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天音花香の小説をUPするブログです。個人サイトの小説はこちらに移しました。現在二時創作と短編を中心に書いています。
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天音花香
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女性
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主婦
趣味:
いろいろ・・・
自己紹介:
小学生のときに、テレビの影響で、小説を書き始めました。高校の時に文芸部、新聞部で文芸活動をしました(主に、詩ですが)。一応文学部でです。ですが、大学時代、働いていた時期は小説を書く暇がなく、主婦になってから活動を再開。

好きな小説家は、小野 不由美先生、恩田陸先生、加納朋子先生、乙一先生、浅田次郎先生、雪乃 紗衣先生、冴木忍先生、深沢美潮先生、前田珠子先生、市川拓司先生他。
もう一つのブログでは香水についてレビューをしております。
http://yaplog.jp/inka_rose/
こんな私ですが、宜しくお願いします。





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こんばんは、天音です。


「緋い髪の女戦士」ですが、今日はお休み。
 次に書くシーンは決まっているのですが、ストーリー半ばを先に書いていた部分をなぜか消してしまっていたことが発覚し、落ち込んでしまいまして……。

 ということで、短編をおおくりいたします。
 ちょっと今までとは雰囲気が違うし、自分でもこれを書くことによって何を言いたいのか分らない話なんですが、あえて言うなら、
「揺れ」
かな。人間の不安定な部分を書きたかったのかもしれない。
 
 タイトル「秘密」

 短いので、さくっと読んでくださると嬉しいです。
 コメントとか頂けると嬉しいです。


 ココから小説
 
 
 その日、私、水瀬さなは少し酔っていたと思う。

 前日、研究室でのゼミの担当で、ほとんど寝ていなかったのにも関わらず、飲み会に出たのは、担当が終わった開放感からと、メンバーが親友たちとその恋人たちだったからだ。
 高校からの女友達、輝夏、百合、日向、と男友達、大樹、京平、そして、百合の彼の稲葉さんと、日向の彼の高橋さん、大樹の彼女の川崎さん。
 輝夏、日向、京平、高橋さんは同じ大学だったが、それぞれ違う専攻だったため、こうしてみんなで集まって遅くまで話すのは久しぶりだった。
 18時から集まって、飲み始めたのだが、最初は少し、ブランクのようなものがあって、話がぽつぽつとしか出なかった。だが、1時間もすれば打ち解け、すっかり昔のように話が弾んだ。
 高橋さんは何度も会ったことが会ったし、稲葉さんと川崎さんも初めて会ったような気がしなかった。まあ、最近の電話の内容といったら、ほとんど恋人の話か進路の話なので、話にきいていたからというのもあるだろう。

