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天音花香の小説をUPするブログです。個人サイトの小説はこちらに移しました。現在二時創作と短編を中心に書いています。
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天音花香
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女性
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主婦
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。一応文学部でです。ですが、大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、主婦になってから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。
もう一つのブログでは香水についてレビューをしております。
http://yaplog.jp/inka_rose/
こんな私ですが、宜しくお願いします。





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こんにちは、天音です。


今回の小説は高校生のときに書いたものを一部書き直したものです。
ちょっと私にしては珍しい感じかもしれません。

今回はまだ載せませんが、近いうちに、
「未来の誰かに送る日記」
というものを公開していく予定です。
私が高校二年生のときに、未来の誰かが読むことを想定して書いていた日記です。
サイトの方にアップしていたのですが、それは思いっきり省略していまして・・・。
主に日記の内容だった、片思いの話と、受験の悩みを削った形で公開しておりました。
でも、いろいろ考えた結果、公開するために書いた日記なのだから全て公開しようと思いまして・・・。
長いので、分割して載せて、それに対して一言コメントを書こうかと思います。

小説、二次小説はこれからも平行して書いていきますので、どうぞこれからもよろしくお願いします。


それでは、話をもとに戻して・・・。
小説、読んでくだされば嬉しいです。


ココから小説



           声


           1
 

 見慣れた、薄汚れた白い天井が見える。
 鈍い頭痛と吐き気。私、美月 沙匂羅(みつき さくら)はいつものように、保健室のベッドに横になっている。私は変わり者で有名だった。無口で、いつも一人でいるし、毎日保健室に行くかららしい。まあ、別にどう思われていようと私は一向に構わないけれど。
 実際私は変わっていると自分でも思う。というのも、私は超能力者だからである。と、たいそうなことを言ってしまったが、そんなに凄いものではない。――自然と同調する力と、世界に存在するものの心を聞く力があるだけだ。
 
 私は幼いころから原因不明の体の痛みに悩まされていた。母親は何度も違う病院に私を連れて行った。その度にいろいろな検査をされたが、やはり原因は不明だった。結局、ストレス性だとか、自律神経失調症などで片付けられた。
 本人である私は、体の痛みよりも、検査の方が苦痛になっていき、病院に行くのを嫌がった。それからはそのままだ。
 原因は些細なことで判明した。小学校低学年のころだったと思う。男女の友人たちと公園で遊んでいたときだ。不意に男子が桜の木の枝を折った。そしてそれを振り回していた。そのときだった。
 ――イタイ――
という「声」と共に私の腕にも激しい痛みが走った。同じようなことが何度かあって、自分の体はどうやら地球上のものと同調しているらしいことが分かってきた。それも近ければ近いほど明確に。
 ここ最近、自然破壊が進んでいるため、同調している私の身体も痛み(だるいと言ったほうがいいのだろうか。鈍い痛みで、なんとなく調子が悪い)を訴え続けている。そのせいで、こうして毎日保健室に通っているのだ。

 「声」のほうは。
 思い出して私は憂鬱になった。小学生ぐらいの思考回路は単純で、私の脳に響いてくる「声」もいたって単純なものだった。だから、あまり気にしていなかった。しかし、私は致命的な間違いを犯していた。皆にも聞こえているものだと思っていたのだ。そして。
「はい。○○ちゃん。これ、落として探してたんでしょ?」
 私は好意からしたことだった。ところがその子は。
「私、さくらちゃんに言ってないよ? な、なんで分かったの?」
 私は首をかしげた。
「聞こえたから。
聞こえないの?」
 それから、私は友人を失くした。
 親からもきつくとがめられた。「声」の内容を言わないように。
――私たちまで変に思われるでしょ――
 そのとき聞こえてきた母親の「声」に私は絶望し、誰にも心を開かないようになったのだった。
 
 どうして私だけこんな力を持って生まれてきたんだろう。毎日繰り返される疑問。私は小動物の嘆きや木々の悲鳴を聞いても、どうすることもできない。こんな中途半端な力、どうしろというのだ。どうせなら、私は加害者の人間ではなく、酸素を提供する役目を持った木に生まれたかった。そうであったら、他の生物の役に立てるのに。 
 私はこの世に存在するものは、何らかの役目を持って生まれてきていると考えている。だが、今の私は、何の役目も持っていないような気がして情けなくなってくる。
「美月さん。具時はどう?」
 保険医である泉 龍子(いずみ りゅうこ)の声が、私を現実に引き戻した。
「……あまりよくありません」
 私は答える。
「そう……困ったわねえ」
 龍子が本当に心配しているのが伝わってくる。
 彼女は私が最も信用している人間の一人である。心で思っていることと、表に出す言葉が一致しているからだ。
 私は基本的に人間が嫌いになっていた。顔で笑って、心で何を考えているか。それが実際に聞こえてしまう私が、人間に愛想を尽かすのも当然のことだ。無口と言われようと、何と言われようと、嫌なものは仕方ない。しかし、そんな私でも龍子とは本心で話せるのだ。
「一度病院に行ったほうがいいかもしれないわ」
 龍子の言葉に、私は痛い頭を横に振る。
「い、いいえ。身体が弱いのは生まれつきですし、病院にいくほどではありません。
あ、もう大丈夫みたいです」
 私はくらくらする頭を押さえて、無理矢理ベッドから身体を起こし、「お世話になりました」と言って保健室を出た。
 ごめんね、龍子先生。これは病院にいっても治らないの。


