忍者ブログ
天音花香の小説をUPするブログです。個人サイトの小説はこちらに移しました。現在二時創作と短編を中心に書いています。
カレンダー
08 2017/09 10
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
リンク
フリーエリア
最新コメント
[08/15 激安ブランド館N品激安専門店]
[06/26 カルティエ 結婚指輪 ラニエール]
[08/05 天音花香]
[08/05 藍]
[07/21 天音花香]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
天音花香
HP:
性別:
女性
職業:
主婦
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。一応文学部でです。ですが、大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、主婦になってから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。
もう一つのブログでは香水についてレビューをしております。
http://yaplog.jp/inka_rose/
こんな私ですが、宜しくお願いします。





ランキングに参加しております。よろしければ下のバナーをクリックしてください!


にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村

ブログランキングのブログん家


ネット小説情報局


オンライン小説検索・小説の匣


文芸Webサーチ


カテゴリ別オンライン小説ランキング

オンライン小説/ネット小説検索・ランキング-HONなびtitle="オンライン小説/ネット小説検索・ランキング-HONなび"width="200"height="40"
border="0">



NEWVEL2


『小説家になろう』


『MEGURI-NET』


『NEWVEL』





別名で小説を出版しております。

クリックで救える命がある。
バーコード
ブログ内検索
P R
アクセス解析
フリーエリア
フリーエリア
[ 84 ] [ 85 ] [ 86 ] [ 87 ] [ 88 ] [ 89 ] [ 90 ] [ 91 ] [ 92 ] [ 93 ] [ 94 ]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



こんにちは、天音です。


今年も薔薇の季節がやってきましたね。
主人の母は花を育てるのがとても上手で様々な種類の薔薇を育てていらっしゃいます。
もう蕾がたくさんついていました。
咲くのが楽しみです。


このブログ、小説ブログに載せている全ての作品の著作権は天音花香にあり、放棄しておりません。
無断転載、許可のない販売は禁止です。
某サイトにて著作権侵害、違法販売されていた私の作品の販売が停止されました。
FC2さまと応援してくださった皆様方のおかげです。本当にありがとうございました。



ココから小説





             薔薇1





 六年ほど前のことだ。

当時高校生だった私は、薔薇のよい香に誘われて、坂の上の白い西洋風の家の前で自転車を止めた。庭中にそれは見事な薔薇が咲き誇っていた。拳ほどあるそれらの花は、赤系に統一されていて、秩序のある落ち着いた華やかさがそこにはあった。

 私はしばらく薔薇に魅入っていたのだが、ふとあることに気が付いた。その家には、一つだけ閉まった窓があったのだ。目を凝らすと、レースのカーテンの隙間から、ベッドと、その上に寝ている人影が見えた。病気だろうか? 気の毒だとは思ったが、それ以上の関心はなかったので、その日はそのまま帰った。むせるような薔薇の香だけがその場を離れても漂っていた。

それからも、帰り際にその家の前を通る日が続いたのだが、窓は開くことはなかった。相変わらず薔薇は美しい。だが、その庭に人影を見ることはなかった。それは悲しいことのように思えた。

そんなある日のことだ。いつものように自転車を止め、花に魅入っていると、庭に珍しく人がいて、私のほうにやってきた。美しい女性であったが、その顔は青白くやつれていて、どこか悲しげであった。その女性は言った。
「いつも来てくださってるんですって? 窓から見えると息子が言っていたわ。薔薇がよほどお好きなのね」

  寝ていたのは、この女性の息子さんだったのか。
「息子さん……、ご病気なんですか?」
  私の問いに、その女性は悲しく微笑んだ。
「ええ……。ちょうどあなたぐらいの年なのよ。でも学校にも行けなくて……。あなたを羨ましがっているわ。これ、あの子からなの。受け取ってくださる?」
 それは一輪の薔薇だった。薄すぎもせず、濃すぎもしない、ピンク色をした、可愛らしい薔薇。一緒に渡されたメッセージカードには「あげる」とだけ書いてあった。私は思わず、窓を見上げた。そこには透けるように白い肌と華奢な身体をした、少女のような少年がいて、私と目が合うとふわりと微笑んだ。優しげなその微笑みは、儚くて、胸をつかれた。彼の世界は、窓から見えるところだけ。私はたまたまそこへ訪れた異邦人。彼はそんな旅人を毎日どんな思いで待っていたのだろう。
 なんだか急に切なくなって涙が溢れた。少年が手を振ってベッドの方に消えた後も私は立ち尽くしていた。どうしようもないやるせなさだけが胸に残った。

それから二日後のことだ。家中、黒いカーテンが閉められていて、奇妙に思っていた私に、少年の母親は告げた。少年の死を。その数日後、少年の薔薇も枯れた。

月日が経つごとに薄れていく記憶の中で、少年の微笑みは薔薇が咲くたびに蘇る。
そして今年もまた薔薇の季節がやってくる。



                   了




薔薇2





桜が散った。
今年暖かい日が急に訪れて、桜は満開になった。だが、花冷えというのだろうか。 冷たい雨にさらされ、ほんの数日で散ってしまった。それは幻だったかのように。
それから少し経った時だった。
買い物帰りに、ふとミニ薔薇が咲いているのを見つけた。

