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天音花香の小説をUPするブログです。個人サイトの小説はこちらに移しました。現在二時創作と短編を中心に書いています。
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天音花香
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主婦
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。一応文学部でです。ですが、大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、主婦になってから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。
もう一つのブログでは香水についてレビューをしております。
http://yaplog.jp/inka_rose/
こんな私ですが、宜しくお願いします。





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こんばんは、天音です。

今日は短編小説を一つ。
だいぶん前に書いたものですが……。

某ゲームとは関係ありません。
大好きなゲームでありますがw


ココから小説


       Fate



女の子なら、うううん、男の子だって運命を感じる恋愛をしてみたいと思うよね。
 私もそう。
でも私はもう無理なのかもしれない。
 高校一年生のときだけ一緒のクラスだった草部凪君。二年生になってからは生物の時間くらいしか会えなかった。草部君の後頭部をそっと見つめるのが好きだった。部室が隣りなのは嬉しかった。時々聞こえる、草部君の低い声。話の内容までは分からなかったけれど、声がきけるのが嬉しかった。
 でも。
 卒業して、草部君は大学に。私は浪人することになった。
 大好きになれた生物も今はどうでもいい。草部君に会えない日は退屈で、死んでいる。私の知らない草部君が増えるのは悲しくて、もし彼が死んでもそれすら分からないかもしれないと思うと怖くなる。


 草部君に会いたいな。会いたい。


 あれ? あの後頭部は……。
 ある日の予備校の帰り、見慣れた、でも最近見ることのなかった後ろ姿を見つけた。草部君?! 高校生のときの面影のある姿に、私の心臓は高鳴った。 そういえば、家が近くなんだったっけ。同じバスに乗っているなんて、すごい偶然! 話しかけたいな。でも向こうは覚えてないかもしれないよね。
 どうしよう。もうすぐ降りなきゃいけない。
 ダメもとで、行っちゃえ!
「あのっ、草部君! 覚えてるかな? 高校一年のとき一緒のクラスだった宮本です。
えっと、今、大学の帰りなの?」
 草部君は目を見開いた。、
「あ……! 
うん。覚えてるよ。……みやもとさん……も大学の帰りなの?」
 と返事をしてくれた! しかも、覚えてくれていたっぽい! 嬉しい!
「うううん。私、浪人してるから、予備校の帰りなの」
「そうなんだ…。どこを狙ってるの?」
「S大。仏文やりたいんだ」
「S大? 俺、通ってるとこだ」
「え?!  草部君S大に行ってるの?!  うわあ、すごい偶然!」
これって奇跡みたい! 頑張って受からなきゃ! 私のテンションは一気に浮上した。
「大学って楽しい?」
「楽しいよ。すごい自由。サークルとかバイトとかもできるし」
「何かしてるの?」
「うん。テニス。部活より厳しくないし、他校の人とも交流できて楽しい」
「ふーん。サークルかあ。楽しそう。わたしも頑張って大学入ろう」
「うん。頑張りなよ」
「じゃあ、私、降りなきゃいけないから。えっと……またね」
 私の言葉に草部君は手を振って応えた。あ、バイト先、聞けなかったなあ。また会えるといいんだけど……。うーん……。
そうだ、朋に聞いてみようかな。S大だし、理系だから何か分かるかも!


 予備校はちっとも楽しくない。私は予備校で友達を作れずにいた。通っている人は、大体カリカリ勉強しているタイプか、遊んでるタイプに分かれている。私はどちらかというとカリカリ勉強している方に当てはまるのかな。今は草部君と同じS大に入るためだと思って勉強をするしかない。私は今日も一人でご飯を食べ、退屈な授業を眠気と戦いながら受けた。
 今日も遅くなったなあ。
 空を見上げると、星が輝いている。自転車とは言え、暗いのはやだな。それに、お腹もすいたな。マックにでもよろうかな。私は帰りに通る道沿いにあるマックによることにした。
 ため息をつきながら、マックのドアを押し開け、ふと目線を上げて、私は驚いた。
 草部君がいる。嘘みたい。注文聞いて、笑っている。
 そういえば、朋が草部君は、マックでバイトしてるみたいって言ってたっけ。
 私もお客だから、笑いかけてくれるのかな? 思うだけでどきどきした。
 あ、目が合った。
 ! 笑った! さっきの笑顔とはちょっと違う。
「偶然だね。こんな時間まで勉強してたの?」
「うん。がんばって大学受かりたいし……」
「家、近いの?」
「すごく近いって訳じゃないけど……。○○町、×丁目」
「そうなんだ? 俺と近いんだね、家」
「……」
「そうそう、何食べますか?」
「ハンバーガーとストロベリーシェイクをお願いします」
「了解」
 にっこり草部君は微笑んだ。私はその笑顔を直視できず、俯いた。
「?」
 私は差し出されたトレーを受け取ると、空いている席を探して座り、黙々とハンバーガーを食べた。ときどきちらりと草部君を盗み見ながら。
 あんまり遅くなると母が心配するだろう。私は早々に食べ終わり、一度草部君に頭を下げて、マックを出た。草部君は笑顔を返してくれた。
 私はときどき予備校の帰りにマックに寄るようになった。