           2


 教室はうるさいから嫌いだ。たくさんの複雑な声で、頭痛が酷くなる。
 自然と廊下を歩く足取りは重くなった。ああ、眩暈がする。
「っ!」
 教室のドアの前で人とぶつかってしまった。顔を上げると気遣う目があった。
 色白で、綺麗な目をした、そこらの女子などよりずっと可愛い男子。
 そういえばこの顔は見たことがある。確か……夕影君だっけ?
――大丈夫かなあ。えーっと、どうしよう。何か声をかけるべきだよね――
 夕影の心の声が聞こえてくる。まだこんな子もいたんだ。少し嬉しくなって、私は微笑んだ。
「大丈夫よ」
「よ、よかったあ。ごめんね。
あの、具合の方はもういいの?」
 声変わり前の高い声。
「あまりよくないけど、いつものことだから」
「そっか……。お大事に」
「ありがと」
 私の言葉に夕影は笑って教室を出て行った。
 私は静かに窓側の一番前の自分の席に着いた。
 前にある余った机の上には、花が飾ってあった。担任の実家が花屋なので、よく持ってくるのだ。私はその花へ手を伸ばした。蕾の花。もう少しで開くころかな。
――咲きたい、咲きたいわ!――
 うずうずしている蕾の声が聞こえてくる。何の花かは知らない。早く咲けばいいなと思って触れると、花が開いてしまった。幸い誰も見ていないようだし、まあいいか。
 私の力はまだまだ未知数で、自分でももてあましている。他にどんな力があるのだろう。今のは成長の促進かな?
――人間も花のように素直だといいのに。
 そんなことを思いながら、退屈な授業を受けて、終了と同時に教室を出た。学校なんかに長居は無用。私は走るように学校の門をくぐって、帰路を急いだ。


 途中、公園の横を通ると、犬が飛び出してきた。体中の毛はぼさぼさで、足には怪我をしていた。
 どうして捨てるのに飼うのだろう。
「お前は何もしていないのにね。ごめんね。でも私もお前を飼うことはできないんだ」
 私は弁当の残りをあげたあと、犬の怪我している後ろ足に手を当てた。花を開かせることができたのだ。回復を促すことだって成長を促すことと同じ原理に違いない。きっとできるはず。
 案の定、傷はふさがっていった。
――ありがとう――
 犬の声が聞こえた。嬉しそうに走っていくその姿を見て、私は情けなくなった。私は礼を言われるようなことはしていない。もっと。もっと何かできたら……!
 悔しかった。私はどうして生まれたのだろう。毎日繰り返される疑問。こんなのはもう嫌だ。


             3


 ――やめろ!――
 昼休みの教室。たくさんの聞き取りたくない声を無視しながら弁当を食べていた時だ。能天を突き抜けるような悲痛な叫びに、私はびくんと身体をそらせた。
 誰? 誰が困っているの?
 声の主はすぐに見つかった。夕影だ。頬が赤く腫れている。教室の後ろの方で、数人の男子が彼を取り囲んでいた。
「ゆーれい、お前、本当に男かよ? 何だあその声は。耳障りなんだよ! それにその顔。ちょっと綺麗な顔してっからって、いい気になってんじゃねーよ!」
「何だ、その目は? やるか、ゆうれいさん」
――悔しい。悔しい! 畜生!――
 夕影の心の叫び。びんびん伝わってくる。それとは対照的に、取り囲んでいる男子たちの声は邪悪な喜びに溢れていた。
――とにかく困った顔が見たい!もっと苛めてやれ! ――
――人間サンドバックがいると助かるぜ! ――
 醜い! 汚すぎる。
「ほんと、お前気持ちわりーんだよ。中学生男子だとは思えねえ」
「俺たちが強くしてやるって言ってんだ。有り難く思えよな、ゆーれい」
 そう言いながら、一人は腹を蹴り、一人は顔を殴った。
――いってー! 僕の名前はゆーれいじゃない。余計なお世話だ! 畜生! 何で僕だけいつもいつもこんな目に!――
 人間のこんなに悲しい声は初めてだ。
 これが世に言う、苛め?
 何とかしたい。でもどうすれば……。
 私のイライラした心に反応してか、強い風が教室に入ってきた。カーテンが舞い上がる。運良くそれは夕影を取り囲んでいた男子たちにかぶさった。
 私はすかさず夕影の手をとり、教室を飛び出した。
 走る。走る。走る。そうだ、屋上へ行こう!
――バタム!
 屋上のドアを開けた瞬間、気持いい風が頬をかすめていった。男子たちは追ってこなかったようだ。とりあえず、ほっとする。
「大丈夫?夕影君」
「あ、ありがとう」
 夕影はそう言うと悲しげに笑った。
「なーんか僕って情けないね。女子に助けられちゃうなんて。こんなんだから苛められるんだよな」
 今まで保健室にいる時間が多くて知らなかったが、夕影がどこか暗い顔をしていたのは苛められていたからだったんだ。
 なんて言ったらいいか私は少し迷った。
「……成長の度合いって、人によって違うから。
それにあいつらひがんでるんだよ。夕影君顔が綺麗だから」
「……」
 夕影君は黙って空を見ていた。
 初夏の蒼い空。
 何だかその姿が痛々しかった。
 私には夕影の痛みが解らない。声は聞こえるのに。なんとかして、救えないものか……。
 ! そうだ!
 私は夕影の頭に手を当てた。
「え! な、何?」
 夕影は動揺している。
「いいからじっとしてて」
「う、うん?」
 彼の成長を促せばいいんだ。成功するかは分からないけれど、何かしたい!
 私はしばらく彼の頭に手を当てていた。
「ごめん。もういいよ」
「何したの?」
 私はくすりと笑った。
「おまじない。夕影君が強くなるように」
「おまじない、か……。美月さんって優しいね。何だか元気出た」
「それはよかった。
――あんな奴らはほっときゃいーのよ。反応すればするだけ喜ぶ馬鹿たちなんだから。ね、負けるな! 少なくとも私は夕影君の味方だから! 何かあったら相談に乗るよ」
 いじめは、無視することができるほど、軽いものではないだろう。だが、そんな言葉しか私は言えず、夕影の背中を力強く叩いた。
「あ、あたっ!
う、うん。ありがとう」
 この前の犬のときと同じ一時しのぎのようなものだ。
 だけど。何でだろう。感謝の言葉はとても気持ちいいものだった。今まで嫌悪感しか抱けなかった人間。自分もそれに属しているのがたまらなく嫌だった。
 でも。
 人間だって複雑なんだ。さまざまな思い。それは、悪い心だけじゃない。良い心は?
 加害者だけじゃない。被害者は?
 私は大事なものを見落としてきたのかもしれない。


