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天音花香の小説をUPするブログです。個人サイトの小説はこちらに移しました。現在二時創作と短編を中心に書いています。
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天音花香
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性別:
女性
職業:
主婦
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。一応文学部でです。ですが、大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、主婦になってから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。
もう一つのブログでは香水についてレビューをしております。
http://yaplog.jp/inka_rose/
こんな私ですが、宜しくお願いします。





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こんにちは、天音です。

小説は久しぶりになります。
しっかし、私はありがちなべたな小説ばかりだなあと自分で思っちゃますね。
そういうべたな小説ですが、読んでいただけると嬉しいです。「おそろい」


         

ココから小説


         おそろい


 今日の私は昨日の私よりちょびっと可愛い(ハズ)。
 髪を結ぶ位置を少しだけ高くして、いつもは普通のリップだけれど、今日は薄いピンクの色付きリップを塗った。そして、左中指にキティちゃんの絆創膏。
 よし、大丈夫。
「おはようございます」
 言って教室に入って、黒板を見る。その隅に書いてあるのは私の名前と矢野君の名前。今日は好きな人と日直の日。
「お、おはよう! 矢野君。私、日誌とってくるね」
「あ、いいよ、俺が行くから」
「えっと……」
(それじゃあ、一緒に、なんて言えるわけないよね)
「じゃあ、お願いします」
「うん、行ってくる」
 爽やかな矢野君の笑顔に、胸がきゅんとして苦しい。やっぱりかっこいいな、矢野君。
(リップ、気づいてくれたかなあ……)

 授業の合間の黒板消し。
 私の届かない高いところを矢野君が消してくれた。
「あ、ありがとう……」
「どういたしまして」
 矢野君との距離がとても近くて、私の心臓は早鐘を打った。頬も熱い。きっと赤くなってる。恥ずかしい。けど嬉しい。先生、もっと黒板に書いてくれてもよかったのに。
「森木さん、具合悪い? なんか赤いけど、座ってていいよ? 俺消しとくから」
「うううん、そんなことないよ? 大丈夫だよ? 私も日直だもん、矢野君だけにやってもらったら悪いよ」
「気にしなくていいのに」
「大丈夫!」
 せっかく矢野君の近くにいれるんだもん。
 矢野君がくすりと笑った。
「森木さん、いい人だね」
「そ、そんなことないよ?」
 ちょっと心が痛む。一緒にいたいという我儘からだから。
 そんな私の内心に気づくこともなく、惜しげなく笑顔を見せてくれる矢野君につい見入ってしまう。
 好きになってからどんどん矢野君がかっこよく見えるようになって、戸惑う時がある。これ以上かっこよくなったら、直視できないかも。

 授業が一限、二限と過ぎていく。まだ終わらないで。もっとゆっくり時が過ぎますように。
 そう思っていても一日はあっという間に過ぎていく。

 放課後。
「日誌書こうか」
「う、うん。あ、私書くから、矢野君は内容考えて?」
「内容かあ。そっちの方が難しい気がするけど?」
 矢野君が笑った。
 西日の差す教室で、机を挟んで矢野君と向き合う。机、結構小さいんだな。矢野君の前髪が私の前髪に時々あたってくすぐったい。全神経が髪に集まったみたい。矢野君の髪って、日に透けると茶色になるんだな。どきどきする。
「森木さんの字って丸っこいね」
「そ、そうかな?」
「女の子らしい字」
「ありがとう、でいいのかな」
 そんなこと言われたら、書きづらいよ。でも、でも、女の子らしいって嬉しい!
「あ」
 不意に矢野君が声を発した。
「どうしたの?」
「森木さん、左手の中指」
 どきりとした。気づいた。矢野君が気づいた。
「うん、昨日お母さんの料理の手伝いしていてちょっと怪我しちゃったの」
 嘘だった。
「そうなんだ? お手伝い、偉いね。それ、キティちゃん? 可愛い絆創膏があるんだね。俺も左手の中指、一昨日怪我して絆創膏」
 知ってる。だから怪我もしてないのに自分の指に絆創膏を貼ったのだ。
「お、おそろいだねっ!」
 そう言って顔を上げて矢野君を見ようとすると、ごつんと音がした。びっくりして目を上げると矢野君の顔しか見えなかった。近い。近いよ。さっきのは……。
「あ、あははっ」
 矢野君が笑い出した。
「ふ、ふふふっ」
 私もつられて笑ってしまった。
「でこ、痛くない?」
「うん、大丈夫」 
「こっちもおそろいだね」
 矢野君の言葉。
「う、うん……!」
 日誌を書き終わって、職員室に出しに行く。
 今日はあっという間の一日だった。矢野君とお揃いの絆創膏に触れる。一日を振り返って、思わず微笑んでしまう。いい一日だった。
 あれ?
「? 矢野君、まだ帰ってなかったの?」
「うん。森木さんって○○町の方だよね? 俺も方向一緒なんだ。遅くなったし、一緒に帰ろうかなと思って」
 サプライズだ。
「うん、一緒に帰ろう」
 私は満面の笑みで返事をした。矢野君も笑った。ちょっと恥ずかしそうな笑みだった。
 日が沈もうとしている。
 地平線が橙色に染まって、空気まで橙色になったみたい。
「綺麗だね、夕焼け」
「うん」
 私と矢野君はポツリポツリと話しながらあるいた。
「あのさ、森木さん、今日唇に何か塗ってるの?」
「!」
 矢野君が気付いた!
「う、うん。今日は色付きリップを塗ってるんだ」
「ふうん」
 矢野君はこっちを見ないでそう返事した。なんだか拍子抜けだ。
 がっかりして歩いていると、
「それ、可愛いかも」
 こっちを見ないまま矢野君がそう言った。夕日のせいなのか、矢野君の顔が紅く染まっているように見えた。
「え、えっと……ありがとう」
 しばらく無言で二人で歩く。
「あ、私、こっちだから……」
「あ、うん。じゃあね」
 このまま別れちゃうのかな。それはいやだな。どうしよう。どうしようかな。
「あのっ!!」
 矢野君が振り返る。
「今日、矢野君と日直、楽しかったよっ」
 胸が痛い。顔が熱い。でも言いたかった。
 矢野君がこっちに歩いてきた。
「うん。俺も楽しかったよ」
 にっこり矢野君が笑う。ああ、こんなにもこの笑顔が愛しい。私、やっぱり矢野君が好きだ。
「森木さん……」
 矢野君がちょっと言い辛そうに口を開く。
「……色付きリップは、いつもはつけない方がいいと思う、な……」
 つぶやくような声で矢野君が言う。 
「え?」
「キスしたくなるから」
 そっぽをむいた矢野君の口からもれた言葉。矢野君の耳が紅くなっていた。
「ええ!?」
「な、何でもないっ。じゃあね、森木さんっ」
「え、ええ?!」
 矢野君は走っていってしまった。
 えっと……。これはどういう意味なのかな。心臓がバクバクいって、思考が麻痺してしまう。
 えっと……。期待していいのかな。期待しない方がいいのかな。わからない。明日、どんな顔をして矢野君に会えばいいのかな。わからない。どうしよう。
 でも……。気持ちもおそろいだといいな。


 
                         了


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 今日はこのくらいで……。



 ここまで読んでくださりありがとうございました。
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 それではまた近いうちに!              


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