 それにしても。
 大学3年ともなれば、高校のときとは大分変わったな、と私は少し寂しく思っていた。大学1、2年で、ある程度遊んで、そして、今は就職活動に忙しい。よく言えば、みんな大人になった。
 高校のとき、いったいどれほどの人間が自分が将来何の仕事に就くかあなんて考えていただろう。純粋に毎日が楽しく、きらきらしていた日々が少し懐かしい。
「さな? どうしたの? 黙っちゃって」
「え? あ、うううん。えっと、みんな大人になったよなと思って」
 輝夏の言葉に、思ったままを口にして、ちょっとしまったかな、と思った。
「あはは。何、急に。
でも、そうだねー、さなはあんまり変わらないよね」
 そう言った百合に私は咄嗟に言葉を返すことができなかった。それは、自分で感じていたことでもあったから。
「もう、百合! 
違うんだよ、さなは、すれてないままだって言ってるんだよ? いい意味でだよ?」
 日向が優しく言った。日向はおっとりしていて、誰に対しても優しくて、そして、容姿も可憐で、私の憧れだった。自分が男性だったら、きっと彼女に恋をしていただろう。
 そう、私にとって日向は、みんなの中でも特別だった。
「ごめんごめん、さな。うん。日向の言うとおりだよ。
でもそんなこといったら、日向も変わんないよね」
「というか、私は自分が変わったとか思わないけど?」
「そうか? 俺から見たら、みんな変わったと思うよ。女らしくなったっていうか。以前じゃ考えられなかったよな、化粧とか」
 京平が意見を漏らす。
 そんなものなのかな、と私は思った。みんな自覚はないんだ。
 なんだ、一緒だ。ちょっと安堵している自分がいた。
「まあ、そうね。高校のときは日焼け止めも塗らずに、夏なんか真っ黒になってたからね~」
 輝夏が笑った。
「今も焼けてるって!」
 大樹がつっこむと、
「何よ、テニスしてると焼けるのよ」
 と輝夏が返した。
 化粧、か……。私は三人と比べるとほんのりとしか化粧はしていない。
 単にゼミが忙しくて、それどころではない、というのが理由だ。お化粧の仕方を研究するより、学科の研究が優先だからだ。
 そう、ゼミが忙しくて、就職活動もみんなより進んでなかった。
 私が劣等感を覚えるのはそういうところもあるのかもしれなかった。
 いや、そうじゃないか。
 劣等感。
 昔から私から消えないもの。
 私は自分に自信がなかった。
 だから惹かれたんだ……。
 大学生になっても忘れられない彼の顔がまた脳裏にちらつく。
「……」
 日向が心配そうに私を見ていた。
 大丈夫、と目で返す。
 日向の目がふっと笑む。優しさに満ちた瞳。
 大好きな日向の瞳。
 昔から変わらない。そう思うとなんだか心が温かくなった。
 ありがとう。
 日向のおかげで、私はそのあと、普通に会話に戻ることができた。

 高校生のときとは違う私たちだけれど、でも、こうやって集まって話が出来ることを大切にしよう。今日感じたような「違い」はこれから大きくなっていくのかもしれない。それでも、これからもこうやって集まって、話をしよう。
 

「じゃあ、今日はこれでおひらきってことで」
 大樹がお店の前でいい、それぞれ帰路につくことになった。
「私たちこっちだから……。京平、さなを駅まで送ってあげてよ。
心配だから、さな。尚樹もそうしてあげて」
「え!? 高橋さんは日向を送ってください!」
 日向の言葉に私は驚き、言った。
「いいの、私たちこっちだし…尚樹、頼んだよ」
「わかった。じゃあ行こうか」
 高橋さんがそう言って、私たち三人は歩き出した。
「さなはぼんやりしてて、キャッチセールスとかに捕まってるからな。道もよく尋ねられるけど、少しは警戒心をもたなきゃ危ない目に合うよ?」
 京平の言葉に高橋さんがそうなんだ、と笑う。
「そうそう。ふらふらしてるからいつも誰かが面倒見てたよな」
 京平が笑う。私はちょっとむくれて、
「大学に入ってからは少しは一人でもなんとかやってるもの」
と言った。
「ほんとか~?」
 京平が茶化す。
「ふふ、君達は本当に仲がいいんだね」
 高橋さんの言葉に私と京平は顔を見合わせた。
「あ、いや、君達二人じゃなくて、みんな」
 高橋さんの言葉に、京平は少し複雑そうな顔をして、
「まあね」
と答えた。
「俺とさなは中学からのつきあい。塾が一緒で」
「へえ、長い付き合いなんだね」
「輝夏と三人。今は恋人いないトリオだけど高校のときは逆だった。俺達とあ、日向にも彼がいたな」
「そうなんだ。さなさんはちょっと以外、かな」
 高橋さんが私を見て言った。
「まあ、そうだな。正直付き合いだしたときは俺達も少し驚いた」
 私は無言だった。触れられて嬉しくはない話題だったから。
 先ほど脳裏にちらついた顔がまたちらつく。 
 私の片想いだった。一年思い続けて告白した。彼はそれを受け入れた。でも、彼が私を好きだったからかというと……。
「さな? 酔ったのか?」
「うーん、そうだね、少し酔ってるのかもしれない」
「大丈夫か? 危ないなあ。俺、こっちだけど、駅まで送ろうか?」
 京平が心配そうに私を見ていた。
「いいよ。もう子供じゃないんだから。高橋さんもいるし……」
「そうか?じゃあくれぐれも、高橋さん、さなを頼むな」
「了解」
 京平がいなくなり、私と高橋さんは二人でしばらく無言で歩いていた。
 沈黙は嫌いだ。嫌でも思い出す。
「高橋さんはお酒は強いほうなんですか?」
 耐えられずに私は口を開いた。
「いや、そんなには」
「じゃあ私と同じですね。好きは好きなんですけど」
「僕もだよ。日向は見かけと違って強いから、いつも酔うのは僕のほう」
 高橋さんは日向の名を口にして微笑んだ。
 日向は愛されている。
 何度か二人でいるところを見たことがあるが、お互いを見つめる目はどこまでも優しく、そして甘い熱を帯びているのを知っている。
 私は彼にあんな目を向けられたことがあっただろうか。
「さなさん? あ、雨かな」
 高橋さんの言葉に私は我に帰り空を見上げた。確かに雨粒が落ちて来ていた。
「もうすぐ家だから傘を貸すよ。駅からもまだあるんでしょ?」
 私は迷ったが、
「じゃあお借りします」
と返事をした。
 
