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小説をおいております。 『いざ、出陣 恋戦』シリーズの二次創作、『神の盾レギオン 獅子の伝説』の二次創作、そして、高校生の時に書いた読まれることを前提にした日記と、オリジナル小説を二編のみおいております。
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HN:
天音 花香
性別:
女性
職業:
主婦業メイン
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、結婚後落ち着いてから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。

クリックで救える命がある。
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こんばんは、天音です。

この小説は、六道 慧さんの「神の盾レギオン 獅子の伝説」の二次創作です。
(古い作品なので、知らない方が多いとは思いますが……)
登場人物は左のリンクにある「登場人物」を参照されてください。

異例の早さの更新ですが、
今回から先はまだ頭の中をぐるぐるしている状態なので、


更新が遅くなります。
次回はたぶん、サイトの小説をこちらに移す作業になるかと……。

コメントいただければ喜びます。
それでは、お楽しみいただければ幸いです。


ココから小説



「ただいま参りました」
 王の間へ通されたマーニが、一礼して、部屋に入ると、先客がいた。
 マーニより少し年下であろうか? 若者が跪いていた。マーニもその若者に習い、跪く。
 いったい何の用であろう・・・・・・。ハシム殿下の一件は解決したし……。
 胃が、痛む。
「よい、ルアザン大将、フランドル少将、面をあげよ」
「は」
 マーニとフランドル少将と呼ばれた若者の声が重なった。
 アリク王は笑顔だが、この狸おやじは何を考えているかわからない。
 マーニは黙って王の言葉を待つ。
「……今日、二人を呼んだのは、だな。
実は、ソリスの従者についてなのだが……」
 アリク王の言葉にマーニがぴくりと肩を震わす。
 やはり覚えがない。自分には。
 ということは、王子が何かしたとしか思えないのだが……。最近は大人しくしていた、はず……。
 アリク王の顔を注意深く見て探ってみるが、アリク王は柔和な笑みを浮かべているだけである。
「……」
「ルアザン大将、そう緊張せずともよい。ソリスは何もしておらぬし、そなたに落ち度もない」
 アリクの言葉に、ほっとマーニは胸を撫で下ろした。と同時に、疑問が湧き上がる。では、なぜ自分は呼ばれたのだろう?
「ただ……、まあ、ソリスも今年で19になる。そろそろ妃候補が出てきてもいい頃だと思ってな。そうは思わぬか?」
「はあ・・・・・・まあ・・・・・・そうですね」
 アリク王の意図を量りかねてマーニは歯切れの悪い返事を返した。
「ルアザン大将は大変優秀である。だが、いささかソリスと仲が良すぎる気がしてな。父親としては少し心配をしているのだよ」
(な!?)
「恐れながら、ソリス殿下は私を女性だと思っていない様子。そのようなご心配は無用にございます!
女だからという理由で、ソリス殿下の従者を辞めさせられるというのでしたら、私は納得がいきません!」
 エル・カルーの女は、女であることで侮辱されることを極度に嫌う。無論、マーニも例外でない。
 怒りに肩を震わせ、思わずマーニは口にしていた。
「ふうむ。
……しかし、まあ、ソリスの性格からすると、そのようなことにならないとも限らないと思わぬか?
何、これは降格ではない。従者を交換しようと思ってな」
「交換?」
「そうだ。フランドル少将はミレトスの従者でな」
「ミレトス様の?」
 ミレトス殿下。ソリスの弟で、確か12歳になったばかりのはずだ。
「そうだ。このフランドル少将は、大変優秀な若者でな。
フランドル少将、ルアザン大将に挨拶を」
「アルベルト・フランドルと申します、マーニ・ルアザン大将。大将の噂は私の耳にも聞き及んでおります。どうか今後ともよろしくお願いいたします」
 黒く涼しい眼が、まっすぐにマーニの目を捕らえた。ターバンから出ている髪も闇のように黒かった。
 黒?
「フランドル少将は、リュカーンの母親を持つゆえ、髪も、目も黒い。しかし、そんなことはどうでもよいことだ。重要なことは、優秀であるかどうか。そうであろう? ルアザン大将」
 マーニの反応に気づいたのか、アリク王は言った。
「は、もちろんにございます」
「アルベルト・フランドル少将。ご丁寧な挨拶痛みいります。
私はマーニ・ルアザン。こちらこそよろしくお願いいたします」
 アルベルトに挨拶を返したところで、マーニは何か重要なことを忘れているような気がして、はて、と思う。その時だ。
「父上~」
 元気な声が響き、一人の少年がアリク王に抱きついた。赤い髪に琥珀色の瞳。背はマーニより少し低いぐらいだろうか。悪戯っぽい光を宿した瞳はソリスに少し似ていた。
「おおお、ミレトス。よく来た」
 アリク王が目を細める。
「ミレトス様。王にまずご挨拶です」
アルベルトがミレトスにあわてて声をかけた。
「はいはい、アルベルトはいちいち煩いんだから」
 口でいいながら、ミレトスは王に一度跪いた。
「よいよい」
 アリク王は笑っている。
 マーニは隣にいる少年に同情をした。ミレトス殿下も手のかかる王子のようだ。
「ちょうどよかった。ルアザン大将だ」
「マーニだね? わーい! これからよろしくね!」
 無邪気に笑ったミレトスに、はっとマーニは我に返った。
 そ、そうだった。わたしは何をのん気に挨拶などをしているのだろう。
 王は、「従者を交換する」と確かに言った。
「いえ、わ、私は……」
 慌てて三人を見回す。同情の光を宿した黒い瞳、期待に満ちた琥珀色の瞳。そして、笑顔だが、目は笑っていないアリク王がいた。
 ハシム殿下の件で、マーニはソリスに一生仕えようと心に決めた。その直後だというのに……。
「・・・・・・。
よ、よろしくお願いいたします」


「アルベルト殿。えっと、ですね。ソリスさまは、まあ、いろいろ問題のあるといったら失礼ですが・・・・・・、たぶん、ミレトスさまよりももっと手のかかるお方だと思いますので……苦労をされるとは思いますが、頑張ってください。何かございましたら、なんでも私に訊いてくださって構いませんので……」
 王の間を後にしてすぐに、マーニはアルベルトに声をかけた。
 優秀だとは言え、自分より4つも年下のこの少年に、あの馬鹿王子の世話ができるのかと、かなり不安を覚えながらも、マーニはそう言うことしかできなかった。
 ソリスさまの従者のお役目御免。かつてだったら、喜ばしいことだったのかもしれない。だが、マーニの心は自分で思う以上に沈んでいた。
 ソリスさま……。
「ミレトスさまも、……元気すぎる王子でいらっしゃいますので、マーニ殿、くれぐれもよろしくお願いいたします」
(元気すぎる……なるほど……上手い表現をされる)
「では、私はソリス殿下にご挨拶を……」
 そういって、足早に去ろうとするアルベルトの腕をマーニは掴んだ。
「待ってください。ソリスさまには私から……。最後にいろいろ言うこともありますし……」
 有無を言わせず、アルベルトを止めることが出来たものの、マーニは途方にくれた。
 ソリスさまになんと説明したらいいのやら……。
 やはり、マーニの胃痛は治まらない。

                    3へ続く……


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