「いつもので」
 私はまたハンバーガーとストロベリーシェイクを頼んで、トレーをもらって、席に行こうとした。すると、
「もう少しでバイト終わるんだけど、途中まで一緒に帰らない?」
「え?」
 驚いた。夢みたいだ。ほんとにいいのだろうか。
「う、うん! 待ってる!」
 私と草部君は暗い夜道を、私は自転車をひいて、草部君はバイクをひいて一緒に帰った。
「バイク乗るんだね」
「うん。すぐ免許取った。車もいいけど、バイクの運転しているときの一体感が気に入ってるんだ」
「そうなんだ。サークルにバイトに、バイク。なんだか草部君の毎日は楽しそうだね」
「うん。楽しいよ。宮本さんは楽しくないの?」
 私はその問いに、悲しく笑った。
「うーん。そうだね。予備校は楽しいとはいえないね。仲のよかった友達は、みんな大学通っちゃったから、私だけ置いてけぼりみたいなの」
「そっか。でも、妥協をしないってすごいことだと思うけどな」
「そうかな。そう言ってもらえると嬉しいな。ありがとう」
 私は草部君の一言で一気に嬉しくなって微笑んだ。
「家、近いみたいだから、送っていこうか?」
「うううん。いいよ、大丈夫。自転車だし。心遣いありがとう。じゅあ、またね」
「うん、またね」


 傘に雫が当たる音をぼんやりと聞きながら、私はバスを待っていた。雨の日はすべてが灰色に見える。自転車なら、マックによれるのに、残念。でも、初めて会ったときもバスだったし、もしかしたら……と思っていると、本当に草部君がバスに乗ってきた。今日はバイトじゃないんだっけ? それにしてもすごい偶然じゃない? 私は草部君から気づいてくれるのを待ってみた。草部君は私にすぐ気づいたようだった。
「あれ、宮本さん。今日、雨だからバスなの?」
「うん。草部君は?」
「サークルの帰り」
「雨なのに?」
「室内のテニスコートもあるんだよ」
「そうなんだー。知らなかった!」
「もうすぐ受験だね」
 そうなのだ。受験が近い。勉強、一生懸命がんばっているけれど、不安は付きまとう。でも。
「うん。がんばってS大入る」
「うん。応援してるから、がんばって」
 草部君からの応援の言葉は千人の声に等しいほど力強かった。がんばろう、私。そして、草部君と同じ大学に行くの。


 私は草部君効果があってか、みごとS大に合格した。
 草部君はお祝いと称してバリューセットを奢ってくれた。
「ごめんね、たいしたお祝いじゃなくて」
「うううん。とても嬉しい。草部君の心が嬉しいよ」
「そう、ならよかった」
 草部君はちょっと照れたように笑った。
「そうだ! 近くにおいしいケーキ屋さんがあるんだ。今日は早めにバイト切り上げるから、一緒に行かない? それともハンバーガーでお腹いっぱいかな?」
 驚いた。草部君とケーキ?!
「女の子は甘いものは別腹っていうの知ってる?」
「そう、じゃ、よかった。もう少しだけ待っていて」
 私はせっかく奢ってくれたハンバーガーもしっかり食べて、草部君のバイトが終わるのを待った。
 その日食べた大好きなモンブランの味は実は覚えていない。草部君とケーキを食べるなんて。なんだか現実感がなくて、ふわふわした足取りで家路についた。それにしても、ケーキ屋さんかあ。草部君、甘いもの好きなのかなあ。
 それとも……。誰か、そう女の子と来たりしてたのかな。嬉しさ半分と不安半分でその日はベッドにもぐりこんだ。