 高橋さんが鍵をあけ、どうぞと中に促した。私は躊躇った。
 日向が高橋さんと過ごす家。
 高橋さんは首をかしげた。
「お茶ぐらいいれるけど?」
と扉を中から開き、私を見た。
 断るのも変に意識をしすぎかもしれない。
 私は玄関までは入ってそこで、ワンルームの高橋さんの家を見た。大好きな日向がたくさんの時間を過ごしている部屋。日向の趣味であろうぬいぐるみ等が見えた。
 二人の領域。二人が愛を語らい、そして……。
 とにかく、ここは私が入っていい場所じゃない。
「さなさん?」
 不思議そうに高橋さんがこちらを見た。
「お茶は結構です。傘だけかしていだだけますか?」
「もちろん構わないよ」
 傘を手渡してくれる高橋さん。身長が彼と同じくらいなのに気づいた。
 目が合う。優しい眼差し。
 この目を日向は見ているのだ。そして、高橋さんは日向を。
 胸がきゅうっと痛んだ。
 羨ましいと思った。それ以上に悲しさを覚えた。


 彼は。
 私と目を合わすことが少なかった。
 彼の自信に満ちた目がすきだったのに。
 澄んだ眼差しが私に向けられればどんなに幸せだろうと思った。
 でも彼はいつも前ばかり見ていた。それだけじゃない。歩調も変わることなく。私はいつも速足で彼について行くのに必死だった。セックスをするときさえ、彼は私を気遣うことは無かった。
 なぜ付き合ってくれたんだろう? いつも胸を占めていた疑問。結局わからないまま……。
「君を好きにまでなれなかった」
 たった一言の真実は別れの言葉だけで。

 高橋さんが驚く気配が伝わってきた。
 私が高橋さんを見上げるとすうっと幾筋もの涙が頬を伝っていった。
 駄目だ。私は酔っているのだろうか。
 私が高橋さんを見る目にはきっとやりきれない思いが宿っていたと思う。

 そのときだ。
 私の涙を高橋さんが優しく掬った。
 長い指だった。
 私は困惑気味に高橋さんを見た。
 視線が絡む。
 そのなかに日向を見つけて、私は、咄嗟に逸らそうとした。
 私、帰らなきゃ。
 ドアノブに手をかけたとき、カタンと音をたてて傘が落ちた。
 拾わなきゃ。
 でも、視線を高橋さんから逸らせない。
 高橋さんの手がドアノブを握る私の手に触れ……。
 アルコールの香りが鼻をかすめた。
 それがどちらのものかわからないままに、私の唇は塞がれていた。
 私は混乱し、眩暈を覚えた。でも抗えなかった。それは私が知っているキスとは違う、優しく甘いものだったから。

 日向!

