「広大の場合」5に続く(いつも長くてすみません)

アルファポリス「第3回青春小説大賞」(開催期間は2010年11月1日~2010年11月末日)にエントリーしています。

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