 入学式も終わり、段々S大の生活にも慣れてきたときだった。私は朋の研究室を訪れた。理系は道路を挟んで向かい側に校舎がある。私は迷いそうになりながらも、なんとかたどり着いて、そこで見知った顔に出会い、驚いた。
「あれ? 草部君? 理学部だったの?」
「宮本さん? どうしたの、こんなところに。文系だったよね」
「うん。高校のときからの友達がこの研究室にいるんだ。あ、朋!」
「あ、宮本!」
 応えた朋の瞳が一瞬揺れた。
「今日は授業が早く終わったから、迎えに来たの。邪魔だった?」
「そんなことないよ。もうちょっと待ってて」
 朋の言葉に、私は、研究室の椅子に座らせてもらい、待つことにした。
 すると草部君が声をかけてきた。
「なんだか、よく遭うよね? 面白いほど」
「そうだね。偶然」 
 私はジンクスを信じてる。偶然も五回起これば運命になる! って。もうすぐ五回じゃない? 運命の恋! なのかもっ。
「宮本、終わったから行こうか」
「うん。ごめんね、せかしたようで。じゃ、行こう、朋」
 私は研究室を出るときに、振り返って草部君を見た。
「また時々くるかも。じゃあね、草部君」
「仏文って楽なの?」
 草部君の言葉に、私は頭をふった。
「そんなことないよ。大変だよ。ゼミも多いし、用意大変なんだから」
「そっか。どこも大変だよね。ごめんごめん」
 草部君の笑顔は私を幸せにする。もっと、もっと一緒の時間をすごせるようになればいいのに。段々心の距離が縮んでいるような気がして、私はわがままになっていってるようだ。でも、好きな人と一緒にいたいと思うのは自然なことだよね。



「こんにちは」
 図書館で勉強しているときに、頭から振ってきた、小さな草部君の声に、私は驚いて顔を上げた。図書館は理系キャンパスに一つしかなく、文系も理系も利用しているのだ。
「調べもの?」
「うん。ゼミの担当が近いの」
「そうなんだ。俺も調べ物」
 草部君は私の向かい側に座って、持ってきた数冊の本を広げ、何か書き出した。私も勉強しに来てるんだから、勉強しなきゃ。そう思って、草部君が来るまでにしていたことの続きに取り掛かった。最初は草部君が気になって仕方なかったが、担当の日まで数日しかない。次第に気にならなくなり、作業に没頭していた。自分のシャーペンが立てる音だけが聞こえていた。
 すると。笑いを押し殺したような声が聞こえてきた。
「?」
 草部君だった。
「な、何? どうかしたの?」
「いや。ははっ。
考え事しているときに、シャーペンをあごに当てるのって、宮本さんの癖なの?」
 私は自覚していない、自分の癖を指摘され、顔が熱くなるのを感じた。
「気づかなかった……。もう! 人の癖を笑うなんて、悪趣味だよ~」
「いや、可愛いな、と思って」
 と言って、しまった、とでも言うように今度は草部君が顔を赤くした。もちろん私も真っ赤になっていることだろう。
 結局一緒に図書室を出た。
 気がついた。今日で五回目の偶然だ! これは……! 
 図書室からお互いの研究室に戻るため、別れようとしていたときだった。
「あの」
「えっとさ」
 私と草部君の声が重なった。
「さ、先にどうぞ」
 私は遠慮がちにそう言った。
「うん……。じゃあ……」
 草部君はそういったものの、しばらく黙ってしまった。
 そして、覚悟したように私の目を見た。
「俺たち、なんか本当によく遭うよね」
「うん。偶然が多いよね」
 私は笑って応える。偶然にしては多すぎるほどだ。
「あの、さ……。
……。
……これって運命なんじゃないかなって最近思うんだ。だからという理由では納得できないかもしれないけれど……。付き合わない? 俺たち」
 草部君の言葉。なんだかとんでもないことを言ったような……。
 ぼんやりとしていると、
「聞いてた?」
 と草部君。私は手をパタパタと振って、
「う、うん。聞いていた。
あの、私も同じことを言おうと思っていたから、ちょっとびっくりして……」
 と応えた。顔が熱い。
「え?! そうなの? 嬉しい奇遇だなあ。ほんと嬉しい。
じゃあ、これからよろしく、宮本さん」
「うん。よろしく、草部君」
 その日から私たちは付き合うようになった。



「月曜は家庭教師。火曜日と木曜日はマックのバイト。水曜日はテニスサークル。金曜日はよく飲み会をしてる……っと。授業は……」
 草部君を待っている間、口から自然に言葉があふれ、私はふふっと笑った。
 朋に聞いて集めた情報、自分で調べた情報、しっかり暗記している。そして、そのスケジュール通りにほとんど私は行動した。よりよく会えるように。偶然ではなく、必然。それでもいいじゃないか。相手にとって偶然であるのなら。
「運は掴み取るものだもんね」


「凪ー? 何やってるんだ? 飯食いにいかね? っておい、それ、スケジュール帳じゃないの? いいのか? 燃やして」
 食堂に行く途中、立ち止まって、凪はライターで手帳を燃やしていた。炎でゆっくりと燃えていくそれを見ながら、凪は、声をかけてきた男子に、
「うん。俺のスケジュール帳じゃないから」
 と応えた。
「変なやつだな」
 彼の言葉が聞こえないのか、
「女の子は運命とか好きだよな。朋にはほんと感謝だな。
ま、でも、これから、だよな」
 と言う、凪の口元が自然と緩んだ。
「そうそう、ご飯は宮本さんと食べるから悪いけど、お前とは一緒に食べられないよ。待たせてるんだ。じゃあな」

 

                                         了

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