正直驚いた。冬にも咲く薔薇はこの時期だけ咲いているのを見ない。
(ミニ薔薇は咲くのか……)
 その姿は可憐ではあったが、一見では他の花と見間違うようであった。
 ミニ薔薇は、やはり薔薇には正直劣る気がした。でもそれはそれで、ただ、私はその花を美しいと思えることに安堵した。

そう、薔薇が咲き誇る季節、薔薇はうっと惜しいばかりに、その美しさを私たちに、否、私に押し付けれる。
薔薇は時期を選んで咲いていると思うのは私だけだろうか。 五月、春の花が静まったあと、新緑の季節に、太陽の光を全身で浴びて、華やかさを惜しみなくアピールする。その姿、色香は完璧。薔薇が嫌いというわけではない。むしろ、最も好きな花である。だが。
この香、花を見ていると狂おしいほどの想いが蘇る。

  「貴方は元気でしょうか?」

 私の心に変わらぬ姿で浮かぶ貴方の姿。そのせいで、この、幸せになれるはずの香は、幸せではなく、切なさを運んでくる。もう、忘れたはずなのに。愛していない、恋していない。はず。 なのに。叶わぬとわかっていた片思いだったからだろうか。 この香に想いが呼び起こされる。

「君の一番好きな花を贈るよ」
といって、薔薇を贈ってくれなかった貴方。重い鉢植えの、値段だけがやけに高い花は、花が咲かなくなっている。そう、貴方は、私の思いを枯らすために、わざと育てにくい花を選んだのね。ひどい人。

こんなはずではなかった。
長年抱えていた行き場のない想い。それは叶わないと知っているからこそ、引きずっていたと思っていた。
 やっと好きな人ができて、貴方が他の女性と話すのを見ても、心に波風が立たなくなって、正直ほっとした。やっと開放されたと思った。

でも。
なぜあのときあんなことを思い立ったかはいまだに分からない。
「私、貴方のことが好きだったんですよ」
過去形の告白。いったい何がしたかったのだろう。
貴方は少しだけ驚いた顔をして、そして、微笑んだ。
「それは光栄ですね」
その顔を忘れない。そう言って、数年ぶりに見た貴方の笑顔は、儚いものだった。

私は思った。これで貴方はきっと私を忘れないだろう。
そう思うと、意地悪な気持ちと、嬉しい気持ちが私の中で溶けあった。ある意味、快感でさえあった。 そして、私はその気持ちを抱えたまま、嬉々としながら、当時好きだった人へ「好き」という気持ちだけを注いだ。
「好き」という感情に飲まれて、私のあの奇妙な感覚は消えていった。それでいいと思ったし、そうでなければならなかった。
貴方に片思いをしていたときほど、苦しく、でも幸せなときはなかったので、それに縛られるのは嫌だったのだ。過去のこととして、綺麗な思い出になればいいと思っていた。なのに。

貴方を忘れた当時、好きだった人は。好きという勘違い。憧れに近かったのだと思う。距離があった。外から眺めるだけの、一方的な恋。なのに、彼を知っている、と思い込んで、虚像に恋をしていた私。近づけば近づくほど、そのギャップに私の心は混乱した。それと同時に、貴方への想いはじわじわと蘇ることとなった。正直誰が好きなのかわからなくなっていたし、でも、二人に対するそれぞれの想いは、似て非なるものだと思った。だが、結局心の中に残ったのは、貴方への想いだった。

薔薇は私の最も好きな花。 でも、最も憎い花。
その香で思い出させないで。薔薇が綺麗に咲く時期は貴方の誕生日の季節。嫌でも貴方を思い出す。

くだらない。なぜ幾年もたった今なのに、なぜその日を忘れられないのか。私には関係のない日なのだ。なのに。こんなにも胸が疼く。薔薇の香が、頭を支配し、まるでそれに酔ったように、心に貴方を好きだった頃の想いを蘇らせる。違う。こんなのを望んだのではなかった。逆なはずだった。でも、きっと貴方は私を忘れ、私だけが、こんな狂おしい想いに駆られているに違いない。薔薇。大好きなのに。大好きなだけだったのに。

そして今年も薔薇の季節がやってきた。 変わらず薔薇は美しい。

私は、そばの薔薇を手折って、鼻を押し付けた。濃厚で高貴な香が私のすべてを支配する。 本当に美しく、憎い花。私は貴方への想いを断ち切るように、その薔薇の花を掴み、花を散らした。

                                                                                                                              了


 この作品を気に入ってくださいましたらクリックをお願いいたします。



 ここまで読んでくださりありがとうございました。
 拍手、ときどきいただいております。嬉しいです。一言あるともっと喜びます。

 また、ランキングに参加しております。
 プロフィール下のバナー、たくさんありますが、クリックしていただければ幸いです。



 それではまた!               天音花香 

拍手[0回]

PR
Comment
Name
Title
Font Color
Mail
URL
Comment
Password

Copyright © 天音花香の小説ブログ All Rights Reserved.
Powered by Ninjya Blog 
忍者ブログ [PR]