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天音花香の小説をUPするブログです。個人サイトの小説はこちらに移しました。現在二時創作と短編を中心に書いています。
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天音花香
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女性
職業:
主婦
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。一応文学部でです。ですが、大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、主婦になってから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。
もう一つのブログでは香水についてレビューをしております。
http://yaplog.jp/inka_rose/
こんな私ですが、宜しくお願いします。





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こんにちは、天音です。


自分は一目惚れをしたことはありません。
けれどそういう恋もしてみたかったなとは思ったり(笑

ということで、今回は、一目惚れをお送りいたします。
         

ココから小説


         一目惚れ




 空にはたくさんの白い雲。煩いほどの蝉時雨。夏のこんな暑いときになんで私は自転車をこいでるんだろう。

 私、山崎 鈴歌14歳。今年初めて学習塾の夏期講習に行くことになった。
 私は勉強が好きでなかったし、塾に行きたいなんてちっとも思っていなかったけれど。
 友達の少ない私の唯一の友達の沙織は頭がよくて、進学塾に中一の頃から通っている。私はそんな進学塾には通えないので、とりあえず学習塾の夏期講習になったわけだ。
「行きたくないな……」
 引っ込み思案で自分から話すのが苦手な私。塾に行っても友達もできる気がしなかった。かといってこのままどこかへ行くだけの勇気もない。
 私はため息をひとつついて、自転車をこぐ脚に力を入れた。

 
 塾のクラス案内を見て、二階の教室に向かう。どの教室もざわついていた。
 私は教室の番号を確認して、自分の教室のドアを思い切って開けた。
 生徒が意外にも多くて、ほとんど席が埋まっていた。私は開いている席で一番ドアに近い席についた。
 そのとき。
 カタンと何かが落ちる音がした。私は慌てて振り返る。隣の席の男子の筆箱が落ちていた。
「ご、ごめんなさい」
 私はあわてて筆箱と筆箱から落ちたシャーペンを拾った。
「別に、大丈夫」
 そう言った男子の顔を見て。私は一瞬言葉を失った。
 一目ぼれなんて絶対自分はしないと思っていた。
 私は目がチカチカするような感覚を覚えて何度か瞬きをした。
 どこにでもいそうな男子なのに。なんだかその男子が特別に見えたのだ。
 慌てて目をそらして、もう一度席に座る。かばんから筆記用具と携帯電話を取り出して、意味もないのに携帯電話のメールチェックをしてみたりした。
「携帯」
 隣のその男子が小さく言った。
「俺のと同じだ」
 言われて見ると、確かに同じ機種だった。色も白で同じだ。私はわけもなくどきどきした。
「本当だ」
 声が裏返った。恥ずかしい。
「どこ中?」
「西中」
「ふうん。俺は中央」
「ふうん」
 私は目をうろうろさせながら答えた。まともに彼の顔が見れなかった。そして、気の利いたことの言えない自分にがっかりした。
「俺、秋山 祐樹。あんたは?」
「え!?」
 私はうろたえた。
「名前だよ」
「あ、うん……。山崎 鈴歌」
 名前を訊かれるとは思っていなかった。心臓が煩い。頬が熱くなる。
「山崎さんはこの塾初めて?」
「うん」
「俺も」
 秋山君は初めてちょっと微笑んだ。また目がチカチカした。
「ま、よろしく」
「う、うん」
 身体中が熱い。私はうつむきながら返事をした。
「赤外線でアドレス交換しよ」
「ええ?!」
 私の声が高く響いて、私は慌てて口を手でふさぐ。なんだろう、この人軽い人なんだろうか。
「携帯貸してよ」
「う、うん……」
 私はおずおずと携帯を渡した。
「はい、送ったから」
「えっと、うん。ありがとう……」 
 私の返事と同時に教室のドアがガラリと開いて、先生らしき男性が入ってきた。
「はい、授業始めるぞ~。
その前に。授業中は携帯電話は鞄の中にいれておくようにな~」
 先生の言葉に私は慌てて携帯電話を鞄にしまい、秋山君はゆったりとした態度で携帯を鞄に入れた。



 学校の授業より退屈ではなかった。それが塾初日の感想だが、正直授業はほとんど頭に入っていなかった。隣の秋山君と、秋山君のメルアドの入った携帯電話が気になって。
 その日の授業が終わった後、秋山君は、
「じゃあね、山崎さん」
 と言って、すぐ教室を出て行った。後を追うように教室を出ると、他の教室から出てきた男子と一緒に話しながら秋山君は階段を降りていくところだった。
(なんだ、友達が塾に来てるんだ)
 自分と同じように知人がいなくてひとりぼっちだと思っていた私は、勝手に面白くない気持ちになった。  
 その夜、携帯を片手に私はベッドの上で体育座りをしていた。メールを送っていいのだろうか。送るとしたらなんて? それより、自分から交換してきたんだから、メールぐらいしてくれてもいいのに。
 時計の針が0時を回った。結局秋山君からメールは来なかった。私もメールを送ることはできなかった。なんだか疲れて私はベッドに入った。