 親友を思い出そうとした。
 のに。
 かくんと膝が折れた。ずるずるとドアにもたれながら、私は座り込み、その間も高梁さんの唇が離れることはなかった。
 戸惑いはあった。
 でも。
 身体が熱い。
 ぼんやりと高梁さんを見つめる。
 私は狡いかもしれない。
 高橋さんが私から離れる。
 手はまだ重なったままだ。
 高橋さんの瞳が一瞬躊躇うように揺れ、そして。
 次の瞬間その瞳に熱が灯るのを見た。
 高橋さんは私を抱き起こし、再びキスをした。そして、さらに私を引き寄せた。
 引きずられるままに玄関から部屋へ一歩入るとき、私は僅かな抵抗をした。だがそんなことは無意味だった。
 罪悪感と高揚感。
 それは苦く甘い毒となって全身を駆け巡る。
 日向の場所のはずのベッド。
 私は促されるがままに彼に身を委ねた。
 私の体を這う指は優しい。
 私は初めて女である幸福を覚えた。

 高橋さんは優しかった。
 日向にもするのだろう。高橋さんはセックスの後、腕枕をしてくれた。
 でもそのときの高橋さんの眼差しには戸惑いがあった。
 そして私の中でも、高揚感は消え、罪悪感だけが大きく膨らんでいた。
「電車がなくなるので……」
 私の言葉に、高橋さんはぼんやりとしながら、
「そうだね」
と言った。
「駅まで送るよ」
 私たちは無言で歩いた。
 日向の顔がちらつく。きっと高橋さんも同じだろう。
 駅の前まできたとき、高橋さんは私を見つめて、ごめんといった。
「僕は日向を愛してる。だから、君を選ばない」
 そんなことは解っていることだし、安心さえ逆に覚えた。
 でも切なかった。高橋さんは優しかったから。勘違いをしそうになるほど。
「……。言い訳にしかならないのは分かってる。でも……」
 高橋さんの指が私の左頬に触れた。
「そんな目で男を見ちゃだめだ」
 私はどんな目をしていたのだろう。誘うような目をしていたのだろうか。
「無防備で、置いていかれた子供のようで……ほうっとけなくなる……。ごめん、やっぱり言い訳にしかならないね。
でも気をつけたほうがいいと思う。例え相手が知人だったとしても。ごめん、偉そうだよね。自分は君を傷つけたのに」
「いえ……」
「……」
「日向には言いませんから安心してください。私も大事な親友を無くしたくない。
でも、約束してください。私が言うのもなんですが、もう浮気はしないと。
それとも他にもあるんですか?」
「ないよ。君が初めてだ。もうしない。誓うよ。日向を大事にする」
 彼はもう浮気はしないだろう。後悔の滲む高橋さんの目を見つめて私は確信した。
「よかった。それじゃおやすみなさい」
「……気をつけて」

 電車から夜の街を見て、しばらく私はぼんやりとしていた。
 自分がよくわからなかった。
 大好きな日向の彼なのに。
 うううん、日向の彼だから?
 日向が好きな彼が羨ましかった。
 日向を好きな彼が羨ましかった。
 試したのだろうか? 日向への気持ちを。
 それは口実。
 私はあの一瞬、高橋さんを求めたのだから。いや、たぶん「彼」を高橋さんに求めてしまったのだろう。
 でも、違った。
 私は目を閉じる。
 高橋さんは優しかった。そして、日向を愛している。
 不毛な一夜。
 でも幸福な夜だった。


 以後も高橋さんとは何度も会う機会があった。高橋さんは相変わらず、日向だけを優しい目で見つめている。その姿に私は安堵する。
 でも偶然私と目があうと、その瞳には複雑な光が宿る。
 私たちだけの秘密。
 罪悪感。それだけではない。思い出す幸福感。
 でも。
 日向が一番大切。
 この気持ちも私と高橋さんの揺ぎ無い気持ちだ。
 だから、秘密は秘密のままに、私たちは時を重ねるだろう。
 そしてまたみんなで会う……。



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 それではまた!               天音花香

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