          4


 それから一ヵ月後の休み時間。
 隣で窓から空を見ている、夕影の声は低くなっている。身長も以前より、五センチ近くは伸びてるだろう。男らしくなっていた。
 まだ何か言う男子もいるようだけれど、夕影は相手にしないようにしたみたいだ。ま、人生いろいろある。これからも、頑張れよ、夕影!
「あれ? 美月さん、何か言った? 頑張れって聞こえたような……」
 何だって? そんな、まさか。
 頭で否定をしていたそのとき、鳥が鳴きながら飛んでいくのが見えた。雨が降る、としきりに教えてくれている。傘持ってきていないなあと思っていると、隣で夕影が首をかしげていた。
「僕、耳がおかしいのかな。こんなに天気がいいのに、雨が降るって声が聞こえるんだ」
 ――え?
「あのさ、夕影君」
 私はそう言って、試しに花瓶を持ってきた。
「ま、馬鹿馬鹿しく思うのはわかるんだけど……」
 私が言い終わらないうちに、夕影君の表情は変わっていった。
「嘘だ。『私を見て』って言ってる……。
 え? どうしたの、美月さん。頭抱え込んで」
 私の力が微かに移ってる?
 私はポンと夕影の肩に手を置いた。
「これからも苦労するとは思うけど、お互い頑張ろう」
「え? 何言ってんの。美月さん?」
 夕影の声を背に、私は何だか可笑しくなってくすくすと笑ってしまった。何だか今までの自分が馬鹿らしくなっていた。
 夕影のことで人間も捨てたもんじゃないと思うようになった。私は夕影に関わらないようにしているクラスメートたちをどこかで軽蔑していた。いじめをしているのと同じだと。けれど。
 夕影に心で頑張れコールを送っている人にどうして今まで気が付かなかったんだろう。怖くて何もできない。でも、心配している。夕影のために心を痛めているのだ。とても小さい声。私は聞き逃していた。いや、人間の声自体を聞こうとしていなかったのかもしれない。
 そうだね。確かに、人間はずるくて汚いところがある。でもそれでも何とかしようと思っている人もいる。前向きに生きようとしている人がいる。
 私は? 私は命を、生きていることを無駄にしていた。絶望することで。一番最低なことだ。
 人と違う力がある? 別にいいじゃないか。それどころか、困っている夕影のような人の声を聞けるんだから、ラッキーだ。役に立てないと悩むだけでは本当に役に立てなくなってしまう。力がある分、私はできることが増えると思わなければ。
 少しでもいいではないか。それでも役に立つと言うのなら。気づいてよかった。夕影のおかげだな。
 しかし……。問題は夕影の力だ。夕影にどうして力が移ったのかはわからない。もしかしたら、人間誰でも持っている力で、それが覚醒しただけかもしれないし。でも……。
 私は考える。みんなが「声」を聞けるようになったら……。
――それは私のように苦痛を伴うかも知れないけれど。でも。 
 私は明るい未来を見た気がして微笑んだ。
                                                                了

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 それではまた必ず!               天音花香

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