 翌日。私はどの席に座ろうか迷ったが、結局昨日座った席に座った。すると、
「暑いな。自転車だと汗だくになる。教室はエアコンが効いてて助かる」
 秋山君の声が降ってきた。とっさに見上げると、秋山君が隣の席をひいて座ろうとしていた。
 えっと、私に言ったのかな……。
「何で来てる?」
 秋山君の目が私を見ていた。私は目をそらそうとしたけれどできなかった。ずっと見ていたいと思った。
「……」
「聞いてる?」
「う、うん。自転車、私も」
「暑いよな。自転車」
「そうだね」
「なんか疲れてる?」
 心臓がはねた。
「う、うううん」
 急いで首を左右に振った。
「そ? なんか目が眠そう」
「え?! そ、そうかな? えっとちょっと夜更かししちゃったかも」
 目をこすった私に秋山君はくすりと笑みをもらした。
「やっぱり? そんな顔だよ。先生に当てられないといいな」
「う、うん……」
 計ったように先生が入ってきて、私は口を閉じた。秋山君も前を向いた。

 夏期講習の間、私も秋山君も同じ席のまま毎日を過ごした。
 秋山君が私には分からなかった。親しげに話しかけてくるのに、帰りはさっさと帰ってしまうし、毎日携帯とにらめっこしていても一向にメールもしてくれない。何のためのアドレス交換だったのだろう。
 そして、夏期講習の終わりの日が来た。
「おはよう」
「おはよう」
 秋山君から声をかけてくるのにもやっと慣れた頃なのに。
「今日で最後だな」
「……そうだね」
「学校はエアコンないから暑いだろうなあ」
「そうだね」
最後の会話になるかもしれないのに、話題はエアコン……。なんだかため息が出た。
「どうかした?」
「う、うううん。別に」
「ふうん。また寝不足か?」
 秋山君は私の目をじっと見つめながら話しかけてくる。誰にでもそうなのだろうか。
「大丈夫」
「そっか」
 その日も何事もなく時間は過ぎていき、塾は終わった。
 夕焼け雲の中を自転車をこぐ。秋山君の顔を思い出してなんだか切なくなった。秋山君は中央中。もう会うこともないなんて。茜色の空が滲んだ。


 その日の夜はなかなか眠れなかった。明日から学校なのに、学校のことは考えられなかった。でも携帯は机に置いたままだ。どうせメールもこないだろうし。メール……。
 ……メール、してみようかな。来ないならしたらいいんだ。どうせ会うこともないんだから、と思うとなんだか勇気もでる。だめもとで……! でもなんて送ろう。
 私は携帯を手にとってメールの画面を出した。
「うーん」
 好きですという言葉が浮かんで、私は一人赤面した。秋山君のこと何も知らないのにどうして好きっていえるんだろう。でも、一目見たときから私は恋に落ちちゃったんだと思う。でもでも、いきなりメールでそんなこと……。
「また会いたいな、ぐらいかな」
 どこで会うつもりなんだ、と思うとこれも違うかと打った文字を消去する。
「塾は終わったけど、また会えるといいね」
 これぐらいならいいかな。無視されてもくじけないようにしないと。と思って送信を押そうとすると、電話が鳴った。
 電話の相手が画面に表示される。その字を見て、私は心臓が止まりそうになった。
「はっ、はい!」
 秋山君だった。
「もしもし。今大丈夫? 寝てなかった?」
「全然大丈夫!」
「そう」
「う、うん」
 電話から秋山君の声がするのは新鮮で、そして照れくさかった。
 不自然な沈黙が流れる。
「……あのさ」
「うん?」
「山崎さんも二学期も塾くれば?」
「え?」
「俺、二学期からもあの塾通おうと思って」
 頭の中に?マークがたくさんになって、私はなんて答えたらいいのか分からなかった。それはつまり……。
「……学校が違っても塾で会えるから」
 不機嫌そうな秋山君の声に、私は何か悪いことをしたのかとおろおろして内容が頭に入ってこなかった。
「聞いてる?」
「えっと、塾の話だよね」
「そうだけど、そこじゃないよ。大切なのは」
「そうなの?」
「だから、塾で会おうなってことだよ」
 秋山君の怒ったような声。ようやく私は何を言われているのか悟った。頬がかっと熱くなった。会えるといいねとメールしようとした私。そんな私に秋山君は会おうと言ってくれたのだ。なんだか夢みたい。
「会えるの? 塾に行ったら秋山君に会えるの?」
「そ、そう。そう言ってる」
「だったら、行く! お母さん説得する! 多分行けって言われる!」
「お、おう」
 また沈黙……。
「べ、別に誰にでも言ってるわけじゃないからな」
「そうなんだ」
 私はなんだか身体が宙に浮いているような心地だった。
「電話、凄く嬉しいよ。
でも、なんでメールとか今までくれなかったの?」
「いや、送ろうとはしたけど……」
 また怒ったような秋山君の声。そうか、この怒ったような声は照れている声なんだ。そう分ったとき、私はなんだか嬉しくて顔がにやけるのを止められなかった。
 メールを打っては消している姿の秋山君を思い描くとますます顔がニマニマした。
「私、さっき送ろうと思ってたんだ。そしたら電話がきたの」
「そうなの? アドレス教えたのにそっちも全然送ってこないから、関心がないのかと思ってた」
「そうなんだ」
 私たちは笑いあった。
 秋山君も私と同じ気持ちなんだろうか。そこまでは分らない。でも、関心がないわけじゃないんだ。会いたいと思える存在なんだ。それだけで今は十分だった。
「それじゃあ、また塾でな」
「うん。えっと、メールもする」
「おう」
 電話を切ってからも耳が熱かった。秋山君にまた会える。それだけでこんなに嬉しい。そうだ、お母さんに早く塾について言わなきゃ!
 私は慌てて二階の自室から階段を降りて台所のお母さんのもとへ向かった。


 
                         了


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 今日はこのくらいで……。



 ここまで読んでくださりありがとうございました。
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 それではまた近いうちに!              


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